神奈川県水産技術センター メルマガ383

掲載日:2014年1月18日

神奈川県水産技術センターメルマガ VOL.383 2011-11-25

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/KN/ 神奈川県水産技術センターメールマガジン  VOL.383 2011-11-25
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□研究員コラム

○ ソーティングというお仕事   (資源環境部 田島良博)

○ 岡本太郎氏ゆかりのドジョウ  (内水面試験場 勝呂 尚之)

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○ ソーティングというお仕事   (資源環境部 田島良博)

 調査用底びき網を用いた生物相モニタリング調査についてはメルマガでも何度も話題にしてきましたが、今回はもう少し小さい生物を対象にした調査のお話をします。

 生物相モニタリング調査の網は、一番細かい部分の網目が1辺約1センチの菱形ですが、ここで紹介するソリネットは網全体が1辺5ミリの正方形です。これが実に小さな生物まで採集してくれます。甲羅の幅が5ミリくらいのカニや長さ1センチ程度のエビなど、よく見ないと見落としそうなサイズの生物がゾロゾロと。

 このサイズの生物が相手だと、網を船に上げた後船上で生物を選別するのは困難なので、砂利や貝殻その他のごみなどを一緒に持ち帰ります。種類を調べたり写真を撮ったりという作業の前に、まずごみの中から生物を選別しなければなりません。この作業をソーティングと呼んでいますが、結構地味な上に難儀な仕事です。

 10リットルのバケツ半分から1杯ほどの砂利の中には、様々な大きさや形の生物が含まれています。そのため、水で洗い流したりふるいを使ったりして比重や大きさである程度サンプルを分けた後、個別に生物を拾い出します。サンプルの総量にもよりますが、大量のときは5定点分のサンプルのソーティングと計数・測定で約1週間かかります。

 幅40センチほどのバット(プラスチックの角皿)に少量の砂利と水を入れて、カリカリと広げながらピンセットで生物を拾う様は結構異様かもしれませんね。基本は生き物拾いなので楽しい面もありますが、延々と続くとなかなか苦痛になってきます。そんなときの気晴らしのひとつになるのがヒトデ。

 棘皮動物(ウニやヒトデなど)の仲間は体の基本構造が五放射相称であるため、多くのヒトデは5本の腕が放射状に伸びています。しかし、たまにその中に6本腕のものが見られます。数十個体に1個体くらいの割合ですが、歪みのないきれいな6本腕です。4本腕も見られますが、遭遇確率は6本腕よりはるかに低いように思います。6本腕になる理由はわかりませんが、奇形の1種かと思われます。

 感覚的には4つ葉のクローバー探しみたいなものですが、6本腕のヒトデに幸運を呼び寄せるご利益があるという話は聞いたことがありませんね。1センチほどのヒトデを見て気が紛れると思えば、それがご利益といってもよいでしょう。

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○ 岡本太郎氏ゆかりのドジョウ  (内水面試験場 勝呂 尚之)

 先日、川崎市の生田緑地にある池でホトケドジョウ(写真1)の調査が行われました。参加者は胴長姿、手に網とバケツ、一見、密漁者のような出で立ち、真剣なまなざしで「ドジョウすくい」に熱中しています。彼らは「生田緑地の谷戸とホトケドジョウを守る会」のメンバーです。今回は他のNPOや日大生たちも応援に駆けつけ、ワイワイ賑やかです(写真2)

 もう10年以上も前のことですが、この地に岡本太郎美術館が建立されました。当時、建設予定地には湧水があり、絶滅危惧種のホトケドジョウが生息していました。そこで市や市民団体および試験場が参加して委員会が結成され、対応を話し合いました。その結果、緑地内に4つのビオトープを造成、ホトケドジョウを移動し、維持管理は「ホトケの会」へと移管されました。現在、当時を知るメンバーはわずかですが、その活動は生田緑地をよく利用する人や淡水魚の保全に関わる人材に引き継がれています。

 今回は、ホトケドジョウの生息状況調査が行われましたが、たくさんの魚が採集され、順調に繁殖が確認されました。アメリカザリガニなどの外来種も侵入しているので、捕獲して取り除きます。また、大雨が続き、土砂がビオトープへと流れ込み、浅くなってしまったので、スコップとバケツを使って土砂を搬出します。体力勝負でたいへんな作業ですが、みんなでワイワイやると、時間の経過を忘れます。数時間で立派なビオトープが復元されました。都市部に自然を再生するためには、長い年月と地道な地域の人のサポートが必要です。

 さて、巷では、野田総理を中心に新たな内閣が設立され、「ドジョウ内閣」と呼ばれています。マスコミから試験場へもドジョウに関する問い合わせが増えましたが、どんな質問が多いかわかりますか?・・・・・それはドジョウの「寿命」でした。ちなみにホトケジョウの寿命は自然水域では2-3年です。

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