神奈川県水産技術センター メルマガ388

掲載日:2014年1月18日

神奈川県水産技術センターメルマガ VOL.388 2012-2-3

-- Fish-mag >゜)))< ------------------------
/KN/ 神奈川県水産技術センターメールマガジン  VOL.388 2012-2-3
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
□研究員コラム

○ オキヒイラギの話 (企画経営部 臼井 一茂)

○ 神奈川県漁業者交流大会に出席して (栽培技術部 水津敏博)

----------------------------------------------------------------

○ オキヒイラギの話 (企画経営部 臼井 一茂)

 寒い時期になると鍋物が恋しく、それの素材になる魚介類が気になります。この時ばかりは日本海側で漁獲される底ものや、北海道の厳つい顔つきの奴らが、思い浮かびますね-!!ジュンサイのようにヌメリごといただくゲンゲ汁、プルプルふわふわした食感のゴッコ汁、関東にも水を使わず作るアンコウのどぶ汁がありました。みんなコラーゲンをいただく料理、身体に優しい温かい郷土料理ですね。

 郷土料理(魚介類のです)というと、マグロのねぎま鍋なども美味しいですが、日本各地で特有に獲れる地域でしか知られていない魚介類、漁獲量がまとまらないとか小型魚などの雑魚扱いされる利用が少ない魚介類を使った鍋もいいですよ。それから、サンマやスルメイカなどある一種類が多く獲れるところや、山間部などで利用できる水産物が少ないところでは、地域の調味料や野菜と共に上手く調理された料理があり、毎日同じ材料のおかずであっても、おいしく食べられる工夫があります。これこそ、水産物を上手に食べる魚食文化だと思いますね。

 さてさて、話は少し変わります。神奈川県には三浦から湯河原までの相模湾で、いくつもの定置網が操業しています。運搬船で運ばれてくる魚は、海水と氷が混合した水氷に入れられて、体温を奪い魚を直ちに殺すことで鮮度を保たれているのですが、いつもこの水氷の中で氷と共に浮いている、銀色に輝く小さな魚がいます。この魚は「オキヒイラギ」といい、本県では殆ど利用されていない、大量には獲れませんがコンスタントに獲れる、雑魚として扱われる魚です。

 このオキヒイラギは、やや沖合いの海域に分布しており、成魚では体長が大きくても10cm程までです。体型は平べったくてラクビーボールのような楕円形をしており、体色は少し青みがかった銀白色で虫食い状の暗色班があります。

 沿岸には釣りなどでよく知られている近縁の「ヒイラギ」がおり、特徴として体表に多量の粘液が分泌され、手で触れるとまとわりつくようなヌメリを持っていて、堤防や河口付近で釣りなどしていると、「ギィギィ」と鳴きながら粘液がまとわりつくのに困る経験をした方も多いのではないでしょうか。別名としては、千葉県でギラ、静岡県でエノハ、高知県でニロギなどと呼ばれています。ちなみにもっと別名を調べると20もの呼び名(地方名)がありました。

 このオキヒイラギは、特に冬から春の高知県の名物としてしられ、丸干しをさっと炙っり、ユズやなどの柑橘などの酸味を与えて口に運べば、骨まで丸ごと食べられて、実に深い滋味とも言うべき味わいは、燗酒にはピッタリのあてになります。

 神奈川では、小田原の干物屋さんがまとまった量が上がったときなどに、時々作って販売もしている程度ですが、真鶴半島や伊豆半島の観光地まで足を伸ばすと、このオキヒイラギの丸干しが串や藁で束ねられて、手頃な値段で定番の商品として売っています。(オキヒイラギの丸干しの写真)

 昔の話ですが、伊豆のホテルの朝食だったと思います。ヒイラギといっていましたが、きっとこのオキヒイラギだと思います。身をスプーンでこそげ取ってすり身にし、骨を炙ってダシとして、小さめのすり身団子が浮いたおすまし(潮汁かな?)としてもてなされたことがあります。いやいや、これは実に旨かったですよ!!

 個人としての意見ですが、郷土料理とか地元のグルメとしては、ヒイラギみたいに小さい魚、普通の方が見知らぬ魚、それらは刺身や焼き物など全ての調理法には適しないものですが、これだけは旨いという長所を伸ばす適した調理法で、趣のある旨さを引き出した料理を残すことや、新たに改良した食べ方などを造りだし、日本が誇れる魚食の文化として上手く利用してもらいたいですね。

 そうそう、オキヒイラギよりもヌメリが凄いヒイラギ、このヌメリが付いたまま作る吸い物風の汁が旨いとか。いつか手に入れられたら、たぶん河口で釣りをしたときかな、試してみようと思います。皆さんも、是非お試しあれ。

----------------------------------------------------------------

○ 神奈川県漁業者交流大会に出席して (栽培技術部 水津敏博)

 1月10日にかながわ県民センターで開催された神奈川県漁業者交流大会に出席しました。

 本年は、漁業者が営む食堂についての発表があり、地産地消や漁獲物の有効利用などに熱心に取組まれていることに感銘を受けました。

 この大会は神奈川県漁業青壮年婦人活動実績発表大会などとも呼ばれていましたが、もう50年以上の歴史があり、漁業者の皆様が日ごろの研究成果などを発表する場として毎年1月上旬に開催されています。

 私は、20代の時に普及員としてこの大会の運営に参加し、発表する漁業者の方へアドバイスなどをしたこともあり、今でも顔馴染みの漁業者の方々への新年のご挨拶を兼ねて毎年出席しています。私が知っている方々も年齢を重ね、漁業協同組合の役員に就任するなど本県の漁業を支える漁業者として活躍されています。

 以前は、この方々も私と一緒になって増養殖や漁具漁法の改良に取り組み、この大会に参加し緊張しながらも一生懸命に研究成果を発表しておりました。

 この大会は、漁業者の方々の日ごろの成果を発表する良い機会であり、貴重な経験を得る場を提供するという重要な役割があります。

 これからもこの大会で漁業者の方々がすばらしい発表をされることと存じます。私も、毎年、出席したいと思っております。

----------------------------------------------------------------

■水技Cメールマガジン(隔週金曜日発行)
■メルマガの配信の変更、解除、ご意見やお問い合わせはこちらのメルマガお問い合わせフォームからお願いいたします。

発行:神奈川県水産技術センター 企画経営部
住所:〒238-0237 神奈川県三浦市三崎町城ヶ島養老子
電話:046(882)2312

-----------------------------------------------------------------

メルマガTOPへ

神奈川県

このページの所管所属は 水産技術センター です。