神奈川県水産技術センター メルマガ391

掲載日:2014年1月18日

神奈川県水産技術センターメルマガ VOL.391 2012-3-16

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/KN/ 神奈川県水産技術センターメールマガジン  VOL.391 2012-3-16
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□研究員コラム

○ 魚と私(その2) (所長 米山 健)

○ あなご学うんちく(15) (資源環境部 清水 詢道)

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○ 魚と私(その2) (所長 米山 健)

 昨年9月の当メルマガでは、魚との関わりとして、子供の頃の話を書きましたが、今回は、思い出に残る魚について触れてみます。

 最も思い出深い魚は、大学生の時に研究していたキツネメバル、ウスメバル、ユメカサゴの3種です。メバル亜科という項目に分類される近縁の魚ですが、これらの生活は、微妙に異なっており、その生態を比較するというテーマでした。

 漁場は仙台湾で、今回、東日本大震災の被害にあった福島県の相馬原釜漁港を根拠地とする沖合底引き網漁船によって漁獲されたものを研究していました。沖合底引き網漁船は、朝早く漁港に戻ってきます。漁師のおかみさんたちは、水揚された魚介類を手早く分け、箱に入れていくのですが、私は、それからセリが始まるまでの間に魚の体長や体重などを一尾ずつ測ります。その後、魚を数個体購入して研究室に持ち帰り、解剖して耳石や生殖巣などを取り出し、年齢や成熟度などを調べるわけです。

 研究に励んだから思い出に残っているという部分もありますが、本当は、私がこれまで食べた魚の中で、「最も美味しい魚」の称号を与えられると思うほどだからです。

 特にキツネメバル(後に分類が進みタヌキメバルという魚種もできたそうですが)はうまい。神奈川県でもメバルはおり、またウスメバルは日本海で獲れたものが、スーパーで赤メバルという名前で売られています。どちらも美味い魚ですが、身に臭いがあり、私の評価ではベストというところまでは行きません。

それに比べ、キツネメバルは、私の好みの味で、白身には脂を有し、刺身でも焼き物でも最高でした。大学を卒業してから30年以上たちますが、それから一度も口にしていません。東北の漁業が元気になって、キツネメバルを食べに行けるようになれば良いのにと、大震災からの一日も早い復興を祈っています。

あと、ユメカサゴも美味い魚ですが、その話は次回にでも。

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○ あなご学うんちく(15) (資源環境部 清水 詢道)

 2月23日の新聞各紙、テレビ各局が一斉に「アナゴ産卵場所特定」という報道をしました。水産総合研究センタ-、東京大学、九州大学の研究チ-ムの調査で、沖ノ鳥島の南方約380kmの九州-パラオ海嶺でマアナゴのレプトセファルス(全部で20個体、最小サイズは全長5.8mm、孵化後3-4日と推定)を採集した、という内容です。マアナゴというのは馴染み深い魚であるのに、その生態は謎だらけで、特に産卵生態がわかっていない、ということをこのコラムで延々と繰り返してきましたが、産卵場がどこか、という最大の謎の解明が大きく進んだことになります。産卵場がどこなのか、を証明するには、生まれたばかりの魚を採集すること、または、成熟の進んだ親魚を採集すること、のどちらかが必要ですが、今回の調査で「生まれたばかりの魚」の採集に成功したので、産卵場の特定が大きく進んだことになります。産卵場がここだけなのか、ほかにはないのか、などまだ明らかにしなければならない課題はありますが、マアナゴの日本に向けての長い旅の出発点を地図上に示すことができた、といえます。年に3回ほど、海外漁業協力財団を通じて、主に発展途上国の人たちにマアナゴの資源管理の実践について説明する機会がありますが、そこで使っている、マアナゴが産卵場からどのように日本沿岸に来遊するのかという図に、ようやくはっきりした産卵場を記載することができます。日本沿岸に来遊するマアナゴは太平洋側では黒潮によって、日本海側では対馬暖流によって輸送されるという考え方から、私は産卵場は黒潮の上流域であろう、と想像していました。しかし今回の発見は、想像していたよりはるか遠く、黒潮の源流域よりも遠い北赤道海流域のようです。縮尺を拡大して図の全体を書き直さないといけません。

 ところで、日本から産卵場にもどるのはどのような道筋なのか、考えてしまいますね。地図上では東経136度の線をまっすぐに南下すれば九州-パラオ海嶺に到達できますが、その間ほぼ1800km、泳ぎが得意とは思えないマアナゴにとってはつらい、長い道だろうなと想像してしまいます。産卵場がもう少し近ければいいのに。

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