神奈川県水産技術センター メルマガ396

掲載日:2014年1月18日

神奈川県水産技術センターメルマガ VOL.396 2012-5-25

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/KN/ 神奈川県水産技術センターメールマガジン  396 2012-5-25
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□研究員コラム

○ マナマコの魚市場調査 (資源環境部 石井 洋)

○ 宅配便によるアユの輸送 (内水面試験場 相川 英明)

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○ マナマコの魚市場調査 (資源環境部 石井 洋)

 水産技術センターでは、主要魚種の資源研究等のために、魚市場に水揚げされた漁獲物の体サイズを測定する、通称「魚市場調査」を実施しています。体サイズ測定は、マダイやヒラメなどの硬骨魚類では伸縮もなく、アワビやサザエなどの貝類も硬い貝殻あるので、それほど難しい作業ではありません。

 しかし、棘皮動物のマナマコには背骨などの骨格が無く、体型が自在に変わるため魚や貝のようにはいきません。マナマコは、水槽から取り上げるとそれが刺激となって硬く縮みますが、測定板の上に載せるとみるみる弛緩して、まるで、ハムが特大ハンバーグに変形するかのようです。そのため、魚市場調査が困難な魚種と言われていました。

 現在、マナマコの体サイズの基準として麻酔体長があり、これは麻酔液で十分弛緩したマナマコの頭部吻端から尾部末端を測定するものです。ところが、魚市場調査では測定するのはすべて商品であり麻酔をかけるなんて、できるわけありません。

 そこで、徳島大学の浜野龍夫教授と北海道大学の山名裕介先生が考案された標準体長の回帰式と、パソコンによる画像処理でマナマコの体長測定を行ってみることになりました。標準体長の回帰式とは、12万回にもおよぶ「あらゆるナマコの体型」の測定結果から、体長と体幅を一回測定するだけで体の伸縮状態に関わらず麻酔体長を推定できる回帰式のことです。

 体長測定の方法は、魚市場で水揚げされたマナマコをトレーに並べて写真を撮ります。サイズ補正のグリッドも同時に撮影しておきます。魚市場での作業はそれだけなので、出荷作業を煩わせずに済みます。職場に戻り市販の画像処理ソフトを用いて画面上で全長と、全長の1/2上の幅を計り、グリッドの長さで補正して測定値がでます。それを前述の標準体長換算式に当てはめるとマナマコの麻酔体長の推定値である標準体長を得ることができます(ナマコの測定結果)。

 この方法により、今漁期のマナマコの魚市場調査は無事終了することができ、次年度以降もこの方法で行っていくつもりです。

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○宅配便によるアユの輸送 (内水面試験場 相川 英明)

 一般的に生きた魚の輸送は、酸素の供給装置を備えた活魚車で行いますが、今回、アユ100尾程度と少量だったので、金魚などの観賞魚の輸送で行われている方法、魚を飼育水と酸素と一緒にビニール袋に詰めて宅配便による輸送を、アユで実施しようと思い立ちました。

 まず、内水面試験場から400kmほど離れた研究機関までの到着時間を調べると、午前中に発送すれば、翌日の午前中に到着することが分かりました。

 ところが、袋づめした状態でアユを24時間輸送するとどうなるのか?の情報がなかなか見つかりません。

 そこで、自分のメモ帳を見てみると、数時間の輸送については、アユを袋づめして輸送した実績や、アユを活魚車で輸送する際の情報などがありました。これらのことから、24時間輸送する場合、飼育水の塩分濃度は0.7%程度、ビニール袋へのアユの収容量は飼育水10Lに対し、アユの重量170g程度であることが考えられました。

 このことを検証するため、3g/尾サイズのアユ50尾(アユの重量150g)を飼育水10Lとともにビニール袋に酸素づめして、24時間観察したところ、1尾も死なず、このアユを再び、飼育池に収容すると元気に泳ぎ出すことが確認できました。

 次は実際に宅配便による輸送です。アユと飼育水と酸素を詰めたビニール袋をダンボール箱に入れ、宅配便業者に持ち込みました。荷物の伝票には、品名「アユ」、注意書きは「こわれもの」、「逆さま厳禁」、「下積み厳禁」として発送しました。

 翌日の正午前にアユの送付先から「到着時、アユは1尾も死亡していない」と連絡があり、アユを無事に輸送することができました。

 また、今回の事例から気温が20℃を越えない場合、宅配便はクール便ではなく、普通便で済み、比較的安価に輸送できることも確認できました。

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