神奈川県水産技術センター メルマガ398

掲載日:2014年1月18日

神奈川県水産技術センターメルマガ VOL.398 2012-6-22

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/KN/ 神奈川県水産技術センターメールマガジン  VOL.398 2012-6-22
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□研究員コラム

○ いくらだったらたくさん買ってもらえるのか (企画経営部 鎌滝 裕文)

○ サヨリの網に入った珍客 (資源環境部 加藤 充宏)

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○ いくらだったらたくさん買ってもらえるのか (企画経営部 鎌滝 裕文)

 私たち研究所職員は、漁業者の人たちに対して獲ってきたものをただ水揚げするだけではなく、自ら加工し、売るところまで考えてもらうという指導も仕事のひとつとしています。しかし、漁業者は加工して商品をつくったとき「その商品がいくらだったらたくさん買ってもらえるのか」ということを気にすることが多いです。

 高すぎると売れないし、安すぎると自分の利益も少なくなる。だから皆さんに気持ちよく買ってもらいたい価格で、しかも自分も最大の利益を出したい。かなり欲張った話ですが、水揚げ量の減少、魚価安、燃料費高騰と3重苦の現在では漁業者がそのような考えをもつのは当然なのかとも思います。

 漁業者が売り出そうとする商品は価格的には高価ではありませんが、自分たちの経費を削減している分、ベストな価格を知りたいという欲求は高まるようです。

 そのような疑問に応えるのは私たち研究員の役目です。実際に「いくらなら一番受け入れられやすいか」アンケート調査を実施し、価格感度分析(英語の頭文字をとってPSM分析とも言う)という手法を用いて皆さんに受け入れられやすい価格を簡単に知ることができます。この調査方法は民間企業でもよく行われるもので、分析方法もそんなに難しくありません。もし、題名のようなお悩みのある方は一度試してみてはどうでしょうか。

 私たち研究員は、漁業者の皆さんからあった要望に応え、分析した結果を漁業者に伝えることは非常に重要と考えています。こうしたことで、県民の皆さんにも値頃感のある地元の水産加工品を手にしていただけると考えています。私が実施した価格感度分析の研究報告をここから見ていただくことができます。

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○サヨリの網に入った珍客 (資源環境部 加藤 充宏)

 3月のある日のこと、平塚のとある漁業者の方から、私あてに電話がかかってきました。「サヨリの網に小せえサメが入ったんで、とっといたからよ-」 この漁師さんは普段はシラス船びき網をやっている方なのですが、今年の春はシラスが不漁だったため、代わりにサヨリを獲っていたのです。

 しかし小さいってどのくらい? 「10センチもねえかな?」 ・・・えっ!?それホントにサメですか? 「サメだよ- 黒くて目がでけえから深海のサメじゃねえか?」 ・・・10センチもない黒いサメ・・・ 見たことないけどひょっとしてアレかしら?

 後日、件の「小せえサメ」を受け取り図鑑で種の同定をしたところ、想像どおりこれは世界最小のサメとして名高い(?)ツラナガコビトザメ(写真1)でした。本種は最大で全長30センチ程になるそうですが、この個体は全長8センチ程と手のひらに乗るほど小さいので、まだまだ子どもなのでしょう。体の割に大きな眼(捕まえた時は綺麗な緑色だったそうです)がなかなか可愛く、そのままケータイのストラップにしたい気もしました(この辺、異論があることは重々承知です(苦笑))。

 また本種は、漁師さんの想像どおり水深約350-900メートルの深海に生息しているそうで、ごく表層をひくサヨリの網に入ってきたこの個体は、何らかの理由で浅いところまで流されてしまった可哀想なヤツなのかもしれません。

 さて、このサメはアゴの歯にも面白い特徴があります。上アゴの歯は細長いトゲ状なのに対し、下アゴの歯は幅広のナイフ状と、上下で形が異なっているのです(写真2)。これを見て思い出したのが、ダルマザメという面白い生態を持つサメのことです。このダルマザメもまた上アゴにトゲ状、下アゴに頑丈なナイフ状の歯を持っているのですが、このアゴを使って自分よりもはるかに大きなマグロやクジラなどの体表に食いつき、まるでスプーンでアイスクリームをくり抜くように肉を食いちぎるそうです(その生態から英語でクッキーカッターシャーク(クッキーの型抜きザメ)と呼ばれます)。

 それでは似たような歯を持つツラナガコビトザメの食べ物は・・・? 図鑑によれば、本種はハダカイワシ(小型の深海魚)やイカ、小型の甲殻類等を食べるそうで、残念ながら(?)大きな魚に食らい付いたりはしないようです。最近は深海魚の展示をする水族館も増えてきているので、もしこのサメを飼育することができれば、この変わった歯を使ってどんな風に食事をするのかが観察できるかもしれませんね。

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発行:神奈川県水産技術センター 企画経営部
住所:〒238-0237 神奈川県三浦市三崎町城ヶ島養老子
電話:046(882)2312

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