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更新日:2021年1月8日
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過去の知事記者会見の様子をテキスト版でご覧いただけます。
はじめに、発表項目ではありませんが、先月末に、海水浴場が開設されないことに伴う海岸の安全対策等の取組みが終了いたしましたので、7月1日から8月末までの水難死亡事故の発生状況について、ご報告いたします。
例年の海水浴場区域については、昨年は、2件の死亡事故が発生しましたが、今年は、死亡事故は発生しませんでした。海水浴場が開設されない異例の夏に、重大な事故がなく乗り切ることができたのは、海を利用される皆様一人ひとりが安全に注意していただいたことはもちろん、県や市町、海上保安庁、ライフセーバーやドローンで監視していただいた皆さん、地元の方々など、多くの関係者がしっかりと連携し、安全対策等に取り組んだ結果だと実感しています。皆様の御協力に心から感謝申し上げます。
また、速報値ではありますが、海上保安庁などによりますと、県全体のマリンレジャーに伴う海岸での死亡事故は、昨年は8件発生しましたが、今年は7件となっています。
なお、一昨日、海水浴場組合連合会と県との協議の場が設けられ、連合会から、「来年のガイドラインについては事前協議してほしい」とのお話をいただきました。
今年5月に策定した「海水浴場等における新型コロナウイルス感染症のガイドライン」は今年限りのものでありまして、来年のガイドラインについては、策定するかどうかも含め、今後の感染状況を見ながら、地元市町や海水浴場の関係者の皆さんのご意見を十分に聞いて、検討したいと考えています。
それでは発表項目に入ります。ただいまから、来る9月7日に議会へ提案する、「令和2年度9月補正予算案等」について説明します。
それでは、「令和2年度9月補正予算案等の概要」の、1ページを御覧ください。ローマ数字「Ⅰ」の「補正予算案について」です。今回の9月補正予算案では、新型コロナウイルス感染症への対応など、早急に対応する必要がある事業について、措置することとしました。
補正予算案の規模は、上段の表に記載のとおり「一般会計」で、新型コロナウイルス感染症対策として、1,824億8,800万円、その他として、22億9,800万円、総額で1,847億8,700万円となります。
なお、今回の補正予算の規模は、過去最大であった今年度の6月補正予算を上回るものとなっています。また、財源内訳ですが、中段の表に記載のとおり「国庫支出金」が、総額で1,839億9,100万円、昨年度からの「繰越金」が、総額で 7億4,400万円などとなっています。
なお、「国庫支出金」の内訳ですが、下段の表に記載のとおり、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金が、254億1,800万円、医療提供体制の維持などに充てる新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金が、1,466億1,100万円となっています。
2ページをお開きください。「2補正予算案の主な内容」について説明します。まず、「(1)新型コロナウイルス感染症対策」です。詳細は、後ほど御説明いたします。
次に、「(2)その他」です。一つ目のマル、「安心こども基金積立金」についてです。補正予算額は、24億775万円です。幼児教育・保育の無償化事務を円滑に実施するため、国から交付される交付金を安心こども基金に積み立てます。
次に、二つ目のマル、「高齢者施設における給水設備整備等の取組み」です。補正予算額は、3,952万円です。災害時における高齢者施設の機能を維持するため、給水設備の整備等を行う事業者に対して補助します。
さらに、一つとびまして四つ目のマル、「小田原養護学校湯河原・真鶴方面分教室新築工事費」です。新型コロナウイルス感染症等の影響による工期延伸に対応するため、既設定の継続費を変更するものです。
それでは、3ページをお開きください。「新型コロナウイルス感染症対策」に係る事業の内容を説明します。「(1)医療提供体制の維持と感染拡大防止対策」です。補正予算額は、総額で、1,379億8,727万円となります。まず、①から③までの取組みについては、主に、国の緊急包括支援交付金を活用し、これまでの補正予算において計上した診療体制の維持等に係る事業について、追加で措置するものです。
具体的には、「①診療体制・検査体制の維持」として、感染症患者受入に必要な病床確保等に対する空床確保料の補助を引き続き行うとともに、新たに、感染した医師に代わり診療等を行う医師の派遣体制の確保などに取り組みます。
また、「②医療機関等が行う設備整備等に対する補助」として、医療機関における感染症患者の受入や通常診療を維持するための設備整備に対し補助するほか「③軽度・無症状患者宿泊療養施設の借上げ等」として、宿泊療養施設の確保に加え、自宅療養者に対する配食サービスにも新たに取り組みます。
これら①から③までの取組みに加え、受診控え等による減収の影響を受けている医療機関への支援策については、全国知事会を通じて要望を行い、これに基づき国においても検討を行っていると承知していますが、具体的な策が見えない中で、まず、県としてできることに取り組む必要があります。こうしたことから、次に掲げる④から⑥までの取組みを、県独自の事業として新たに実施します。具体的には、「④病床確保協力事業費」として、新型コロナウイルス感染症の受入病床を確保した医療機関を支援するため、協力金を支給します。
また、「⑤医療機関経営支援事業費補助」として、医療機関の経営の安定化と健全化を図るため、中小企業制度融資の対象とならない医療機関を対象とする新たな融資制度を創設し、融資当初の3年間については、所定の金利から2.0%を割引きします。また、最下段の、Withコロナを前提とした経営改善のため、医療機関が委託するコンサルティング業務に対して補助します。
4ページをお開きください。さらに「⑥オンライン診療等環境整備費補助」として、患者の通院による感染リスクの軽減や医療従事者の感染防止のため、オンライン診療システムなどの導入に対し補助します。こうした取組みを行うとともに、クルーズ船における感染症患者を受け入れた医療機関の2月から3月までの減収や受診控え等による減収に対する医療機関への支援については、国による対応が不可欠ですので、引き続き、国に対して要望を行い、しっかりと医療提供体制を守っていきたいと思います。
次に、「⑦看護師等養成所遠隔教育環境整備費補助」として、看護師等養成所における学習環境の整備のため、オンライン授業に必要な機器整備に対して補助するほか、「⑧県機関における感染拡大防止対策」として、産業技術短期大学校におけるオンライン職業訓練の実施に必要な機器の整備、警察施設における取調べ室への遮蔽板の設置、県立学校におけるデスクパーテーションの購入などに取り組みます。
5ページをお開きください。「(2)福祉サービスの提供体制の維持」です。補正予算額は総額で、40億5,640万円です。まず、「①福祉施設におけるマスクや消毒液の購入等」として、施設における感染症対策の実施に対し補助するほか、「②介護サービスへの介護ロボット等の導入支援」として、介護サービス事業所における、介護ロボットやタブレット端末などの導入に対し、補助します。
6ページをお開きください。「(3)医療の担い手支援」です。補正予算額は総額で、110億5,976万円です。まず、「①医療従事者等慰労事業費」については、国の緊急包括支援交付金を活用し、医療従事者等に対し、全国一律に慰労金を支給するものですが、今回、支給対象となる方の範囲が明確化されたことに伴い、当初の想定よりも支給対象者が増加する見込みとなったことから、追加で措置するものです。
これに対し、新型コロナウイルス感染症の疑いのある患者への対応など、感染リスクを抱えながら業務に従事している保険薬局の薬剤師については、国の慰労金の支給対象となっていないことから、「②薬局薬剤師慰労事業費」として、県独自の慰労金を新たに支給します。
次に、「(4)県内経済の回復に向けた支援」です。補正予算額は総額で、198億2,047万円です。まず、「①県内消費喚起対策事業費」として、新型コロナウイルス感染症の拡大により、消費意欲の減退した消費者の購買意欲を喚起し、県内事業者を支援するため、新たにキャッシュレス決済時に、決済額の20%について、1人当たり4,000円相当を上限に還元します。
また、「②県内工業製品購入促進事業費」、「③中小企業・小規模企業再起支援事業費補助」、7ページの「④商店街等プレミアム商品券支援事業費補助」については、申請が当初の見込みを上回ったことなどから、いずれも追加計上するものです。
続いて、「⑤信用保証事業費補助」として、制度融資を利用する中小企業者等の負担を軽減するための保証料引下げに対する補助についても、融資の伸びに合わせて予算を追加計上します。
また、「⑥サテライトオフィスの設置支援」として、サテライトオフィスを設置する商店街団体や事業者等に対して補助します。さらに「⑦新たな観光モデル創出推進事業費」として、観光地における3密を回避するための混雑緩和など、観光客の行動変容により顕在化した県内観光地の課題を解決する新たな観光モデルの創出に取り組みます。
加えて「⑧競技スポーツ振興事業費補助」として、県内スポーツの継続的な推進を図るため、県内プロスポーツチームが行う試合開催時の感染防止対策等について補助します。
8ページをお開きください。「(5)生活支援」です。補正予算額は総額で、90億531万円です。「①生活福祉資金貸付事業費補助」として、生活困窮者の増加に対応するため、生活福祉資金の特例貸付を行う県社会福祉協議会に対する貸付原資等の補助を追加で措置します。
次に、「(6)その他」です。補正予算額は総額で、5億5,961万円です。まず、「①新しい生活様式推進事業費補助」として、ワーケーション、3密対策、キャッシュレスなど、さまざまな「新しい生活様式」を取り込み、地域活性化を図る市町村事業等に対して補助します。
また、「②行政手続のオンライン化等の推進」を行うほか、「③指定管理施設における追加費用等の負担」として、新型コロナウイルス感染症の影響による閉館等や、感染拡大防止対策の実施に伴う追加費用等の負担を行います。
以上が、9月補正予算案の概要となります。今回の補正予算案は、ご説明させていただきましたとおり、その多くが6月補正予算に引き続き、新型コロナウイルス感染症対策として措置するもので、補正予算の規模としては過去最大となります。新型コロナウイルスは、全国的に感染拡大が続いています。7月17日に「神奈川警戒アラート」を発出後、県内においても新規陽性者数が100人を超える日が複数回あり、引き続き警戒を要する状況にあります。
県としても、8月1日に「医療危機対策本部室」を設置するなど、改めて全庁を挙げて対応するよう体制を強化し、取り組んできました。新型コロナウイルスとの戦いは長期戦の様相を呈しています。先が見通せない現在の状況下では、私たち一人ひとりが感染防止に注意を払いながら、社会経済活動を行っていかなければなりません。県としては引き続き、感染拡大防止と経済・くらしを守る、その両面からの取組みを進めてまいります。
それでは、9ページにお移りいただきまして、ローマ数字の「Ⅱ」の「条例案等について」です。「1提出予定議案の内訳」ですが、表に記載のとおり、条例の廃止1件、条例の改正10件、工事請負契約等の締結4件、工事請負契約の変更3件、動産の取得2件、指定管理者の指定2件など、合計24件の提案を予定しています。
続いて、「2主な条例案」をご覧ください。今回の議案の中で、主なものを説明します。条例の改正の「神奈川県県税条例の一部を改正する条例」ですが、令和2年10月に適用期限が到来する法人の県民税及び事業税の超過課税措置について、適用期間を5年間延長するため、所要の改正を行うものです。その他の議案については、資料に記載のとおりです。
知事出席主要行事については、事前送付した資料のとおりです。特に付け加えることはありません。私からの発表は以上です。みなさんからのご質問をどうぞ。
記者: まず、発表項目からお伺いしたいのですけれども、補正予算の中に、今回、さまざまな新規事業も含めて内容を盛り込まれました。知事の中で、目玉として捉えていらっしゃる事業はどれでしょうか。
知事: 今回の補正予算は、この新型コロナウイルスとの戦いが長期戦の様相を呈する中で、引き続き医療提供体制の維持や感染拡大防止対策に取り組むとともに、県内経済の回復に向けた支援を進めるため、必要な事業を措置するといったものであります。
だから、今回の補正予算の規模は、過去最大であった今年度の6月補正予算を上回るものとなっております。先が見通せない状況ではありますけれども、引き続き、感染防止、拡大を防ぎながら、県民の皆様の暮らしと生活を守る、経済を守る、その両面からしっかりと取り組んでいきたい、その思いを込めて作ったものでありまして、特にこの部分が、特に目玉といったわけではなくて、そういったその感染拡大防止と経済、両立を図っていくための必要なところに必要な措置をした予算であると考えております。
記者: あと、県の財政への影響なのですけれども、今回の財源は基本的に国庫支出金から賄われていると思います。県の財政への影響については、今回はあまり大きくないようにも思うのですけれども、今後の県政の、その県の財政への影響については、どのように考えていらっしゃるのでしょうか。
知事: 来年度予算編成といったものも控えております。そのような中で、財源のこともいろいろ考えながらやっているところでありますけれども、リーマンショックの時に、大変な歳入減があったわけです。そのような中で、非常に苦しい思いをして予算を作ったといった経験があります。また、そういった作業も徐々に始まってくるといったことです。ですから、かなり厳しい状況の中での予算編成になってくるといったことで、財源といったものは、本当に真剣に確保していかないといけないと思っているところでありますが、今、減収補填債の対象に、消費税、これを入れてほしいといったこと、これがないと中々、予算編成は出来ないだろうといったことで、これは、全国知事会を通じて国に強く求めているところであります。
記者: 今おっしゃられました、減収補填債なのですけれども、今の仕組みでは、地方法人二税については、想定よりも税収が下回った場合に発行できると思うのですけれども、そちらについては発行される思いはあるのでしょうか。
知事: そういったものを当然のごとく、消費税のことも、これを入れていただかないと、なかなか厳しいだろうなという見方をしておりまして、これを強く、今求めているところであります。
記者: 分かりました。あと、発表項目から逸れるのですけれども、今の自民党の総裁選の話題が、ニュースでも多く報じられていると思います。特に、菅官房長官が今、各会派の支持を集めて有力視されていると思うのですけれど、知事のそれについての所感をお願いします。
知事: 安倍総理の突然の辞任といったこと、これは大変私も衝撃を受けました。それだけお体の具合が悪かったのかなと思うと、胸が痛む思いであります。そのような中で、急な展開になった。そして、新たに急に次なる総理、総裁を選ばなければいけなくなったという中で、今、さまざまな報道がなされております。
今この時点で立候補されているのは、石破さんと岸田さんといったことでありますが、菅官房長官もこのあと、きょう中にも立候補を表明されるだろうと言われているわけであります。そのような中で、自民党総裁選がどのようになっていくのかといったことは、本当に始まってみなければ分からないことではありますが、今、大体伝えられているところによると、菅さんが立候補されればかなり優勢だと受け止めています。同じ神奈川県の横浜から出られている菅官房長官が、安倍政権をしっかりとこれまで長期にわたって支えてこられて、大きな実績を上げられたといった方が、この緊急事態にその安倍さんの志を継いで、やってほしいという声が高まっているということ、これは大変私としては誇らしいことだと思っています。
結果はどうなるかは分かりませんけれども、今の時点ではそのような思いを持って見つめているところです。
記者: 新型コロナのアタッシェケース型の検査機器の導入が始まっていると思うのですけれども、現在までの導入の実績、導入状況をお願いします。
知事: 販売元の民間企業からは、昨日までに、19台の購入が決まっていて、そのうち10台が納品されたと伺っております。また、医療機関等から200件以上の問い合わせがありまして、順次、製品の説明や見積書の発行等を行っていると伺っております。
記者: それについて知事の受け止めはいかがでしょうか。
知事: 当初予定したよりも、なかなか進んでいないというのが正直なところであります。これは先週も申し上げましたけれども、この企業自体が理研発のベンチャーということで、技術者・研究者が集まって始めた小規模な企業であって、これまで大量の発注をさばいたことがないといったことで、今200件以上の問い合わせが殺到している状況の中で、かなり販売体制とうまく結びついていないという状況のようであります。医療機器販売会社と代理店契約を結ぶ準備をしていると聞いているのですけれども、その会社の代表者が県内外から殺到する問い合わせの対応に、全国を駆け回って対応をしていると、そういった状況であって、代理店契約そのものはまだ正式には結べていないと聞いております。
これだけ注目されているといったことは、非常にありがたいことだとは思いますけれども、やはりなるべく早く販売体制を確立していただいて、検査体制の充実といったことは、今、喫緊の課題でもありますから、それに対応できるように進めていっていただくことを望んでいるところであります。
記者: きょうの発表項目ではないのですけれども、新型コロナの感染者数ですね、昨日の段階で合計が5,000人を超えるということになりました。まず、この5,000という数字をどう受け止めているのかというのと、あと最近の県内の感染状況を知事はどう思っているのかお聞かせください。
知事: 5,000人という数字を聞くと、そんなにたくさんの方が罹られたのかと思う次第です。とは言いながら、現在、重症で入院されている方が24人かな。その感染者の数からすれば、重症そして死亡といったあたりはぎりぎり抑えられているのかと、そういうことを思っています。ただ7月末でピークを迎え、その後、ピークを越えたと言われていますが、神奈川の状況を見ていて、確かにそういう感じはするのですけれども、確実に感染者が下がってきている状況ではないといったことです。ですからまだ、予断を許さない状況がずっと続いていると受け止めています。重症者は23人でした。
記者: 先程の質問と少し被るのですけれども、今回の補正予算は過去最大で1,800億余りと、6月も1,500億程度、かなり巨額の補正予算を組まざるを得ない状況をどう捉えているのかということと、改めてこの補正予算で新型コロナ対策に取り組む意気込みを改めて伺えればと思います。
知事: 2回連続で過去最大の補正予算を組まなければいけなかったと、いかにわれわれが緊急事態を迎えているかといったことです。緊急事態を迎えている中で感染拡大防止といったことを、これを全力で取り組むといったことと同時に、やはり経済のエンジンを回していくといったこと、これの両立を図っていかなければいけないといった中で、今やれることはやっていこうと、一社でもこれによって倒れる企業がないようにするといったことも大事ですし、医療経営の問題も大変大きな問題にもなっていますから、これはなかなか県だけではできない部分もあるので国に対しても求めていますけれども、県としてできる範囲のことをやっていくといったことで、医療を崩壊させない、経済も崩壊させないといった、ぎりぎりの思いの中で、過去最大を2回連続したということだと思います。こういったことによって、この危機を皆さんと共に何とか乗り切っていきたいと強く思います。
記者: 1点だけ伺いたいのですけれど、医療危機対策本部室を8月1日付でつくったと思いますけれども、先程も触れられたと思うのですけれども、医療危機対策本部室を8月1日付けでつくられて、1か月が経過してその効果と言いますか、受け止めや、振り返って1か月でどのように変わったのか伺えればと思うのですけれど。
知事: 特に何かが大きく変わったわけではないと思います。それまでの間というのは非常事態で、ある種緊急的に寄せ集められた、そういう部隊で動いていました。それを、形、長期戦に備えて、一つのきちっとした組織にして動き始めたということですが、しかしやっている作業というものはずっと継続しております。何か大きく変わったわけではありません。それは専門的なセクションに自分が所属しているのだという思いの中で、仕事としては粛々と進めているのだと思っています。
記者: 補正予算案に関する質問なのですが、まず確認なのですが、今回の9月補正は、7日に開催される県議会の最終日の12月17日に一括して採決するということでよろしいでしょうか。
知事: 基本的にそうです。いや、10月13日です。
記者: 10月13日で了解しました。これまでですと、緊急性の高いものは先に初日などに採決してしまうということがあったんですけれども、メニューを見ていますと、たとえば医療機関、神奈川モデルに協力している医療機関への病床確保の協力金ですとか、非常に医療機関の経営が苦しい中で望まれているものを盛り込まれておりますけれども、あと、医療機関経営支援事業費補助とか、こういう医療機関のために一刻も早く採決するという考え方もあったかと思うのですが、10月にまとめてやるのはどのような考えからでしょうか。
知事: これは10月でも、まだ間に合うと思っているわけです。それまで間に合わなくて、その間にバタバタ病院が倒産していくということは特に考えられないと思いますので、われわれとしては出来る限り早くという思いでありますが、その10月に成立することで、間に合うと判断していますので、こういう形にしています。
記者: あと、病床確保協力事業費の医療機関に対する協力金なのですが、伺っている説明ですと、1,000万円から6,000万円の間くらいだろうということなのですが、この金額ですね、かなり、重点医療機関などは経営が厳しくなっていると伺っていますけども、マックス6,000万円というと、出ないよりはいいと思いますけれど、かなり焼石に水という印象を受けなくもないですけれど、知事は金額についてどうお考えでしょうか。
知事: これは全然十分ではないと思っています。これは、当初われわれ、全国知事会を通じて、コロナ患者を受け入れた病院が大変厳しくなっていると、経営状態が厳しくなっていると強く求めたわけです。その結果、補正予算の中でそのあたり十分配慮していただいて、空床補償等をしっかりやっていただいたことで、当初コロナを受け入れた病院はかなり救われたのかなと思っていましたが、改めてヒアリングをかけてみますと、そういった病院もあるんですけれども、コロナを受け入れた病院であって、国もかなり手厚くやってくれたのだけども、やはりまだまだ厳しい状況になっている、やはり受診控えというのがかなり起きて、それが大きな経営上の問題になっていると聞いています。ましてや、コロナ患者を受け入れていない病院です。これは知事会としても当初からは強く求めていませんでした。しかし、実際ヒアリングしてみると、ここもかなり経営状態が厳しくなっていると、このあたり今、集中的に国に対して要求をしていることです。これは神奈川県だけでなく、全国知事会を通じて、毎回訴えているところであります。
そのような中で厚生労働省と財務省の中でさまざまな交渉が行われていると聞いています。こういったものがしっかりとした成果に結びついていくといったこと、これが必要かなと思っています。とにかく何としても医療は守るのだといったこと、医療は崩壊させてはいけないのだといったこと、こういった強力なメッセージです。これを、国も、そして地方も大きな声を同時にあげていくべきだと考えています。
記者: かなり県も財政状況が厳しいと思うのですが、県単独としてコロナ患者受け入れ病院以外まで何らかの協力、支援をしていくということは現時点で考えられないということになりますか。
知事: 現時点では、そこまでなかなかできないです。その代わり先ほど申し上げたこの融資の利子分です。かなり下げるといったこと。こういったことによってその病院が、医療機関が抱えている負債といったものを借り換えるといったことができる。そうすることによってかなり経営的には一呼吸着けるかと。それぐらいの事ではありますけれども、しっかりやっていきたいと思います。
記者: 総裁選についてなのですけれども、本日夕方に菅官房長官が正式に立候補の表明をなさると伺っています。仮に石破さんと岸田さんと菅さんの3人になった場合、知事としてどなたが一番望ましいと、次期総裁として、思っていらっしゃいますか。
知事: それは私の口からは言わないほうがいいとは思います。これは今回、自民党の総裁選挙でありますから自民党の皆さんがお決めになることだと思っております。いずれのお三方も、立派な経験を持たれた、見識を持たれた方だと思っておりますので、新しいリーダーの誕生というものを待望していきたいと思っております。
記者: 補正予算に関してなのですけれども、知事は昨年当選されて以降、いろんな、ドローン前提社会ですとか、新しい観光とかいろいろ独自の事業を考えていらっしゃったと思うのですけれども、今回、9月補正を見る限り、あと今年度の予算、ほとんどそうなると思うのですが、なかなか財政的余裕から独自の知事の思いを反映したような予算ができていないと思うのですけれども、そのあたりの公約が実現できていないところについてご所感をお願いします。
知事: 公約が実現できていないとは思っていないです。私はもともと「いのち輝く神奈川」というのはずっと言ってまいりました。こういうコロナ禍において、いのちを輝かせるためには何が必要なのかといったことの中で、今できる限りのことをやろうとしている。限られた財源の中でできる限りのことをやろうとしている。やろうと知恵を絞っているといったことであります。ですから、公約が実現できていないという思いは自分の中にはないです。
記者: あともう一点。予算の、来年度予算編成がそろそろ始まると思うのですけれども、例年9月、10月ぐらいに予算編成の方針ということでどのくらいの財源不足が見込まれると発表されていますけれども、現時点の見込みで財源不足がどのくらいになるかご存知でしょうか。
知事: 今、調整しているところです。しっかりと今、全体を見据えながら、税収がどうなってくるのか、どのくらい落ち込んでくるのかといったあたり今、精査しているところです。もうしばらくしたらみなさんにご提示できると思います。
記者: 例えばその中で、あまりにも厳しいとなると10%シーリングとかそういったことも考えられるのでしょうか。
知事: それはこれからの事です。何とかして予算は作り上げなければいけませんから、先ほど申し上げたように減収補填債といったものについて消費税を入れてもらわないと、われわれとしてはとてもやっていけないぞという思いはありますけれども、まだこの辺の結論も出ていませんから、もうしばらくしたらみなさんにお話しできると思います。
記者: 先週知事が会見で発表されたことなのですが、YouTube、感染防止対策取組書の啓発のYouTube動画をYouTuberの方を起用して作られたと思うのですが、県のチャンネルを観ると、批判の意見も沢山書き込みがあるのですけれど、まずこの状況を知事はどう受け止めているでしょうか。
知事: 動画の再生回数、これ見ますと、実は2系統あって、県のかなチャンTV、こちらでの再生回数は今日現在、12時時点で15万8千回となっています。そしてYouTuberの公式チャンネル、こちらの方では、27万1千回となっておりまして、きょう現在、合計42万9千回となっております。批判をされている方の多くは、880万円という金額が、高いのではないかということだと思います。高いという第一印象を持たれる気持ちはよく分かります。私もYouTubeの世界というものを見た中で、いろいろ専門家にもお伺いしましたが、これは、そんなに、そのYouTubeの世界からすれば、そんなに高いものではない。相場観にあったものだというお話でありました。今回起用したカノックスターさん、97万5千人ものフォロワー数がある。これは有名なフワちゃんとか、この人は72.5万人とか、渡辺直美さんでも83.3万人、こういった方を上回る人気YouTuberの一人であるといったことを踏まえても、妥当な費用であると広告関係者からは聞いております。
なかなかこういうYouTubeの世界、YouTuberの世界、なかなか皆さん、一般的によく分からないということがあると思います。私自身も正直いってオールドメディアで育ってきたものでありますから、YouTubeの世界、YouTuberの世界はあんまりよく分かってないところがありますけど、しかし、この動画を上げた瞬間から、これだけの訴求力があるといったこと、これは凄いパワーなのだなと思います。
ですから、先週も申し上げましたけれど、高いか安いかといったことは、費用対効果の問題だと思います。実はこれ60万件再生といったことが、一つの契約の約束ごとになっていますので、そこまでは最低いくだろうといったことであります。ですから、それから先に、もっと伸ばしていただいて、そうすればするほど、費用対効果、1人あたりいくらだったのかといったことが、どんどん安くなってくるわけでありますから、そういったことで、われわれはせっかく作った動画ですから、もっともっと多くの方に観ていただきたいと、そして、何よりも感染防止対策、それを心掛けながら、会食をするとか、食事をすると、それがどのような形でできるのかといったことを、実際に観て、そして実践していただきたいと、そういった流れが広がってくることを期待したいと思っております。
記者: 私からもう少し質問したいのですが、880万円の内訳を知りたいという書き込みも、県のYouTubeのチャンネルには多くあるのですが、内訳を公開されるお気持ちはあるのでしょうか。もしあるのでしたらその内訳を教えてほしいと思います。
知事: 経費の中では、2名分のタレントフィー、企画・撮影・編集の関係経費、これが半分程度を占めておりまして、この他広告配信費、著作権に係る経費の割合が同程度といった構成になっております。この詳細、それぞれがいくらだったかといったことについては、委託会社の権利、競争上の地位その他正当な利益を害する恐れが高いため、情報公開条例に基づき非公開としているといったことをぜひご理解いただきたいと思います。
記者: ありがとうございます。私からもう一つ最後に一点聞きたいのですが、先週の会見でも私、880万円という金額が妥当かという質問をさせていただいたのですが、一週間経ってまた伺いたいのと、県の財政が厳しいというお話があって、その中で880万円という金額は大きいと思うのですが、そのあたりの考えを聞かせていただけますか。
知事: 感染拡大防止と社会経済活動、この両立を図るという大変厳しい状況の中で、われわれは感染防止対策取組書、これを普及させて、そしてそれで皆さんがお店を選んでいただいて、感染拡大しないような会食の仕方といったものを普及させていくといったことが最大の両立のための手段だと考えています。そのための経費と私は受け止めています。
なかなかこの910万人も人口がありますと、なかなかお一人お一人のところにまでこの思いが届くといったことは難しいのでありますけれども、しかし、特にこの間の意識調査、世論調査の中では4割ぐらいの方は感染防止対策取組のことは知っているといったことであったのですけれども、やはり若い方がまだあまり認知されてないといったことがあったので、若い人たちのところに直接届ける、そのための手段としてこういうYouTubeを使ったことに挑戦をしているわけであります。
ですから、こういった費用の使い方が、費用対効果といった面で、なるほどこれだけいったのだったら、これだけ多くの人に観てもらってなったのだったらそれは大きな効果があったよね、良かったねと言われるように、しっかりと、せっかく作った動画ですから多くの人に観ていただけるようにわれわれも頑張っていきたいなと思っています。
記者: 知事のお考えとしては今は880万円という金額は妥当だと思っているという理解でよろしいですか。
知事: 妥当だと思っています。
記者: 自民党総裁選についてお伺いします。先程菅さん、県内横浜から出られるということで大変誇らしいということ、一方で全国の党員党友の投票を省略した簡易型のやり方に対してはかなり批判が自民党の県連からも出ています。今の総裁選のやり方を客観的に見られてどのように思いますでしょうか。
知事: 今行われようとしているのは自民党の総裁選挙であります。これは自民党の総裁選挙でありますから、自民党の方々がお決めになることだと思っています。そのような中で自民党の中のルールに基づいて皆さんでご相談された上でこの選出方法を決められたということでありますから、それは、われわれ、私は自民党員ではありませんので、そういうことなのかなと。そのような中でしっかりとした素晴らしい方が選ばれればいいなという意見を持っているところであります。
(以上)
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