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更新日:2021年1月8日

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定例会見(2020年5月26日)結果概要

過去の知事記者会見の様子をテキスト版でご覧いただけます。

発表事項

事業活動再開に伴う感染拡大防止対策等について

 はじめに、「事業活動再開に伴う感染拡大防止対策等について」です。
昨日、コロナウイルス感染症に係る緊急事態宣言が解除され、事業者への休業要請については、適切な感染症防止対策を講じていただくことを前提に、段階的な解除を行っていくことにしました。
 事業活動の再開に当たっては、お客様やその家族を守り、また皆様の店・事業を守るためにも、各業界団体が策定するガイドラインを遵守するなど、感染拡大を防止するための対策を講じていただく必要があります。
 そこで県では、感染防止対策を徹底していただくため、業種別に特に重要となる要素をまとめチェックリストを作成しました。
 業種別チェックリストは、「飲食店等」、「ネットカフェ・漫画喫茶等」など、合計20業種です。この20以外の業種は「各業種共通」のチェックリストを使用していただきます。
 チェックリストでは、「ソーシャルディスタンスの確保」や「従業員及び来客等の保健衛生対策の徹底」などの必要な取組を整理しています。
 次に、「感染防止対策取組書の発行」です。県が作成したチェックリストに基づき、事業所ごとに行っている感染防止対策を、県ホームページから申請していただくことで、「感染防止対策取組書」を事業者に発行します。
 事業者は、取組書を店舗等に掲示することで、ガイドラインに沿った対策を行っていることを、利用者等に分かりやすく示すことができます。
 こちらが取組書の見本となります。選んだ対策が一覧で記載されているとともに、右下に二次元コードが表示されています。これが、「LINEコロナお知らせシステム」の二次元コードとなります。
 この二次元コードを店舗等に掲示し、利用者に読み取っていただくことで、感染者が発生した時、県からLINEメッセージが届きます。申請時に、このような掲示用のポスターを発行しますので、取組書と一緒に、入口などに掲示いただきたいと思います。
 事業活動の再開後も、この仕組みにより、接触の可能性がある方に速やかにお知らせし、適切に行動いただくことで感染拡大を防止することができます。
 事業者の方の申請方法や、県民の方の利用方法など、詳しい手順は資料に記載したとおりです。
本日朝9時よりホームページを開設したところ、既に100件以上の申請をいただいています。以上のとおり、県では、こうした3つの新しい取組により、事業者の皆様による、徹底した感染防止対策を支援します。
 事業活動の再開にあたっては、県民の皆さんが、店舗等を安心・信頼して利用できるよう、多くの事業者の方に、この仕組みを導入していただくことを、私からお願いいたします。

妊婦、新生児のいのちを守る「周産期コロナ受入医療機関」の設置について

 次に、新型コロナウイルスに対応する現場起点の医療体制「神奈川モデル・ハイブリッド版」がさらに進化しましたので、三点お知らせします。一点目は、妊婦、新生児のいのちを守る「周産期コロナ受入れ医療機関」の設置についてです。
 妊婦、新生児のコロナ患者にも適切に対応するため、「神奈川県周産期救急医療システム」を活用し、県内を6つのブロックに分けて、各ブロックの周産期医療機関が連携して対応する「周産期コロナ受入医療機関」の体制を整備します。
 受入医療機関数は、25機関程度となります。この「周産期コロナ受入医療機関」の体制ですが、こちらをご覧ください。妊婦がPCR検査等で陽性となった場合、軽症であっても、原則として、周産期コロナ受入医療機関に入院していただきます。
 受入医療機関の選定に当たり、ブロック内で受入れが困難な場合などには、県の災害時小児周産期リエゾンが入院調整を行います。
 災害時小児周産期リエゾンとは、災害時に小児周産期医療に係る総合調整を行うため、県が委嘱した医師です。
 こうした、「周産期のコロナ受入れ医療機関」の体制により、妊婦、新生児の安全・安心を守ってまいります。

「神奈川モデル・ハイブリッド版」の進捗状況について

 二点目として、「PCR検査場の拡大について」お知らせします。
 県では、医師会や市町村と連携してPCR検査場の設置を進めており、5月12日の定例会見で、5月中に17か所で設置見込みとお知らせしたところです。その後、着実に設置が進み、新たに横浜市の4か所をあわせた21か所が設置済みとなりました。
 さらに、今後設置予定の地域として、新たに、6月上旬までに、相模原市と鎌倉市の2か所が加わり、合計23か所で設置される見込みです。
 今後も、検査場の設置を着実に進めることで、必要な方が迅速にPCR検査を受けられる体制の拡充を図ってまいります。

介護者がコロナ入院等で不在となった在宅の高齢者・障がい者を受け入れる専用入所施設の設置、及び福祉施設の感染発生時の応援職員派遣事業の開始について

 三点目は、介護者がコロナ入院で不在となった場合に、在宅の高齢者・障がい者を受け入れる専用入所施設の設置、及び、福祉施設の感染発生時の応援職員派遣事業の開始についてです。
 県では「神奈川モデル・ハイブリッド版」の整備を進める中で、家族が新型コロナウイルス感染症で入院するなど、介護者が不在となり、在宅で高齢者や障がい者の方が取り残された場合に、本人が陰性の時に受け入れる「短期入所協力施設」や、陽性・軽症でも福祉的ケアの割合が高く医療機関への入院が難しい場合に受け入れる、「ケア付き宿泊療養施設」を、新たに設置します。
 こちらのスライドをご覧ください。介護をしている家族がコロナウイルスに感染、入院して不在となった場合、まずは、残された高齢者、障がい者ご本人のPCR検査を優先的に行います。
 検査の結果が「陰性」であった場合ですが、陰性であっても、一般の福祉施設では一時的に入所して保護することがなかなか難しい現状があると伺っています。
 そこで県ではこの度、こうした方を一時的に受け入れて保護する、専用の「短期入所協力施設」を設置します。具体的には、ここに記載のとおり、県立の障害者支援施設である「中井やまゆり園」をはじめ、県内の5か所の障害福祉や介護施設の一部を活用して設置します。
 次に、検査の結果が「陽性」となった場合は、高齢者や障がい者の方は、陽性であれば現在の症状に関係なく、重症化する恐れがあることから基本的には県内の重点医療機関等に入院していただきます。
 また、例えばコロナは無症状ですが重度の認知症や知的障害によって福祉的ケアの比重が高い方など、医療機関への入院が難しいケースがあります。
 そこで県では、こうした方を受け入れるため、新たに専用の「ケア付き宿泊療養施設」を設置することとしました。具体的には、ここに記載のとおり、障害者支援施設である「秦野精華園」など、県内2カ所の福祉施設の一部を活用して設置します。施設では感染症対策に十分に配慮した上で、介護者であるご家族等が復帰されるまでの間、福祉的ケアやサービスを提供します。
 次に、福祉施設でクラスター等が発生した場合に応援職員を派遣する事業の開始についてです。この事業は、福祉施設において新型コロナウイルスの感染者が発生し、職員の入院や自宅待機、あるいはゾーニングにより通常時に比べ必要な職員が増加したことなどによって、福祉サービスの提供が困難になった場合に備えるものです。
 あらかじめ、「応援職員の派遣に協力する施設」や「短期で勤務可能な個人」を募集して登録しておき、この中から、応援を希望するクラスター発生施設などに対し、応援職員の派遣や紹介を行うものです。
 応援職員の募集や名簿への登録等は、県社会福祉協議会に委託しています。応援職員の派遣が行われた場合に必要となる旅費や、新たに発生する雇用費などは、県が負担します。あわせて、感染施設には必要に応じて、C-CAT、コロナ感染症クラスター対策チームを派遣し、ゾーニング等の感染予防対策も徹底します。
 現在、派遣可能な施設や協力可能な方を募集していますので、是非、ご協力ください。登録先は発表資料に記載の県社協ホームページとなります。こうした、いわば「福祉版のコロナ神奈川モデル」により、高齢者や障がい者、そのご家族の皆様の安全・安心を守ってまいります。
 引き続き、地域との連携・協力のもと、「神奈川モデル・ハイブリッド版」の整備を進め、医療崩壊を防いで参ります。
 また、資料はありませんが、先日、精神科コロナ重点医療機関の一つである臨時の医療施設に、県立精神医療センターと連携して入院患者を1名受け入れましたので、追加で報告します。
 今後も、一般の医療機関では対応が難しい精神疾患の症状がある方への適切な医療提供体制にも努めて参ります。

民間事業者と連携した、医療従事者向けの食品支援等を行う仕組みが始まります

 次に、「民間事業者と連携した、医療従事者向けの食品支援等を行う仕組みが始まります」についてです。
 これまで、「神奈川モデル」の推進にあたっては、多くの医療機関、医療従事者の皆様にご協力をいただいています。
 最前線で泊まり込みで診療にあたったり、満足に食事も取れず、健康面の不安を抱えながら尽力している医療従事者の方を、ぜひ支援をしたいという申し出を民間事業者の方々から3件いただきましたので、お知らせします。
 一つ目は、オイシックス・ラ・大地株式会社とココネット株式会社、一般社団法人RCFが連携して医療従事者に食品を無償で提供する「WeSupport」の取組みです。こちらは、今週末から「神奈川モデル」の推進にご協力いただいている2つの医療機関への提供を皮切りに、20か所を目指して準備を進めています。
 主な支援物資は、60を超える食品メーカーからご提供いただいた、野菜ジュースやスポーツドリンク、お菓子・パン・スープなどを予定しています。
 今回の提供スキームですが、まず、県が、支援を必要とする医療機関を確認し、次に、オイシックス・ラ・大地がその医療機関に対し、支援物資のマッチングを行います。その後、ココネットが支援物資を各医療機関に配送します。また、RCFは、支援物資の無償提供を希望する企業をリサーチし、WeSupportに提供します。
 二つ目は、株式会社Mellowが組織するフードトラックを医療機関に派遣し、その場で調理したお弁当を無償で提供いただく仕組みです。
 こちらも、「神奈川モデル」にご協力いただいている医療機関を対象に、6月上旬から提供する予定です。
 提供スキームですが、まず、Mellowが、支援を必要とする医療機関と協力を希望するフードトラック事業者とをマッチングします。その後、フードトラックを医療機関へ派遣し、その場で調理・盛り付けした出来立てのお弁当を医療従事者に無償で提供します。
 二つ目が、バンシェルター実行委員会と小田急電鉄株式会社が連携して、キャンピングカーなどを宿泊施設や休憩所として、医療機関に無償で貸し出す仕組みです。この取組みも「神奈川モデル」にご協力いただいている医療機関を対象に、今週木曜日からスタートする予定です。
 提供スキームですが、まず、Carstay株式会社とCar Life Japanが共同運営するバンシェルター実行委員会が、医療機関とキャンピングカー保有者とのマッチングを行います。
 その後、キャンピングカー保有者から医療機関へ無償でキャンピングカーを貸し出していただきます。その際、小田急電鉄から、リネンや食品を提供いただきます。
 ご紹介した3つの提供スキームにより、新型コロナウイルス感染症対策の最前線に立つ県内の医療従事者の皆様を、民間事業者の方々とともに、健康面から支えたいと考えています。
 また、このたびの事業者の方々のご協力は大変ありがたく、みんなが一体となって乗り越える姿勢を体現された皆様の心意気に感謝申し上げます。

新型コロナウイルス感染症対策を踏まえた新たな社会経済モデルへの転換を促進するため、地域金融機関等が支援する飲食店応援プロジェクトが始まります!

 次に、新型コロナウイルス感染症対策を踏まえた新たな社会経済モデルへの転換を促進するため、地域金融機関等が支援する飲食店応援プロジェクトが始まります!についてです。
 新型コロナウイルス感染症の影響により、飲食店への来客は大きく減少しており、売上増加を図るための方策として、多くの飲食店の方々がテイクアウトやデリバリーに活路を求めています。
 しかしながら、デリバリーのノウハウがない飲食店が、広く県民に広報したり、配達業者を手配することは難しく、また、出前サービスを展開する事業者との連携も一定の時間を要すると伺っています。
 そこで、地域の飲食店のデリバリーなどを支援する「飲食店応援プロジェクト」を立ち上げ、その第一弾として、関係者の皆様の広報に関する取組みを後押しします。
 具体的には、テイクアウトやデリバリーを行う飲食店に関する情報を地域金融機関が集約し、その情報を基に、ポスティング事業者が、店舗情報を掲載したチラシを6月以降順次配布します。こうしたことを通じて、飲食店を応援することとしておりまして、県は、関係事業者間の調整を行います。
今回の取組みには、地域の情報を熟知されている横浜銀行や、県内の8信用金庫すべての方々にご参加いただいており、大変心強く感じています。
 また、お手元の資料2ページ目になりますが、プロジェクトの趣旨にご理解いただき、飲食店への支援を行っていただける事業者を募集しますので、皆様からの積極的な応募をお待ちしています。
県としては、こうした取組みを進めることで、新たな社会経済モデルへの転換を促進していきます。

バーチャル開放区に集えアーティスト!

 次に、「バーチャル開放区に集えアーティスト!」についてです。
 県庁前の日本大通りで、音楽やダンスなどのパフォーマンスを自由に発表できる空間「マグカル開放区」は、現在、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、開催を一時休止しています。
そこで、インターネット上に会場を移して、「バーチャル開放区」として開催することとし、動画を募集します。
 この企画は、最前線で治療に当たっている医療従事者をはじめとするエッセンシャルワーカーの皆様を「文化芸術の力」によって応援したいと考え、実施することとしたものです。
 この取組を実施することで、感染拡大防止等に取り組む方々を応援するだけでなく、現在、活動の場が奪われているアーティストの方に機会を提供するとともに、賞金を出すことによって直接的な支援を行います。
 また、個々のアーティストのホームページ等へのリンクを貼ることも可能にしますので、アーティストの活動の広報に協力することにより、幅広い支援につなげたいと考えています。
 募集するのは、医療従事者などエッセンシャルワーカーの方々への「応援や感謝」をテーマとした文化芸術のオールジャンルの5分以内の動画とし、プロ・アマを問いません。また、応募作品の中から、表彰作品を選考し、賞金総額は100万円を予定しています。
 賞金は、特に優れたものには50万円。次に優れたものには30万円などと、金額を決め、総額で100万円としました。
 募集期間は、令和2年6月1日から7月31日までです。6月1日にホームページで募集の詳細を公表いたします。
 現在、アーティストの皆さんの活動の場が、かなり限られていると聞いています。積極的な応募をお待ちしております。

城山ダムに関する新たな情報共有の仕組みと洪水調節機能の強化について

 次に、城山ダムに関する新たな情報共有の仕組みと洪水調節機能の強化についてです。
 城山ダムでは、昨年の台風19号、令和元年東日本台風の豪雨により、運用開始以来、初めて緊急放流を実施しましたが、市町への情報伝達に遅れが生じるなどの問題が明らかになりました。
 県は、これまで流域の市町とともにこの問題の検証等を進め、この度、ダムの情報伝達に係る新たな情報共有の仕組みを構築するとともに、洪水時のダムの操作を見直し、洪水調節機能の強化を図ることとしましたので、発表します。
 まず、新たな情報共有の仕組みの構築についてです。昨年の緊急放流時には、2日前から市町に連絡するなど、しっかりと対応していましたが、最後の最後で情報伝達に遅れが生じてしまいました。
 これまでは、市町の防災部局に1件1件、電話で連絡していましたが、企業向けのチャットサービス「LINE WORKS」を導入することで、各市町に最新の情報を瞬時に同時に伝達することが可能となります。
 しかも、LINE WORKSは誰が読んだか表示されることも大きなメリットです。また、LINE WORKSに添付する様式を定型化し、内容を充実することにより、より多くの緊急放流に関する情報を分かりやすく伝えることが可能になり、情報の不足による混乱を解消します。
 これらの取組を6月から運用し、各市町が行う住民の避難誘導等に、二度と同じような混乱が起きないよう、しっかりと取り組んでまいります。
 次に、ダムの洪水調節機能の強化についてです。令和元年東日本台風では、ダムの計画を上回る降雨により緊急放流を実施せざるを得ませんでしたが、今後、これをできる限り回避するため、ダムの洪水調節機能を強化します。
 具体的には、計画を超えるような大規模な雨が予測される場合に、早い段階から、下流に危険を及ぼさない範囲で、できる限り放流の量を増加させるなどして、ダムの水位上昇を抑制し、洪水調節容量を確保します。
 この新たな操作により、令和元年東日本台風と同じ降雨に対しては、従来の約1.3倍の洪水調節容量を確保したことと同様の効果が得られ、緊急放流を回避できるとともに、下流河川の水位を低下させ浸水被害のリスクを軽減する効果が期待できます。
 今後、具体の操作方法を検証し、本格的な台風シーズンが到来する9月までに運用を開始する予定です。
 県としては、今後も、頻発化・激甚化が懸念される大規模な水害対策に、しっかりと取り組んでまいります。

 

知事出席主要行事 

知事出席主要行事については、事前送付した資料のとおりです。私から付け加えることはありません。皆さんからのご質問をどうぞ。

質疑

事業活動再開に伴う感染拡大防止対策等

記者: まず、発表項目で何点かお願いします。1番目の事業活動再開に伴う感染拡大防止対策について、今日、業種別のチェックリストを作成したという発表がありました。手元には劇場等のチェックリストがあるのですけれども、まだ、他のは出てないわけですけれども、このチェックリストの作成にあたって何か参考にされた点、もしくはこういうことに気を付けた点、そのあたりはあったでしょうか。

知事: ベースになったのは、それぞれの業界団体が作られたガイドラインです。そのガイドラインを参考にしながら、県の方でチェックリストという形でアレンジをしました。ポイントは、やはり感染拡大防止といったことを皆さんが気を付けてくださること、これが大事だと思ったものをここに並べてあります。

周産期コロナ受⼊医療機関

記者: 周産期のコロナ受入医療機関の設置についてお尋ねします。神奈川県内では、これまでもこういった周産期のコロナの患者というのはいたのでしょうか。課題があるからこういった機関を設置することになったのでしょうか。経緯を教えてください。

知事: 県で把握している症例としては、1件あります。北里大学病院の報道提供資料によりますと、コロナ陽性と判定された妊婦さんが、北里大学病院に入院し、出産されています。お子様については、新型コロナウイルスに感染しておらず、母子ともに元気に退院されたと承知しています。

PCR検査場

記者: PCR検査場の件についてお伺いします。23か所に拡充するということなのですけれども、これによって検査件数はどのくらいに引き上がるのでしょうか。

知事: 前は20件を目標にすると言っておりましたけれども、今日の時点で23件になりました。地域によってこの稼働日数や検査体制が異なりますけれども、平均すると、まずは1か所で1日当たり5件から10件程度の検査、これが可能になります。今後、効率的に検査が実施できるようになりますと、1か所で1日当たり20件程度、23か所の検査場で1日当たり460件程度の検査が出来ることを目標にしたいと考えています。これによりまして、検査場設置前は1日当たり200件から300件程度だった検査件数が、660件から760件程度になることが見込まれています。

記者: 660件から760件程度になるということだと思うのですけれども、知事としてはどの辺りがゴールというか、どのくらい必要だと考えていらっしゃるのか。

知事: PCR検査、これが万能ではないということ。PCR検査だけを何とかすれば、何とかなるというものではないという、これは、専門家のご意見をわれわれはお伺いをいておりますけれども、さまざまな検査体制、いろいろなものが揃って総合的に見ていくものだということであります。今の状況ではこの760件まで行けば、まあまあ何とかなっているというふうには感じています。ただ、さまざまな、これからの推移を見ながら、どれくらい増やしていくべきかといったことを考えていきたいというふうに思っています。

地方創生臨時交付金

記者: 私から最後にします。きのう、安倍総理の方から、新型コロナ対策の地方創生臨時交付金について、1兆円から2兆円を増額するというお話がありました。まだ神奈川県の配分額は決まっていないと思うのですけれども、この2兆円という額について知事の受け止めをお願いします。

知事: これは、全国知事会を通して、さまざまに財政負担が生じているということを訴えてまいりました。そのような中で、特に医療機関に対する負担、医療機関の中でも特に、コロナに対応する病院、神奈川県で言う重点医療機関と言っているものです。これをやるためには、大変な負担も生じているのだといったことなどをずっと訴えてきて、全国知事会からの要望として、飛躍的な増額といった表現を使って申し入れてまいりました。それで、この2兆円という金額を提示されたといったことは、そういった要望に対してお応えいただいたと思って評価しているところであります。まずは、神奈川県としては、緊急事態宣言が延長されたことを受けて、休業要請も延長いたしました。そこで、これに応えてくださった皆さんに対しては、協力金をお支払いすると申し上げてきました。今回は、休業要請をしていない業種であっても自発的に休業をしてくださっていた方にも、この10万円の協力金をお支払いすると言っておりますので、それにまずは活用したいと考えています。

周産期コロナ受⼊医療機関

記者: 私から1点お願いします。県がこれまでも医療崩壊を招かないために、神奈川モデルの整備を全国に先駆ける形で行ってきたと思います。それで、本日、妊婦さんや高齢者、障がい者などの、そうした今までカバーできていない所を支える体制も整備されるということを発表されました。改めて、整備したところの意義について知事の考えを教えてください。

知事: きのうの時点で、国の緊急事態宣言、これが神奈川県も解除されたわけです。神奈川県はまだ患者数が、まだまだ減り切ってはいない状況ではありますが、全国的に見ても収束傾向といったことは、数字を見ても明らかであります。しかし、われわれは、当初から最悪の事態を想定して準備をするといったものが危機管理の鉄則だということで準備してまいりました。われわれが想定したのは、アメリカで起きている感染爆発とイタリア、フランスで起きているような、大変な、何万人も亡くなるような、そのような医療崩壊。あのようなことに絶対になってはいけないといった思いの中で、先へ先へと進んできたわけであります。そのような中で、基本的には、中等症を集める重点医療機関、そして、高度な専門医療機関、そして、無症状、軽症者の皆さんには宿泊施設、自宅。こういう三層構造が出来てきましたけれども、こういったものを作って行く中で、さまざまな新たな課題に直面をしてまいりました。つまり、コロナの患者さんだけではないわけです。お一人がコロナになっても、別の背景を抱えていらっしゃることは、よくあるわけです。だから、精神科で重症の方、この人がコロナになった場合にはどうするのか。それから、お子さんがコロナ感染になったらどうするのか。それから、保護者が陽性になって、お子さんが取り残されたらどうするのかと。そういったさまざまな、これまで具体の、あり得る状況というものを想定しながら神奈川モデル・ハイブリッド版というものを進化させてきました。その延長線上で、きょうご発表した通り、妊婦さんだであればどうするのか、新生児であればどうするのか、それから介護者が陽性になってご自宅に取り残された介護を必要とされる高齢者、障がい者の方をどうするのか、といったさまざまなこういう応用編、これをずっと整備し続きてきました。これだけ患者数が収束に向かっていく中で、どんどん医療体制を整備しているということは、ある種不思議に見えるかもしれませんが、しかし、われわれは第2波がやってくるといったことを想定しています。第2波が来たときに、もしかしたらこれは第1波より大きいかもしれない。そのときに県民の皆さんのいのちをしっかり守るための体制、これはしっかりと整備していきたいと考えて、きょうも打ち出したところであります。

事業活動再開に伴う感染拡大防止対策等

記者: LINEコロナお知らせシステムのことですが、解除に合わせたということで、きょう午前9時から始まったということですが、改めて、このお知らせシステムを導入されたねらいを聞かせていただけますでしょうか

知事: これから、われわれはずっとモニタリングしていかなければいけないのです。いつどこで患者さんが発生するのかといった中で、やはり発生したときに、その感染経路をしっかり追えるということが、とても大事なことになってきます。そのために、われわれがずっと前から進めてきましたコロナパーソナルサポートシステム。これがこのままお知らせシステムに使えるといったこと、これでアレンジを大至急やってまいりました。
 そして、このたび休業要請を解除するといったことになって、神奈川県は感染防止対策をしっかりやっていらっしゃる、そこのところを見える化するといったことで、先程ご紹介したようなチェックシステム、これを開発したわけであります。そして、どのような感染防止対策をやっていらっしゃるかというメモを掲示していただくと。そのときにLINEのパーソナルサポート、LINEお知らせシステムの2次元コードが入っているといったらば、その店に入られた中で、「ピッ」とそれを登録していただきますと、その後そのお店で患者さんが発生したといったときには、その方に情報が飛んでいくと。そうしたら、もしかしたら自分は感染しているかもしれないといったことで、いろんなところにご相談されるというきっかけにもなると。そういったことを積み重ねることによって、感染経路を追えるようなモニタリングシステムを整備していくといったこと。それが皆さんの安全・安心につながるのかなと。それがまた、いのちの問題と経済の問題を両立させていくという、これから非常に難しいオペレーションですけれども、その中では有効に働くシステムではないかと思っているところです。

記者: 今のお答えの中に一部入っているのですけれど、こちらの追跡できるシステムを入れることで、利用者、事業者双方にとって安心して営業をし、なおかつ活用できるということをねらいとしてそれをやることと、感染防止対策に努めること。この間の関係というのは、改めてどういうふうにお考えでしょう。

知事: 感染防止対策をしっかりやっていただくということ、これは見える化するということ。そうすることによって、利用者の皆さんはそういったお店を選ぶ。そうするとそこで良い流れができてくるのではないかということで感染防止対策が進んでいくだろうといったことを考えていますが、しかし感染防止対策を完全にやっても、そこで陽性患者さんが発生するということ、これは100パーセント、ゼロにすることはできない。もともと陽性患者だった人がこの店を訪れることだってあるかもしれませんから。
 そういう場合に、いち早くその情報を伝える、皆さんにお伝えするというシステムがあるといったことは、ある種2重の意味での安心な体制につながるのではないかと思っています。

記者: あと少し細かい話ですが、知事のお話の中で、きょう9時までに100件以上ということですが、これは利用者、事業者双方合わせてということでしょうか。

知事: 事業者です。

記者: あとこちら、導入の目標件数とかございますでしょうか。

知事: すべての事業が入っていただくことが一番の目標であります。

記者: 担当者の方にお伺いする話かもしれませんが、チェックリストについてなのですが、さまざま20業種あるわけですけれども、この中で神奈川独特な項目をチェックリストに入れたものというのがあれば、教えていただければと思うのですが。

産業労働局企画調整担当課長: 基本的には各業界団体の項目、特に重要と思われるものを抜粋しておりますので、神奈川独自というものは特にございません。

城山ダムに関する新たな情報共有の仕組み

記者: 城山ダムの新たな情報共有システム導入の件ですが、こうしたシステムで瞬時に各流域の自治体が分かるということですけれども、そのあとに流域自治体の方々の避難という問題も出てくると思います。早く伝えられるけれども、避難しなければいけないけれども、今まさにコロナの問題が出てくる中で、それこそ避難活動にも新しい生活様式に基づいた視点が必要だと思いますけれども、今後のこういった出水期を迎えた避難活動について、知事、新たにどういう避難をしなければいけないか、そういうお考えについてお話いただければと思います。

知事: この点については、ずいぶん前に皆さんにご提示をした1つのアイデアがありました。こういったコロナといった大きな出来事が起きている中で、もう1つ災害が同時に起きる可能性。大雨が起きる、大地震が起きるということだもあり得るといった中で、一体どうするのか。
 去年、われわれは大きな台風に見舞われて、その対応に当たりましたが、その中で経験した避難所の問題です。やはり、避難所はどうしても密になりがちだと。やはりコロナでは密を避けるということが大前提だけれども、避難所というものは密になりがちだというこの問題をどうするかといった中で、世界的な建築家であります、坂茂さんのNPOと連携して間仕切りシステムといったものを開発しました。簡単な紙の筒ときれを「ぱっ」と被せるだけで、非常に簡易にあっと言う間に出来上がるこの間仕切りシステムでありますけれども、この備蓄もしていたわけであります。
 ご承知のとおり、先日、緊急事態宣言が始まったときに、ネットカフェが閉店になったと。休業要請をお願いした中で、ネットカフェでお泊りになっていた方を一時的に収容するために、武道館にそれを運び込んで、すでに使ったという実績も既にあります。また、これを今、また備蓄をしています。ですから、この間仕切りシステムは一つの解決策です。あとは、避難所の形もいろいろあると思います。基本的には市町村の仕事であります。市町村が、今まではどのように体育館にしていたか。ここだけだととても皆さんの避難所としては足りないといった場合には市町村の皆さんがさまざまな形で避難所を確保してくださるといったことを期待しております。そのために今回の予算の中で追加で2億円をご用意して、災害対策の準備をするために、そういったものをそれぞれの工夫の中で使っていただけるような財政的な措置をしているといったことです。

記者: 今後、避難しない判断も求められるという考えもあると思うのですけれども、実際の住民の方々がいざそういう場合になった時の行動様式についてはどういう風にお考えでしょうか。

知事: その災害の様態にもよりますけど、その方々がお住まいになっている地域の状態にもよると思います。基本的には、どういう風なオペレーションをするかは地元市町のご判断だと考えています。

周産期コロナ受⼊医療機関

記者: 周産期コロナ受入医療機関の件なのですが、県内を6つのブロックに分かれて、妊婦さんを受け入れるということなのですが、拠点医療機関の役割はどういうことなのかというのと、軽症だった場合は原則入院ということなのですが、無症状はどうされるのか。改めて、なぜ必ず入院したほうが良いのかそこらへんについて説明いただければと思います。

健康医療局技監: 拠点医療機関なのですが、先程出ていたリエゾンがあります。この方々がここに所属している役割です。拠点医療機関は他の受入れの医療機関と特別違うことをしているのではなくて、そこがコントロールの人員を配置していると、そういう風に解釈してください。

記者: そもそも入院が原則という理由を改めてお願いします。

健康医療局技監: 元々、国の通知の中でも入院の対象の中で免疫低下、合併症をお持ちの方、そういった中に妊婦さんも含まれていて、実際に患者さんとしても一般論として妊婦さんは免疫が少し弱い、そういう可能性がある保護されるべき対象である。こういったことが医学的常識としてありますので、そういうことで入院の対象である。ここがスタートなのです。当然妊婦さんと言っても週数によってさまざまであり、非常に幅があることは皆さんお分かりだと思いますので、基本入院を原則としておりますが、これは現場の専門である産医科の先生方のご判断によって一応入院しますが、場合によっては在宅の判断もありだと周産期の専門の先生方とお話ししている中では伺っております。基本一度は入院するけれども、その後は場合によっては在宅に切り替える。こういったケースは判断の中で出てくるとご理解ください。

神奈川モデル・ハイブリッド版

記者: 神奈川モデルのハイブリッド版のところで、今まで精神科をやられたり、子どもをやられたり、妊婦をやられたり、今度は在宅の方、これである程度カバーしているのかなと感じもするのですが、さらに足りないところはどこらへんなのか。もう、そろそろほぼ完成してきたとかそこら辺の感触はどうでしょうか。

知事: まだ完成してないです。いろんなケースがまだあると思います。難病の方をどうするのかという問題もあります。さまざまな治療を在宅で継続中の皆さんはどうするのか。そういった問題もあると思います。

城山ダムに関する新たな情報共有の仕組み

記者: 城山ダムのケースなのですが、これを見るとLINEを使うということなのですけど、去年の時も消防関係にはLINEは使われていて、そこのところの情報交換はできたと伺っていたのですけど、一番大事なのは市町村長との連絡がなかなかできなかった、今回も電話連絡となっているのですが、そこにLINEを使う予定はないのでしょうか。

知事: それぞれの災害の担当とLINE WORKSで「パッ」とつながる。今、ご指摘されたのは去年だったですか。消防の訓練でそれを使っている現場を見た時に、あれはすごいです。私も見てびっくりしました。現場で撮った情報をすぐにその現場で送ったならば、いろんな消防本部に瞬時に飛んでいって、皆が確認できる。誰がそれを読んだかということはすぐに分かって、読んでない人のところには電話で例えば連絡して、その確認もする。そのようなこともできるといったことです。それを今回はこういったダムの安全のために使っていこうということでありまして、基本的にそれぞれの市町の鍵を握る人物に届くことが一番大事でありますから、そういった受取体制といったものを整備していきます。これによってこれまでとは全然違った対応になっていくと期待しております。

神奈川モデル・ハイブリッド版

記者: 神奈川モデルの重点医療機関のこれからについてお尋ねしたいのですが、第1波はやや落ち着いたように見えますけど、知事もおっしゃったように第2波が懸念される中で、重点医療機関の重要性は決して下がっておりませんが、一方で指定された機関から病院経営が非常に厳しいと声が上がっております。第2波がいつ来るか分からない中で重点医療機関の指定をさらに進めるのか、それともこの程度に留めておくのか。中期的な考え方を教えてください。

知事: 非常にこれから重要になってくるポイントだと思います。今、一般の医療に大変なご負担をかけながら、コロナの重点医療機関を維持しています。これによって医療経営に対するダメージは大変なものがある。私もこの点についてはずっとアピールし続けています。国の方もそういった認識を持ってくださったと最近は思っています。これをいつまで続けるのかといったことです。第2波に対する備えでありますけれども、第2波はいつ来るのですか、本当に来るのですか、ということ。それがどれくらいの大きさなのか。これ実は誰も分からない。「まぁこれくらいでいいだろうかな」ということで、通常に戻した瞬間に、「どーん」ときたら手遅れになるということだってないわけではない。といったことがありますので、この重点医療機関の出口戦略、国としっかり情報交換をしながら考えていきたいと思います。基本的にはワクチン等ができる、集団免疫ができるといったことでなければなかなか0に戻すのは難しいと思いますけども、いろんな、途中のプロセスがあると思います。こちらは残すけど、こちらは少し順々に戻していこうとか、戻してもすぐに重点医療機関にできるようなオペレーションとか、そういうさまざまなことを、慎重に国とも連携しながら考えていきたいと思います。

記者: 今指定している中で、たとえば、一部は空きのままにしておく、一部は出ていただくというような約束を患者さんと同意を取り付けながら一部は使うとか、そういった臨機応変にしていくといったイメージでしょうか。

知事: たまたまわれわれは全国のどこでも作っていない、仮設の病棟といったものを作っています。工事中ですけども、これは置いていても良いのです。普段はなかったわけですから。まさに、コロナ専用で新しく作ったところですから。この分はあるという中で、では、少しずつ、他のとことろは通常診療にあてていくといったこと。また、コロナの患者が増えたときにさっと戻せるような形にしながらやっていく。そういうことのオペレーションを具体に近いうちにしっかり考えてこうと思います。

記者: 新たな医療機関の指定をストップするとか、そういうことはあるのですか。

知事: 今、1,300いくつですから。病床確保しているのは、重点医療機関。われわれは、フェーズ0、1、2の中で今は1の段階です。フェーズ2になった時には、重点医療機関が2,500いるという想定で準備を進めていますので、これはまだストップはしていません。今の段階では。だから、広げ方も様子を見ながらやっていくということが必要だと思います。ですが、これから、この、水際作戦というよりも、鎖国に近いような状態になっています。これをどこかで緩めていく、開き始めていくのがどうしても必要になってきます。その時に、改めて、海外から入って来られる方の中で、新たな第二波の波といったことがありうる、起きるかもしれない。そのあたりも慎重に門を開くと同時に医療体制どうするかといった問題。これもしっかり両にらみしながら国としっかり連携しながら、相談しながらやっていきたいと思います。

記者: 軽症者や無症状の方が療養する施設なのですが、今、湘南国際村センターとアパホテルを使っていますが、こちらのほうも出口戦略が必要だと思いますが。どのように考えていますか。

知事: まさにその通りです。アパホテルの契約が8月31日とまでと一応なっていますので、その時点でどうするかまずは検討してみたいと思います。

記者: 先程知事もおっしゃった最悪を想定して準備するというのは、おそらく正しいと私も思いますが、宿泊療養施設を指定する時に途中段階では1,000室程度のホテルを指定することを進んでいると記憶していているのが、途中からアパホテルの2,300室が出てきて、今となっては結果的にかなり空きがあります。結果論でいうのはよくないですが、第二波に備えた指定の仕方として、例えば1,000室程のところから指定していくとかいった、やり方はどうなのでしょうか。

知事: 前、1,000室とお伝えしていたホテルは、今使っていません。逆に言うといざというときには、使えるようになることでもあります。そのくらいのアパホテル1つ確保できたので、これだけあれば当分は大丈夫と思ったわけです。案の定そうなり、言ってしまえばガラガラです。ですから、他に声かけなくても済んでいますが、声をかけて、いざと言う時はご協力いただけるホテルはちゃんとわれわれは確保しています。

記者: あえてお尋ねする質問ですけど、2,300室のアパホテルを指定した判断は間違っていなかったということでよろしいですか。

知事: 間違っていなかったと思います。われわれは最悪の事態を想定して先へ先へ先へとやってきましけど、前に申し上げたかもしれませんが、これが壮大な無駄になるといったことが理想だと、あえて思っていました。ですから、今のまま収束していけば、第二波がこないで収束していけば、あんなにホテル用意してあるのに、少ししか使わなかったではないかとなっても、それはベストなシナリオだったと言えると思います。まだ気を抜けないです。

医療機関の経営難

記者: 医療の関係で、今の話とも連動するのですが、足柄上病院について、知事何度もおっしゃっていて、医療収入が減っていると。きのうは厚木病院からも要請があったと思うのですが、他に把握しているどちらかの病院が経営で苦しいといった話があるのかと、実態調査等をする予定はあるのか、県として財政支援はなかなか難しく国への要望を続けていくのか、そういったあたりをお願いします。

知事: きのう、厚木の市立病院のほうからも、経営が非常に厳しいといったお話、ご要望がありました。その規模感といったものは足柄上病とやはり近いといったものを覚えています。ですから、相当なダメージというわけです。今現在としてはわれわれ、当面のことに対応することに必死でしたから、それぞれの病院の経営状態がどうなっているか精査する余裕もなかったわけですから、これからひと段落してくれば、そういったことに対する調査もしっかりやっていかないといけないと思っています。それとともに、先日も申し上げましたけど、大学病院の医学部長会でまとめられたものでも全国で、大学病院だけでも5,000億円がダメージだと、マイナスだと、嘉山さんという会長と、日本医師会の横倉会長が安倍総理に直訴されましたけれども、横倉会長の発言は7兆円ダメージを受けているからという話でありましたから、それぐらいの巨大な規模です。こういった医療に対する犠牲の上に、われわれはコロナに対応しているのだということ、これはとても県だけで対応できることではありませんので、国を挙げて取り組んでいただく必要がある大きな課題だと思っています。どこかの時点で、県内の医療機関にどれだけのダメージがあるのか、どれぐらいの支援をしなければ医療の体制が維持できないのか、調査しなければいけないと思っています。

医療機関の受診

記者: その関連で、以前県民の方に、急がない手術は控えるようにという呼びかけもされていたと思うのですが、それも解除になるのか、もうしばらく待っていただきたいのか、そこはいかがでしょうか。

知事: これはもう、徐々に徐々に皆さんの期待に添えるようにやっていかなければいけないと思います。いつまでも先送りしていると、コロナの問題ではなくて、その人が大変なことになったらこれは取り返しがつきませんから。

健康医療局技監: 非常に重要な問題でございますので、知事からありましたように、まさにそこの検討に入ったところでございますので、もう少しお時間をいただいて、これは国ともタイアップしておりまして、その中で最終的な回答を出させていただきたいと思います。

周産期コロナ受⼊医療機関

記者: 妊婦さんの件なのですけれども、希望する妊婦さんへのPCR検査の実施についてはいかがでしょうか。

知事: 妊婦の新型コロナウイルスのPCR検査につきましては、国の第2次補正予算案の中で、希望者に検査費を補助する方針と聞いております。ですから、県としても希望する妊婦さんが検査を受けられるように検討していきたいと考えております。

事業活動再開に伴う感染拡大防止対策等

記者:今度は県内の方で、チェックリストについてなのですが、その中にはスポーツジムとかキャバクラとかライブハウスとかクラスター歴のある業種も入っています。一方で、きのうも知事はそういったクラスター歴のある場所には行くのを控えるようにと求めていて、それは少し齟齬があるのかなと思うのですが、これらのクラスター歴のある業種の方もこのチェックリストを見て準備はする。でも、人は来ないで。それは少し合理的な理由になるのかなと思うのですが、そこらへんへの見解をお願いします。

知事: 休業要請というのはこれまでのやり方でした。お店を開かないでくださいと言っていた。しかし、緊急事態宣言が終わったわけですから、こういう言い方ではない表現にするということです。これは休業要請を全部解除しましたから。そのような中で、これは国の対処方針の中でもそうなっているのですけれども、それに従ったとお考えいただきたいです。というのは、カラオケとか、ナイトクラブとかジムとかライブハウス、ここでかつてクラスターが発生した。このかつてクラスターが発生した場所には当面の間行かないでくださいという話、これが国の基本的対処方針の中に書かれていることです。私はそれを言っているだけの話なのです。それはそれとして開業に向けた準備ということは進めてくださいということです。ですから、ガイドラインも、それはしっかり順守するように準備を始めてくださいということで進めているとお考えいただきたいと思います。ただ、その当面の間というものを、きのうの国の対処方針ではまずは三週間程度と出てきましたから、われわれもそれに合わせて三週間程度は、かつてクラスターを起こしたところには行かないでくださいという話をしています。

記者: かつて知事は休業と補償はセットだとずっとおっしゃっていて、でも、それ以前に協力金を出されることにされたと思うのですけれども、今回は休業ではないから補償はしないみたいに聞こえなくもないのですが、そこはいかがですか。

知事: 休業と補償はセットでという、結局その話は無くなったのです。休業補償はできませんでした、誰にも。国はやれないとおっしゃったのでわれわれはできなかったから。協力金というのは補償とは違いますから。協力金という形で対応しております。それはその話であって、今回は要するに国の対処方針に基づいて各都道府県でさまざまな対応をすると言った立て付けになっているわけですから、われわれはそのクラスターを起こしたところに対する対応については国の基本的対処方針というものを皆さんにご説明しているということでありまして、事業再開に向けては、準備は進めてくださいということを同時にするということでご理解いただきたいと思います。

記者: 確認ですけれども、知事が今回行かないように要請するクラスター歴のある場所は具体的にはどこなのか、教えてください。

知事: 今言った4業種です。

記者: 改めて教えてもらってもよいですか。

知事: これは国の言っていることです。ナイトクラブ、ジム、カラオケ、それとライブハウス。これでよいですか。

知事政策秘書官: 国のクラスター4事業はライブハウス、カラオケ、スポーツジム、そして、接待を伴う飲食業。この4つでございます。

津久井やまゆり園の中間報告

記者: きょうの発表にはないことなのですが、先週、やまゆり園の話ですけれども、やまゆり園の検証委員会が報告書を厚生常任委員会で報告されました。その点について知事の受け止めをお願いします。

知事: 中間報告書は新型コロナウイルスの感染拡大防止により職員等のヒアリングが行われなかった。しかし、書面調査により明らかになった課題をしっかりとまとめていただきました。かながわ共同会もこれを真摯に受け止めて事実確認と原因究明の作業を進めていると承知をしております。今後、設置する部会では、検証委員会で得られた知見を活かして、他の県立施設の支援内容を検証しつつ、利用者目線の未来志向の障がい者福祉の在り方、これを検討していきたいと考えているところです。

記者: 今、知事がおっしゃいましたけど、ヒアリングができていないという状況があって、報告書の前提となる事実の部分がしっかり固まってない時点で、報告書を出すのは、どうなのかという指摘もあると思いますが、この点について、知事どうお考えですか。

知事: これは、こういう事態ですから、先延ばしして、時間が経ってからやるといったら、新たなスタートができなくなってしまいます。われわれの一番大きな目的というのは、新しい利用者目線の障がい福祉の在り方ということをしっかりと実現していくということです。そのためには、ある段階で、検証委員会で中間報告をまとめていただかないと、前に進めない部分があります。これは、今、共同会と協議が始まっています。その中で、事実確認等を含めながら、こういった中間報告を含めながら、共同会がどう受け止めて、どう乗り越えるのかといった作業に入ってくだるのですから、そちらの方が重要だと考えております。

神奈川モデル・ハイブリッド版

記者: 不要不急の手術に関連して、現在フェーズ1ですが、フェーズ0に戻す要件が、もしあったら、それとフェーズ0に戻した時は重点医療機関を無くしてしまうのか、そこらへんを教えてください。

知事: フェーズ0、1、2は、最初にご提示したなかで数が書いてあります。重症患者が0から20人、中等症患者が0から100人、これが一つの基準です。これにあわせてフェーズ0に戻すかどうかです。ただ、0になっても、重点医療機関をなくすことは考えていません。それはそれとして、第二波に備えるのは別の話です。

海水浴場

記者: 緊急事態宣言が解除されて、知事も経済をソロリソロリと動かして回していこうとする中で、先週、湘南の海の海水浴場に開設についても、各市町、組合との会議がなされたと伺ったのですが、そのガイドライン案が、実際の施行はこれからだと思いますが、厳しい条件だったというなかで、海水浴場の開設に関する知事のお考えを伺えればと思います。

知事: 専門家のご意見もお伺いして、われわれは考えました。夏の甲子園が中止になっているという状況のなかで、湘南の海に海水浴客が溢れる状況というのはどうなのかなと、それはなかなか違和感があるなと、私の個人的な想いがありました。しかし、専門家のご意見をきいてみると、海で泳ぐこと自体は感染症にとってマイナスではないし、広い海で日光を浴びることも何の悪いことではない、むしろ良いことだと。しかし、海水浴場に行くと、どうしても密になってしまう、特に海の家です。海の家で、海そのものは離れていますが、海の家は密になりがちだと、更衣室はどうだとかいろんな問題がある、その時に、最初から県が海水浴場は止めましょうというのは、ちょっと違うのではないかと、それぞれの場所の適正もありますから。ですから、ガイドラインを作ろうとなった。かなり厳しめのガイドラインになったと私は受け止めています。今、言っている密を避けよう、これを海水浴場でできるかどうかということです。あまり人が沢山来られると、それだけで密になってしまいますから、完全予約制という形にして、人数は最初から絞ると、それから、中で密を避けるためにさまざまな工夫をしてください等、それからやはりそれぞれの沿岸市町の判断がありますから、地元の住民の皆さんの声もありますから、地元の市町の了解も得てくださいと、そういったものを並べたガイドラインをご提示して、それでやるのだとなったら、開設することはできます。それぞれの組合の皆さんがどう判断されるということだと思います。

記者: 実際に各市町長さんと、どういったお話をされたのですか、反応として。

知事: いつもだったら、市長会とか町村会とかをやっているのですけど、できないので、ご希望のある市町村長さんとは、ウェブで、個別のマンツーマンでやっています。その時には、今回ガイドラインの対応といったものを評価していただきました。

記者: 海で泳ぐことは問題ないと、屋外だからいいのではないかと判断も一般的な考えだと思いますが、重要なのは海の家の営業ということでしょうか。

知事: そういうことです。

記者: そこがきっちりと守れれば、問題なく。

知事: 今、ガイドラインを出していますから、やってはいけないということではなくて、このガイドラインを守れればやってくださいということです。神奈川の海でもいろんなところありますから。江の島の片瀬の海岸、湯河原、真鶴の海、三浦の海とか、状況は違うと思います。そして、市長さん、町長さんの考えも違うと思います。ですから、どのような対応になるかは、いろいろあると思います。

記者: 知事としては、どうですか、この夏、海行きたいですか。

知事: 海好きですから行きたいですけど、海水浴というよりはダイビングです。

記者: ダイビングもできない可能性が。

知事: ダイビングどうなのでしょうか、当面はできないと思います。

事業活動再開に伴う感染拡大防止対策等について

記者: 何点かお伺いさせてください。感染防止対策の取組書についてですが、休業要請一斉に解除して、各事業所と県民とでよりよい関係を築いていくということで非常に明快な理論で理想的だなというふうにも感じているのですが、一方で、スムーズに取り組みが進んでいくのかというところも若干半信半疑になるところがありまして、やはり人気店に人が集中したりであったりとか、満席で混雑したりとかそういった懸念はどうしても拭えないのかなと思うのですが、半信半疑な点について知事のお考えを一言いただけたらと思います。

知事: 今、県民の皆さんがどういう意識でおひとりおひとりいられるかなということです。私が思うのは、われわれはそういうメッセージを出していますけれども、「ウイルスはいますよ、緊急事態は終わりました、ウイルスはいますよ、いつ感染してもおかしくないですよ」といったことをずっと言っています。そうするとその言葉が残っている限り、皆さんの行動はある程度自粛されると私は思います。ですから、そのよう中で取組書というのがあって、この店はこんなふうにして感染防止対策しっかり取り組んでいらっしゃるのだ、といったならば、ここだったら安全だろうと思って入る、そういう流れがきっと出てくるというふうに思います。テレビで見ていても、いろんな街頭インタビューを見ていても、怖い怖いとおっしゃる方がいる。それくらい一連の流れの中でコロナウイルスに対するある種怖さをしっかりと皆さんが自分の心の実感として把握されているということです。これは大きな防波堤になると私は思っています。

記者: すべての業種を解除したというところにおいて、以前休業要請でパチンコ店の名前を公表されて、それによっていろんな影響が出てきたと、こういったものとも、すべて一斉に解除して事業者と県民に判断を任せる、委ねるというところに判断がつながっていったというのはあるのでしょうか。

知事: 前の法律の立て付けというのは、業種ごとに対応するのです。この業種は休業要請の業種です、と。ただ、パチンコ店は休業要請に入っていたわけです。ところが、実際問題として現場しっかり見てみると、同じパチンコ店でも全然対応が違うのです。感染防止対策をしっかりやっているお店もあるわけです。片や全然やっていないお店もある。第1期のとき、緊急事態宣言のときに、あの時は最後の指示にまでいったのは一件だけだったのです。そのあと3日くらいして止められましたけれども、第2期になったときは、全然休業要請は全く聞かないで、ずっと続けられるような形になってきてしまった。もう我慢できない、という状況になってしまいました。そのような中でわれわれは強制的に止めさせる権限もないし、という中で結果的に放置せざるをえなかったのです。あのときに改めて思ったのは、同じパチンコ業界の中でも、感染防止対策を一生懸命やっているお店とやってないお店を区別すること、それは大事なことなのではないかなと学習したのです。だから、今回あえて業種という形ではなくて、そのお店お店の感染防止対策の取組み方といったこと、しかも、平時であればそういった感染防止対策どれだけやっているかということを県がチェックして、県がAクラス、Bクラス、Cクラスと分けて認定するといったことも手段としてはあると思いますけれども、今非常時で、そのようなことに時間をかけてる余裕がないわけです。だから、それをどうするかといった中で、皆さんの取組みをガイドラインをもとにしたチェックリストで見える化する。それは利用者の皆さんがそれを見ていただいて判断する、そういう流れを作るのが今はベストだと思った次第です。

神奈川モデル・ハイブリッド版

記者: 第2波についてもお伺いしたいのですが、第2波が来るという点においては、北海道の例がかつての状況を参考にできる点があるのかなと思うのですが、この点について神奈川アラートを発出するに当たって参考にする点などあれば教えてください。

知事: まさに第2波は、ああいう形で来るのだなといったことで、あれもよく言われているのは北海道の自主的な外出自粛要請が終わったといったことを受けて、この関東からもお客さんが行ったといったことが一つの第2波につながったのではないのかと言われていますけれども、ですから、そういった意味で今しばらくは北海道の教訓というのをしっかり見ながら、離れた形での移動、都道府県を越えた離れた形での帰省とか大きな旅行とか、そういうのはもうしばらくの間、控えた方が第2波につながらないためには大事なことなのではないかと思います。

インバウンド対策

記者: 北海道の離れた土地の移動ということですけれども、県内の観光地もしばらくは移動はできなくて、8月から通常ということですが、特にインバウンド対策ということで海外からの外国人観光客が減ってしまうという状況についてお考えをお願いします。

知事: これはわれわれも考えていましたけれども、国の方でもそういう話が出てきているようなのは、これまでの旅行は遠いところに出かけていくというのが旅の魅力だったのです。しかし、これからは少ししばらくの間は近くに旅行するといったことです。県内旅行、県内観光、こういったことをしばらくは少し皆さんとともにシェアしていきたいなというふうに思っています。箱根だとか湯河原とか、さまざまな県内のとても素晴らしいところいっぱいありますから、県民に、そこ行きましょうよといって、そういうような呼びかけはこれからしていきたいなと思っています。そうはいっても、これから先また海外からのお客様も戻ってくるようになると思いますが、それはちょっと時間がかかるのではないでしょうか。そのときには、先日首都圏の一都三県で国の方に要望もしたのですけれども、水際作戦、水際対策といったものをしっかりやらないと、それこそ、そこから新たに医療崩壊が起きる可能性はありますから、そこをしっかりやるということ。東京都は羽田空港がありますし、千葉県は成田空港がありますし、神奈川県は港がありますから、しっかり連携しながら水際作戦といったこと、国ともしっかり連動しながらやっていきたいというふうに思っています。
                                       (以上)

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