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更新日:2019年6月11日

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定例記者会見(2019年6月7日)結果概要

過去の知事記者会見の様子をテキスト版でご覧いただけます。

発表事項

川崎市多摩区登戸における児童・保護者殺傷事件現場での知事献花

 発表項目に入る前に1件コメントしておきます。川崎市多摩区登戸における児童・保護者殺傷事件について、事件から1週間が経った6月4日に、私も現地に赴き献花させていただきました。
 今回の事件は、何の罪もない子どもや保護者の「いのち」が傷つけられ、奪われるという大変痛ましい事件でした。3年前に起きた津久井やまゆり園事件は県立の施設での事件でしたので、事件発生後、私自身がすぐに現場に駆け付けましたが、今回は状況が違いますので、すぐに現場に赴くことは控えていました。
 しかし、自分の中で、やはりどこかで直接現場に赴き、哀悼の意を表したいという思いがありました。
 そうした中、事件から1週間が経った6月4日に、何とか日程の調整ができましたが、当日はカリタス小学校で、県のスクールカウンセラースーパーバイザーによる保護者説明会が行われていたこともあり、私が現場訪問することを公表することで、学校関係者などにご負担をおかけしないよう、今回は公表せず献花することを優先させていただきました。
 現地を訪れてみますと、まだまだたくさんの方々が献花に訪れておりまして、尊い命が理不尽に奪われたことに対して、心をお寄せになっている皆様の思いが伝わってきました。
 改めて、お亡くなりになられたお二人に哀悼の意を表すとともに、負傷された18名の方々に対し、心よりお見舞い申し上げます。
 事件から10日が経過しますが、これまでに県としては、教育委員会とも連携して、県内の私立学校、県立学校、市町村教育委員会あてに、児童生徒等の安全確保を依頼する通知を発出するとともに、スクールカウンセラースーパーバイザーや指導主事等をカリタス小学校に派遣し、児童生徒の心のケアや事故発生時の対応への助言などを行ってきました。
 併せて、「かながわ犯罪被害者サポートステーション」で、今回の事件の被害者とご家族の希望に応じて、法律相談等の支援を開始するなど、速やかに対応してまいりました。
 今後も、引き続き「かながわ犯罪被害者サポートステーション」で、被害者とご家族に寄り添った支援をするとともに、川崎市等の関係機関と連携しながら、必要に応じてカリタス小学校へ専門家を派遣し、児童生徒の心のケアなどにもしっかりと対応してまいります。
 また、一刻も早く事件の真相究明がなされることが重要ですが、県として、今後こうした卑劣な犯罪が繰り返されないよう、何ができるのかを含め、国や市町村など関係機関、皆で力を合わせ、安全安心なまちづくりを進めたいと思います。

令和元年度6月補正予算案及び条例案等の概要

 それでは、来る6月12日に県議会へ提案する、「令和元年度6月補正予算案及び条例案等」について、説明いたします。
 令和元年度6月補正予算は、当初予算に対する肉付けを行うことにより、「持続可能な神奈川」をさらに進化・発展させるとともに、「未来社会創造」につながる施策をスタートさせる予算として編成いたしました。
 具体的には、障がい児・障がい者の地域生活を支える取組みや、中小企業・小規模企業経営の未病改善、防災のための公共事業など、県民生活に密着した施策をさらに推進するとともに、ドローンの活用や、SDGsの取組み、コミュニティ再生・活性化なども推進いたします。こうしたことにより、「笑いあふれる100歳時代」に向けて取り組むことで、「いのち輝くマグネット神奈川」の実現を目指します。
 それではまず、予算の内容を「数字」の面からご説明します。「会計別予算額」についてです。今回の補正予算額は、「一般会計」が252億円で、「特別会計」及び「企業会計」は補正がありません。
 6月現計予算額の総計は、4兆416億円で、平成30年度当初予算額と比較すると、101.4%となっています。
 次に、「性質別予算額」です。6月補正では、政策的経費を252億円計上しました。
 その結果、6月現計予算の義務的経費の構成比は80.9%となり、平成30年度当初予算の81.7%から0.8ポイント下がりました。
 次に、「公共・県単独土木事業予算額」です。先程のスライドで説明した、政策的経費の内数となりますが、防災のための公共事業の追加として、「道路橋りょう」や、「河川海岸」を中心に、合計238億円を補正計上したことにより、平成30年度当初予算と比較して117%と、大幅な増となりました。
 次に、主な事業について、ご説明いたします。初めに、ローマ数字のⅠ、「健康長寿」です。
 まず、「①未病改善プロモーション」です。補正予算額は、2,929万円です。デザインやコピーライティングなどを活用し、人々の行動変容につなげる「広告医学」の考え方を取り入れたプロモーションとして、未病改善の実践につながるような、効果的な映像を映画館で放映します。
 次に、「②障がい児・者の地域生活を支える新たな取組み」です。補正予算額は、629万円です。
 まず、医療的ケア児に対する通学支援として、保護者の代わりに看護師等が通学の同行をする場合にかかる経費に対して補助します。
 また、重度障がい者向けグループホームの人材確保の支援を行うとともに、相談支援体制を強化いたします。
 次に、「③ともに生きる社会かながわ憲章の普及に向けた取組み」です。補正予算額は3,950万円です。従来の取組みだけでは届きにくかった若年層を主要なターゲットとし、SNSを活用した広報やキャンペーンを実施することで認知度を向上させます。
 次に、「④ その他の取組み」です。補正予算額は、1,031万円です。
 まず、がん患者への支援として、妊孕性を温存するための治療費の補助を行うとともに、乳がん・子宮がんの患者に対して、女性の臨床心理士によるカウンセリングを行います。
 また、若年性認知症への対策として、認知症カフェや保育所等を活用した交流の場を設置いたします。
 次に、ローマ数字のⅡ、「経済のエンジン」です。初めに、「①かながわスマートエネルギー計画の推進」です。補正予算額は、1億円です。
 まず、県有施設や共同住宅への太陽光発電設備や蓄電システムの導入を推進します。また、民間事業所における燃料電池フォークリフト用の水素供給設備の導入を推進します。
 次に、「②ベンチャー創出・育成拠点の設置によるイノベーションの促進」です。補正予算額は、1億2,504万円です。
 起業準備者向けに、ベンチャー企業と交流できる拠点を整備します。また、成長期のベンチャー企業向けに、県内企業や支援機関などと交流できる拠点を整備いたします。
 次に、「③中小企業・小規模企業経営の未病改善の更なる推進」です。補正予算額は、1億199万円です。
 まず、県が作成した「企業経営の未病CHECKシート」を中小企業・小規模企業に配布するとともに、専用窓口を設置し、相談を受け付けます。また、販路開拓に取り組む費用や、融資を受ける際に必要となる信用保証料に対して補助するとともに、「企業経営の未病CHECKシート」のアプリを作成します。
 次に、「④豚コレラの発生・拡大を予防する取組み」です。補正予算額は、3,892万円です。
 養豚場が行う野生イノシシの侵入防止対策に対して補助するとともに、畜産技術センターの防疫体制や家畜保健衛生所の初動体制を強化します。
 次に、ローマ数字のⅢ、「安全・安心」です。「災害に強いまちづくり」で、補正予算額は71億4,175万円です。
 「国の防災・減災、国土強靭化のための3か年緊急対策」等に対応し、防災のためのインフラの機能維持等を図るため、河川海岸などを中心に、追加の公共事業を行います。
 次は、ローマ数字のⅣ、「ひとのチカラ」です。「LINEを活用した相談事業の取組み」です。補正予算額は、5,471万円です。
 本年2月に試行したLINEを活用しての相談事業の結果、相談ツールとしての有効性が確認できたことから、児童虐待、子どもの貧困、DVや子ども・若者のさまざまな悩みについて、LINEを活用した相談事業を実施します。
 次に、ローマ数字のⅤ、「まちづくり」です。初めに、「①森林環境譲与税における県の取組み」です。補正予算額は、9,735万円です。
 まず、市町村への人材・技術支援として、技術者を紹介する人材バンクや、相談等を受け付けるサポートセンターを設置します。また、市町村のモデルとなる取組みとして、駅や大型商業施設における地域材などを活用した木造施設の整備等に対して補助します。
 次に、「②幹線道路網の整備」です。補正予算額は、132億6,344万円です。横浜湘南道路や県道611号などの整備を行います。
 最後に、「未来社会創造につながる取組み」について説明します。初めに、「①ドローン前提社会実現に向けた取組み」です。補正予算額は、1,621万円です。
 まず、産学公ネットワークの構築や、企業や市町村と連携した、社会課題解決に向けたモデル事業を実施いたします。また、農作業や鳥獣被害対策に活用するため、ドローンによる農薬散布等の研究を行うとともに、ドローンで撮影した野生動物の画像のAI識別を実施いたします。
 次に、「②コミュニティ再生・活性化に向けた取組み」です。補正予算額は、350万円です。市町村や企業・団体等と連携し、課題や情報共有の場づくりを行うとともに、他の地域の参考となる優良事例集の作成を行います。
 次に、「③かながわのSDGsの取組み」です。補正予算額は、2,970万円です。まず、「SDGsつながりポイントの導入」についてですが、ビーチクリーン運動など、地域の社会的課題の解決に向けた取組みに参加した方にポイントを付与し、「想い」に賛同する企業や店舗で利用してもらう仕組みを構築することにより、多様な主体の「想い」をつなぎ、行動を後押しします。詳細につきましては、後程ご説明いたします。
 また、「かながわプラごみゼロ宣言」の取組みとして、スポーツチームなどと連携したごみ回収イベントや、そこで回収したペットボトルを原料としたオリジナルグッズの作製など、普及啓発を行います。
 次に、「④データ利活用に向けた取組み」です。補正予算額は、144万円です。新たに設置したCDOの下で、多様なデータの利活用のあり方について、専門家の意見を聴きながら、幅広く検討を行います。
 次に、「⑤スマートモビリティ社会の推進」です。県の予算計上はありませんが、あらゆる人がどこでもシームレスかつ自由に移動できる交通体系の構築を目指すため、国、市町村や民間と連携し、交通の課題解決に向けた実証実験を実施します。以上が6月補正予算案の概要です。
 今回の補正予算は、私の3期目、最初の予算編成でありましたが、取組むべき課題への対応を充実強化するものとして、必要な事業を盛り込むことができました。急速な高齢化や人口減少など、さまざまな問題を抱えた課題先進県である神奈川の地から、「笑いあふれる100歳時代」に向けて取組むことで、「いのち輝くマグネット神奈川」の実現を目指します。
 6月補正予算案の説明は、以上ですが、続いて条例案等の概要について説明します。まず、「条例案等の内訳」ですが、表に記載のとおり、条例の制定1件、条例の改正15件、特定事業契約の変更2件、動産の取得2件など、合計27件の提案を予定しています。
 「主な条例案等」ですが、まず、「神奈川県森林環境譲与税基金条例」についてです。本年3月に制定された「森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律」に基づき、今年度より、国から「森林環境譲与税」が譲与されます。これを積み立て、市町村が行う森林整備の支援等に活用するため、基金の設置、管理及び処分に関する条例を制定するものです。
 次に、「神奈川県地域医療医師修学資金貸付条例の一部を改正する等の条例」ですが、県内の医師不足や医師の地域偏在の解消を目指して、修学資金の貸付要件を見直すこととしました。
 主な見直し内容ですが、医師の県内定着率を高めるため、これまで義務付けがなかった2年間の臨床研修期間から、県内就業を義務付けることや、医師の県内定着と地域偏在の解消を目指して、県内での就業期間中の就業先を、県がまとめる「医師不足地域・診療科の医療機関リスト」から選択すること、また、患者を幅広い視点で診ることができる人材を確保するため、県が指定する診療科に、新たな診療科である「総合診療科」を加えることなどです。
 次に、「地方独立行政法人神奈川県立病院機構中期目標の変更について」です。
 県立こども医療センターでは、重症度の高い新生児の受入れを強化し、県内の周産期医療提供体制のさらなる充実強化を図るため、NICUを6床増床して27床に、後方支援病床であるGCUを5床増床して、同じく27床とする予定です。
 これに伴い、地方独立行政法人神奈川県立病院機構中期目標に定めるこども医療センターの病床数を、現行の419床から、430床に変更するものです。
 最後に、SDGsつながりポイントの仕組みについてご説明します。例えば、プロジェクトの主催者が「海をキレイにしたい」という想いで、「SDGsの目標14 海の豊かさを守ろう」につながる「ビーチクリーン」を企画したとします。そして住民に参加を呼びかけます。住民は、「海をキレイにしたい」という想いで、参加するとポイントをいただきます。地域のお店ですけど、ビーチクリーンに参加した住民に、海をキレイにしてくれて「ありがとう」というその想いで、ポイントで「コーヒーの割引」をいたします。このことによってビーチクリーンに間接的に参加したことになります。さらに、SDGsパートナー企業、たとえば、地産地消の電力会社も、「海をキレイにしたい」という想いに共感して、電力の支払いの一部に、ポイントが使えるようにします。パートナーの企業もビーチクリーンに間接的に参加したことになります。このように、SDGsつながりポイントにより、さまざまな主体の「想い」がつながり、SDGsの「自分事化」につなげ、行動の輪を広げてまいります。私からの説明は以上です。

「マグカル開放区」×「ヨコスカ街なかミュージック」開催決定!

 次に、「マグカル開放区」×「ヨコスカ街なかミュージック」開催決定!についてです。毎週日曜日は県庁前の日本大通りが歩行者天国となり、イベント等で使用されない日は「マグカル開放区」として、音楽やダンスなどのパフォーマンスを自由に発表できる空間となっています。
 6月30日の「マグカル開放区」は、横須賀市の「ヨコスカ街なかミュージック」とコラボします。「ヨコスカ街なかミュージック」とは、横須賀市と民間事業者、アーティストが協力して横須賀市内での音楽活動を盛り上げ、常に音楽にあふれたワクワクする街づくりを進める取組みです。
 横須賀で活動するアーティストのパフォーマンスや、キッチンカーのグルメなど、横須賀の魅力で日本大通りを盛り上げます。日時は、令和元年6月30日の12時から16時までを予定しています。ぜひ皆さん、「マグカル開放区」へお越しください。

マグカルシアター2019下半期の上演団体決定!

 「マグカルシアター2019下半期」の上演団体決定についてです。若い演劇人の発掘と育成を目指す「マグカルシアター」の2019年度下半期の上演団体が決定いたしました。
 劇団やパフォーマンス集団、特に発足間もない劇団などからは、発表の場を確保するのが難しいといった声をよく聞きます。また、首都圏では劇場が空いていても高い賃料で手が出ないということもあるようです。今年3月にリニューアル・オープンした「スタジオHIKARI」は、舞台や座席を自由に配置できる定員132名の創造スペースです。いわば若手の演劇・ダンス・パフォーマンスのための「小劇場」となっており、採用された団体は、1週間単位で付帯設備込みで、ここを無料で使えます。
 若者たちの熱い舞台公演が展開されますので、ぜひ御覧いただきたいと思います。上演団体は、資料記載のとおりです。
 なお、本日も「マグカルシアター」の公演が行われます。「演劇Produce『螺旋階段(らせんかいだん)』」による「妄想コピー」及び「父の声が聞こえない」です。私も観に行く予定としておりますので、この観劇を楽しみにしています。

モーションリフレクト式パワーアシストハンドが商品化!

 次に、「モーションリフレクト式パワーアシストハンド」の商品化についてです。
 このたび、「さがみロボット産業特区」の重点プロジェクトとして、神奈川県立産業技術総合研究所とともに開発を支援してきた「モーションリフレクト式パワーアシストハンド」が商品化されることになりました。
 商品はこちらです。これは、平成26年度に開発された、特区発の商品化第1号である
「パワーアシストハンド」の進化版です。「機能」についてですが、脳血管疾患などにより、手や指が麻痺してしまった方を対象に、空気圧を利用して、手や指の関節動作を安全にサポートする装置です。26年度の商品は握って、ひらく動作しかできませんでしたが、今回は、5本の指をそれぞれ動かすことができるようになりました。
 このロボットの特長である「モーションリフレクト」とは、健常な方の手の5本指、それぞれの動きをセンサーで読み取り、もう片方の麻痺している手に同じ動作を反映させて動かす機能のことです。ほかにも、さまざまな指の形をつくる「指体操モード」なども搭載し、手や指のリハビリをサポートできます。
 では、実際にこの「モーションリフレクト式パワーアシストハンド」を動かしてみたいと思います。左手が動かない、右手が動くという設定で、左手に本当ははめている。右手を握ります。人差し指をあげてみます。同じ動きをするということです。自分で右手の指を動かすことによって自然にこちらも動く。今までのものは、こういうのではなく、空気圧でグーっと、固まっているものを動かす、5本指を、これはミラーになっている。これが進化版ということです。
 商品化には、県が実証実験やビジネスモデル構築等の支援を行うとともに、産業技術総合研究所では「生活支援ロボットデザイン支援事業」により、商品戦略や企画面から、すでに販売しています「パワーアシストレッグ」などとともに、一連の「パワーアシストシリーズ」ブランドの確立に向けて支援しました。
 「さがみロボット産業特区」では、今後も、早期の実用化が期待できるものや、県民生活に大きなインパクトを与えるものなどを後押しして、これからも生活支援ロボットを世に送り出してまいります。

「令和元年度かながわシェイクアウト(いっせい防災行動訓練)」の参加者を募集します。

 次に、「かながわシェイクアウト」についてです。シェイクアウト訓練とは、事前登録した方が、いっせいにそれぞれのご家庭・学校・職場等で、DROP!COVER! HOLD ON!、 DROPというのは、まず低く。COVER 、頭を守り、HOLD ON、動かない。この3つの安全確保行動を1分間行う防災訓練です。
 本年も、いっせい防災行動訓練として、9月5日を基本に、7月から10月の期間に実施いたします。昨年は、200万人を超える多くの皆様に参加登録をいただきました。今年も、200万人の大台を目指して、かながわシェイクアウトキャラバン隊を結成して、県内各地で更なるPR活動を行っていきます。
 地震が起きた際に、自らの「いのち」を守るため、シェイクアウト訓練を通じて、県民すべての方に、適切な安全確保行動を身につけていただくことが大事だと思っています。
 ぜひ、多くの方に、シェイクアウト訓練に参加していただきたいと思います。

知事出席主要行事

 知事出席主要行事につきましては、事前送付した資料のとおりです。特に私から付け加えることはありません。
 私からの発表は以上です。皆さんからのご質問をどうぞ。
 

質疑

ひきこもりについて

記者: 川崎の事件に関連してですけれども、中高年などのひきこもり事案一般について、相談体制のあり方とか強化策などを見直すべき点があればお願いします。

知事: はい。本県では、これまでも保健福祉事務所や精神保健福祉センター、青少年センター等において、さまざまな年齢のひきこもりの方やそのご家族からの相談に応じてまいりました。さらに、ひきこもりの長期化・高年齢化に対応するため、関係機関を対象にひきこもりに関する実態調査を行って、現在取りまとめを行っているところであります。その結果を踏まえた上で対策を考えていきたいと考えています。ひきこもりの問題については、ご本人やご家族だけで抱え込まずに、ぜひ、県や市町村等の窓口に相談して欲しいと思っています。

記者: 今の取りまとめというのは、いつごろの時期を想定していますか。

知事: いつ頃になりますか。

青少年課長: この取りまとめにつきましては、6月中を目途に考えてございます。

通学時の児童の安全について

記者: 私も川崎の殺傷事件に関連してなのですけれども、先程児童とか保護者の心理面に関する施策っていうのは県でやっているとおっしゃっていたと思うのですけれども、通学時の児童の安全面に関して県として何かやっていることがあるか教えてください。

知事: この通学路の安全に関して、それをしっかりと点検するようにという通知はいたしました。それ以上に直接何ができるのかといったことは、今まだ具体の回答は浮かんでいないところです。それぞれの地域、学校等で工夫しながら、改めてやっていただくということなってくると思います。しかし、いろんなお声を聞きながら、県としてできることがあるならば、しっかり対応していきたいというふうに考えています。

「令和元年度かながわシェイクアウト行動訓練」の参加者を募集しますについて

記者: 後、もう一点なのですけれども、かながわシェイクアウトについてなんですけれども、これって、それぞれ別の場所で一斉に避難行動をするってことなのですけれども、別の場所であってもみんなでやるっていうことの意味とか意義について教えてください。

知事: これは私も毎年学校に行ったり幼稚園に行ったりとかしながら、皆さんと一緒にやっていますけれども、さあ地震が来たといった時に、その瞬間は自分で自分の身を守るしかないのだということです。それをまずお話をした上で、さあ来たと言って一斉に机の下に潜り込むであるとか、例えば大きな競技場にいたら、皆で頭を抱えてかがむといったことを一斉に一緒にやるわけであります。その中で、1分間その形を維持するということをみんなでやる中で、やはりしっかりと体の中に組み込まれてくると、そのような感じがあるというように思います。これだけ大規模のシェイクアウト訓練を毎年継続してやっているところは他にはないと思います。これをやることによって、また改めて、防災に対する備えといったものをみんなで共有して広げていくといったこと、1回やっただけでは忘れてしまいますからね。毎年毎年繰り返しやるということがとても大事だと思います。

令和元年度6月補正予算案について

記者: 予算の話を一つお願いします。とりわけ、思い入れのある事業を挙げていただくとどれでしょうか。

知事: それぞれ全部思い入れはあるのですけれども。今回の補正予算は、私の3期目として最初の予算編成でありました。
当初予算は骨格予算としての編成でしたが、今回の肉付けにより、まず、持続可能な神奈川をさらに進化発展させるためには、医療的ケア児の通学支援など障がい者・障がい児の地域生活を支える取組み、中小企業・小規模企業経営の未病改善、防災のための公共事業など、県民生活に密着した施策を充実強化いたしました。また、未来社会創造につながる施策をスタートさせるため、ドローンの活用、SDGsの取組み、コミュニティ再生・活性化などに取組むことにいたしました。こうしたことにより、笑いあふれる100歳時代に向けて取組むことで、いのち輝くかながわ、マグネットかながわの実現を目指してまいりたいと考えておりまして、今後、議会でご審議をいただき、お認めいただいた後は、全庁一丸となってしっかりと取組んでまいりたいと考えています。
 基本的に今までやってきたことをしっかりと進化発展させるということと、また、新しい挑戦である未来社会の創造につながるという両方、やるべきことはちゃんとやって、この新しい仕事もやっていくぞという、こういうものが、私が今回の予算にかけた思いであります。

レジ袋の有料化について

記者: 後一点、出ていた話とは関係ないのですけれど、レジ袋を小売店で有料化するという話がありました、数年後に。プラごみゼロ宣言をされた知事としての受けとめと、国に先駆けてやりますとかそういう意気込みがあればお聞かせください。

知事: プラごみゼロ宣言というのは、どこよりも早く打ち出したわけでありまして、そのような中で、レジ袋の有料化という一つの大きな方向性、流れだと思います。県が先にやるかどうかというのは、今の段階ではまだ決めていませんけれども、そういうふうに、時代が流れてきたなということを実感する次第であります。
 

ひきこもりについて

記者: ひきこもりの方の実態調査というのは、事件があったから調査をやるのですか、それとももともとやるものだったのでしょうか。

知事: 基本的には事件があったということが一つのきっかけにはなっていますけれども、今までひきこもりというのは、わりと若い世代、ここを重点的に見ていましたけれども、今回、必ずしも若い世代だけではなくて、もう少し年齢を広げてみなければいけないなということ。これは、今回の事件だけではなくて、その前にも国の調査が出ていました。40歳から64歳の間でひきこもっている人が61万人いるというデータが出ていました。そういうこともあって、やはりこういった、まず実態を把握しないと話が前に進みませんから、まずそこから始めてみようということになりました。

記者: そうしますと、その事件があった後から調査を開始していると。

青少年課長: この調査につきましては、事件が起きる前に、すでにひきこもりの方の高年齢化が進んでいるということもありまして、広い世代の実態を調査したいということで実施したということがあります。

令和元年度6月補正予算案について

記者: 補正予算案の中身なのですけれども、妊孕性の温存治療費補助。改めてその思いと言いますか、改めて知事のその補助への思いというのを聞かせてください。

知事: がんに対する取組みというのは、いろんな形でしていかなければいけないということです。そのような中で、皆さんのいろんなお声を聞く中で、この妊孕性、生殖機能を温存するということです。これは非常に重要なことだと思います。ですから、こういった悩みがある皆様に対する具体的なきめ細かい支援といったことだと思います。
 がんというのは、とにかく治れば良いというものではないです。そのがんの患者さんは、さまざまな課題に直面しますし、そういった心理的サポートも必要だといったことで臨床心理士によるカウンセリングといったこともやっていくとか、さまざまな、がんにまつわるいろんなことを総合的にできる限りきめ細かく支援していきたい。そのような思いであります。

記者: 一般の不妊治療とは若干性質が違うかなとは思うのですけども、所得制限が730万円未満で、年齢は40歳未満ということになっていると思いますが、これを今後引き上げるとか、これはまずやったことがないとは思うのですが、そのへんの可能性とか展望というのはどうでしょうか。

財政課長: そのへんについては、まず補助をさせていただいて、いろいろと県民の方から声を聴きつつ、検討していきたいと考えています。

記者: 今回の補正予算は、先程おっしゃるように、当初予算に対する肉付けと。知事選で訴えた政策というのは具体的に反映されていると思うのですが、その中で、まさに知事選挙の期間中に知事がいろんな意見を取材したということをおっしゃっていましたけれども、知事が直接目にしたものを反映させたものがあれば教えてください。

知事: 医療的ケア児のお母様たちに集まっていただいて、話を聞きました。これは非常に私にとってはインパクトがある話だったのです。それで、それに対する対応策というものをとにかく早くまとめるということで、指示をしておりまして、そしてそこで大体出たもの全部メモしていましたから、それに対するお答えを全部ご用意して、そして、その時に集まっていただいたお母様方にもう1回集まっていただいて、このように対応しましたということをお話するとともに、これ横浜市と連動してやったのですけれども、さらにわれわれが対応したものを受けた上で、しっかりと皆さんが改めていろんな意見交換をしたということがありました。その中の一つなのですけれども、医療的ケア児に対する通学支援といったもの、これは入ったということです。それ以外の部分はまだ予算措置ではないものもたくさんありますけれども、取りあえずはこれを入れたということで、これはまさに選挙の結果といったことがあります。
 それと、ドローン前提社会という形で選挙前にも言ったのですけれども、実際にその若手農業者の皆さんと、小田原で意見交換をしました。そのときに、それからみかん農家も視察もしましたけど、その時にドローンをその現場に持っていって、ドローンといったものを農業の中でどのように使えるかということを、ドローンの専門家の皆さんと農業者の皆さんの間で話をしてもらったということがありました。その時に、これで鳥獣被害対策できれば非常にいいとか、これで農薬散布ができればいいなんて話も出てきました。その時に農薬散布したいのだけれども、県が駄目だと言っているのですよと話を聞いてきたので、それはどういうことだろうということで、検討しているところであります。その中で、なぜ駄目なのかといったあたりを、かつてヘリコプターで上から農薬をまくということ、そうしたら広範囲に散っていくということがあって、やはり環境に悪い影響を与えるだろうということで、それをずっとやっていなかったということがありましたけれど、ドローンは、そんな上空からではなくて、もっと木に近いところで、あまり拡散しないで、農薬散布ができるということなので、それを少しいろんな形で実証実験しながらで、具体化を進めていこうということであります。ですから、このドローンの部分というのも、まさに現場行って取材をした、話を聞いたものを反映させたという予算だと考えていただきたいと思います。

記者:今の関連で未来社会創造というくくりで、総額5千万円以上計上しています。いろんな工夫が見られると思います。SDGsつながりポイントなどまさに工夫の賜物だと思うのですが、知事が3期目初登庁時に新しい時代の先駆けとなるモデルをつくっていくと、その思いを具体化するに当たって、一番力をいれた点と苦労した点とかあればお願いします。

知事: SDGsのモデル、SDGsのつながりポイントといったものは、今までの従来型のポイント制度とは全然違います。いままでポイント制度は誰かがお金を負担するといった大きな財布が必要でした。今回のポイント制は全然発想が違うのです。皆が少しずつ負担していく。その負担することによって皆この直接じゃないですが、これに参加するという、こういう広がり、思いが広がってくる、思いがつながってくる、広がっているという、こういう仕組みというのは、極めて斬新だと思います。
 この仕組みをきちっと作り上げるときには、相当激論を交わしました。やはり、ポイントというのは誰かがどこかでお金を負担するというというイメージがみんなにあったのです。そうではないものは、要するにどういうことなのか。この絵をつくるまでにどれだけ苦労したかといったことがありました。それとドローン前提社会と言っていますが、これも、ドローンの最先端の研究家ですが、選挙の直前にたまたまお目にかかっていろいろ話を聞いたという中で、本当に私の選挙公約中でも、もう印刷が本来間に合わない時に、最後に叩き込んだっていうのはドローン前提社会でありました。それをすぐに形にしているということですから、これは、おそらくこれだけのスピード感をもって、ドローン問題について、自治体として真剣に取組んでいるところは他にはないと思います。そのあたりが、苦労したというか、力が入っているところだとお考えいただきたいと思います。

記者: 今、つながりポイントの件で絵・図を見ると、最終的な負担者というか、それはパートナーになると思うんですけれど、一番最後の。県としては、多分ポイントを付与するというあたりの予算的負担はないと思うのですが、考え方として、県もパートナーとして参加してポイントの代わりに住民税を減税するといった考え方があるかと思うのですが、そのあたりはいかがですが。

知事: 今おっしゃって全部最終的にはパートナーが持つのですというのではないです。皆少しずつ持っているのです。例えばこれ、コーヒー屋さんとして、コーヒーの割引使えますよ、ポイント使えます、少しずつの負担です。その部分はこの店は、そうやって協力したというので、電力を少し安くしますという、つまり、皆で少しずつ少しずつ負担しているという形です。それによってこの思いを皆で広げていこうというのがこのSDGsポイントであります。だから、どこかがお金をどんと用意して、それによって動き始めるポイントではなくて、こういうので、思いを広げていくということですから、ある種、これによっての持続可能性というものを打ち出しているというところです。

記者: パートナーはポイントを使う先がないですよね。要するに回らないというか。

知事: いやいや、要するに、思いはこう伝わってくるわけです。思いがグルグル回ってくるということです。だから、この辺の理解がなかなかうまくつながらなかったので、相当激しい議論もあったということです。
 

ひきこもりについて

記者: 質問が変わってですね、ひきこもりの支援に関してなんですけれども、実際、実態調査ってどんなことをやられているのですか。

青少年課長: 実態調査の内容ですけれども、まずこちらの方は対象が、調査をかけた対象ですけれど、県保健福祉事務所や市町村の地域包括センターなどの相談機関や、NPOを対象に調査を行いました。その調査で行った内容ですけれども、支援対象者の年代、それからひきこもりになったきっかけのほか、相談機関の感じている課題、そういったことについても聞いております。調査結果については先程申し上げたとおり、とりまとめをしているところでございますが、まとまりましたら、公表をさせていただく予定でおります。

記者: 知事は先程ひきこもりの支援に関して、迷わずというか相談してくださいというような言葉があったと思うのですけれども、そもそもそういったひきこもりの方を抱える家庭にとっては、相談すること自体が大変というか、相談したことが知られると、当事者に知られると暴力を受けるとか、あるいは会話が進まなくなるとか、より一層関係が冷えるとか、そういった懸念があってこそ相談ができないと思うのですけれども、このあたりについての課題意識はいかがですか。

知事: しかし、抱えていらしたらその問題は解決に向かって進まないわけです。ですから、われわれはあえてこういうことをやっておりますのでご相談ください、と呼びかけているわけです。それでも絶対対応しないという方はいらっしゃるかもしれないけれど、強制はできませんけれども、こういった形でも困っていらっしゃる方はぜひご相談くださいということを呼びかけながら、実態をまずは明らかにして、それから対応策を考えて、そういうことになろうかと思います。

令和元年度6月補正予算案について

記者: 予算関係でSNSを活用した相談事業の取組みで、今回新規として、子ども若者相談になるのですが、これがちょっと年齢制限が39歳までなのです。県内の子ども若者でひきこもり等の相談でしたのですが、昨今の事件で39歳を超えてしまう人たちもおるということなので、この年齢制限を今後変えていくとか、広げていくというお考えはいかがですか。

知事: これも先程申し上げた通りです。今までの、ひきこもりというのは39歳までを考えているのですけれども、新たな事実が出てきたという中でもっと幅広く今見ている、調査しているところですから、その調査した結果をもとに、次の展開というものは、そこから出てくるというふうに考えください。現時点としては、ご提示した通りであります。

記者: 先程の関連に戻るのですが、未来社会創造でコミュニティの再生というのは、まさに知事選の声の柱になっていると思うのですけれども、コミュニティの再生というのは未来社会創造。笑いという部分に対する予算措置、そのあたりは何か、見送ったのか、それとも次の仕掛けになるのか知事のご認識をお願いします。

知事: われわれにとってはこの辺のコミュニティ再生、活性化に向けた取組みなどは実は非常に密接にリンクしたものだというふうに考えています。コミュニティ再生と笑いあふれるというのは全然別ものじゃなくて、私の中ではつながっているという感じです。コミュニティがしっかりするところは、きっと笑いもあふれているだろうということであります。ただ、選挙でも申し上げましたけど、笑いのその総量を図るという、このプロジェクトを進めようと考えてよと、準備をしているところであります。笑いの総量だけじゃなくて笑いの質と総量、これを測るという。これは今、準備をしているところでありまして、今回の予算ではまだ間に合わなかったのですけれども、体制が整ったら予算化し実際に、そういう作業に入っていきたいというふうに考えています。

鉄道事故について

記者: 今月の初めとですね、昨日もそうなのですけれども、シーサイドラインと市営地下鉄の方で、それぞれ事故が起きました。それについて知事はどのようなご感想をお持ちでしょうか。

知事: 横浜に立て続けに、こういうことが続いたというのは正直びっくりしました。特にまだシーサイドラインについては、原因がよく分かっていないのでしょうか。1日も早く、原因究明していただいて、再発防止に取組んでいただきたいと思う次第です。
 もう一つの地下鉄の方は、人為的なミスであるようなことが言われていますけれど、これはしっかりと、二度とこのようなことが起こらないように反省してほしいと思います。何といっても、公共交通機関の安全を守るというのは、何よりも大事な仕事だと思いますから。これはしっかりとやっていって欲しいと思います。

記者: 今の話で、県として、何かその取組み、再発防止であったりとか、事後調査などは国交省がやったりすると思いますが、県として何かやるようなことは。

知事: 今現在としては、特に、横浜市のものですから。そこで起きたことですから、今、県として何かしなければいけないとは、今のところ特に思っていませんけれども、いろいろな、その中で課題が出てきた場合には、県として対応することがあるならばしっかりと対応したいと考えています。

財務省による公務員の人員削減試案について

記者: 少し、話変わっちゃうのですけれども、財務省が、財政制度等審議会で全自治体の公務員について、2025年までに3万人程度減少させることができる試算を出しているのですけれども、黒岩知事として、その試算についてどのように受け止めているか、お聞かせください。

知事: 神奈川県庁の場合には、かつて1万4千人くらいいたのです。今それが、7千人くらいになっているという、大変厳しい数の行革というものを率先してやってきたという、そういう歴史の中で歩いております。それを数の面でさらに協力するというのは、至難の技だと思います。
 今進めている行政改革は、量の行政改革から質の行政改革ということで、進めているところであります。
 ただし、今、新しいテクノロジーで、AIとかが出てきている。皆いろいろな、さまざまなビッグデータ処理も出てきたという中で、いわゆるロボットに置き換えられる仕事があるならば、それはしっかりやっていこうということです。
 今、そういった実証実験もやっているところです。そういったものも踏まえながら、県民の皆様にとってサービスがきちんと行き届くような形といったものは模索していかなければいけないと思っていますけれど、今、この時点で数をどれだけ減らすということを目標にするということは、今の段階では考えていません。

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