黒岩知事就任あいさつ

掲載日:2019年4月8日

日時:平成31年4月8日(月曜) 10時30分から10時50分

場所:県庁本庁舎 大会議場


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 おはようございます。皆様のおかげをもちまして、3期目、当選させていただくことができました。前回、219万票という票をいただいて、今回、3期目に挑戦するに当たり、それを何とかして超えたいという思いがありました。ただ、ご承知のとおり、今回、県議選が13の選挙区で無いという状況の中で、投票率が下がるのではないかと。そうしたら、得票数も下がってしまうと。そうすると、何かこう、勝ったとしても、何か勢いが出ないなという、そのような思いがあったもので、何とかして、前回の219万票を上回りたいと、そのような思いでこの17日間、全県を駆け巡ってまいりました。
 おかげさまで、225万票という、投票率は残念ながら少し下がったのですけれども、投票率は下がったにもかかわらず、逆に票数を増やすことができたという、本当に今、ほっとしているところであります。先程、入ってくる時にも言いましたけれども、これは本当に私一人が取ったわけではなくて、私と県庁の皆さんが一体となって、一生懸命努力してきたその結果、それを県民の皆さんがしっかりと受けとめてくださった、そういう評価だと私は考えています。そういう意味で、全職員の皆さんに、心からお礼を申し上げたいと思う次第であります。そして、われわれは自信を持ちたいと、そう思ったところであります。
 今回、17日間の選挙戦というのは、これまでとは少し違った形で展開をいたしました。大衆の中に飛び込んで行って、どんどん握手をする。これはなぜかと言ったら、知事というのは、少し遠いところにいる人って感じがするとよく言われましたので、この際、どんどん中に入っていこうということで、握手を求めて飛び込んでいきました。それと同時に、演説もいたしましたけれども、「ワハハ写真」といったもの、これをいっぱい撮りました。中には紛れて、私が県庁職員と気付かないまま私と撮った人も、どうもいたようでありますけれども、「ワハハ、ワハハ」とこういう写真を撮ってまいりました。こういうものをなぜやったかというと、やはり笑いというのはすごく大事だとずっと考えてきました。未病を改善し、健康寿命を延ばしていこうと、健康長寿社会をつくっていこうという中で、どうすればそれが前に行くのかといった中で、笑いというのは、実は非常に大きな要素ではないかと。そういうことでいきますと、笑いというものが健康に良い影響を与えるという、こういう科学的データは全部もう揃っているのです。
 そうしたら、これを使わないわけにはいかないだろうと思って、選挙戦を通じて笑いが広がってくる、そのような流れをつくりたいと思って、インスタグラムの枠を持って出掛けて、道行く人達に声を掛けて、「ワハハ、ワハハ」と笑ってまいりました。
 今日までに1,234枚の写真をホームページに載せてあります。ホームページに載せるのは勘弁してくださいと言った方には、載せていませんので、さらに2,000枚近くの写真が撮れたということでありまして、これを私たちがホームページに出しただけではなくて、一緒になって撮ってくれた人が自分でインスタグラム等々に載せて発信しているということがあって、この選挙というのは、わっとネット的に広がっていったというそのような実感を持っています。ただ単に広がっていっただけではなくて、笑いというメッセージがこういう形で広がっていったということは非常に大きなことだと思います。
 最初は、そういうことを街の中でやったら、誰かにお叱りを受けるかもしれないと思いました。「ふざけているんじゃないよ。笑っている場合ではない」と。誰かに言われるのかと思ったけれども、ただの一度も言われませんでした。笑いというのは本当に大きな効果があると改めて実感をした次第であります。
 笑った人、「せーの」でわっと笑ったら、その後、その人は余韻で笑っていますし、周りにいた人はそれを見ながら笑っていますし、それを1回やると、特に人がたくさんいらっしゃるところは、次々に列ができるという、こういう形で笑いが広がってくるというパワーというものを感じたところでありました。

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 もう一つ掲げたコミュニティです。これは若葉台団地のことを事例に出しましたけれども、高齢化が48%とものすごく高いのにもかかわらず、この10年間で要介護認定率が逆に下がっているという奇跡的なことが起きている若葉台団地の秘密とは何だろうと。これは、知事の現場訪問で行ったときに話を聞いたわけでありますけれども、コミュニティの充実、これしかなかった。
 自治会組織がしっかりしていて、多世代交流の場を作ったり、子育てママさんの支援の輪を作ったり、スポーツイベント、文化イベント様々なことをやっている。
 つまり、コミュニティの力を上げていこうとすることが、そういうことに繋がったのだということ、これは大事なことだなと思って、だから、笑いが広がってくるとコミュニティが充実してくる。コミュニティが充実してくると、また笑いが広がってくると。こういう良い循環の中で、実は未病を改善して、そして、皆が健康長寿になって、明るい100歳時代が迎えられるのかなと。そのようなことを今回の選挙戦を通じて、本当に実感をした。これは間違っていないと実感をした次第でありました。ですから、これはぜひ神奈川県庁から実践したいと思っています。
 今、働き方改革ということを待ったなしで全庁的にやっていただいていますけれども、今、残業時間をとにかく削るのだと。それから、有給休暇をとにかくたっぷり取りなさいと。そういう面から話をしていますけれども、それは決してゴールではありません。働き方そのものを改革するということが、まさにゴールであります。そのような中で、前から言っていることでありますけれども、笑いがあふれる職場にしようではないかと。それを一つのゴールにしようではないかと私は思っています。笑いがあふれている職場というのは、実はどのような職場なのか。皆、一人ひとりがストレスを抱えているとか、仕事で疲れ果てているとか、コミュニケーションがうまくいっていないとか、そういう職場では、笑いが起きないと思います。自然にふわっと笑ってくるというのは、皆さんが気持ちよく仕事ができていて、仲間といるのが楽しい、働いているのが楽しい。そしてその効率が上がっている。そしてやりがいも感じられる。そういったものこそが、働き方改革が目指すものと私は思っていますので、ぜひ笑いあふれる職場、職場によってはあんまりゲラゲラ笑っているのも聞こえるとまずいかもしれないという職場もあるかもしれませんけれども、そういう笑いがあふれる職場ということをイメージしてほしいと思います。
 そのために今回の選挙戦で私はミニ集会というのを沢山行ったのです。日頃から知事の現場訪問でいろんな所に行って、直接生の声を聞いてくるということ、これは沢山心掛けてまいりました。それとともに、県民との対話の広場。これも、今まで1万人以上の方と直接対話をしてまいりました。そのような中で、生の意見を聞くというのは非常に大事なことだと。私自身がキャスター出身でありますから、そういった特性を最も生かした知事の形というのは、やはり人の意見をちゃんと聞いて、それを受け止めて実行に移すというのが一番自分らしいやり方ではないかと思って、日頃から気を付けていたところではありました。
 ただ、今回17日間の、ある程度自由にできる時間をいただいたわけでありまして、滅多にそういうことはないですから、それでいろんな形でいろんな人たちと普段なかなかお話できなかった人たちと話しをしたいと思って、ミニ集会を22回実行してまいりました。そこで得たものをずっとノートにとって、取材手帳みたいなものがこんな分厚くなっていますけれども、本当に宝物です。いっぱいいただいてまいりました。
 例えば、若手農業者の皆さんと膝を交えて話をしました。皆さん本音がどんどん出てまいりまして、そこまで言っていいのかという感じがありました。ここで言うのは差し控えて、後から局長には個別の話をしておきたいとは思いますけれども、皆さんに共通する課題でこのようなことを言われました。市町村の窓口によって全然レベルが違うのだと。例えば、県の補助制度があると。あるのだと分かって、そして市町村の窓口行って話をしたら、非常に非協力的な窓口もあると言うのです。あまりよく補助制度のことをよく知らない。制度を持っているのだけれども、よく知らなくて、よく知らないものだから、それに付き合うのは面倒くさい。親身になって答えようとするのではなくて、やめさせようやめさせようという感じの対応をするところもたくさんある。それが別の市町村に行って窓口が変わると、どうぞどうぞ、それはこうやってやるのですよと言ってくださるところがあると。そういった窓口の差があるなどということは、私自分で把握していませんでした。生の声ですから、これはぜひやっていただきたいと思います。決して農業者のことに限らないと思います。いろんな担当で、市町村の窓口ごとに、やはりそういう差があるのかもしれない。これは権限委譲ということを、ずっとやってきたわけですけれども、最近は持続可能な自治体のあり方っていう中で、権限委譲したはいいけれども、なかなか市町村では持ちこたえられない部分もあるというので、それは一時お返ししてくださいと、このようなこともやっていくわけでありますから、そのへんは市町村としっかりと情報交換しながら、なぜそういうことが起きているのかということを、実は少し負担が掛かりすぎているのかもしれないし、そういったことをきめ細かく調整していっていただきたいと思うところであります。
 それと非常に印象的だったのは、医療的ケア児のお母さんたちと話をする場がありました。お子さんも一緒に連れて来られていて、そして集まっていただいて話を聞いたのですけれども、その話はやはり切実でした。そのような中で、さまざまな訴えかけはあったのですけれども、これも担当だけではなくて、皆さんにある程度共通する課題だと思ったことがありました。というのは、県に例えば、こういうことで困ってると相談に行ったと。それは市の仕事です、市に行ってくださいと。そうなんですかとまた市に行ったら、それは県の仕事ですと言って、あちこち振り回されると。私たちの立場に立って、見てくれる人はいないのかと、なぜこういう子どもを抱えて自分として何とかして頑張っていこうと思うのに、そういう役所の、私たちの担当はこれだ、担当はこれだと、それであっち行って、あっち行ってという話というのは本当に辛くなると、もうそのようなことを繰り返されるのだったら、もうこの子と一緒に死にたいとまで思う、とそのようなことまで言われました。本当に切実な声だなと。その声を聴いて、私はこの間の新入職員の採用辞令交付式の時に挨拶をしました、県民目線に立てと、県民のためにという仕事ではなくて、県民目線に立てと。県民のために仕事をするというのは、県庁職員目線なのだよと、そうではなくて県民の目に立てということを言っていたわけでありますけれども、まさに今の話はそうです。県民目線に立ったら分からないですよ、確かに。これは県の仕事なのか、市の仕事なのか。われわれでも分からないですよね、それは。住民の立場に立ってみれば、それを違います、違います、そういうさばき方というのはやっぱり血が通ってないと思いました。県民目線に全然立ってない。そういったことがまだまだあるのかなと、生の声を聞いて感じました。
 実はこういうことは前からもやってきたのです。前に、県に対してさまざまなお手紙だとかメールだとかご意見をいただきます。そのときにどのような返事をしていたのかということ全部調べたことがありました。そして、それを定期的に私に報告してもらったことがありました。そのときに、もう随分前のことですけれども、私が知事になってすぐの頃のことでしたけれども、私にとっては愕然とするような返事を書いていました。今言ったことと全く同じです。「こういうことで困っているのです」「それは県の仕事ではなくて市の仕事です。」だけなのです。これではあまりにも冷たいではないか。確かにそうかもしれなくても、そういう手紙の書き方はないだろう。その人が困っているのだったら、その人の立場に立ってみたらどう答えるべきなのか考えてみろ。そして答え方がガラっと変わったと思います。それは市の仕事です。市の担当はここです。電話番号まで書いて、ここが窓口です。こういうことでお問い合わせいただければ。私たちの方からもそこの担当にお話しをしておきますから。そういうお困りのことで本当に大変だと思います。ですから、そういう行政の分担となっておりますからここにご連絡してください。もし、そこでもらちが明かなかったら、私のところにもう一回言ってきてください、のような返事の書き方に変えていただきました。もう随分それは違ってきたとは思っていたのですが、まだまだそういうところは常に研修しながら徹底していかなければいけない、そういう部分があると思った次第でありました。
 そして今回、この3期目のスタートにあたって、改めて心したいと思うのは、要するに、私自身225万票というたいへん高い得票数をいただきました。こういったときこそ、おごってはいけない。自信を持つことは大事だと思います。先程も言いましたけれども。しかしおごってはいけないということを今こそやはり自分たちに言い聞かせなければいけないと思います。私も、だから今度3期目にあたって、スタートするにあたって、まずはおごるべからず、そして自分を1回ゼロベースに戻そうと思っています。もう1回、まさに初心にかえると。3期目であってもですね初登庁というわけです。この重みをしっかり受け止めたいと思います。ゼロベースで考えるといったところ。そして、そのような中で、これからさまざまなことを打ち出していきたいと思っています。新年の冒頭にあたって、これから時代の流れがどんどん早くなるぞと、IoTだビッグデータだAIだっていって、第四次産業革命、そういったものによってさまざまな課題を解決していこうという、society5.0という、こういった動きがどんどん加速する中で、行政のスピード感というものは、これまで以上に求められてくると。これまでの従来型の行政マンでは対応できなくなると、だからそういうスピード感に合わせられるような新しい公務員像をつくってほしいということを言ってまいりました。これはあらためて強調したいと思います。スピード感、これは私の2期8年のことを総括されるいろんな話の中で、スピード感はあるけども拙速だというご意見を言う方もいらっしゃいました。私は拙速だと言われても、早い方がいいと実は思っています。それは、遅いと言われるよりいいと思っている。私はメディア出身ですから、メディアの時に、行政は後手後手にまわったという表現をよく使っていましたけども、後手後手にまわるぐらいなら早い、早すぎると言われた方がいい。なぜならば、早すぎた場合には、修正がいくらでも効くということであります。そのような中で、この早さという中で、今回の私の政策で掲げたもの、あらためて確認をしておいていただきたいと思います。
 それは、皆さんとともに、新たなグランドデザインとして織り込んでいくことになると思いますけれども。未来社会創造といったことを掲げています。ドローン前提社会、このようなことも掲げています。これは全く新しい時代が来るという、新しい時代に対してわれわれはその先駆け、モデルをつくっていくのだ、神奈川発で未来社会をまさに創造し、それを発信していくのだということを言っているわけでありまして、つまり前例がこうだとか、今までこのようなことはやったことがないからできないとか、そういったことは一切なしと。前例にとらわれず、新しいまさに未来をつくっていくのだと、そういう神奈川県庁になっていきたいと思っています。そしてそういうことができやすい、人事の形も含め、組織の大改革といったことにも取り組んでいきたいと思っています。今まで2期8年、ある程度、私も最初全くわからないところから始まりましたから、これまでのやり方というものを基本的に大事にしながら、職員の皆さんとうまく歩調を合わせようとしながらやってきたつもりではありますけども、これからいよいよ3期目に入る中で、この新たな新しい時代、大きな転換点、この神奈川県は先導的な役割を果たしていきたいなと思っています。
 なんといってもこの神奈川県庁の職員の皆さん、心から信頼しています。今までやってきて、本当に素晴らしい職員の皆さんだと、本当に心から思っています。そしてその皆さんが本当に働きやすい、働きがすごく充実感のある、やりがいのある、人生これにかけてよかった、そう思えるような大きな仕事、立派な仕事、心の通った仕事、それを皆さんとともにしていきたい、そのような思いで3期目挑戦いたしますので、皆さんとともに、さすが神奈川だなと言われるような、神奈川県庁、神奈川県政、ぜひつくっていきたいと思いますので、どうぞ3期目もよろしくお願いいたします。
 本日は誠にありがとうござました。