7 農林水産業        62 概況         63 農家数 −年別− 64 農家人口(販売農家)−年齢別− 65 就業状態別世帯員数(販売農家) 66 農業従事者数(販売農家) 67 農業機械の所有台数(販売農家) 68 農家経済の分析指標 69 農業産出額と生産農業所得 70 耕地面積 71 農作物         72 畜産         73 養蚕         74 農地転用許可件数と面積 75 農業協同組合数 76 森林面積及び蓄積 77 造林面積         78 伐採面積と伐採立木材積 79 林産物生産量         80 保有山林面積規模別林業経営体数 81 海面漁業・養殖業経営体数 −市町村別− 82 海面漁業・養殖業経営体数 −経営体階層別− 83 漁業就業者         84 使用漁船隻数とトン数 85 生産量 −漁業種類別− 86 海面漁業漁獲量 −魚種別− 87 内水面漁業漁獲量 −水系別− 88 水産加工品生産量 62 概況 農  業 農家戸数 平成17年の総農家数は2万9,681戸で、県総世帯に占める割合は約0.8%である。また、販売農家(注1)戸数は1万6,414戸で総農家数の55.3%を占めている。販売農家を専・兼業別にみると、専業農家(注2)は全体の27.3%で4,479戸、第1種兼業農家(注3)は全体の15.9%で2,612戸、第2種兼業農家(注3)は全体の56.8%で9,323戸となっており、第2種兼業農家の占める割合が高い。 経営耕地面積規模別にみると、1.0ha未満の農家が1万2,141戸で販売農家全体の74.0%を占め、1.0〜2.0haが22.3%、2.0ha以上が3.8%となっている。 (注)1 販売農家 経営耕地面積が30a以上、農産物販売金額が調査期日前1年間で50万円以上の農家。これに満たないのが自給的農家。 2 専業農家 世帯員の中に兼業従業者(調査期日前1年間に30日以上雇用兼業に従事した者又は調査期日前1年間に販売額が15万円以上ある自営兼業に従事した者)が1人もいない農家。1人以上いる場合は兼業農家。 3 第1種兼業農家 兼業農家のなかで、農業所得とそれ以外の所得のうち、前者が多い農家が第1種、後者が多い農家が第2種兼業農家。 農業就業者数 平成17年の農家人口(販売農家)は7万3,582人で、県総人口に占める割合は約0.8%である。農業就業人口(注)は3万5,604人で、年齢別では60歳以上の割合が61.1%で、年々その割合は高くなっており農業労働力の高齢化が進んでいる。 (注) 農業就業人口 調査期日前1年間に「農業のみに従事した世帯員」及び「農業と兼業の両方に従事したが、農業従事日数のほうが多い世帯員」のことをいう。     (農業振興課) 耕地面積 平成19年の耕地面積は、2万900haで県土の約8.7%を占めているが、前年より100ha減っており、年々減少の傾向にある。 耕地面積のうち、田は4,170ha(構成比20.0%)、畑は1万6,700ha(同80.0%)である。全国の畑の比率は45.6%であるので、畑の比率が著しく高いのが本県農業の特徴となっている。  (農地課) 農畜産物 平成18年の農作物の延べ作付面積は、2万400ha(対前年比99.0%)と微減で推移している。主な作付面積は、野菜9,410ha(全体の46.1%)、果樹3,660ha(同17.9%)、稲3,300ha(同16.2%)、飼肥料作物877ha(同4.3%)となっている。主な作物の収穫量は、だいこん99,700t、キャベツ82,300t、トマト14,600t、きゅうり12,100t、みかん29,900tである。 平成19年の乳用牛の飼養農家は399戸で、飼養頭数1万2,200頭、生乳の年間生産量7万3,514t(平成18年)となっている。肉用牛の飼養農家は91戸で、飼養頭数4,770頭、豚は82戸で7万8,400頭、採卵鶏は76戸で125万5,000羽となっている。 平成18年の野菜などの生産量を1人当たり消費量に換算すると、野菜は283万人分、果実は80万人分、牛乳は192万人分、鶏卵は130万人分、豚肉は61万人分に相当し、本県の農業は県民の食生活に大きく寄与している。 農業産出額 平成18年の農業産出額は736億円(対前年比97.5%)で、構成比は野菜48.2%、畜産23.4%、 果樹・花き17.8%となっており、野菜、果実、牛乳などの生鮮食料の占める割合が高い。 農家経済 平成18年度の販売農家1戸当たりの農家所得は846万9,000円(対前年比105.9%)で、このうち農業所得は211万4,000円で前年に比べ0.1%増、農外所得は558万7,000円で、前年に比べ16.3%減となっている。 農業依存度は27.4%(前年30.6%)で、農外所得が高い割合を占めている。 本県の土地生産性は高く、18年度の販売農家の耕地10a当たり農業純生産額は、全国平均が7万円であるのに対し、21万1,000円となっている。 (注) 各データは関東農政局神奈川農政事務所調べによる。 (農業振興課) 森林・林業 森林の概況 本県の森林面積は、平成20年4月1日現在9万4,902haで、県土面積の39%を占めている。このうち国有林を除いた民有林(県有林、私有林等)の面積は8万4,137haで全森林の89%を占め、そのうちの立木地面積は、スギ・ヒノキを中心とする人工林が3万1,884ha、天然林は4万8,195haとなっており、民有林立木地に対する割合は、人工林40%、天然林60%である。人工林の林齢構成は、36年生以上の成熟している森林が79%を占めており、間伐、枝打ちなどの保育を必要とする35年生以下の森林は21%を占めている。 森林は、水資源のかん養、県土の保全、スポーツ・レクリエーションの場の提供、二酸化炭素の吸収による地球温暖化の防止など多くの公益的機能をもつ多面的資源であり、県民生活において、その果たす役割は極めて重要である。 地域特性 本県の森林は、その地域の特性から次の3地域に大別できる。 1 里山域  概ね標高300m未満にある約3万1,000haの森林地域である。県の東部から中部、三浦半島及び西部に至る市街地及び市街地周辺の丘陵性の森林であり、コナラ・クヌギ等広葉樹が多い。木材生産はほとんど行われていないが、都市化の進展にともない生活環境保全林としてかけがえのない森林である。 2 山地域 概ね標高300〜800m未満にある約4万4,000haの森林地域である。丹沢山地や箱根外輪山を中心としてスギ、ヒノキの人工林が多く、古くから林業活動が行われてきた地域である。また、宮ヶ瀬湖・相模湖・丹沢湖等のダム上流の森林は水源かん養林として重要な役割を担っている。さらに首都圏の森林レクリエーションの場として多くの人々に利用されている地域である。 3 奥山域  概ね標高800m以上の丹沢の奥地や箱根を中心とした急峻な地形の多い、約2万haの森林地域である。この地域はブナを始めとする天然林が多く、県下で最も原生的な自然が残っている。かながわの原風景とも言うべき貴重な自然であり、野生動物を含めた森林生態系を保全していくことが重要である。 森林・林業の現状 林業は、安価な外国産材の輸入や代替材の普及などによる木材価格の低迷や経営コストの上昇により著しく採算性が悪化し、森林所有者は経営意欲を減退させている。さらに、林業従事者の高齢化や後継者不足、不在村所有者の増加などにより、手入れが十分に行われず、荒れた森林が増えつつある。 特に、水源地域の森林は、良質な水や清浄な空気を育む母体として、県民一人ひとりの生活に欠かせない重要な役割を担っているが、このまま放置すれば、私たちが安全で快適な生活を送るために必要な森林の働きが損なわれる恐れがある。 そこで、県では、荒廃の進む私有林の公的管理・支援を行うため、平成9年度から「水源の森林づくり事業」を開始し、平成19年度からは、本事業をかながわ水源環境保全・再生実行5か年計画に位置づけ、加速化して取り組んでいる。一方、県産木材の有効活用への支援を通じて間伐を促進し、森林の適正な管理を図るため、県産木材の生産対策、加工対策、消費対策にわたる総合的な取組として、平成17年度から「県産木材活用総合対策」を進めており、木材の生産量は着実に増加している。 このほか、荒廃した県内の森林再生には長い年月と県民の支援・協力が必要なことから、平成18年度に、県内の森林全体の再生の方向とめざす姿を示した「かながわ森林再生50年構想」をとりまとめ、県民とめざす姿を共有し、協働して森林づくりを進めている。 (森林課) 水 産 業 水産業をめぐる現状は、輸入水産物の増加などに伴う生産者価格の低迷や水産資源の減少、漁業就業者の高齢化、資源及び野生生物保護の観点からの国際的な漁業規制などにより厳しさを増している。一方、県民には、新鮮で安全な地場産水産物や海・川とのふれあいなどへの志向の高まりがある。そこで、県では、このような県民からの期待に応えるため,平成17年3月に「かながわ水産業活性化指針」を策定し(平成20年3月に一部改訂)、「海・川の豊かな恵と潤いを提供する活力ある水産業をめざして」を基本目標に、今後10年間の水産業の活性化を図るための取組みを推進している。 平成18年の本県の海面漁業・養殖業生産量は、4万3,123トン(漁業4万1,513トン、養殖業1,610トン)であり、全国の海面漁業・養殖業生産量 565万2,115トン(漁業446万9,531トン、養殖業118万2,584トン)の0.8%を占めている。 漁業経営体数は1,162経営体で、漁業就業者数は2,140人(17年:18年は調査なし)、漁船隻数1,978隻である。漁港は25港(平成20年4月1日現在)で、この他川崎港を除く6港湾に漁港と同様の機能を備えた区域があり、漁業活動に利用されている。 漁業部門別生産量は、遠洋漁業19,308トン、沖合漁業3,316トン、沿岸漁業18,889トンである。遠洋漁業では、遠洋まぐろはえ縄漁業、大中型まき網漁業が行われており、前年に比べ、6,734トン(25.9%)減少した。沖合漁業では、さばたもすくい漁業、いか釣漁業等が行われており、前年に比べ、2,341トン(41.4%)減少した。沿岸漁業では、定置網漁業、中・小型まき網漁業、さば釣漁業、刺網漁業,小型底びき網漁業等が主として行われており、前年に比べ2,783トン(12.8%)減少した。 魚種別生産量では、かつおが8,993トンで、かたくちいわしが5,993トン、さば類が5,851トン、めばちまぐろが4,526トン、きはだまぐろが2,770トンで、これらの5種で全体の69%を占めている。 まいわしは昭和59年の22,334トンをピークに変動しながら減少し続け、平成15年の最低198トンに次ぐ200トンで、資源量は依然として低調である。 海面養殖業では、主にわかめ、のり、こんぶの養殖が行われており、生産量は1,610トンで前年に比べ312トン(16.2%)減少した。 内水面漁業・養殖業の生産量は223トン(漁業110トン、養殖業113トン)である。内水面漁業の主要魚種はあゆ、こい、うぐいであり、生産量は、平成18年から遊漁者の採捕量が削除されたため前年に比べ500トン(82.0%)減少した。内水面養殖業では、にじます、あゆ等の養殖が行われ、生産量は前年に比べ4トン(3.7%)増加した。 水産加工業の生産量は34,812トンで、前年に比べ291トン(0.8%)減少し、全体の約6割強をねり製品が占めている。 注意;平成16年から(独)水産総合研究センターがMM21に移転し、全国の水研センターに所属する調査船等の漁獲物のデータが全て本部のある横浜市西区に集約されている。 「神奈川農林水産統計年報」のデータは属人主義のため、16年から同センターの漁獲量が含まれた数値で公表されているので、ここでは、同センターの数値を除いたもので記述した。 従って、経営体数、生産量等は81以降の神奈川農政事務所の統計数値とは異なる。 (水産課)