○空間放射線
(放射線モニタリング情報共有・公表システム)(神奈川県ホームページ)
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横須賀市、川崎市、茅ケ崎市(衛生研究所内にあります。)の各市内のモニタリングポストで常時監視されています。空間放射線量率は平成23年3月15日に上昇がみられ、最大値一時間あたり0.2128マイクロシーベルトが測定されましたが、その後、漸減傾向にあり、健康に影響のあるレベルではありません。
現在は、原子力発電所事故以前とほぼ同じレベルで推移しています。
平成24年4月からは、県内5カ所(横浜市、逗子市、海老名市、相模原市、小田原市)に、地上1mの高さでモニタリングポストが増設され、神奈川県全域の測定値を知ることができるようになりました。横浜地区の値が0.06マイクロシーベルト/時、小田原地区の値が0.02マイクロシーベルト/時と測定値に差がありますが、それぞれの場所の特性で、特別な心配はありません。また、神奈川県を含む全国のデータが10分間隔で配信されるようになりました。
(放射線モニタリング情報共有・公表システム (https://www.erms.nsr.go.jp/nra-ramis-webg/)) |
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○水道水
(神奈川県における放射能調査・報告書)(神奈川県衛生研究所ホームページ)
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衛生研究所の蛇口から採取した水道水について、平成23年3月18日から12月28日までは毎日、平成24年1月以降は、毎日(土日・休日を除く)採取したサンプルを濃縮し、3カ月分まとめて放射性ヨウ素と放射性セシウムを測定しています。その結果は原子力安全委員会が定める指標値を下回るものであり、健康に影響のないレベルです。 |
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○食品
(県内で生産された食品の放射能濃度について)(神奈川県ホームページ)
平成23年3月21日以降、県内の野菜、しいたけ、原乳、肉等の検査を適宜実施しています。
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●茶
平成23年5月9日に南足柄市で採取した茶(生葉)を測定した結果、放射性セシウムが最大で570Bq/kgと食品衛生法上の暫定規制値500Bq/kgを上回っていました。その後、足柄茶に関係する市町村の茶(生葉)について測定したところ、暫定規制値を上回ったのは、最大値で小田原市780Bq/kg、愛川町670Bq/kg、真鶴町530Bq/kg、湯河原町680Bq/kg、清川村740Bq/kgでした。放射性ヨウ素はいずれも不検出でした。この結果を受け、神奈川県では暫定規制値を上回った生産地からの出荷を自粛していただくようお願いしました。
この測定で、最高値の780Bq/kgの放射性セシウムが検出されたお茶1kgについて、仮に毎日摂取するとして計算すると、1年間の摂取量は、
セシウム-137 420 × 1.3 × 10 -5 =0.00546mSv
セシウム-134 360 × 1.9 × 10 -5 =0.00684mSv
( 0.00546mSv + 0.00684mSv )× 365 日 = 4.49mSv/ 年
となります。
その後、一番茶の荒茶、二番茶の生茶、二番茶の荒茶の放射能濃度について検査を実施し、測定値で食品衛生法上の暫定規制値を上回るものについては、出荷及び使用を差し控えるように自粛を要請しました。
また、参考までに暫定規制値500Bq/kgの荒茶を使って製造された茶葉(製品)10gを使用してお茶500mlを入れた場合の人体への影響を試算してみますと、
500Bq/kg×1/100×1/2×1.3×10-5=0.0000325mSv
(ただし、この試算は放射性物質をセシウム-137とし、その1/2が荒茶から飲用茶に移行すると仮定したものです。)
となり、これは、胃のX線集団検診1回を受診した場合の放射線の人体への影響(0.6mSv)の約18,460分の1です。
なお、これらの茶葉については、8月29日には南足柄市、9月12日には山北町と松田町の三番茶の荒茶について、放射性セシウムの値が食品衛生法の暫定規制値を下回ったことから、それぞれの出荷制限が解除されました。
10月以降は秋冬番茶(荒茶)の測定を行っており、検査の結果、10月14日付けで愛川町と清川村、26日付けで相模原市と中井町、11月1日付けで小田原市、11月10日付けで真鶴町の出荷制限が解除されました。
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●アユ
平成23年6月1日のアユ釣りの解禁を控え、5月22日~23日に早川、相模川、酒匂川で採取したアユの放射能濃度を調査しました。
早川のアユから20Bq/kg、相模川のアユから198Bq/kgの放射性セシウムが検出され、酒匂川のアユからは不検出でした。放射性ヨウ素は三つの川とも不検出でした。
これらの測定結果及び早川や相模川のアユでの放射性セシウムの測定値は、いずれも暫定基準値の500Bq/kgを下回っており、食べても健康に影響しないレベルであるとして、5月25日に記者発表しました。 |
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●しいたけ
県内では相模原市、小田原市、伊勢原市、二宮町など17市町村でしいたけ(生しいたけ(菌床・原木)及び乾しいたけ(原木))が生産されています。(平成22年特用林産物生産統計調査速報値より)
これまでの検査で、生しいたけについては暫定規制値500Bq/kgを超える放射性セシウムは検出されていませんが、平成23年10月20日に初めて検査を行った相模原市産の乾しいたけが、暫定規制値を超える550Bq/kgの放射性セシウムが検出されたことから、当面、平成23年3月11日以降に収穫し加工した乾しいたけの出荷及び使用を差し控えるよう自粛を要請しました。その後、南足柄市産の乾しいたけについても暫定規制値を上回ったことから、同様の自粛を要請しています。
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東日本大震災関連情報(厚生労働省ホームページ) |
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- 厚生労働省は、より一層、食品の安全と安心を確保するため、食品中の放射性物質について、これまでの暫定規制値を見直し、新たな基準値を設定し、平成24年4月から施行となりました。新たな基準値は、放射性物質を含む食品から受ける許容被ばく線量が、暫定規制値の年間5ミリシーベルトから1ミリシーベルトに引き下げられたことに対応し、設定されました。
食品中の放射性セシウムの新たな基準値 (単位: Bq/kg)

- 新たな基準値の食品区分の考え方は、特別な配慮が必要な「飲料水」、「乳児用食品」、「牛乳」は区分し、それ以外の食品は、個人の食習慣の違い(飲食する食品の偏り)の影響を最小限とするため、一括して「一般食品」と区分しています。
- 野菜類、穀類、肉・卵・魚などの一般食品は、これまでの暫定規制値の5分の1、牛乳・乳製品は4分の1、飲料水はすべての人が毎日飲むことから、20分の1に引き下げられました。
- 新たな基準値は、平成24年4月1日から施行されていますが、市場に混乱が起きないよう、準備期間が必要な食品については一定の期間、暫定規制値が適用されます。米・牛肉は9月30日まで、大豆は12月31日までとなっています。
- 4月以降上記の食品群や牛乳・乳製品、飲料水などの測定が行われていますが、現時点では特に新しい基準値を超えたものはなく、多くは不検出(検出限界以下)です。
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○海水 (神奈川県における放射能調査・報告書)(神奈川県衛生研究所ホームページ)
定期的に県内海水浴場周辺の海水の放射能濃度検査を実施しています。平成24年も海水浴場開設前と開設中の2度に渡り測定しましたが、いずれも放射性物質は検出されていません。
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●砂浜
*この測定について、平成23年6月30日に神奈川県内の平成23年度開設予定の15海水浴場(うち1海水浴場は開設済み)において、地表から1cm、50cm、1mの高さで測定しました。この測定結果は、平成22年の茅ヶ崎市(衛生研究所内)のモニタリングポストによる空間放射線量率の年平均値0.04μSv/hより低い、または同程度の値でした。
このほかの12海水浴場については、平成23年7月4日に、8月2日~3日には27すべての海水浴場で測定を行い、結果はいずれも0.02~0.04μSv/hであり、健康に影響のあるレベルではないことが判明しました。 |
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このほかにも、神奈川県内の放射能濃度の測定は関係機関でも行われております。(下記のホームページをご覧ください。) |
神奈川県衛生研究所では、今後も引き続き、「県民の皆様方の健康と安全を守る」という使命で日々業務を行ってまいります。 |
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神奈川県衛生研究所 所長 岡部英男 |