ふだんの対策 阪神・淡路大震災では、多くの事業所が建物に被害を受け、従業員が負傷しました。事業所(企業)は、業務継続のためにすみやかに事業活動を再開することが大切になりますが、地域の構成員でもあり、可能な範囲での地域貢献を行うことが求められています。

事業所内外の安全対策を

事業所の役割、安全、復旧、地域貢献 わずかな備えでも、災害のときの被害が大きくなることを食い止めることができます。さまざまな災害を想定して、ふだんから対策を練っておきましょう。
 以下は、地震対策ですが、低地や川沿い、山間地といった地域では、水害や土砂災害など、その地域特有の災害危険に応じて、ふだんから対処しておく必要があります。


事業所の建物などの耐震診断と補強・改善

  • 建物を倒壊から防ぐとともに、看板や塀などの危険箇所の安全を確認しましょう。
  • エレベーターの耐震化や救出対策といった安全対策をとっておきましょう。
  • 避難のため、また煙があがってくるのを防ぐため、通路や出入口、防火扉の前などには物を置かないようにしましょう。

パソコンや書類棚など事務機器の転倒防止

  • 図面、取引先や顧客の情報、経理などのデータは、バックアップをとっておけば、現状復旧が可能です。定期的にバックアップをとって、耐火金庫や離れた地域のサーバ等に保管しておきましょう。
  • 重要書類や重要物はまとめて保管し、すぐに持ち出せるようにしましょう。
  • 倒れそうな棚の固定をしたり、何も倒れてこない安全な空間などをつくりましょう。

危険物管理や生産設備の防護対策

  • 危険物の転倒、液もれ、引火等がないような保管方法を確認しましょう。
  • 重機械などの生産設備が転倒・移動しないよう壁や床に固定するとともに、必要に応じて緊急停止できるようにしましょう。

事業所内のライフライン設備の耐震化

  • 事業所機能を支える電気設備をはじめとした耐震性について考えておく必要があります。
  • 通信手段の確保を図るため、蓄電池や自家発電設備等を備えておくことも有効です。また、災害時の通信には、電話だけでなく無線など多種類の通信手段を確保しておくとよいでしょう。

共用施設の使用マニュアルの検討・作成

  • 共同ビルに入居している場合には、ビルの管理会社やテナント相互間で役割を明らかにし、対策をたてておくことが必要です。

事業活動の再開に向けて

 事前にどんなに準備をしていたとしても、建物が損壊したり、従業員が負傷したり、受注の減少や運転資金の不足など、被災の程度によって事業再開は大変ではないかと思います。

 そうした不測の事態が発生したとき、できるだけ短時間で通常業務に復帰できるようにするため、バックアップシステムの整備、バックアップオフィスの確保、要員の確保、安否確認の迅速化などの方針(業務継続計画)を定めておくことが有効であるといわれています。さらに、非常時の飲料水や食料、緊急医薬品、携帯ラジオ、ヘルメット等の非常用品を備蓄するとともに、防災訓練を行って万一の場合に備えましょう。

 過去の災害の事例をみると、国や自治体などで被災に応じた優遇特例措置が実施されます。被災した場合には業界団体やお住まいの市町村にぜひお問い合わせください。


BCPとは

 BCPとは、Business Continuity Planの略で、企業が不測の事態に備える「事業継続計画」のことをさします。