棟方志功版画紛失事案等に対する県教育委員会の再発防止に向けた措置等について

掲載日:2018年2月1日
平成30年2月1日
記者発表資料

 棟方志功版画紛失事案及び近代美術館における所蔵絵画除却事案(以下「所蔵絵画除却事案」という。)について、平成29年12月12日に最終報告書を公表しましたが、この度、その内容を踏まえ、県教育委員会として再発防止に向けた措置等をとりまとめましたのでお知らせします。

 

1 事案の概要

  (1) 棟方志功版画紛失事案

  作品名 「宇宙讃(神奈雅和の柵)」 作者 棟方志功氏 昭和49年購入

 平成25年7月、当該作品を県民局くらし県民部文化課から近代美術館へ管理換え後、平成26年4月に同館新収蔵作品展で展示した際、観覧者からカラーコピーではないかと指摘を受け、そのことを確認し、元の管理者(公益財団法人神奈川芸術文化財団)に返却したが、同館、文化課及び同財団は、このことを公表しなかった。返却後、およそ3年間、同財団では当該作品の捜索等を行ったが、所在は判明せず、また、文化課への報告もなされなかった。こうした中、同財団の役員交代に伴い、平成29年4月、県及び同財団が当該作品の紛失を公表し、県職員及び同財団職員等に聴き取り調査をしたが、その所在は判明しなかった。

 

 (2) 所蔵絵画除却事案

       作品名 「樹のある風景」  作者 山室紀元氏 昭和47年購入

        「箱根風景」     作者 志村計介氏 昭和53年寄附受入

  上記2作品について、昭和60年以降、平成23年まで複数回、所在確認調査を実施したが発見にいたらず、その事実を公表することなく、平成23年5月に備品台帳から除却した。その後、平成29年、棟方志功版画紛失事案の調査に伴い、この2作品について所在不明のため台帳から除却したことを公表し、改めて、近代美術館及び同館所蔵の絵画を貸出したことのある所属に、過去、在職していた職員等への聴き取り調査を可能な限り行ったが、その所在は判明しなかった。

 

2 再発防止に向けた取組

 2つの事案については、美術品の取得、貸出、返却時のチェック体制が不十分であったこと、及び組織における情報の共有に課題があり、また、幹部職員をはじめ職員間に危機管理意識が欠如していたことが原因と考えられるため、次のとおり、運営方法の改善に係る措置を行った。

(1) 美術品の取得・受入の際は、学芸員等が複数で取得対象美術品の確認・点検を行うものとした。また、毎年1回行う備品の現物確認や他の美術館等に貸出す際には、学芸員と事務職員が相互に現物確認やチェックを行うなど、チェック体制を整備した。

 

(2) 情報の共有や危機管理意識の醸成のため、毎月の館内会議で不祥事防止に係る職員研修を実施するとともに、毎朝のミーティングを活用し、職員間において、事業の進捗や課題等について共通認識を図っていくこととした。

 

3 県民へのお詫び及び近代美術館への指導等

(1) 近代美術館長から県民へのお詫び

 棟方志功版画紛失事案において、展覧会でカラーコピーを展示していたこと、及びそのことを公表しなかったこと、また、所蔵絵画除却事案において、作品が所在不明であることについて、そのことを公表することなく、除却手続を行ったこと等に関して、館内への掲示や近代美術館のホームページへの掲載により、館長名でお詫びした。(詳細は別紙1のとおり)

(2) 業務上の指導及び職員に対する措置

  教育長から近代美術館長に対し、面談の上、再発防止に向けて文書で指導を行った。(詳細は別紙2のとおり)
  また、関係した職員に対して、本日、次のとおり訓告等の人事上の措置を実施した。
      館長                 文書訓告
      副館長兼管理課長(平成26年度)    文書訓告
      企画課長兼普及課長           文書訓告
      副館長兼管理課長(平成23年度)(※) 厳重注意
      ※所蔵絵画除却事案についてのみ

 

4 再発防止等に向けて(教育長コメント)

 近代美術館における、棟方志功版画紛失事案及び所蔵絵画除却事案への対応等については、情報の共有や危機管理意識及び事故発生時の対応などに課題があったものであり、県の組織の一員として、その時々で本来とるべき対応がとれていなかったことは大変遺憾です。

 長年にわたり、そうした状況に気付かず、結果として是正の機会を逸したことは、県教育委員会の長として責任を痛感しており、県民の皆様に改めて深くお詫び申し上げます。

 今後、県民の皆様の信頼を回復できるよう、県教育委員会を挙げて、再発防止に向けてしっかりと取り組んでまいります。

 併せて、近代美術館は、今後、次の点に留意しながら、近代美術の普及に向けた活動等に取り組んでまいります。

○ 旧鎌倉本館を含む3館の体制から、葉山館と鎌倉別館の2館の体制に移行する中、充実した展示や活動ができるよう、体制・施設等を整備してまいります。

○ 従来にも増して、当館が所蔵する作品を積極的に活用することで、展覧会の充実を図ってまいります。

○ 県民の皆様が、身近な場所で国内外の優れた近現代美術作品を鑑賞できるよう、多様な展覧会を開催してまいります。

問合せ先
【全般(職員の措置に関することを除く。)について】
 神奈川県教育委員会教育局生涯学習部生涯学習課
 課長  堀端 電話045-210-8330
 副課長  吉田 電話045-210-8331

【職員の措置に関することについて】
 神奈川県教育委員会教育局行政部行政課
 課長  石塚 電話045-210-8070  
 副課長  能條 電話045-210-8072

Adobe Readerダウンロード

Pdf形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)
神奈川県

このページの所管所属は 教育局 生涯学習部 生涯学習課 です。