平成30年春のヒノキ花粉飛散量は多い-平成29年度県内ヒノキ雄花の着花量調査結果は過去6年間で最高-
自然環境保全センター(厚木市七沢)では、平成30年春のヒノキ花粉飛散量の目安とするため、県内のヒノキ林40箇所で花粉を飛散させる元となる雄花の着花量調査を実施し、結果をまとめました。
1 調査結果の概要
今回の調査では、ヒノキ林40箇所の着花点数の平均値は80.8点となり、昨年度の34.1点(平成28年12月調査)を大きく上回りました。本調査開始から6年間の平均値は50.1点で、今回の調査結果は、6年間で一番高くなっています(図1)。
これは、ヒノキの着花は夏の気象要因との関係が高く、猛暑であると雄花が多く着くことから、昨年7月の猛暑が要因として考えられます。
今回の調査結果から、平成30年春の花粉飛散量は、昨年(平成29年春)と比べると増加し、 過去6年間で最高になると予想されます。
2 調査の概要
(1) 調査期間 平成29年12月2日から同月19日まで
(2) 調査地 県内森林地帯を次の4地域に区分し、合計40箇所を調査しました。
地域 | 調査地 | 箇所数 |
県北部 | 相模原市緑区 | 8箇所 |
県央・湘南部 | 厚木市、秦野市、伊勢原市及び清川村 | 9箇所 |
県北西部 | 秦野市、松田町及び山北町 | 9箇所 |
県西部 | 小田原市及び箱根町 | 14箇所 |
(3)調査方法 各調査箇所のヒノキ林において見通しのよい10本を調査木とし、望遠鏡等を用いて、次の6ランク区分により、1本ごとに着花状況を点数化し、その合計値(100点満点)を着花点数としました。
雄花の着花状況 | 着花点数 |
木全体に密度が非常に高く着花が非常に多い | 10点 |
木全体に密度が高く、着花が多い | 5点 |
木全体に着花するが密度が低い、一部の枝に着花が多い | 2点 |
一部の枝に着花するが密度も低く少ない | 1点 |
一部の枝に着花するがまばらで非常に少ない | 0点 |
雄花がほとんどないか着花が認められない | 0点 |
調査ヒノキ林の状況(相模原市緑区、平成29年12月)
この林は雄花が多く着花し樹冠全体が白みがかっています。
調査ヒノキ林の状況(相模原市緑区、平成29年12月)
枝先の白から褐色がかった部分が雄花です。
(参考)ヒノキ花粉(光学顕微鏡により撮影)
大きさは0.03mmほどでスギ花粉より一回り小さく、ヒノキ雄花1つに20万個の花粉が形成されます。
(問合せ先)
神奈川県自然環境保全センター研究連携課
課長 西口
斎藤 電話046-248-0321