相鉄ホールディングス不当労働行為救済申立事件の命令について

掲載日:2018年1月15日
平成30年1月15日
記者発表資料

神奈川県労働委員会(会長 盛誠吾)は、本日、標記の事件について、申立人の不当労働行為救済申立ての一部を救済する命令を発しましたので、お知らせします。概要は次のとおりです。  

1 当事者

申 立 人 相模鉄道労働組合(組合)
被申立人 相鉄ホールディングス株式会社(会社) 

2 事件の概要

会社は、平成22 年、バス事業を申立外相鉄バス株式会社(以下「相鉄バス」という。)に分社化するに当たり、バス事業に従事している従業員を会社に籍を置いたまま相鉄バスに出向させ、出向先と会社との間の賃金減少等、労働条件の差異については会社が補填すること等を内容とする確認書を組合との間で締結した。
その後、会社は組合に対し、平成26 年3月、相鉄バスへの出向により生じる賃金差額補填費の削減を主な目的とする「バス事業支出削減策」(以下「本件提案」という。)に係る団体交渉を申し入れた。
組合は、
【1】本件提案に係る団体交渉における会社の対応、及び組合との合意がないまま、組合員に対して相鉄バスへの転籍等の希望について意思を確認する「選択申出書」の提出を求めたこと
【2】会社が、上記団体交渉で、相鉄グループを構成する別の会社の組合員によるストライキが実施された場合、損害賠償請求や懲戒処分等を行うことを検討せざるを得ない旨の発言をしたこと(以下「本件発言」という。)
【3】上記【1】及び【2】に関する当委員会での審査手続中に、「選択申出書」の提出を拒否した組合員に対し、相鉄バスへの出向を解除して会社への復職を命じたこと(以下「本件復職命令」という。)
は、いずれも労働組合法で禁止されている不当労働行為であるとして救済を申し立てた事件である。

3 命令の概要

(1) 主文(一部救済)
ア 会社は、本件復職命令の対象者のうち、相鉄バスでの勤務を希望する者について同命令をなかったものとして取り扱い、同希望者の出向の継続について、労使間で誠実に協議を行い、同協議が終了するまでの間、相鉄バスへの出向を継続しなければならない。
イ 誓約文の手交及び掲示
ウ その余の申立てを棄却する。

(2) 本事件の争点及び判断の要旨
(争点1-前記2【1】)
本件提案に係る団体交渉における会社の対応等は、不誠実団体交渉及び組合の運営に対する支配介入に当たるか否か。
(判断の要旨)
交渉や折衝は相当程度行われたものと認められ、労使双方の主張が平行線をたどり、膠着状態に陥っていたこと等からすると、不誠実団体交渉又は支配介入には当たらない。
(争点2-前記2【2】)
本件発言は、組合の運営に対する支配介入に当たるか否か。
(判断の要旨)
本件発言は、ストライキに対する牽制を行う威圧的な言論であり、組合の自主的活動を阻害するおそれのあるものであることから、支配介入に当たる。
(争点3-前記2【3】)
本件復職命令は、組合員であることを理由とする不利益取扱い、不誠実団体交渉及び組合の運営に対する支配介入に当たるか否か。
(判断の要旨)
本件復職命令は、会社が組合員を差別して取り扱った事実が認められないことから不利益取扱いには当たらず、確認書に反するとは認められないこと等から、不誠実団体交渉にも当たらないものの、組合運営への打撃は甚だしいものであり、組合の弱体化をもたらすものであることから、支配介入に当たる。

※不当労働行為
使用者は、労働組合法7条により、次のような行為を禁止されている。
・不利益取扱い(同条1号):組合員であることや労働組合の正当な行為をしたことを理由に、労働者に対して解雇などの不利益な取扱いをすること。
・団体交渉拒否(同条2号):正当な理由なく団体交渉を拒否したり、不誠実な団体交渉をすること。
・支配介入(同条3号):労働者による労働組合の結成やその運営を支配したり、これらに介入すること。
・報復的不利益取扱い(同条4号):労働委員会に申立てなどをしたことを理由に、労働者に対して不利益な取扱いをすること。

    (問合せ先)
    神奈川県労働委員会事務局審査調整課
    労働関係調整担当課長 高安
    電話 045-633-5445
    審査調整グループ 池田
    電話 045-633-5447

    神奈川県

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