神奈川歯科大学不当労働行為救済申立事件の命令について

掲載日:2017年6月13日
平成29年6月13日
記者発表資料

神奈川県労働委員会(会長 盛誠吾)は、本日、申立人の不当労働行為救済申立ての一部について、理由があるとして救済命令を発しましたので、お知らせします。概要は次のとおりです。  

1 当事者

申 立 人 ユニオンヨコスカ(組合)

被申立人 学校法人神奈川歯科大学(法人)

2 事件の概要

本件は、法人が、【1】組合の組合員であるAに対し、平成25年4月10日から12か月間の休職を命じ、就労可能であるとの診断書及び復職願いを提出後も復職を認めなかったこと、【2】Aに対し、休職中であることを理由として、平成25年夏季賞与を支払わなかったこと、【3】Aに対 し、平成26年12月26日付けで出向を命じたこと、【4】平成27年2月12日から同年5月6日までの間、Aを自宅待機にしたこと、【5】Aの休職命令の撤回、年次有給休暇取得、定期昇給の是正と未払賞与の支払及び復職後における処遇等に関する団体交渉に誠実に応じなかったことが、【1】から【4】は労働組合法第7条第1号及び第3号に、【5】は同条第2号及び第3号に該当する不当労働行為であるとして、救済申立てのあった事件である。

3  申立人の請求する救済内容

【1】法人は、Aに対して行った平成25年4月10日付け休職命令について、同年7月1日以降の休職を取り消し、同人を健康管理室に保健師として配属させるとともに、同年7月1日以降の賃金について減額された分を支払うこと。

【2】法人は、Aに対して、平成25年6月支給の賞与を支払うこと。

【3】法人は、Aに対して行った平成26年12月26日付け出向命令を取り消し、同人を健康管理室に保健師として配属させること。

【4】法人は、組合との団体交渉を誠実に行うこと。

【5】陳謝文を掲示すること。

4 命令の概要

(1) 主文(一部救済)
【1】法人は、平成25年7月1日から平成26年10月9日までの間にAに対して支払うべき賃金と同期間に同人に対して支払済みの賃金との差額に、年率5分相当額を加算した額の金員を速やかに支払わなければならない。

【2】法人は、平成25年6月支給分の賞与について、法人の基準に従い、当時休職していたAに対して支払うべき額に、年率5分相当額を加算した額の金員を速やかに支払わなければならない。

【3】法人は、組合に陳謝文を手交しなければならない。

【4】その余の申立てを棄却する。

(2) 判断の要旨
【1】法人が、Aに対する平成25年休職命令発出後、同年7月1日以降に復職させなかったことは、組合を嫌悪していたことなどから、組合員であることを理由とした不利益取扱いであり、組合の組織・活動にも影響を及ぼすおそれがあると認められることなどから、支配介入にも当たる。

【2】法人が、Aに対して平成25年夏季賞与を支払わなかったことは、不当労働行為意思に基づいて行われたと推認され、組合員であることを理由とする不利益取扱いであり、組合の組織・活動にも影響を及ぼすおそれがあることなどから、支配介入にも当たる。

【3】法人がAに対して行った出向命令は、不利益性があるとは認められず、不当労働行為には当たらない。

【4】法人が、Aを自宅待機としたことは、法人に不当労働行為意思を認めることはできず、不当労働行為には当たらない。

【5】法人の第4回及び第5回団体交渉における対応は、団体交渉が行われなかったことと等 しい効果をもたらすもので、不誠実な交渉態度であり、組合の弱体化を招来するおそれがあるといえるので、支配介入にも当たる。

※不当労働行為
使用者は、労働組合法7条により、次のような行為を禁止されている。
・不利益取扱い(同条1号):組合員であることや労働組合の正当な行為をしたことを理由に、労働者に対して解雇などの不利益な取扱いをすること。
・団体交渉拒否(同条2号):正当な理由なく団体交渉を拒否したり、不誠実な団体交渉をすること。
・支配介入(同条3号):労働者による労働組合の結成やその運営を支配したり、これらに介入すること。
・報復的不利益取扱い(同条4号):労働委員会に申立てなどをしたことを理由に、労働者に対して不利益な取扱いをすること。

    (問合せ先)
    神奈川県労働委員会事務局審査調整課
    労働関係調整担当課長 高安
    電話 045-633-5445
    審査調整グループ 大森
    電話 045-633-5447

    神奈川県

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