県立金沢文庫で発見! 日本洋画の先駆者本多錦吉郎の水彩画

掲載日:2016年11月22日
平成28年11月22日
記者発表資料

  発見の経緯

県立金沢文庫に、明治時代の洋画の先覚者とされる本多錦吉郎(ほんだきんきちろう、1850-1921)の水彩画《鎌倉小坪村海岸》が所蔵されていることがわかりました。これは、県立近代美術館の問い合わせを受けて当庫の収蔵庫内を調査したところ、クラフト紙に包まれた額が見つかったものです。

 作品の内容

本作品は、昭和5年(1930)の県立金沢文庫開館の際に、近隣に別荘を所有していた実業家・村居銕次郎(むらいてつじろう)により寄贈され、開館記念の特別展観で展示されたものでした。さらに、県立近代美術館の調査で、昨年新たに県立近代美術館のコレクションとなった本多錦吉郎《相州鎌倉由井濱》と一連の作品であることが確認されました。

 作者の本多錦吉郎について

本多錦吉郎は日本洋画の黎明期に活躍し「洋画の先覚者」として評価される画家ですが、その作品は現在、わずかな油彩画が数点知られるのみです。本作品は、小坪海岸(逗子市)の風景を描いた水彩画で、裏面には鉛筆による樹木のスケッチもあります。本多錦吉郎は、絵画制作において自然を写生することの重要性を説いたといわれています。本作品は、本多が実際に風光明媚な神奈川の海浜を散策し、写生を行っていたことを裏付ける作品としても注目されます。

 作品の公開予定と研究成果の紹介

本作品は、来年2月に県立金沢文庫で約85年ぶりに展示公開される予定です。また、詳細な作品紹介が今月発行の『金沢文庫研究』337号に掲載されます(橋秀文「金沢文庫所蔵本多錦吉郎の水彩画《鎌倉小坪村海岸》について」)。

本多錦吉郎(ほんだきんきちろう、1850-1921)

明治時代の洋画家。芸州藩士の子として生まれ、イギリス人に英語を学び、絵の才能を見いだされて画家を志した。イギリスで油彩画を学んで帰国した国沢新九郎(くにさわしんくろう、1848-1877)が開いた画塾・彰技堂(しょうぎどう)に入学し、本格的に画家の道を歩み始める。国沢が急逝した後、本多が彰技堂の運営を引き継ぎ、水彩画家の丸山晩霞(まるやまばんか)や洋画家の岡精一(おかせいいち)らを育成した。作品を寄贈した村居銕次郎も本多の門下生である。英語力を活かして絵画技法書を翻訳し、士官学校(のち、幼年学校)の図画教師をつとめるなど、美術教育者としても高く評価されている。

記者発表資料(PDF) [PDFファイル/142KB]

(問合せ先)
神奈川県立金沢文庫
  • 学芸課長
  • 西岡
  • 主任学芸員
  • 梅沢
  • 電話  045-701-9069

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