不当労働行為救済申立事件の命令(一部救済)について

掲載日:2016年11月2日
平成28年11月2日
記者発表資料

 神奈川県労働委員会(会長 盛誠吾)は、以下の3事件について、審査を併合したうえで、平成28年11月2日、命令を発しました。
1.鎌倉市社会福祉協議会事件(神労委平成25年(不)第40号 平成25年12月18日申立て)
 本件は、【1】第1回社協バザーの実施に伴う休日の振替に関して申立人鎌倉市社会福祉協議会職員労働組合(組合)が行った団体交渉申入れに対する被申立人社会福祉法人鎌倉市社会福祉協議会(法人)の対応、【2】スライド勤務に関して組合が行った団体交渉申入れに対する法人の対応及び【3】法人が「社会福祉法人鎌倉市社会福祉協議会事務局職員の勤務方法等に関する要綱」に基づき休日の振替及びスライド勤務を実施したことは、不当労働行為であるとして、救済申立てがあった事件である。
2.鎌倉市社会福祉協議会(その2)事件(神労委平成26年(不)第17号 平成26年6月5日申立て)
 本件は、法人が、【1】平成26年4月1日付け人事異動により組合員6名を配置転換したこと、【2】第2回社協バザーへの組合員のボランティア参加を拒否したことは、不当労働行為であるとして、救済申立てのあった事件である。
なお、組合が【1】に係る申立てのうち、A組合員を除く組合員5名の不利益取扱いについての申立てを平成27年4月20日付けで撤回したことにより、【1】に係る申立てのうちA組合員を除く組合員5名の審査の対象は支配介入についての判断のみとなった。
3.鎌倉市社会福祉協議会(その3)事件(神労委平成26年(不)第29号事件 平成26年10月1日申立て)
 本件は、平成26年1月6日に行われた仕事始め式における会長の発言が不当労働行為であるとして、救済申立てのあった事件である。 

1 主文の要旨

    1.法人は、休日振替勤務及びスライド勤務を交渉事項とする組合との団体交渉について、十分な説明を行うなどして誠意をもって対応しなければならない。
    2.法人は、平成26年4月1日付けで行った組合員であるB、同C、同D、同E及び同Fに対する配置転換をなかったものとして取り扱い、同人らを配置転換前の職場に復帰させなければならない。
    3.法人は、本命令受領後、速やかに法人の行為が不当労働行為であると認定された旨の文書を組合に手交するとともに、同文書の内容を法人職員の見やすい場所に掲示しなければならない。
    4.その余の申立てを棄却する。

    2 判断の要旨

    1.休日振替勤務に関する団体交渉申入れに対する法人の対応は、全体としてみれば、一貫して不誠実なものであることが認められ、団体交渉拒否に該当する。ただし、以上のような法人の対応により、組合の自主的な運営が阻害されたとまでは認められず、支配介入には該当しない。
    2.スライド勤務に関する団体交渉申入れに対する法人の対応は、およそ誠意をもって交渉に当たったものと評価することはできず、団体交渉拒否に該当する。ただし、以上のような法人の対応により、組合の自主的な運営が阻害されたとまでは認められず、支配介入には該当しないと判断する。
    3.休日振替勤務の実施及びスライド勤務の再開に当たっては、団体交渉において制度の運用等についての事前協議を行うことが求められるところ、十分な協議を行わずに再開を行った法人の対応は、支配介入に当たる。
    4.会長による仕事始め式の年頭挨拶における一連の発言は、組合の印象や立場を悪化させ、組合員の脱退等につながるおそれがあるなど、その自主的活動を阻害するおそれのあるものであって支配介入に当たる。
    5.第2回社協バザーを途中退出した組合員らに関し、不利益を被った事実が認められないことなどからすると、その余の点について判断するまでもなく、法人が、第2回社協バザーにおいて組合員のボランティア参加を認めなかったことは、組合員であること若しくは組合活動を理由とした不利益取扱いには当たらず、また、組合活動を妨害するものということはできないため、支配介入にも当たらない。
    6.本件配置転換は、組合の弱体化に直ちにつながるおそれがあり、本件配置転換の時期及び規模を併せ考えると、本件配置転換は組合の弱体化を具体的に企図してなした支配介入に当たる。
    7.法人が、A組合員を配置転換したことは、同人が組合員であること及び同人の組合活動を理由としたものであり、同配置転換について法人の掲げる理由は全体として合理性が認められないことから、不利益取扱いに当たる。

    ※ 詳細は、不当労働行為救済申立事件の命令の概要 [PDFファイル/304KB]を参照してください。

    不当労働行為とは

     不当労働行為とは、憲法第28条が保障する勤労者の団結権を実質的に確保するため、労働組合法が使用者に対して禁止している次のような行為です。

    • 労働組合の組合員であることや、労働組合に加入したり結成しようとしたこと、労働組合の正当な行為をしたことを理由に、労働者を解雇したり、配置転換したり、賃金について差別したり、その他労働者に不利益な取扱いをすること(不利益取扱い) 
    • 正当な理由がないのに、労働組合からの団体交渉の申入れを拒否したり、団体交渉には応じるものの交渉態度が不誠実であること(団体交渉拒否) 
    • 労働者が自主的に決めるべき労働組合の結成やその運営に干渉すること(支配介入)

     労働者又は労働組合は、労働委員会に、使用者が不当労働行為を行ったとして申立てを行い、その救済を求めることができます。この申立てを受けた労働委員会は、審査を行い、救済命令等を発します。
     労働委員会の発した救済命令等に不服のある当事者は、定められた期間内に、中央労働委員会への再審査の申立てや地方裁判所への取消訴訟の提起をすることができます。これらの再審査申立て及び取消訴訟の提起がない場合に、労働委員会の命令は確定します。

(問い合わせ先)
神奈川県労働委員会事務局審査調整課
労働関係調整担当課長 永井
電話 045-633-5445

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神奈川県

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