不当労働行為救済申立事件の命令(一部救済)について

掲載日:2016年3月10日
平成28年3月10日
記者発表資料

  神奈川県労働委員会(会長 盛誠吾)は、被申立人社会福祉法人青い鳥(法人)が、【1】よこはまシティユニオン(組合)との団体交渉において、社会福祉法人新生会との合併前には行われていた文書回答を合併後初回を除いて拒否し、あらかじめ用意した見解を繰り返す対応に終始したこと、【2】賃金に関する組合の要求に対して具体的な回答をしなかったこと、【3】掲示板の貸与及び施設利用に係る組合との協定について、別組合と協定締結に至っていないことを理由に締結を拒否したこと、【4】施設利用は【3】の協定の対象ではないにもかかわらず、締結を拒否するまで組合にそのことを説明しなかったこと、【5】組合員Bに対して所属施設の所長となったことを理由に組合からの脱退を勧めたこと、【6】組合員Aにタイムカードの打刻を依頼したB及びBの代わりに打刻したAに対して、既に口頭注意を行ったにもかかわらず、弁明の機会等を与えることなくけん責処分としたことが不当労働行為であるとして、法人に対して誠実な団体交渉の実施などを求める青い鳥事件(神労委平成25年(不)第17号 平成25年7月10日申立て)について、また、【7】法人が、平成26年7月1日に開かれた法人運営会議において、C常務理事兼事務局長(C事務局長)作成の陳述書を出席者全員に配付したことが不当労働行為であるとして、陳述書の回収を求める追加申立て(平成26年9月30日)について、平成28年3月10日、以下の命令を発しました。

1 主文の要旨

  1. 法人は、新人事給与制度に関する組合との団体交渉において、必要な資料を提供し、十分な説明を行う等、誠実に対応しなければならない。
  2. 法人は、A及びBに対するけん責処分をなかったものとして取り扱わなければならない。
  3. 法人は、本命令受領後、法人の行為が不当労働行為であると認定された旨の文書を組合に手交しなければならない。
  4. その余の申立てを棄却する。 

2 判断の要旨

  1. 平成24年5月18日から平成25年5月31日までの間に開催された団体交渉の中で、割増賃金の算定基礎額に関する団体交渉及び一連の団体交渉における法人の対応については、不誠実な団体交渉に当たらないが、掲示板の貸与及び施設利用に関する団体交渉、並びに、賃上げ及び「人事給与制度設計プロジェクト」に関する団体交渉における法人の対応については、不誠実な団体交渉に当たる。
  2. 平成25年4月2日のC事務局長のBに対する発言は、所長就任後も団体交渉に出席する意思を示したBに対し、管理監督者に当たる者が組合員として団体交渉に出席できるのか疑問を感じて発言したものであり、その後、同様の発言をした事実も認められないことから、組合に対する支配介入には当たらない。
  3. 法人が、平成25年6月6日に行ったA及びBに対するけん責処分は、法人の不当労働行為意思が推認されるところ、それを否定するに足る合理性が認められないことから、A及びBが組合員であることを理由とした不利益取扱いに当たる。
  4. 法人が、法人運営会議でC事務局長の陳述書を配付したことは、そのこと自体がA及びBにとって客観的に不利益なものとは認められず、そのことからA及びBにとって直ちに何らかの不利益がもたらされるものとも認められないことから、A及びBに対する報復的不利益取扱いには当たらない。

※ 詳細は、不当労働行為救済申立事件の命令の概要 [PDFファイル/171KB]を参照してください。

不当労働行為とは

 不当労働行為とは、憲法第28条が保障する勤労者の団結権を実質的に確保するため、労働組合法が使用者に対して禁止している次のような行為です。

  • 労働組合の組合員であることや、労働組合に加入したり結成しようとしたこと、労働組合の正当な行為をしたことを理由に、労働者を解雇したり、配置転換したり、賃金について差別したり、その他労働者に不利益な取扱いをすること(不利益取扱い) 
  • 正当な理由がないのに、労働組合からの団体交渉の申入れを拒否したり、団体交渉には応じるものの交渉態度が不誠実であること(団体交渉拒否) 
  • 労働者が自主的に決めるべき労働組合の結成やその運営に干渉すること(支配介入)

 労働者又は労働組合は、労働委員会に、使用者が不当労働行為を行ったとして申立てを行い、その救済を求めることができます。この申立てを受けた労働委員会は、審査を行い、救済命令等を発します。
 労働委員会の発した救済命令等に不服のある当事者は、定められた期間内に、中央労働委員会への再審査の申立てや地方裁判所への取消訴訟の提起をすることができます。これらの再審査申立て及び取消訴訟の提起がない場合に、労働委員会の命令は確定します。

(問い合わせ先)
神奈川県労働委員会事務局審査調整課
労働関係調整担当課長 永井
電話 045-633-5445

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