(仮称)小網代大橋有識者合同ヒアリング検討内容

橋梁デザインコンセプトに基づき、
様々な視点から、環境へ配慮した検討を行います。
上部桁・橋脚
- 橋梁の色彩については、素材(コンクリート)の色を活かすこととした。(無着色)
- 3Dモデルを活用して、様々な視点から、構造物(上部桁、橋脚等)の見え方や距離感について検証した。
- 上部桁のウェブ(箱桁の縦壁)については、通常の垂直から、逆八の字状の斜めにするとともに、橋脚については、海面から上部桁との接続部まで均一の断面(太さ)とした。これにより、橋梁下から眺望した際に、上部桁が橋脚に対して、相対的に細く見える視覚的な効果を利用し、優れた美観と経済性を両立した。
- 上部桁・橋脚の躯体の隅角部について、円弧状の面取り(サークルハンチ)を施すことにより、構造物としての統一感と、圧迫感の軽減を目指した。


美観対策
- コンクリート表面の汚れは、防護柵の支柱箇所で集中した雨だれによって、藻類や真菌類などの微生物の死骸が付着することにより、美観が損なわれるもので、一旦汚れてしまうと、自然に落ちることはない。
- そこで、この対策として、地覆の天端に排水勾配を設けるとともに、地覆の下端部には水切りを設ける。

柵類
- 投物を防止するための、高さ2mの投物防止柵を設置する。
- 柵類の色彩については、周辺の景観と調和する「グレーベージュ」とする。
- 道路照明は、橋上の突出物を抑制するため、高欄は照明内蔵型を採用する。





歩道舗装
- 白系舗装による眩しさや、夜間照明の反射による拡散について考慮した結果、黒系(アスファルト系)舗装を採用する。
照明
- 通常の柱型照明灯は、橋面上に突出するため、外部景観を阻害し、さらには、周辺への光害等が懸念されることから、高欄照明を採用する。
- 従来のHID光源では対応が難しかった無段階調光について、LED器具を採用することにより実現する。これにより、周辺への光の拡散を抑制し、生態系への影響を最小限とする。


半島上の利活用
- 半島上(橋梁の桁下等)の森の中には、人がすれ違える程度の散策路を設けることにより、自然観察や、子供たちの環境学習の場となることを目指す。
- 散策路は、北側の橋台横と小網代の森を連絡するなどして、この地域の回遊性を確保するよう努める。

眺望スペース
- 眺望スペースのための張り出しは、外部景観を阻害するため設けない。
- 洋上橋脚(P2、P3)上の両側(計4箇所)に、投物防止柵を透明板に替えた眺望スペースを設置する。
- 眺望スペースを認識できるよう、富士山や小網代森など、視対象となるもののピクトグラムを路面に標示する。

環境保全措置及び再生計画

環境保全措置
- 改変区域及びその周辺における重要種は、エビネ、キンランが確認された。
- 環境保全措置(移殖)の実施フローとして、「工事前の生育状況及び移植先候補地の状況把握」、「移植(又は環境保全措置)計画の作成」、「移植(環境保全措置)の実施」の3ステップを遵守する。
- なお、確認されていないナギランについては、確認された場合には、移植よりも現状を維持することを優先する。

再生計画
- 再生された樹林により、橋梁を覆い隠し、藤ヶ崎半島の自然に溶け込んだ景観を創出する。
- 公共事業(橋梁の架設工事後の復旧工事)を通じて、自然林となる常緑広葉樹林を再生することにより、生物多様性の保全及び生態系の物質循環の安定を図り、大気浄化、水質保全、土壌保全、景観保全の発揮を目指す。

- 森林再生の検討フローとして、「現在成立している植生の把握」、「本来あるべき植生(潜在自然植生)の推察」、「公共事業を活用した森林植生の再生計画の立案」の3ステップを遵守する。


地域活動
- 森林再生にあたっては地域の住民や企業が参加できるような取組を目指す。
- 苗木は、この地域の種から採取したものを生育するよう努める。
