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特集 Hit vol.4
ポップコーンとともに、弾ける笑顔を
ジェリーズポップコーンドリーム伊勢原
（（社福）伊勢原市手をつなぐ育成会 地域作業所ドリーム）
ポップコーンとともに、弾ける笑顔を
（社福）伊勢原市手をつなぐ育成会が運営する「地域作業所ドリーム」では、２０２０年11月から利用者に楽しく働いてもらおうと「ポップコーンの製造・販売」を始めました。
これまで行ってきた委託軽作業に加え、新たな挑戦を行った結果、利用者に対する工賃アップを実現し、笑顔でイキイキと働く環境を整えることになりました。今回の記事ではその経緯と将来展望に迫ります。
利用者の工賃アップに試行錯誤
伊勢原市桜台にある「地域作業所ドリーム」での仕事は、化粧品サンプルの袋入れやボールペンの組み立て作業のほか、循環型社会をめざしたレアメタルの回収に社会参加を促進した小型家電の解体作業、全国でも数少ない手作業での鈴制作なども行っています。
利用者の給料向上をめざす「目標工賃達成指導員」を配置して４年目。スタッフは様々な研修に参加し、農家への派遣やパン屋からの委託事業、自主製品の販路開拓など「施設外作業」を増加し、事業所をあげて試行錯誤を重ねてきました。
利用者のイキイキとした表情を見るために
そんな中、事業所に届いたFAXが、㈱ジェリーズポップコーンが障がい者の就労支援を目的に全国展開している「ジェリーズポップコーン・福祉応援隊」への加盟案内。これが現在行っている「ポップコーン事業」との出会いでした。
何かのヒントが得られればと、都内で行われていた見学会に参加。「作業をしている利用者が、イキイキとした表情で楽しく働いているのがすぐに分かりました」とスタッフは当時を振り返ります。実際に運営している他の事業所へも足を運び、「うちでもできるかも」と事業所内でその機運が高まり、ポップコーン事業への挑戦が始まりました。
オープンまでは悪戦苦闘の日々
大手通販サイトでの実績をもつポップコーンや、自主製品を販売できる加盟へのメリットなどが法人内で認められ、いざ事業を展開しようとした矢先に起きたのが、新型コロナウイルス感染症対策の「緊急事態宣言」（１回目）。暗いムードが世の中に流れる中、スタッフは出来ることを見つけ、オープンに向け着々と準備を進めました。製造室が必要と分かれば、食堂を改装。手洗い場が必要と分かれば、新たに設置。壁や床上げも同様に改装しました。さらには食品衛生責任者の取得、菓子製造業の許可を取得するなど、これまでに無かったこと一つひとつを、スタッフが一丸となって立ち上げに邁進しました。
営業研修などを終え、「どのくらい売れるのか」と緊張感に包まれたプレオープンは、４５０個以上（約16万円）ものポップコーンが売れ、スタッフ・利用者ともに笑顔が溢れて、成功裏に終わりました。
大幅な工賃アップを達成
２０２０年度の上半期は新型コロナウイルス感染症の影響を受け、収入がほぼ無い状況でした。にもかかわらず、ポップコーン事業を展開してからは、売上は大幅に増加。目的の一つだった「近隣住民との触れ合いアップ」もこれまでと比べると格段に増え、近隣住民がいつでも利用できるように、事業所では日常的に販売を行うようになりました。
また、販路を拡大しようと、コンビニやボウリング場などの商業店舗にもあたり、「置き菓子」の件数を増やしました。この結果、売上の厳しい上半期であったにもかかわらず、終わってみれば、前年度の倍の工賃アップを達成しました。
現在も販路拡大から、ポップ作り・パッケージ選び、在庫管理など、まだまだ課題解決に向けて日々奮闘中です。コロナが落ち着いた際には、イベント出店なども見据えています。
大きな目的は「利用者の自己効力感アップ」
ポップコーン事業に動き出した大きな目的は「利用者が楽しい人生を送れるようにすること」。比較的、単純仕事が多い中で、業務の幅が広がり、様々なことにチャレンジできる環境ができたことは利用者の楽しみになりました。
地域作業所ドリームのコンセプトは「自ら何かをする気持ち＝自己効力感のアップ」。ポップコーン事業はこの起爆剤にもなりました。
小渕文隆施設長は「工賃アップはとても大切なことで、大変嬉しいことですが、利用者の働く理由を工賃だけでなく、『自分が携わっている場所や仕事が好きだから』であって欲しいとスタッフは考え、取り組んでいます。これからも利用者が生きがいを持って笑顔になれる職場を作っていきます」と話しました。
- 取材先：ジェリーズポップコーンドリーム伊勢原（（社福）伊勢原市手をつなぐ育成会 地域作業所ドリーム）
- 同施設で利用者がイキイキと笑顔で働ける環境を整えるため、「自己効力感」の向上を意識して運営しています。製造及び販売しているポップコーンは、楽天ポップコーンランキングNo.1のジェリーズポップコーンで人気を博しています。