
NPO法人らいおんはーと
2024年 3月 31日365日子ども食堂を実現する支援の輪
2024年 3月 31日支援者サポート講座を開催

オンライン配信中の及川理事長
神奈川県では、県内の子ども食堂を運営している人や、これから運営しようと考えている人を応援するため、支援者サポート講座をオンラインで3月6日に開催しました。講師は、東京都江戸川区で365日オープンの子ども食堂「NUKUNUKU」を運営するNPO法人らいおんはーと理事長の及川信之さん。
当日は、同法人の活動紹介に加え、子ども食堂運営のノウハウについての説明があり、神奈川県内の支援者を中心に北は宮城県、南は沖縄県の方まで子ども食堂の運営に関心のある40人超の方が参加しました。

学習塾

フードパントリー
同法人は、江戸川区立中学校PTA連合協議会副会長などを務めていた及川さんが2017年5月にボランティア団体として設立し、子ども食堂の運営をスタートしました。開始当初は毎日の運営ではなく月2回の運営だったそうです。現在のように毎日運営できるようになるためには、「地域との横のつながりにより、『仲間』が増えたことが大きい」と及川さんは話します。元々つながりのあった小中高のPTAを通して、支援者を得たほか、学校のイベントや地域のお祭りなどにも積極的に顔を出し、子ども食堂の支援の輪を広げました。2018年1月にNPO法人化したことで、国などの公的補助金や助成金、企業補助金や助成金など、活用できるサービスも増えたそうです。
また、及川さんは「うちの場合は子ども食堂だけでスタートしなかったこともよかった」と振り返ります。子ども食堂に加え、子どもたちの勉強をサポートする無料の学習支援(学習塾)や、子育て中のひとり親家庭などへ食料品支援を行うフードパントリー、そして不登校児童生徒の支援としてフリースクールの運営を行いました。結果、子ども食堂以外でつながった人々が、「子ども食堂を手伝うよ」「この食材を使ってもらえるかな」など、運営支援の「仲間」が増えたそうです。

食事はこどもたちがみんなで調理

誕生日の子は自分でケーキを作り、皆に日ごろの感謝を込めてふるまうのも、同法人の子ども食堂ならではの取組です。
その一人として、この日の講座で登壇したのが同法人の広報を担当する佐藤すずみさん。佐藤さんは男の子を一人で育てるシングルマザーです。もともとはバリバリ働く会社員でしたが、産前産後うつとなり、同法人と出会ったそうです。うつ病となり職も失っていた佐藤さん。「なんとか息子にだけは食べさせてあげないといけない」そう思い、街を歩いていた時に同法人の看板を目にします。「子ども食堂だからご飯を食べさせてもらえるかもしれない」という必死の思いで、法人に電話をすると、理事長の及川さんが電話にでました。下にいることを伝えると(事務所がある2階に)「今すぐ上がっておいでと言ってくれた」と振り返ります。その後、佐藤さんの話をじっくり聞いた及川さんは「あなたはひとりじゃないですよ。みんなで育てていきましょう」と話しました。佐藤さんは「私はひとりじゃないんだ。誰かに頼ってもいいんだと思えた」と話しました。その後、週1回子ども食堂に通った佐藤さん。「子どもたちが息子の世話をして遊んでくれるので、気持ちがすごく楽になった」と振り返ります。その後、佐藤さんは、3年間のボランティアを経て、スタッフとなりました。
今回の講座では、佐藤さんが担当する同法人の広報の仕事についても触れられました。ホームページのリニューアル後、新規ユーザー閲覧数は単月比較で1038%もアップしたそうです。X、LINE、FacebookといったSNSも活用し、積極的に日常の活動も投稿。佐藤さんは「及川理事長の脳内を言語化し、見える化をすることで、らいおんはーとを知り、共感をして頂き、ご支援いただける方が増えたなら嬉しい」と話しました。
この日、講座を視聴した参加者からは「説明が具体的でわかりやすかった」「こども食堂を運営する中で今日の話を生かしたい」といった声が聞かれました。及川さんは「これからも困ったとき、寂しいとき、誰かの助けが必要な時、そんな時にいつ行っても温かく迎えてくれる場所でありたい」と話しました。
プロフィール

特定非営利活動法人 らいおんはーと
東京都江戸川区で365日オープンの子ども食堂「NUKUNUKU」を運営しています。地域の学校や、団体、企業などの仲間とともに「子どもと親の成長支援」を目指すNPO法人です。地域の様々な方々との「つながり」もあり、たくさんの温かいエールに支えられ、現在は江戸川区内に構えた拠点で子ども食堂のほか、「フードパントリー・フードバンク」「不登校支援(フリースクール)」「学習支援」「進学支援」「面会交流」にも取り組んでいます。