木工芸技術のQ&A : 神奈川県

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木工芸技術のQ&A


寄木細工

Q. いつ頃からつくられていますか?

A. 創始は、約200年前の江戸後期と言われていますが、 明治の始めに新しい技法がもたらされ、意匠や技術開発などを積み重ねながら発展してきました。 国内では唯一の産地で、昭和59年に「伝統的工芸品」に指定されました。


Q. 使う材料は?

A. カツラ、ミズキ、サクラ、エンジュ、ホオノキ、クルミ、クワなど色とりどりの木材を使います。


Q. どのような文様がありますか?

A. 麻の葉(あさのは)青海波(せいかいは)菱万字(ひしまんじ)二崩(にくずし)三桝(みます)(やっこ)矢羽根(やばね)などの幾何学模様が代表的です。


麻の葉(あさのは) 青海波(せいかいは) 菱万字(ひしまんじ)
麻の葉(あさのは 青海波せいかいは 菱万字(ひしまんじ

二崩(にくずし) 三桝(みます) 奴(やっこ) 矢羽根(やばね)
二崩にくずし 三桝みます やっこ 矢羽根やばね


Q. 作り方は?

A. 文様を構成する基本形をのこかんなで作り、接着して文様にします。 それを薄く削って(これをズクと言います)品物の表面に貼り付け、塗装します。 最近は、薄く削らないムクの製品も多く作られ、寄木の特徴を一層高めています。


Q. どのような製品がありますか?

A. 引出し、盆、皿、茶托、小だんす、花器などです。最近は、ティッシュボックス、メガネ・リモコン収納箱、 CDボックスなどもつくられています。



寄木細工のできるまで

  1. 寄木文様にする有色材料に接着剤を塗って文様の基礎になる材をつくります。
  2. 文様基礎材をノコギリで正確に切断し、かんなで文様部材をつくります。
  3. 文様部材を接着剤で単位文様材にします。
  4. 単位文様材を集成して一定の寸法に切ります。
  5. 切った複数のブロックを連続文様になるよう大寄せを行ない、種板をつくります。
  6. 特殊な大きいカンナで経木状に一枚ずつ削り出します(これを「ズク」といいます)。
  7. 削った「ズク」は曲状になっているので、アイロンで平らにのばします。
  8. 製品の表面に寄木ズクを貼り付け、製品として完成します。

使用される木材

 寄木細工では、木材の自然な色合いと木肌が重要です。このため、次のように非常に多くの樹種を使います。

白色系   アオハダ モチノキ シナノキ セン ミズキ
灰色系   ホオノキ サンショウバラ アオハダ


淡黄色系  ニガキ  マユミ 



黄色系   ウルシ  クワ   ニガキ  ハゼノキ シナノキ
赤色系   パドゥク レンガス(外材)



緑色系   ホオノキ ハリエンジュ



茶色系   アカグス イチイ エンジュ カツラ クルミ  クスノキ
クワ    ケンポナシ ケヤキ サクラ シナノキ チャンチン
モッコク  タブノキ ナトー


褐色系   カツラ神代  ケヤキ神代  ウォールナット マンソニア

黒色系   カツラ神代  クリ神代 コクタン クロガキ



小田原漆器

Q. いつから作っていますか?

A. 室町時代の中期(約500年前)頃からと言われています。


Q. どんな材料を使うのですか?

A. ケヤキ、セン、クワ、トチなどの木目の美しい広葉樹です。


Q. どのようにつくるのですか?

A. ろくろ機械を使って木材を回転させ、製品の形に合わせて刃物を押しあてて削り、形を作ります。 そして、木目の美しさを引き立てる()り漆、拭き漆、木地呂(きじろ)塗りと呼ばれる漆塗り技術で仕上げます。


Q. どのような製品がありますか?

A. 椀、盆、茶托、重箱、箸など日常生活用品がさまざまなものが作られています。



小田原漆器のできるまで

  1. 原木を製品に応じた寸法に切ります。
  2. 木口面を基準に墨付けをし、丸のこ盤で()き割りします。
  3. 保持爪にしっかり固定して、粗挽(あらびき)します。
  4. 粗挽(あらびき)加工した後、薫煙乾燥機で乾燥させます。
  5. ろくろ機械で木地加工します。
  6. 生漆(きうるし)をヘラ又は刷毛で漆を吸い込ませます。
  7. 生漆(きうるし)を擦り込んで拭きあげます。これを6〜7回繰り替えします。
  8. 木地呂(きじろ)塗りの場合は、漆刷毛で上塗りし、乾燥風呂に入れて乾燥させます。


鎌倉彫

Q. いつから作っていますか?

A. 鎌倉時代に中国から伝わった彫漆工芸品の影響を受けて、寺院の儀式具や調度品に木彫した後、 漆塗りをして中国風に作ったのが始まりと言われています。


Q. どんな材料を使うのですか?

A. ほとんどがカツラ材です。


Q. どのようにつくるのですか?

A. 技法は古来と変わらず、ロクロ技術や指物技術などで形を作り、これに彫刻刀で模様を彫った後、 何回も漆塗りを繰り返し重ねて仕上げます。


Q. どのような製品がありますか?

A. 香合などの茶道具や生活実用品の椀、盆、茶托、手鏡などや額などの装飾品などさまざまなものがあります。



鎌倉彫のできるまで

  1. 木取り:主としてカツラが使われ、6〜12ケ月自然乾燥させてから加工します。製品の用途や外形寸法に応じて墨入れし、帯鋸(おびのこ)で切り取ります。
  2. ロクロ()き ロクロで粗挽(あらび)き、乾燥させた後、仕上げ()きをして形を整えます。
  3. 彫り:下絵を緑色の染料で写し取とります
  4. たち込み:写し取った線に沿って切り込みを入れます。
  5. 際取り:文様を浮き上がらせるために、たち込んだ線の外側を、小刀又は平刀で落とします。
  6. 刀痕:文様を各種の刀で肉付けし、地のところは文様と調和した刀痕を入れます。
    (鎌倉彫の特徴です)
  7. 塗り<木地固め>:生漆(きうるし)を塗りしみこませ、塗膜の基礎をつくります。
  8. 蒔き下地:彫刻面に生漆(きうるし)を同じ厚さに塗って、炭粉又は砥の粉を蒔き付け、乾燥後に研ぎます。
  9. 中塗り:黒漆で2回中塗りします。 その後、砥石、サンドペーパー、研ぎ炭などで研ぎます。
  10. 上塗り:透明度の高い透漆(すきうるし)に、朱色の顔料を混ぜ合わせて、上塗り漆を塗ります。
  11. 乾口とり マコモ蒔き:上塗り漆が生乾きの時にマコモ粉を蒔きつけます。乾いた後によく磨きます。
  12. 摺漆:付着したマコモの状態をみながら研ぎ出し、生漆(きうるし)を塗りつけ、ふき取りを2〜3回繰り返して完成。


木象嵌(もくぞうがん)

この絵は、すべて自然の木で表現されています。
七福神の木画
七福神の木画(もくが)


Q. いつごろからつくられていますか?

A. 江戸時代に手彫りの彫り込み象嵌技法として始まり、明治時代に湯本の先覚者「白川洗石」によって、 糸ノコ引き抜き木象嵌(もくぞうがん)技法が開発され、量産技術が確立しました。


Q. どのようにつくるのですか?

A. 二枚重ねした板を、下絵どおりにミシン鋸で引き抜き、引き抜いた上の部材を下の板にそのままはめ込むことを繰り返して、 絵を完成させます。できあがった板絵(これを種板と言います。)を、特殊なカンナでスライス加工します。 一枚の種板で何枚もの同じ絵ができあがります。この技法は、この地域独特のもので、他の産地にはありません。


Q. どのような木を使うのですか?

A. 原画にあわせて、同色か近い色の木を選びます。


Q. どのような製品がありますか?

A. 小箱、秘密箱、皿などへの装飾に用いたもの、日本画風の花鳥、 山水や浮世絵などを題材とした飾額が多くつくられてきましたが、 最近は洋風感覚のデザインのものもつくられています。




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神奈川県産業技術センター 工芸技術所

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