届出者住所 | 東京都港区港南二丁目15番3号 品川インターシティC棟 | |
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届出者氏名 | 株式会社ニコン 代表取締役 兼 社長執行役員 兼 CEO 馬立 稔和 | |
主たる業種 | 製造業 | 中分類;窯業・土石製品製造業 | |
特定大規模事業者の区分 | ■ | 年度あたりの原油換算エネルギー使用量が1,500kl以上の事業者 |
□ | 連鎖化事業者のうち、年度あたりの原油換算エネルギー使用量が1,500kl以上の事業者 | |
□ | 対象自動車を100台以上使用する事業者 |
平成 28 年度~平成 30 年度 |
基準年度 | 平成 27 年度 |
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基礎排出係数ベース | 調整後排出係数ベース | |
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基準排出量の合計量 | 45,600 tCO2 | 44,900 tCO2 |
計画初年度の排出量の合計量 | 45,200 tCO2 | 44,500 tCO2 |
計画2年度目の排出量の合計量 | 43,600 tCO2 | 42,900 tCO2 |
計画3年度目の排出量の合計量 | 43,100 tCO2 | 42,400 tCO2 |
目標とした最終年度の排出量の合計量 | 42,700 tCO2 | 42,100 tCO2 |
削減率 | 5.48 % | 5.57 % |
基礎排出係数ベース | 調整後排出係数ベース | |
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基準年度の排出量原単位 | 0.55 tCO2/m2 | 0.54 tCO2/m2 |
計画初年度の排出量原単位 | 0.48 tCO2/m2 | 0.48 tCO2/m2 |
計画2年度目の排出量原単位 | 0.47 tCO2/m2 | 0.46 tCO2/m2 |
計画3年度目の排出量原単位 | 0.47 tCO2/m2 | 0.46 tCO2/m2 |
目標とした最終年度の排出量原単位 | 0.51 tCO2/m2 | 0.50 tCO2/m2 |
削減率 | 14.55 % | 14.81 % |
原単位の指標の種類 | 建物延床面積 |
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ここ三年間の会社全般の状況としては、デジタルカメラの急速な市場の縮小、半導体露光装置のEUV(極端紫外線)装置からの撤退、FPD(フラットパネルディスプレイ)装置事業の好景気、医療分野の積極的な展開、そして人員再配置を含む構造改革の時期でした。 そのような状況下でグループ全体で売上高は7488億円から7086億円、5.4%ダウンとなりました。 構造改革では、生産プロセスの最適化、人員の最適化をグループ全体で行いました。 具体的には、光学ガラス研磨工程を相模原製作所から栃木ニコンへの集中化を行いました。 省エネでは、設備投資回収年、CO2削減と費用対効果を考慮し、計画的に空調設備、照明器具等の設備投資を不断なく実施しました。 その結果、国内グループ会社(販売会社含む)においては、 H28 15.5万t-CO2 H29 14.9万t-CO2 H30 14.8万t-CO2 となり、減少傾向にあります。 一方、神奈川県内に設置された事業所においては、FPD事業に関連している横須賀製作所および湘南分室の生産増大によりCO2排出量が増えました。 その結果、基準排出量(基)45,600t-CO2に対し実績は43,100t-CO2となり、削減はされたが、目標である42,700t-CO2にはいたりませんでした。排出量原単位は、削減対策と環境負荷の少ない倉庫増床の結果、14.6%削減され目標を達成しました。 |
計画 | 実施の結果 |
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設備の中長期計画にて予算化が予定されている削減施策の実行により、事業所及び全社目標の達成を目指していきます。 1.給湯設備対策(3307) 給湯設備の更新(H28年度)による電気使用量削減(相模原製作所828号館) 2.冷凍機対策(3305) 吸収式冷温水器の更新(①H28年度、②H29年度)による都市ガス使用量削減(相模原製作所857号館) 冷凍機の更新(H29年度)による電気使用量削減(相模原製作所828号館) 3.空調設備対策(3306) エアコンの更新(H29年度)による電気使用量削減(相模原製作所828号館変電室) 4.ボイラー対策(3303) ボイラーの更新(H29年度)による都市ガス使用量削減(相模原製作所823号館) 5.変圧器対策(3701) 高効率変圧器への更新による電気使用量削減(相模原製作所変電室 H28年度823号館、H29年度828号館) 6.コンプレッサー対策(3805) コンプレッサーの更新による電気使用量削減(相模原製作所 H28年度S炉、H29年度857号館) 7.照明設備対策(3809) 蛍光灯20台のプルスイッチの取り付けによる電気使用量削減(横須賀製作所H28年度) 蛍光灯のLED化による電気使用量削減(横須賀製作所H29年度:40W×340個、55W×144個) |
1.給湯設備対策(3307) H28/03 相模原製作所828号館4階の給湯設備更新実施 2.冷凍機対策(3305) H28/12 相模原製作所857号館吸収式冷凍機設備更新実施。 H29/05 相模原製作所828号館屋上の冷凍機設備更新実施 3.空調設備対策(3306) H29/02 相模原製作所828号館一階計3台の空調機更新とインバーター工事を実施。 4.ボイラー対策(3303) H29/11 相模原製作所828号館蒸気ボイラー更新によるガス使用量の削減達成 5.変圧器対策(3701) H30/01 相模原製作所828号館第七変電室の変圧器をトップランナーの高効率変圧器に設備更新。 6.コンプレッサー対策(3805) 相模原製作所857号館炉コンプレッサー更新は、使用頻度が少なく、効果が期待できないため中止。 7.照明設備対策(3809) H29/12 相模原製作所805号館の証明設備のLED化実施 H29/4 横須賀製作所600号館、601号館、602号館の証明設備のLED化実施(40W×340個、55W×144個) |
計画 | 実施の結果 |
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計画 | 実施の結果 |
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計画 | 実施の結果 |
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<品質工学の導入によるエネルギー・素材「無駄遣い」削減> ガラスの開発は試行錯誤の連続です。製造工程では、まず材料をるつぼの中で溶解。その後、延べ板状に成型・冷却して製造します。 その過程では原材料のメーカー選択、添加物の混ぜ方、溶解する装置などの条件を決めなくてはならず、光学性能の実現に加え、透明度の維持も求められる。 これまで環境対策ということで消灯運動などの諸施策を進めてきましたが、技術力で環境への負荷を減らすのが、本来のやり方と捉えています。 そこでガラスの製造条件を決めるには、従来はまず小規模な実験で最適と考えられる条件を模索。その後、大規模な量産設備で実験を行っていました。 しかし量産設備では周辺と中央とで温度に差が生じ、成分の不均一が起こります。その結果、求めていた屈折率や透明度が得られないことがありました。その場合は、再び小規模実験、量産実験をし直して量産開始まで、何トンものガラスを廃棄し、熱エネルギーを消費していました。 子会社の光ガラス㈱は、この製造条件の決定プロセスを効率化して開発に要する資源を大幅に減らしました。 品質工学は技術開発を効率的に行う技法で、膨大な組み合わせを総当たり的に実験する代わりに、統計手法を用いて、実験結果を左右する重要条件を、少ない実験で特定します。 同社は5年ほど前から品質工学を導入し、独自に進化させており、量産移行時の失敗をなくすため、熱エネルギー量にかかわらず必要な要件を満たす製造条件を見いだせるように工夫。小規模でも量産でも結果に差が出ないようになりました。 効果は大きく、開発段階で実験にかかる時間は従来の4分の1となり、2~3年かかっていた開発期間は1年程度まで短縮され、実現が難しいとされてきた光学性能を持ったガラスも安定的に開発できるようになりました。 環境面でも実験に要する熱エネルギーはCO2換算で年30トン削減。実験後に廃棄していたガラスの量も103トン減らすことができました。 ニコンでは、品質工学に取り組む部署を中心に社内研究会を立ち上げて年2回、各部の成果を報告しあう発表会も開催し、ノウハウの共有化を積極的に進めています。 それにより「エネルギー使用量の削減」及び「廃棄物排出量の削減」への成果につながるように努力を続けています。 <その他の対策> ①ニコンは、2005年より「赤谷プロジェクト」を公益財団法人日本自然保護協会への調査・記録用機材の提供などを通じて支援しています。 このプロジェクトは、群馬県と新潟県の県境に広がる約1万ヘクタールの国有林「赤谷の森」で、国と地域住民、自然保護団体が協働で進める生物多様性復元を目的とした日本初の取り組みです。 プロジェクト地では、公益財団法人日本自然保護協会を通じて双眼鏡・フィールドスコープ、カメラなど多くのニコンの機材が活用され、プロジェクトメンバーやサポーター(ボランティア)により記録された写真は、調査・研究、環境教育、普及啓発などに役立てられています。 2014年度は、2014年9月より開始された絶滅危惧種・イヌワシの生息環境向上を目指した試験に対し、グループ会社のニコンイメージングジャパン、ニコンビジョンと共同で機材を提供しました。 この支援が、試験が目指す“イヌワシが子育てをしながら生息できるような、生物多様性が豊かで健全な森を復元する”一助となることを期待しています。 ②ニコンは2012年より公益財団法人オイスカが世界各国で進めている「子供の森」計画の、タイでの活動を支援しています。 「子供の森」計画は、子どもたちへ森の大切さを伝える啓発活動や、植林活動を通じて地球の緑化を進めていこうというプログラムです。 ニコンは、Nikon (Thailand) Co., Ltd.も大きな被害を受けた2011年のタイの大洪水を機に支援を開始しました。 プログラムでは森林涵養機能強化が求められるタイ各地の住民の環境への意識改革および学校周辺の植林に取り組んでいます。 2015年3月期は、重点地域を北部地域(チェンライ、ランプーン、チェンコン)とし、0.8ヘクタールに約1,000本の植林が行われました。 ③ニコンは、未来を担う世界の子どもたちに環境への高い意識が育まれることを願って、国連環境計画(UNEP)などと第23回「国連子供環境ポスター原画コンテスト」を共催しました。 ニコンは、第23回をもってコンテストの共催は終了しましたが、選出された入賞作品の展示会やポストカードなどの配布を通じて子どもたちの環境保全(地球温暖化対策など)メッセージの発信に今後も取り組んでいきます。 |
<品質工学の導入によるエネルギー・素材「無駄遣い」削減> 弊社では、品質工学の手法を、ロバスト設計の実現、商品の垂直立ち上げを実現するために用いています。 この品質工学はグループ全体にも波及しており、弊社の活動は品質工学学会においていくつのも賞を得ています。 実験回数の低減による開発工程の短縮が可能になり、電力や廃棄物、化学物質の低減にも大きく寄与しています。 また実験を行わないシミュレーションソフトによる分析も同時に行われています。 <その他の対策> ①2018年からは赤谷プロジェクトの野生動物生息調査に協力するため、日本自然保護協会が取得した数万枚の画像を学習させ、固有の動物の画像を自動検出する技術の開発にも協力している。 ②公益財団法人オイスカと名取市海岸林再生の会が、津波によって失われたクロマツの海岸林の再生へ向けて10年計画で取り組んでいる活動「海岸林再生プロジェクト」を支援し、従業員がボランティアで参加した。 2016年から毎年11月、社内有志による赤谷の森での自然林再生のための除伐作業ボランティア活動を開始し、これまでに100名近い従業員が参加した。 2012年より継続支援しているタイにおける「子供の森」計画では、2015年よりタイ北部メーパックレ村をモデル地域とした植林活動が進められ、2018年度までに地域住民や子供達により、6.5haに約8,100本の植林が行われた。 ③赤谷プロジェクトを推進する中核団体の一つ(公財)日本自然保護協会との協業で、赤谷の森の間伐材から作られるカスタネットを題材とした子供向けワークショップ「森のカスタネット作り」を「みなと環境にやさしい事業者会議(港区)」主催の子供向け環境啓発イベントや、水戸市主催の水戸市環境フェア等で実施した。 赤谷の森を題材とした子供向け環境啓発冊子「赤谷ノート」を企画・制作し、これまでに7,000冊以上を教育機関等に無償配布した。 またオランダにおいてニコンの携帯型実体顕微鏡「ファーブル フォト」を使った環境教育教材『Light on Small』を開発し、オランダ国内の学校で展開した。 |
指定の区分 | 工場等の名称 | 所在地 | 産業分類 | 事業内容 |
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第1種 | 相模原製作所 | 神奈川県相模原市南区麻溝台1-10-1 | 2113 | ガラス製加工素材製造業 |
第2種 | 横須賀製作所 | 神奈川県横須賀市神明町1-15 | 2672 | フラットパネルディスプレイ製造装置製造業 |