紹介事例
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誰もが生き生きと働き続けられる職場づくりのコツを教えてほしいです。
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管理職のマネジメント力を高める研修の実施や、働き方改革に向けて社員が生み出すアイデアを積極的に取り入れる企業の取組みを紹介します。
ヒント(2018年)

社員ファーストで働きやすさを追求
職場の声で「働くことができる制度」を

株式会社日立ハイシステム21
「社員とのコミュニケーションを大切にしたい」という林社長(中央)は、職場訪問にも積極的に出向くそうです。経営数値には表れない業務プロセスや職場の雰囲気を知ることができ、社員のモチベーションアップにもつながっています。

 システムエンジニアが多く活躍している株式会社日立ハイシステム21(横浜市西区)は、男女の区別なく社員が生き生きと働き続けられる職場づくりに向け、様々な取組みを推進しています。

 その一つが、全管理職を対象にした「多様性マネジメント研修」です。受講者同士がマネジメント上の課題や解決策を共有し、若手や女性社員特有の悩みなどについてケーススタディを用いながら理解を深めています。受講者からは「固定観念に縛られずに“個”を見ることが大切だと気付いた」「プライベートへ踏み込むことに迷いがあったが、キャリアを一緒に考える上では切り離せないことだと思った」という声があったそうです。

従業員満足度向上へ女性の視点取り入れ

 社員のアイデアが、働きやすい環境づくりの一助となることもあります。その源泉となったのが、子育て経験の有無や職位、年齢など、置かれた状況も様々な女性社員が参加する「ワークライフバランス向上委員会」です。

 委員会では、働く上で不便と感じることや「こうなったらいいな」という意見を出し合い、経営陣に提言します。例えば、小学校の夏休み・冬休みに発生する学童保育料などを補助するという同社の支援(働くことができる制度)は、委員会の発案から生まれました。「休むための制度だけでなく、子育て中も安心して働くことができる仕組みがあれば」。そんな女性社員の声が形になった好例です。林良裕社長は、「育児中の女性には仕事を頼みづらいという先入観や雰囲気を捨て、働きたいと思っている女性をしっかりとサポートし、活躍の場を提供できることは素晴らしいこと」と、委員会の取組みを評します。

 委員会では、仕事と育児の両立支援に役立ててもらおうとガイドブックも発行。妊娠・出産から育児休暇を経て職場復帰するまで、時系列に沿って会社のサポート制度を紹介しています。社員の体験談や上司向けの対応例も掲載し、新たなライフステージに到達した女性社員を会社全体でサポートする機運の醸成につながりそうです。

 「女性が働きやすい職場は、男性が働きやすい職場でもある」―そんな考えを組織全体に広げることが、多様性を認め合う社員ファーストの企業経営につながるのかもしれません。

林 良裕の画像

林 良裕 代表取締役 取締役社長

COMPANY DATA

設立:2000年 業種:IT
従業員:639人 所在地:横浜市西区
URL:http://www.hs21.co.jp/

女性をはじめ、全ての社員がやりがいと充実感を持って働ける職場づくりを推進します。