○事業税における国外所得等の取扱いについて
平成16年7月28日
税第147号
総務部長
このことについて、別紙のとおり定めたので通知します。
なお、「事業税における外国所得の取扱いについて(昭和37.1.10 36税第1,031号)」の通達は、廃止します。

別紙
事業税における国外所得等の取扱いについて
(国外所得の算定)
1 内国法人で、地方税法(以下「法」という。)の施行地外(以下「外国」という。)において事業を営んでいるもの(以下「特定内国法人」という。)の所得割の課税標準は、当該特定内国法人の所得の総額から外国の事業に帰属する所得(以下「国外所得」という。)を控除して算定するものであること。
(恒久的施設)
2 内国法人が外国において事業を営んでいるかどうかは、当該内国法人が外国に恒久的施設を有するかどうかによって判定するものであること。したがって、外国にその源泉がある所得であっても、当該外国に恒久的施設を有しない場合においては、国外所得とはならないものであり、また、外国に恒久的施設を有する場合であっても、外国にその源泉がある所得のうち当該恒久的施設に帰属しないものは、国外所得とはならないものであることに留意すること。
3 2の「恒久的施設」とは、地方税法施行令第20条の2の16に規定する内国法人が外国に有する同令第7条の3の5に規定する場所をいい、具体的には次に掲げるものであること。
(1) 支店、出張所、営業所、事務所、事業所、工場又は倉庫(倉庫業者が自己の事業の用に供するものに限る。)
(2) 鉱山、採石場その他の天然源泉を採取する場所
(3) (1)及び(2)に掲げる場所に準ずる場所
(4) 建設、据付け、組立てその他の作業でその期間が1年を超えるもの又はその作業の指揮監督の役務の提供でその期間が1年を超えるものの場所
(5) 次に掲げる者の事務所又は事業所
ア 当該内国法人のために、その事業に関し契約(当該内国法人のための資産の購入に係る契約を除く。ウにおいて同じ。)を締結する権限を有し、かつ、これを常習的に行使する者(当該内国法人と同一又は類似の事業を営み、かつ、その事業の性質上欠くことができない必要に基づき当該内国法人のために当該契約の締結に係る業務を行う者を除く。)
イ 当該内国法人のために、常習的に、顧客の通常の要求に応ずることができる程度の数量の資産を保管し、かつ、当該資産を顧客の要求に応じて引き渡す者
ウ もっぱら又は主として一の内国法人(当該内国法人と特殊の関係がある者を含む。)のために、常習的に、その事業に関し契約を締結するための注文の取得、協議その他の行為のうちの重要な部分を行うことを事業とする者
4 次に掲げる場所は、3(1)から(3)までにかかわらず、恒久的施設とはしないものであること。
(1) 当該内国法人がその資産を購入する業務のためにのみ使用する一定の場所
(2) 当該内国法人がその資産を保管するためにのみ使用する一定の場所
(3) 当該内国法人が広告、宣伝、情報の提供、市場調査、基礎的研究その他当該事業の遂行にとって補助的な機能を有する事業上の活動を行うためにのみ使用する一定の場所
5 日本国が締結した租税に関する二重課税防止のための条約において恒久的施設とされた場所の範囲が3及び4に定める場所の範囲と異なるときは、当該条約の適用を受ける内国法人に係る恒久的施設は、3及び4にかかわらず、当該条約において恒久的施設とされた場所とするものであること。
6 恒久的施設を設けて事業を行うものであるかどうかについては、一の外国ごとに判定するものであること。したがって、2以上の外国において所得が生じている場合においても、一の外国にのみ恒久的施設を設けている場合においては、当該外国にその源泉がある所得のみが国外所得とされ、他の外国にその源泉がある所得は国外所得とはならないものであること。
ただし、一の外国に設けた恒久的施設において他の外国における業務も管理していることが次に掲げる事項等により確認できる場合においては、当該地の外国にその源泉がある所得についても、国外所得に含めるものとすること。
(1) 当該他の外国にその源泉がある所得の基因となるべき資産等が当該恒久的施設において管理されていること又は当該所得に関する取引等が当該恒久的施設の権限とされ、当該恒久的施設の従業者により行われていること。
(2) 当該他の外国にその源泉がある所得に関する収支が当該恒久的施設を通じて行われていること。
(3) その他当該他の外国にその源泉がある所得に関する業務が当該恒久的施設において管理されていることが、定款、内規、営業報告書等により明らかであること。
(国外所得の区分計算)
7 原則として、次に掲げる場合には、国内の事業に帰属する所得と国外所得とを区分して計算すべきものであること。
(1) 内国法人(当該内国法人が連結子法人(連結申告法人に限る。)である場合にあっては、当該内国法人との間に連結完全支配関係がある連結親法人)が法人税について法人税法第69条又は第81条の15の外国の法人税額の控除に関する事項を記載した申告書を提出している場合
(2) 当該外国に所在する事務所等の規模、従業者数、経理能力等からみて、国外所得を区分計算することが困難でないと認められる場合
8 国外所得の区分計算については、次の諸点に留意すること。
(1) 2の「外国にその源泉がある所得」とは、原則として法人税法第69条第1項に規定する「当該事業年度の所得でその源泉が国外にあるもの」又は同法第81条の15第1項に規定する「当該連結事業年度の連結所得でその源泉が国外にあるもの」と同範囲のものであること。この場合において、法人税法施行令第142条第3項又は第155条の28第3項の規定により、国外所得金額とされない部分の金額についても、法人事業税の取扱いにおいては、外国にその源泉がある所得となるものであること。
(2) 外国に源泉のある所得の算定については、原則として法人税法第69条又は第81条の15の規定による計算の例によって算定するものであること。
(3) 航空運送業又は海運業を行う特定内国法人が、当該航空運送業又は海運業に係る所得の総額について総運賃収入金額中に占める外国から生じた運賃収入金額の割合により区分して国外所得を計算した場合においては、その取扱いを認めるものとすること。この場合の所得の総額には、当該特定内国法人が納付した恒久的施設の所在する外国の法人税額を損金に算入しないで算定するものであること。
9 所得の総額が欠損である事業年度についても、外国に恒久的施設がある限り、区分計算(所得の区分が困難である法人にあっては、欠損金額の従業者数による案分)を要するものであること。
10 翌事業年度以降において繰越控除が認められる欠損金の額は、欠損金額から外国の事業に帰属する欠損金の額(所得の区分が困難である法人にあっては、従業者数による案分によって外国の事業に帰属する欠損金とされた部分の金額)を控除した額に限られるものであること。
11 特定内国法人が国外所得を区分計算する場合においては、すべての国外所得について区分計算するものとし、一部の外国について区分計算を行い、他の外国について所得の区分が困難であるとして、従業者数によりあん分することは認めないものであること。
12 特定内国法人が国外所得を区分計算して申告した場合においては、その後の事業年度分についても、当該外国に所在する恒久的施設の閉鎖、組織の変更等特別の事由がある場合を除き、国外所得を区分して申告しなければならないものであること。
(所得の区分計算が困難である場合)
13 所得の区分が困難である場合のあん分の基礎となる所得の総額については、次の諸点に留意すること。
(1) 特定内国法人が納付した外国の法人税額は損金の額に算入されないものであるが、恒久的施設の所在しない外国において課された外国の法人税額(6ただし書により恒久的施設がある外国の所得とされたものに対する外国の法人税額を除く。)は損金の額に算入されるものであること。
(2) 繰越欠損金額等又は災害損失金額を控除する前の所得金額によるものであること。
14 所得の区分が困難である場合の案分の基準となる従業者数については、次の諸点に留意すること。
(1) 外国の恒久的施設における現地雇用者の数も含むものであること。
(2) 3(5)により恒久的施設とされているものについては、案分の基準となる従業者が存在しないので、案分の計算には含めないものとして取り扱うこと。
(3) 事業年度終了の日現在における恒久的施設の従業者数によるものであること。
(清算所得に対する不適用)
15 法第72条の31の規定による清算所得の確定申告については、国外所得の控除は適用がないものであること。
(国外付加価値額の算定)
16 特定内国法人の付加価値割の課税標準は、当該特定内国法人の付加価値額の総額から外国の事業に帰属する付加価値額(以下「国外付加価値額」という。)を控除して算定するものであること。この場合において、国外付加価値額については、国外所得の取扱いに準じて取り扱うものとするが、所得について区分計算した場合には、付加価値額についても、区分計算するものであること。
17 特定内国法人が法第72条の20の規定による雇用安定控除額の控除(以下「雇用安定控除」という。)を行う場合においては、次の諸点に留意すること。
(1) 雇用安定控除の適用の有無の判定及び雇用安定控除額の算定の際に用いる収益配分額及び報酬給与額は、それぞれ次に掲げるものであること。
ア 収益配分額 収益配分額の総額から外国の事業に帰属する収益配分額を控除した金額
イ 報酬給与額 報酬給与額の総額から外国の事業に帰属する報酬給与額を控除した金額
(2) 法第72条の19後段の規定により、従業者数によるあん分によって国外付加価値額を算定した場合には、(1)の外国の事業に帰属する収益配分額及び報酬給与額についても、それぞれ従業者数によりあん分すること。
(3) 国外付加価値額の控除を行った後に、雇用安定控除を行うものであること。
(資本金等の額の算定)
18 特定内国法人の資本割の課税標準である資本金等の額は、当該特定内国法人の資本金等の額から、当該特定内国法人の資本金等の額に当該特定内国法人の付加価値額の総額(雇用安定控除を適用しないで計算した金額とする。以下18において同じ。)のうちに国外付加価値額の占める割合を乗じて得た額を控除して算定するものであること。
ただし、次に掲げる場合には、当該特定内国法人(法第72条の19後段の規定により従業者数によるあん分により国外付加価値額を算定した法人を除く。以下18において同じ。)の資本金等の額から、当該特定内国法人の資本金等の額に外国の恒久的施設における従業者数を乗じた額を当該特定内国法人の全従業者数で除して計算した額を控除して算定するものであること。
(1) 国外付加価値額が零以下である場合
(2) 付加価値額の総額から国外付加価値額を控除して得た額が零以下である場合
(3) 付加価値額の総額のうちに付加価値額の総額から国外付加価値額を控除して得た額の占める割合が100分の50未満である場合
19 18の場合において、あん分の基準となる従業者数については、所得における取扱いに準じて取り扱うものとすること。
(収入金額の算定)
20 特定内国法人の収入割の課税標準は、当該特定内国法人の収入金額の総額から外国の事業に帰属する収入金額を控除して算定するものであること。この場合において、外国の事業に帰属する収入金額については、国外所得の取扱いに準じて取り扱うものとすること。
(個人事業者の国外所得の算定)
21 第一種事業、第二種事業又は第三種事業を行う個人が外国に恒久的施設を設けて事業を行う場合においては、当該外国の事業に帰属する所得は、特定内国法人の取扱いと同様に所得の総額から控除するものであること。
この場合において、外国の事業に帰属する所得の範囲は、所得税法第95条に規定する「その年において生じた所得でその源泉が国外にあるもの」のうち不動産所得及び事業所得に相当するものと同範囲のものとし、同条の規定の適用がない場合においては、所得を区分することが困難な場合として、法人の取扱いに準じ、課税標準の算定期間の末日現在の従業者数により、当該個人の所得の総額をあん分した金額とするものであること。
附 則
この通達は、通知の日から施行する。
附 則(平成18年税第32号)
1 この通達は、通知の日から施行する。
2 この通達による改正後の規定は、平成18年4月1日以後に開始する事業年度に係る法人の事業税及び同日以後の解散(合併による解散を除く。)による清算所得に対する事業税(清算所得に対する事業税を課される法人の清算中の事業年度に係る法人の事業税及び残余財産の一部分配により納付すべき法人の事業税を含む。)について適用する。
附 則(平成19年税第278号)
この通達は、平成19年9月30日から施行する。