神奈川県議会
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平成18年6月定例会報告

平成18年6月定例会代表質問

自民党 民主党・かながわクラブ 県政・県民 公明党

これまでの道州制への取り組みの総括と今後の道筋について、知事の所見は

竹内 英明(自民党 横須賀市)

 

 知事のマニフェストには、「道州制への転換」として、平成18年度までに道筋をつくり、平成27年度までに実現する目標が掲げられているが、県議会において道州制に関する議論が深まったとは言えない。知事は、これまでの道州制への自らの取り組みをどう総括し、今後、本県の現状も見据えながら、道州制の道筋を、どのようにつけていくのか。
 地方分権型国家実現のためには、道州制が必要であり、首都圏連合協議会等に積極的に取り組んだほか、この秋には、首都圏連合フォーラムを実施する。道州制は、10年程度のスパンで取り組むべき大きな改革であり、実現に向けて、引き続き努力していく。

 社会構造の変化に合わせた構造改革に当たっては、大きな舵を適切に切れたかどうかが問われるべきであり、短期的な数値目標を追いかけることでは決してない。今、大切なことは、マニフェストに固執することなく、神奈川のあるべき将来像をより具体的に提示し、「よりよく生きる神奈川」を実現するための総合計画であるべきと考えるが、知事の所見は。
 マニフェストは、県民との約束であり、その実現に向けて全力で取り組んでいく。新たな総合計画については、基本方針の方向性を踏まえ、神奈川の明るい確かな未来像を描くため、県民、県議会、市町村の方々などから意見を伺い、策定に取り組んでいく。

 国は、一層の行政改革に取り組むよう求めてきており、本県でも、行政システム改革の中期方針を改訂し、当初平成18年度までとしていた出先機関の削減等について数値を積みましし、平成22年度当初までの目標を設定した。新たな数値目標の設定に当たり、既に実施してきた中期方針によって、数値目標以外で得られた効果や、問題点は。また、どのように検証したのか。
 県民サービスの向上の観点からは、県民利用施設の利用時間の延長など、具体的な効果を上げてきた。問題点では、出先機関の見直しにより、県民の利便性低下などの懸念に、十分留意するとともに、今後、県民参加を通じ検証に本格的に取り組んでいく。

 本県が策定した、「がんへの挑戦・10か年戦略」では、高度ながん医療の提供と地域がん医療のネットワークづくりとして、県立がんセンターの総合的整備が位置付けられ、昨年度、整備計画を策定したと聞いているが、どのような形でまとまっているのか。また、がんセンターの敷地を含む二俣川地区等の県有地の利活用の検討内容次第では、がんセンターの総合整備に影響を及ぼすと思うが、知事の考えは。
 がんセンターの整備計画の内容は、がん医療の今後の動向を考慮し、無菌病床を20床から30床程度に増やすなど、医療機能の強化と療養環境の改善を図る。また、二俣川地区利活用計画の検討結果との関係では、病院機能の基本的な部分の計画が策定されているので、大きな変更は出ない。

  • 質問項目
    1. 知事の政治姿勢
    2. 行財政問題
    3. がん対策
    4. 入札制度「かながわ方式」
    5. 道路交通法の一部改正

空母キティーホークの後継艦問題についての総合的判断とは

平本 さとし(民主党・かながわクラブ 瀬谷区)

 

 空母キティーホークの後継艦問題について、国・横須賀市が原子力空母受け入れを表明している中、「数ヶ月をかけ総合的に判断をしていきたい」としているが、「総合的」とは具体的に何か。
 県としては、国からの安全性に対する説明等の検討や、空母が配備された際のさまざまな懸念、それを踏まえた国の対応、さらには、我が国の安全保障の観点からどう考えるかも含めて見きわめるという意味で、総合的に判断しなければならないと考えている。

 県教育委員会が高校生を対象に実施している「学習状況調査」は、対象を2年生の一部、5千人程度に限っているため、指導方法の改善に活用するには不十分である。生徒の学力を正確に把握するためには、全体の3割くらいのサンプルが必要と考えるがどうか。また、結果を活用してどのように本県の高校生の学力の向上を図るのか。
 今後の学習状況調査については、一部の生徒だけではなく、生徒一人ひとりに応じた丁寧な指導が可能となるよう、調査対象を拡大する方向で検討している。あわせて、生徒の学習習慣の確立を家庭にも呼びかけ、学校と家庭が協力して高校生の学力向上を目指し取り組んでいきたい。

 神奈川東部方面線の整備における、地方自治体の負担割合について、県が横浜市と「協議中」であるとしているにもかかわらず、横浜市は、本年度自治体側の負担すべき6億4千万円の3分の2にあたる金額の補正予算案を市議会に提出している。県として横浜市の対応をどのように考えているのか。また、今後の協議をどのように進めていくつもりか。
 全線の確実な事業化に向けて事業費を計上することにより、事業に対する姿勢を明確にすることが必要という市としての考えもあり、やむを得ない。本事業は、大きな事業であり、政策決定等の手続を経て議会に諮るという認識で、横浜市と協議を進めていく。

  • 質問項目
    1. 知事の政治姿勢
    2. 基地問題
    3. 県立学校の諸問題
    4. 神奈川東部方面線の整備

私立学校への新たな助成制度の創設を

相原 高広(県政・県民 麻生区)

 

 私立学校への助成については、事件・事故や法令等に違反・抵触した場合に補助金の一部を不交付とする規定があるが、懲罰的な意味を含むこの規定と対になる制度が存在してこそ私立学校の公共性をより高めることにつながる。そこで、私立学校が県の名誉を高めた場合や社会に大きな貢献があった場合等に対応して、補助金を交付する制度を創設すべきと考えるが、知事の所見は。
 郷土の名誉を高めたり、社会に貢献した生徒などをたたえることは大変大切なことであり、これまでもすばらしい活躍をしている生徒への激励や先生方への表彰なども行ってきた。ご提案の補助制度は貢献度を客観的に評価することが難しいという問題があり、今後の検討課題としたい。

 教員の給与は、厳しい財政状況を踏まえ、合理的で納税者に納得できる水準にするとともに、悪平等主義から脱却し、勤務実績と能力に応じた制度を構築すべきである。優れた人材の確保のため、教員の給与を一般の公務員より優遇する人材確保法の廃止を含めた見直しと、公立学校教員の給与の具体的なあり方について、知事の所見は。
 時代の変化や行財政改革の観点からも、人材確保法は見直す必要がある。また、教員の給与については、今年度から高校と小中学校教員の給料表を統合するなど、時代の変化を踏まえた見直しを行ってきた。今後も教育委員会と意見交換を行いながら検討を進める。

 在日米軍基地が存在する地元負担については、客観的・合理的な指標がほとんど存在しないまま議論がされている。負担の決定過程では、負担を客観的にとらえる作業が必要であり、それに相当する地元政策が立案されるべきである。そこで地域への配慮と振興のため、また、わが国の防衛政策の合理的推進のために、県として、日本全国に通じる地元負担の客観化・数値化を図る事業に取り組むべきと考えるが、知事の所見は。
 基地の形態そのものも多種多様であり、環境問題など目に見える形での負担も様々である。負担をひとつの物差しで表すことは大変難しいが、今後とも関係市とよく協議し、より客観的、合理的な視点から国への要望等を実施するよう努めていく。

  • 質問項目
    1. 在日米軍
    2. 知事の政治姿勢
    3. 教育問題
    4. 給与制度

子育て世帯に優待カードの支給を

此村 善人(公明党 幸区)

 

 本県の合計特殊出生率は、全国でワースト6位となっており、実効性・即効性のある少子化対策を実行に移すことが急務。そこで、子育て支援を地域ぐるみで盛り上げていくため、子育て世帯に対する優待カードの支給を早急に導入することへの知事の所見は。
 優待カードの導入には、地域の商店や商店街の理解と協力が不可欠。商店街に対する補助の枠組みの中で、子育て世代を対象とした優待カードの仕組みや支援方策について、市町村や商店街団体の意見も聞き、検討を行っていきたい。

 食育の指導にあたる教職員の配置の強化は急務であり、何らかの工夫で指導体制を強化できないかと考える。そこで、国が掲げている栄養教諭の配置について、本県としてはどのように考えているのか、教育長の所見は。
 児童・生徒の健康の保持増進を図るため、専門的知識を有する栄養教諭の必要性は認識している。来年度から試験的に栄養教諭を配置していき、さまざまな課題の検証とともに配置の拡大について検討を進めていきたい。

 県では、ロボット関連産業の創出を掲げているが、現在、ロボット分野は、研究開発の段階から実用化・産業化の段階にあり、ロボット関連のビジネス化を促進するような新たな取り組みを展開していくべき時期にある。今後、ロボット関連産業の創出に向けて、県としてはどのように取り組んでいくのか、知事の所見は。
 ロボット技術の実用化にはユーザーとの連携等が必要であり、今年度は川崎ラボラトリーのネットワークを土台に、ロボットビジネス協議会を立ち上げる予定。この秋には、先進的な取り組みを全国に発信するため、シンポジウムや展示会、暮らしの中でもロボットの使い方を競うコンテストなどをロボットウイーク2006として開催し、ロボットの先進地としての神奈川をアピールしていきたい。

  • 質問項目
    1. 子育て支援
    2. 食育
    3. 団塊世代対策
    4. 福祉のまちづくり
    5. 京浜臨海部の活性化
川崎ラボラトリー
レスキューロボット等次世代防災基盤技術の開発など、最先端の科学技術を動員して災害を軽減するシステムを研究開発している機関。


知事は、真のリーダーシップの発揮を

持田 文男(自民党 宮前区)

 

 真の地方分権を推進するためには、「広域自治体」としての県の役割を果たすことが最重要課題である。知事が目指すべき方向は、道州制の推進より、県民の足元を固める県政運営を図ることである。 人口第2位の神奈川にふさわしい長として、知事はどのようなリーダーシップを発揮していくのか。
 県政の基本である現地現場に足を運び、県民との対話などを通じ、県政の方向性を定めてきた。 今後、県土全体のバランスにさらに配慮し、議会とも議論を尽くして県政運営の方向性を定めていく。

 本県では、民間企業出身者を校長に採用し配置しており、また、この4月から、「総括教諭」を導入し、山積する課題に組織的、機動的に対応できる体制が整備された。民間人校長の採用や、総括教諭制度の導入を、教職員の意識改革や、学校の活性化にどうつなげていくのか。教育長の所見は。
 民間人校長は、学校現場で、民間の視点を取り入れた学校運営を行っており、学校全体の活性化につながっている。また、総括教諭制度の導入により、校長の経営方針の徹底などが円滑に行えるようになった。今後ともこうした取り組みを通して、教職員の意識改革や、学校運営の活性化を図る。

 現在、警察も、教育委員会も、子どもの安全確保に取り組んでいるが、十分な連携が図られていない。子どもたちが安心して過ごせる環境を築くため、知事がリーダーシップをより発揮すべきと考えるが、知事の所見は。
 子どもたちの安全対策の施策の調整等を行うため、安全対策チームを設置した。子どもたちが地域の中で健やかに育つ環境づくりの実現のため、リーダーシップを発揮していく。

  • 質問項目
    1. 知事の政治姿勢
    2. 障害者施策
    3. 教育問題
    4. 安全・安心なまちづくり


津波対策について

豊島 きよし(民主党・かながわクラブ 小田原市)

 

 津波対策には、津波に関する知識の普及啓発等のソフトの対策も重要である。江ノ島海岸には、年中家族連れで賑わう水族館があり、近くには多数の神奈川県施設があるので、そこに「津波に関する教育的コーナー」を設置してはどうかと思うが、知事の所見は。
 江ノ島海岸における普及啓発については、特に夏の時期に多くの観光客を対象に実施することは有意義と考えるので、例えば江ノ島のヨットハーバー、藤沢土木事務所なぎさ港湾部の庁舎などに、津波に関する知識の普及啓発コーナーを設けるなど、効果的な方法を検討していきたい。

 「スマトラ沖大地震・インド洋大津波」など、大規模災害が発生した場合には、わが国も、国際緊急援助隊を派遣するとともに、緊急援助物資の供与や政府開発援助による緊急無償資金協力等の緊急支援を行っているが、病院や道路、橋梁等の復興が進む中で、学校施設の復興については後回しにされているのが現状である。学校再建支援等、全国に先駆けて本県が災害時の国際貢献に取り組むべきであると考えるが、知事の所見は。
 被災地の子どもたちの教育は、復興にとって大変重要と考えている。財団法人神奈川県国際交流協会に設置したかながわ民際協力基金の運用方法を見直しし、教育支援など特定のテーマを設け、NGOを公募するなど、被災地の状況にあった効果的な支援を検討していきたい。

  • 質問項目
    1. 津波対策
    2. 災害被災地に対する国際貢献
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