神奈川県議会 平成30年第1回定例会で可決された意見書・決議

掲載日:2020年3月17日

都道府県議会議員の選挙区制度の見直しを求める意見書

 公職選挙法では、都道府県議会議員の選挙区の人口が議員一人当たりの人口の半数未満となった場合は、隣接する他の市町村の区域と合わせて一選挙区を設けるものとされている。その一方で、昭和41年1月1日現在に設けられている選挙区については、その人口が議員一人当たりの人口の半数未満となった場合であっても、当分の間は、当該区域をもって一選挙区を設けることができるとされている。
 都道府県議会議員には、特定の選挙区から選出された地域代表という側面があり、人口較差に留意しつつも、県議会には、地域の実情をしっかりと県政に反映することができる選挙区を設定することが求められている。
 神奈川県議会では、平成31年春に予定されている一般選挙に向け、平成27年施行の国勢調査結果の人口に基づき、選挙区及び各選挙区において選挙すべき議員の数について精査したところ、南足柄市選挙区の人口が議員一人当たりの人口の半数未満となった。よって、南足柄市選挙区は隣接する他の市町村の区域を含む選挙区と強制合区をせざるを得ず、選挙区の区域が拡大し、県議会議員の地域代表としての性質が希薄化されることが懸念される。
 さらに、本県は、引き続き人口の増加が見込まれる地域と、以前から人口の減少が続いている地域や減少幅が大きい地域が混在しており、平成32年施行の国勢調査の結果次第では、地域間の人口の差異がより一層拡大することが予測される。今後、南足柄市選挙区と同様に、従前からの選挙区を維持できなくなる地域が拡大し、県議会議員の地域代表としての性質がより希薄化するのではないかと危惧している。
 よって国会及び政府は、昨今の人口動態や地域の特性を踏まえ、都道府県議会が、幅広い地域の代表を選出することが可能な選挙区を、より柔軟に設定できるよう、その選挙制度を見直すよう強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成30年3月23日

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣 }殿
総務大臣
法務大臣

神奈川県議会議長


災害救助法改正案の慎重審査を求める意見書

 近年、平成28年熊本地震など、基礎自治体の対応能力を超える大規模災害が頻発しており、発災時における広域調整の重要性が再認識されている。
 こうした中、内閣府では、現在開会中の第196回国会に、応急仮設住宅整備など被災者支援の権限を道府県から指定都市に移すことを条件付きで認める災害救助法改正案の提出を予定している。災害救助法制の見直しについては、平成27年1月の閣議決定において「都道府県と市町村の間で十分調整を行った上で、委任する救助の内容や場合について定めておくことが有効である」と決定されたものであり、現在の事務委任方式においても十分に対応が可能である。本県においても、迅速な被害情報の収集と、それに基づく災害救助法の適用判断が迅速にできるよう体制整備を進めている。また、阪神・淡路大震災では被害が甚大であったことから、応急仮設住宅について神戸市民向けの土地を神戸市内で確保できず、県外や市外での設置について広域的な調整を県で対応した事例があるなど、被災者支援に関する事務については、一指定都市にとどまらない広域自治体による調整が重要になると考えられる。
 本県は、県内に3つの指定都市があるため、救助に関する権限移譲により救助の主体が4分割されることが想定されるが、一刻を争う対応が必要となる大規模災害時において救助の主体が分割されることは、住宅や食料の適切な資源配分など被災者支援の観点から適切とは言えず、迅速な救助活動には、権限を一元化し、スムーズに対応することが重要である。
 よって国会及び政府は、指定都市を包括する各道府県の置かれている状況を踏まえ、あらゆる角度からの慎重かつ十分な審査を行うよう強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成30年3月23日

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣    }殿
総務大臣
内閣府特命担当大臣
(防災)

神奈川県議会議長

 


所有者不明土地の利用促進を求める意見書

 平成28年度の地籍調査において、不動産登記簿上で所有者の所在が確認できない土地の割合は、約20%に上ることが明らかとなった。また、所有者不明土地問題研究会は、2040年にはほぼ北海道の面積に相当する約720万ヘクタールの所有者不明土地が発生すると予想している。
 現行の対応策としては、土地収用法による不明裁決制度があり、所有者の氏名・住所を知ることができない場合、起業者は知ることができないに至った調査内容を記載した書類を添付することにより収用裁決を申請できるとされているが、ケースにより手続に多大な時間・労力・費用を要するという問題がある。
 また、民法上の不在者財産管理制度による対応も可能だが、地方自治体がどのような場合に申立てができるかが不明確な上、不在者1人につき管理人1人を選任するため、不在者が多数の場合には手続に多大な時間・労力・費用を要するという問題がある。
 このように、所有者不明の土地の利用については、明らかな反対者がいないにもかかわらず、利用のために多大な時間・労力・費用を要する状況となっており、所有者を探索する際の円滑化、所有者不明の土地の利用促進を図るための制度の構築が課題となっている。
 よって国会及び政府は、こうした状況を十分に理解し、次の事項に関する速やかな法案成立に尽力されるよう強く要望する。
1 所有者不明土地の発生を予防する仕組みを整備すること。
2 土地所有権の放棄の可否や土地の管理責任の在り方等、土地所有の在り方の見直しを行うこと。
3 所有者探索の範囲や所有者情報へのアクセスなどについて、合理化を図ること。
4 所有者不明の土地の収用手続の合理化や円滑化を図ること。
5 収用の対象とならない所有者不明土地の公共的事業の利用を促進すること。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成30年3月23日

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣 }殿
総務大臣
法務大臣
農林水産大臣
国土交通大臣

神奈川県議会議長


医療分野における子育て支援策の充実を求める意見書

 子ども・子育て支援策の充実は、少子高齢化と人口減少が続く中、国、地方を通じた重要な課題であり、これまでも様々な施策が政府において実施されてきた。
 医療分野においても、国民健康保険制度改革における国と地方の協議を踏まえ、平成30年度からは、就学前の乳幼児や児童に対する国庫補助削減制度が見直されたほか、子どもの多い市町村等に対する財政支援制度の充実も図られたところである。
 しかし、現在、子どもを持つ家庭の医療費の窓口負担の軽減のために実施されている助成制度は、市町村が実施主体となっており、就学後の児童・生徒・学生への国民健康保険制度の国庫補助削減が引き続き行われていることも含め、財政上の理由から市町村間で対象年齢が異なるなど課題は多い。
 また、今回の国民健康保険制度改革における国と地方の協議では、医療分野における地方からの提言である「子どもに係る均等割保険料の軽減措置の導入や地方単独事業に係る国庫負担調整措置の見直し」について、制度改正後、引き続き議論していくことが確認され、参議院の附帯決議でも「子どもに係る均等割保険料の軽減措置について、地方創生の観点や地方からの提案も踏まえ、現行制度の趣旨や国保財政に与える影響等を考慮しながら、引き続き議論すること。」とされたところである。
 医療費の窓口負担や保険料負担を軽減していくことは、医療分野における子ども・子育て支援策として重要な施策であり、早期の実施が求められている。
 よって国会及び政府は、次の事項について所要の措置を講じられるよう強く要望する。
1 国の責任において、子どもの医療費助成制度を創設すること。
2 国民健康保険制度における地方単独事業に係る国庫負担調整措置について、就学後の児童・生徒・学生についても速やかに廃止すること。
3 国民健康保険制度における子どもに係る均等割保険料(税)の軽減措置を速やかに実施すること。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成30年3月23日

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣     }殿
財務大臣
厚生労働大臣
内閣府特命担当大臣
(少子化対策)

神奈川県議会議長


ライドシェア導入の慎重な検討及び在日外国人による白タク行為への更なる対策強化を求める意見書

 タクシー市場特有の供給過剰への対応をより効果的に進めながら、タクシーの安全性やサービス水準を一層向上させることを目的として、「特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法等の一部を改正する法律(以下「改正タクシー特措法」という。)」が、与野党共同提案の議員立法により賛成多数で可決・成立し、平成26年1月に施行された。
 一方、政府においては、シェアリングエコノミー検討会議を設置し、ライドシェア(自家用自動車を用いて有償で運送を行うサービス)を含めた検討を行っており、さらに、規制改革推進会議においても、ライドシェアを含めた議論がなされている。
 このライドシェアについては、白タク行為(道路運送法に抵触するタクシー類似行為)に該当するとの指摘があり、また、運行管理や車両整備等の責任を負う主体を置かずに自家用自動車のドライバーのみが運送責任を負う形態であるため、安全確保や利用者保護等の観点から大きな問題が生じる懸念が指摘されており、改正タクシー特措法の意義を損なうことが危惧される。
 また、近年、在日外国人による訪日外国人観光客向け白タク行為が横行しており、これについては明白な道路運送法違反であることから、国土交通省、警察庁、法務省、業界団体等の連携により対策を行っているが、いまだ解決には至っていない。
 よって国会及び政府は、次の事項について所要の措置を講じられるよう強く要望する。
1 ライドシェアは、利用者の安心・安全に極めて大きな懸念があり、さらに、改正タクシー特措法の意義を損なうことが危惧されるため、十分慎重に対応すること。
2 道路運送法違反である在日外国人による訪日外国人観光客向け白タク行為に対し、更なる対策強化を行うこと。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成30年3月23日

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
法務大臣      }殿
国土交通大臣
内閣府特命担当大臣
(規制改革)
国家公安委員会委員長

神奈川県議会議長


2025年国際博覧会の関西圏への誘致に関する決議

 2025年に国際博覧会を大阪・関西が一体となって開催することは、単に関西圏にとどまらず、本県を含む日本全体の高度な技術水準を内外に示すとともに、産業分野における新たな技術革新を促す契機となるものであり、大きな意義がある。
 また、開催のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」とされており、本県施策の基本理念である「いのち輝くマグネット神奈川」と相通じるものがある。
 さらに、同博覧会の開催により、多くの外国人が日本を訪れることから、本県におけるインバウンド効果が期待できるとともに、訪日外国人を対象とした積極的な観光施策を推進している本県にとって、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会開催以後の新たな観光施策を展開する上で、格好の契機となるものである。
 よって神奈川県議会は、大阪・関西における国際博覧会の開催を支持するとともに、誘致実現に向けた国内機運の醸成など、必要な取組を国、地元大阪府・市、経済界とともに積極的に推進していく。
 以上のとおり決議する。

 平成30年3月23日

神奈川県議会

本文ここまで
県の重点施策
  • 未病の改善
  • ヘルスケア・ニューフロンティア
  • さがみロボット産業特区
  • 県西地域活性化プロジェクト
  • かながわスマートエネルギー計画
  • 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会
  • 神奈川県発、アート・カルチャーメディア「マグカル」
  • ともに生きる社会かながわ憲章
  • SDGs未来都市 神奈川県 SDGs FutureCity Kanagawa