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更新日:2021年12月22日

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神奈川県議会 令和3年第3回定例会で可決された意見書・決議

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新型コロナウイルス感染症対策に係る財源措置を求める意見書

 令和2年4月7日に発出された緊急事態宣言以降、再発出や度重なる延長などにより、地域経済には一年以上にわたり大きな影響が出ている。幅広い業種で経営環境が悪化しており、事業者を支援する取組が求められている。
 また、新型コロナウイルス感染症の新規感染者は減少しているものの、今後到来が予想される第6波に備えるためにも、感染拡大防止対策の継続や、医療提供体制の充実強化は引き続き必要になる。
 そうした中、地方公共団体では、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金(事業者支援分)の不足や大規模施設等協力金に係る地方負担の引上げ、新型コロナウイルス感染症緊急包括支援交付金の使途の制限などにより、独自財源を確保せざるを得ず、その結果、財政調整基金の大幅な減少など、厳しい財政運営を余儀なくされている。
 地方公共団体が行う新型コロナウイルス感染症対策については、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づき、国の責任において、必要な財源の全額を措置すべきである。
 よって政府は、今後の地方公共団体における新型コロナウイルス感染症対策や、コロナ収束後を見据えた地域経済支援の充実強化に万全を期すため、次の対応を早急に進められるよう強く要望する。
1 地方創生臨時交付金については、地方が柔軟かつ迅速に、新型コロナウイルスの感染拡大防止及び感染の影響を受けている地域経済や住民生活の支援等を充実強化できるよう、昨年度措置されていた地方単独事業分を復活させること。
2 地方創生臨時交付金の配分については、感染拡大の影響が大きい都市部に優先されるべきであり、現在適用されている財政力による割り落としを見直し、感染状況やその影響の度合いに応じた配分方法に変更すること。
3 地方創生臨時交付金の繰越財源について、より機動的に対策を進める観点から、繰越設定時に指定した事業以外にも、その財源の活用を認めるなど、非常時に応じた柔軟な制度運用に変更すること。
4 緊急包括支援交付金について、現状ではコロナ対策であっても使途が制限されることがあるため、運用を見直し、地方公共団体の判断による柔軟な活用を認めること。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 令和3年10月15日

内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣     }殿
厚生労働大臣
経済産業大臣
経済再生担当大臣

神奈川県議会議長

出産育児一時金の増額を求める意見書

 厚生労働省によると、令和元年度の出産費用の全国平均額は、正常分娩の場合は約46万円、室料差額などの費用を含む場合は約52万円となっている。本県の正常分娩にかかる平均的な費用は約56万円で、全国で2番目に高い費用となっており、出産費用は年々増加する傾向にある。
 出産に要する経済的負担を軽減するための医療保険制度における出産育児一時金の支給額は現在42万円であるが、出産費用から出産育児一時金を差し引いた額は自己負担となっているため、経済的支援の強化による速やかな改善が望まれる。
 これまで国は、出産育児一時金の支給額を段階的に拡充し、また、退院時に多額の費用を用意しなくても済むよう医療機関などへの直接支払制度を導入するなど、弾力的な改定を実施してきた。
 一方、令和元年の出生数は、86万5,234人で、昭和23年以降、過去最少となり、少子化対策の一層の充実が求められている。安心して子どもを産み育てられる環境を整え、経済的負担により出産をためらうことのないよう、負担軽減策強化の取組は欠かせない。
 よって政府は、出産に要する実勢価格を反映した出産育児一時金の増額を早期に行うよう強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 令和3年10月15日

内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
厚生労働大臣    }殿
内閣府特命担当大臣
(少子化対策)
こども政策担当大臣

神奈川県議会議長

支援を必要とする大学生等が生活保護を受けることができるよう制度運用の見直し等を求める意見書

 新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、自身で学費や生活費を賄う単身世帯の大学生等が困窮する事例が増加しており、文部科学省の「新型コロナウイルスの影響を受けた学生への支援状況等に関する調査」(令和3年3月末時点)において、令和2年度に大学を中途退学した理由は、経済的困窮が16.7%と多い割合となっている。
 政府は、平成30年度から生活保護受給世帯の子どもが大学等に進学した際の支援のため、大学等進学時の一時金を創設したほか、進学後も引き続き、出身の生活保護世帯と同居して通学している場合は、その分の住宅扶助額を減額しない等の措置を講じている。
 しかし、現在の生活保護制度では、大学生等は、生活保護世帯と同居しながら生活保護の対象から外れ、原則として生活保護を受給することができない。
 さらに、大学生等自身が児童虐待の被害者でその環境から避難したことや、世帯主の死亡など、やむを得ない事由で単身世帯となった場合、生活に困窮しても、大学生等は生活保護を受給することができないため、修学の継続が困難となる。このような方に修学の機会を保障するためには、従来の支援に加え、生活保護の受給を可能とする抜本的な改善が必要である。
 よって国会及び政府は、児童虐待の被害者などをはじめとするセーフティネットが必要な方の修学の機会を保障するため、次の事項について所要の措置を講じられるよう強く要望する。
1 やむを得ない事由で単身世帯となった大学生等が、修学を継続するために生活保護を受給できるよう運用を改善すること。
2 すべての大学生等が安心して修学できるよう、生活保護制度の柔軟な運用に加え、大学生等を支援する制度の拡充など、重層的な支援を行うこと。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 令和3年10月15日

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣           }殿
財務大臣
文部科学大臣
厚生労働大臣
全世代型社会保障改革担当大臣

神奈川県議会議長

国内放送における手話通訳付与等を求める意見書

 東京2020オリンピック競技大会の閉会式及び東京2020パラリンピック競技大会の開・閉会式において、手話放送が、共生社会をはぐくむ契機として実施された。
 しかし、NHKのEテレの放送では手話放送が行われたものの、総合テレビでは行われなかったとの課題も指摘されており、今後の手話放送の在り方について、社会に大きな一石を投じることとなった。
 総務省は、平成29年12月に「視聴覚障害者等向け放送に関する研究会」の報告書を取りまとめ、字幕放送、解説放送及び手話放送の普及目標を定めた「放送分野における情報アクセシビリティに関する指針」を平成30年2月に策定した。
 本指針では、字幕については、NHK及び地上系民放事業者に、「対象の放送番組の全てに字幕付与」という目標を設定しているものの、手話については、週平均15分以上という目標を設定しており、字幕と比較して低い目標となっている。
 また、国立研究開発法人情報通信研究機構を通じて、字幕番組・解説番組及び手話番組の制作費の一部助成を実施しているが、令和2年度は、助成事業者118社のうち、在京キー5局のみで助成額のおおよそ3分の1を占めている状況である。
 手話放送は、SDGsの「誰一人取り残さない」という理念、障害者の権利に関する条約の目的である「障害者の固有の尊厳の尊重の促進」、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律が目指す「共生社会」の実現を図るために必要である。
 よって政府は、聴覚障害者の情報アクセス機会の一層の確保を図るため、次の事項について所要の措置を講じられるよう強く要望する。
1 放送分野における情報アクセシビリティに関する指針において、手話通訳の付与の義務化を盛り込むこと。
2 国立研究開発法人情報通信研究機構が実施する制作費の助成について、ローカル局への助成率を拡大し、助成金額を増額できるよう、案分方法を検討すること。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 令和3年10月15日

内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣     }殿
厚生労働大臣
共生社会担当大臣

神奈川県議会議長

建設発生土の処分に係る法制化を求める意見書

 本年7月の静岡県熱海市における大規模な土石流の原因として、静岡県は「違法かつ不適切な工法により形成された盛土の崩落が被害の甚大化につながった。」という推定結果と、土石流発生箇所付近での土砂による盛土等、土地改変行為の経緯について公表している。
 不適切な処理が疑われている建設発生土の処分に関する問題は熱海市だけにとどまらず、全国で崩落事案が発生していることから、国は崩壊のリスクのある盛土が全国にどれくらいあるか把握するため、都道府県に対し総点検を求めた。
 悪質な業者が建設工事で発生した建設発生土を他の地域に搬出し、山間部の谷地の埋立て、宅地の造成、投棄、放置などを行った結果、土砂の流出や崩壊だけでなく、自然生態系への影響、土壌汚染や地下水汚染などが懸念される事例も発生している。
 通常こうした建設発生土は、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」の対象となる廃棄物ではないとされ、適用範囲は限定されている。現行法では建設発生土に伴う問題に十分対応することができないため、規制に関する条例を制定している自治体も少なくない。しかし、各自治体の条例は違反行為の規制に限界があり、また内容が統一されていないため、規制の弱い自治体に不適切な建設発生土が集まる状況が生じている。
 豪雨が頻発化する中、不適切な建設発生土の処理による災害の懸念を払拭し、国民の生命、財産を守るため、国は一刻も早く新たな対策を講じるべきである。
 よって国会及び政府は、甚大な土砂災害が繰り返し発生している状況を踏まえ、建設発生土の処分に係る法制化に着手されるよう強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 令和3年10月15日

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣      }殿
国土交通大臣
環境大臣
国土強靱化担当大臣

神奈川県議会議長

新型コロナウイルス感染症まん延下における児童生徒のうつ症状や不登校対策への支援を求める意見書

 新型コロナウイルス感染症まん延の影響で児童生徒のうつ症状や不登校の増加が懸念されている。
 今年2月に国立成育医療研究センターが発表した「コロナ×こどもアンケート」第4回調査結果報告書によれば、新型コロナウイルス感染症まん延下においては小学4~6年生の15%、中学生の24%に中等度以上のうつ症状が見られた。
 一方、文部科学省実施の「令和2年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」では、小中学校における不登校の児童生徒数は全国で約19万6千人であり、前年度からの増加は約1万5千人、神奈川県内の公立小中学校では約1万4千人、前年度からの増加は約120人となっている。文部科学省は調査結果について、新型コロナウイルス感染症によって学校や家庭における生活や環境が大きく変化し、児童生徒の行動等に大きな影響を与えていると分析している。
 児童生徒の不登校対策については、平成28年に制定された「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」に基づき種々の対策が取られてきたところではあるが、新型コロナウイルス感染症の影響が長引く中、不登校との関連も考えられうるうつ症状への対策を加味した、一層充実した取組を講じる必要がある。
 よって国会及び政府は、次の事項について都道府県及び市町村に対する強力な支援を行うよう強く要望する。
1 スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの配置など相談体制の充実を図ること。
2 教職員に対する情報提供及び研修の充実を図ること。
3 保護者への情報提供及び児童生徒等の学校内外における居場所づくりに関する支援体制の整備を促進すること。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 令和3年10月15日

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣     }殿
文部科学大臣
厚生労働大臣
教育再生担当大臣

神奈川県議会議長

危険なバス停の安全性確保対策を求める意見書

 平成30年、横浜市西区のバス停に止まった路線バスが横断歩道を塞ぎ、児童がそれを避けて交差点を渡る際、車にはねられ死亡するという痛ましい事故が発生した。
 この事故をきっかけに、横断歩道や交差点付近で、交通事故の危険性がある危険なバス停の調査や対策が進められている。しかしながら、新聞報道によれば、全国で1万箇所以上もあることが明らかとなった。
 そのうち、移設や廃止などの安全対策が実施されたのは約1割超の1,400箇所程度となっている。本県では732箇所、安全対策が実施されたのは、6%にあたる42箇所であり、690箇所もの危険箇所が存置されている。
 国では、バス停の安全性確保対策のため、都道府県ごとにバス協会、警察、道路管理者、地方自治体等とともに、バス停留所安全性確保合同検討会を設置し、対策の検討を進めているが、バス事業者の経営状況が厳しく、移設費や人手不足などといった課題もある。
 また、本年6月、千葉県八街市で小学生の列にトラックが突っ込み、児童5人が死傷した事故を受け、国が全国の通学路の合同点検を行った結果、調査中であるものの、全国には1万数千箇所を超える安全対策が必要な通学路があるとの報道がなされた。
 本県では、各市町村教育委員会と学校、警察などが合同で点検した結果、途中経過であるものの、約5,000箇所の危険な通学路が確認されており、その中には、危険なバス停が含まれている。これ以上、子どもが犠牲となる痛ましい事故が起きる前に、危険なバス停の安全対策とともに通学路の安全対策が急務である。
 よって政府は、関係各所との連携を一層強化し、危険なバス停の移設・廃止、ハード対策、看板設置などの注意喚起の対策等、交通安全確保に向けた財政支援を講じられるよう強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 令和3年12月17日

内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣       }殿
文部科学大臣
国土交通大臣
国家公安委員会委員長

神奈川県議会議長

高年齢者の雇用を促進するための環境整備を求める意見書

 働く意欲のある高年齢者がその能力を十分に発揮できる環境を整備するため、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部が改正され、令和3年4月1日に施行された。それに伴い、従業員が70歳になるまで就業機会を確保することが事業主の努力義務となった。我が国の就業人口は45歳以上が55%を占め、今後更に高年齢労働者の割合が高まることから、その活用が企業の労働力確保にとって重要度を増すことは確実である。
 しかし、60歳代後半への就業拡大には課題も多い。独立行政法人労働政策研究・研修機構(以下「JILPT」という。)実施の「60代の雇用・生活調査(個人調査)(以下「JILPT個人調査」という。)」によると、定年後に同じ会社で継続して仕事をした人の82.3%は、定年到達直後に賃金が減少している。再雇用等で非正規雇用による就業を継続しても、賃金などの処遇が定年前より大幅に悪化すれば勤労意欲が低下することは避けられず、生活の維持も困難となる。高年齢者が十分納得して働くためには、能力の発揮が評価され、反映される賃金体系の構築が喫緊の課題である。
 高年齢者は若年世代や中年世代と比べて新しい技術等への対応が難しく、定年到達前にスキルを習得することが望ましい。それにもかかわらず、JILPT実施の「高年齢者の雇用に関する調査(企業調査)」によると、60歳に到達する前の従業員に能力開発を行っている企業はわずか1.8%である。また、JILPT個人調査によると、個人で高年齢期のキャリアを意識して職業能力開発等を行ったことのない高年齢者は65.4%にのぼり、高年齢期のキャリアを見据えた能力開発の取組を進めていくことが必要である。
 加えて、高年齢者には健康状態に不安を抱える人も少なくない。
 70歳まで、その人らしく生き生きと働き続けるためには、労使双方への支援が必要である。
 よって政府は、同法の趣旨を実効あるものとするため、次の対策に取り組まれるよう強く要望する。
1 定年の延長や定年制の廃止に向け、就業規則や賃金体系の改定に取り組む事業主に対し、技術的支援の充実を図ること。
2 70歳就業時代を見据え、職業能力の開発とキャリア形成に取り組む労働者と、定年到達前から必要に応じて従業員のスキルの習得・向上に取り組む事業主に対する支援の充実を図ること。
3 加齢に伴う健康状態の変化に配慮した働き方に対応するため、中小企業者等を対象に、職場環境の整備等への補助の充実を図ること。また、時短勤務やテレワークなど、柔軟な働き方の導入について支援の充実を図ること。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 令和3年12月17日

内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣        }殿
厚生労働大臣
経済産業大臣
新しい資本主義担当大臣

神奈川県議会議長

北朝鮮による日本人拉致問題に対する理解を深める取組を推進する決議

 すべての拉致被害者の一日も早い帰国のため、北朝鮮による拉致被害者家族連絡会及び北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会は、ブルーリボンの普及とアニメ「めぐみ」の学校上映拡大を運動方針の重点項目に挙げて、国民運動として取り組んできた。
 本県においても、「めぐみさんと家族の写真展」の開催や映画「めぐみ-引き裂かれた家族の30年」の上映会を開催するなど、県民の拉致問題への理解を深めてきたところである。
 ブルーリボンのブルーは、近くて遠い国である北朝鮮と祖国である日本を隔てる「日本海の青」と、拉致被害者とその家族を唯一結んでいる同じ空である「青い空」をイメージしている。その青色に託された意味を受け止め、心を一つにして、拉致問題に取り組むことが極めて重要である。
 北朝鮮による日本人の拉致は、断じて容認できるものではなく、あらゆる方策を講じて拉致被害者全員の帰国を実現させなければならない。
 よって神奈川県議会は、拉致被害者全員の救出に向けて国民運動をより強化するために、次の事項について積極的に推進する。
1 ブルーリボンを着用することで、北朝鮮による拉致被害者の生存と救出を信じる意思を示し、拉致問題の県民への一層の理解促進を図ること。
2 アニメ「めぐみ」上映をはじめとする北朝鮮による拉致問題啓発事業について、神奈川県議会は行政、県民と一丸となって取り組み、国民運動を推進していくこと。
 以上のとおり決議する。

 令和3年12月17日

神奈川県議会

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