神奈川県議会 令和2年第1回定例会で可決された意見書・決議

掲載日:2020年3月31日

精神障がい者への交通運賃割引制度の適用を求める意見書

 障害者基本法は、精神障害者を身体障害者及び知的障害者とともに「障害者」と定義し、すべて障害者は社会を構成する一員として社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会が確保されるよう取り組むこととしている。
 また、本県においては、平成28年10月に「ともに生きる社会かながわ憲章」を策定し、障がい者の社会への参加を妨げるあらゆる壁、いかなる偏見や差別も排除する取組を推進しているところである。
 しかしながら、様々な活動に参加する際の移動に必要不可欠となる鉄道やバス等の公共交通の運賃割引制度について、本県を運行する大半の交通事業者は、現在、身体障がい者及び知的障がい者のみを対象とし、精神障がい者をその対象としていない。そのため、精神障がい者の経済的負担は、身体障がい者及び知的障がい者に比べて大きく、社会参加を促す上で大きな課題となっている。
 国の障害者支援施策においては、平成18年4月に施行された障害者自立支援法により、身体障害、知的障害、精神障害の3障害の施策を一元化しており、また、平成26年1月に障害者権利条約が批准され、さらに障害者差別解消法が平成28年4月から施行されて障害者施策の充実が図られる中で、精神障がい者が交通運賃割引制度の対象から除外されることは甚だ不合理である。
 よって政府は、身体障がい者や知的障がい者に適用されている交通運賃割引制度の精神障がい者への適用が早急に実現するよう、各種交通事業者に対して、必要な措置を講じられるよう強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 令和2年3月25日

内閣総理大臣
総務大臣
厚生労働大臣        }殿
国土交通大臣
内閣府特命担当大臣
(少子化対策、男女共同参画)

神奈川県議会議長

中高年のひきこもりに対する実効性ある支援策を求める意見書

 ひきこもりは、主に若年・青年層の課題としてイメージされてきたが、最近では、就職氷河期世代も含めた中高年層に及ぶ大きな社会問題としてクローズアップされてきている。
 昨年3月に内閣府から発表された「生活状況に関する調査(平成30年度)」において、40歳から64歳の中高年層のひきこもりにある者が全国で約61万人にのぼると推計され、社会に大きな衝撃を与えた。
 ひきこもり期間の長期化や高齢化により、高齢の親とともに社会的に孤立するケースも少なくない。
 政府は、これまで各都道府県・指定都市が実施主体となる「ひきこもり地域支援センター」の設置や「ひきこもりサポーター養成研修・派遣事業」の実施をしてきたが、今後は、より身近な場所での相談支援の実施や社会参加の場の充実など、就職氷河期世代も含めた中高年のひきこもりにある者に対して、これまで以上に実効性のある支援策が必要である。
 よって国会及び政府は、中高年のひきこもりは、個々人やその家族だけの問題ではなく、社会全体で受け止めるべき大変重要な課題と捉え、次の事項について、所要の措置を講じられるよう強く要望する。
1 より身近な場所での相談支援を行うため、自立相談支援機関の窓口に家庭への訪問等を行う「アウトリーチ支援員」を配置し、同行相談や信頼関係の構築といった対本人型のアウトリーチ支援を実施すること。
 また、自立相談支援の機能強化に向けたアウトリーチ等を行うための経費について、新たな財政支援の仕組みを創設すること。
2 中高年のひきこもりにある者に適した支援の充実を図るため、市区町村による「ひきこもりサポート事業」の更なる強化を図ること。具体的には、中高年が参加しやすくなるような居場所づくりやボランティア活動など就労に限らない多様な社会参加の場の確保や家族に対する相談や講習会の実施などの取組を促進すること。
3 「8050問題」など世帯の複合的なニーズやライフステージの変化に柔軟に対応できるよう、「断らない相談支援」や「伴走型支援」など、市区町村がこれまでの制度の枠を超えて包括的に支援することができる新たな仕組みを構築すること。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和2年3月25日

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣 }殿
総務大臣
財務大臣
厚生労働大臣

神奈川県議会議長

橋りょう・トンネル・道路附属物等の道路インフラ老朽化対策促進を求める意見書

 昨年9月の台風15号及び10月の台風19号は、神奈川県内にも記録的な暴風や高波、高潮、大雨をもたらし、大規模な土砂崩れや浸水等により、県内各地域で甚大な被害が生じた。これを踏まえ、本県では「かながわ気候非常事態宣言」を発表するとともに、「神奈川県水防災戦略」を策定し、今後、いのちを守る風水害対策等を進めることとしている。
 こうした防災対策において、道路は避難や救援に大変重要な役割を担うことから、道路インフラの適切な維持管理を進めることは、防災対策の根幹的な取組であり、平成24年の「笹子トンネル天井板崩落事故」を契機に改正された道路法に基づいて、道路管理者は平成26年度から橋りょう・トンネル・道路附属物等の道路インフラについて、5年に1度の頻度で健全性を判定する点検を実施している。
 しかし、平成26年度から平成30年度までの1巡目の点検結果では、県内にある道路法の道路のうち、県及び県道路公社管理道路については、点検総数1,495施設のうち105箇所が5年以内に修繕が必要な「早期措置段階」と判定され、また、市町村管理道路については、点検総数7,817施設のうち、850箇所が「早期措置段階」、4箇所が通行止めなど緊急対策を必要とする「緊急措置段階」と判定される結果となり、道路インフラの老朽化が進行しているという課題が明らかになった。
 道路インフラの老朽化対策の促進には多額の予算措置を必要とし、また専門職員が不足していることから技術的な課題も多く、国からの財政的、技術的な支援が不可欠である。また、地方自治体が管理する道路を通行するのは、当該自治体住民だけではないことを踏まえれば、その老朽化対策は、国土強靭化の観点から国を挙げた広域的な取組が急務である。
 よって政府は、地方自治体が管理する道路の橋りょう・トンネル・道路附属物等の道路インフラ老朽化対策促進について、財政的、技術的支援など必要な対策に全力で取り組むよう強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和2年3月25日

内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣      }殿
国土交通大臣
内閣府特命担当大臣
(防災)
国土強靱化担当大臣

神奈川県議会議長

新型コロナウイルス感染症対策の一層の強化を求める意見書

 新型コロナウイルス感染症については、世界保健機構(WHO)がパンデミックであると表明したように、世界的な規模で感染が拡大している。
 本県では、国内初の感染者が確認されたことから、いち早く専用の相談ダイヤルを設けるなど、県民の不安解消に向けて取り組んできた。
 また、横浜港に入港したクルーズ船における集団感染については、国や横浜市、DMAT(災害時派遣医療チーム)等と一体となって、患者の搬送や受入医療機関の調整等に対応したところである。
 こうした水際での取組にもかかわらず、この新たな感染症は、国内各地で引き続き増加しており、地域医療や福祉をはじめとする県民生活に多大な影響を与えるとともに、学校の休業措置により、児童・生徒や保護者等にも大きな負担が生じている。
 さらに、経済面においても、観光業や製造業など県経済への影響も大きく、特に中小企業が受ける打撃は深刻なものがある。
 今後は、感染が拡大した場合に備えて、医療提供体制の強化を図ることはもとより、国民の不安解消と、冷静な行動に向け、情報提供や相談体制の更なる充実も求められる。
 よって政府は、新型コロナウイルス感染症から国民のいのちと健康を守るとともに、国民のくらしや経済に与える影響を最小限のものとするよう、次の事項について機動的かつ実効性のある所要の措置を講じられるよう強く要望する。
1 医療機関における感染防止のための相談支援や構造設備、搬送等に必要な人員・車両・資器材の調達に関する支援の充実を図るとともに、感染者の搬送については、国が主導的に関係機関等と調整し搬送・受入ルールを定めること。
2 マスク等の医療物資については、国の責任において必要数を確保した上で、安定的な流通に努めるとともに、医療機関や社会福祉施設等へ優先的に配分すること。また、地域住民の感染防止対策に資する物資についても、生産体制強化の働きかけを行い、供給の正常化を図ること。
3 検査機器や検査試薬の十分な提供、迅速検査法等の新たな技術の早期開発・承認など、検査体制の強化を図ること。また、民間企業等とも連携して、抗ウイルス薬、ワクチン等の早期開発及び供給体制の確立に速やかに取り組むこと。
4 学校の休業措置等により、児童・生徒及び保護者等に生じる負担に対して十分な支援を行うこと。
5 今後、廃業の危機に陥る企業が増えることも懸念されることから、甚大な影響を受けている中小企業に対し、新規に創設した無利子かつ据置期間を長期間とする融資制度により、スピーディーな融資を実行するなど様々な対策を講じ、迅速な救済を行うこと。
6 フリーランスを含む個人事業主に対し、十分な支援を行うこと。
7 地方自治体や医療機関が行う各種対策に要する費用について、国の責任において、十分な財政措置を講じるなど、機動的な財政出動を行うこと。特に、クルーズ船の集団感染への対応は、通常の感染症対策の規模を超えた非常事態であり、自治体に負担のないよう措置すること。
8 私権の制限の責任を負う都道府県知事が、新型インフルエンザ等対策特別措置法の定めによる措置を適切に講じることができるよう、対象区域の設定や権限行使に伴う補償の考え方などを明確に示すなど、国として配慮すること。
 以上、地方自治法第99条の規定により提出する。

令和2年3月25日

内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣   }殿
文部科学大臣
厚生労働大臣
経済産業大臣

神奈川県議会議長

選択的夫婦別姓制度についての議論を求める意見書

 民法第750条は、「夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する」と規定し、夫婦同姓を義務付けている。
 しかし、そのことにより、改姓で社会的な不利益を被ったり、事実婚を選択せざるを得ない人が相当数いるといった事態が生じている。
 一方、選択的夫婦別姓制度の導入は、家族の絆を弱め、伝統的な家族観を壊してしまうのではないかといった懸念や、子どもの姓をどうするのかなど、家族を巡る様々な問題が生じるといった意見もある。
 平成30年2月に内閣府が公表した「家族の法制に関する世論調査」の結果では、「夫婦が婚姻前の名字(姓)を名乗ることを希望している場合には、夫婦がそれぞれ婚姻前の名字(姓)を名乗ることができるように法律を改めてもかまわない」という「選択的夫婦別姓制度の導入に賛成」が42.5%、「導入に反対」が29.3%、「夫婦は必ず同じ名字(姓)を名乗るべきだが、婚姻によって名字(姓)を改めた人が婚姻前の名字(姓)を通称としてどこでも使えるように法律を改めることについては、かまわない」という「通称使用は容認」が24.4%となっており、様々な意見が存在している。
 また、平成27年の最高裁判決において、夫婦同氏制を定めた民法第750条の規定は憲法第24条に違反するものではないとしながらも、「夫婦別氏制の採用については、嫡出子の仕組みなどの婚姻制度や氏の在り方に対する社会の受け止め方に依拠するところが少なくなく、この点の状況に関する判断を含め、この種の制度の在り方は、国会で論ぜられ、判断されるべき事柄にほかならないというべきである」と付言されている。
 選択的夫婦別姓制度については、導入を求める意見も多くある一方で、当人の人生を左右する大きな問題であることから、十分な議論が求められる。
 よって国会及び政府は、選択的夫婦別姓制度について、様々な意見や社会情勢を踏まえた上で、深く慎重に議論するよう強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和2年3月25日

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣 }殿
総務大臣
法務大臣

神奈川県議会議長

「GIGAスクール構想」の実現と円滑な推進を求める意見書

 1人1台端末及び高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備し、多様な子どもたちを誰一人取り残すことのない、公正に個別最適化された学びを全国の学校現場で持続的に実現する「GIGAスクール構想」について、昨年12月5日に閣議決定された「安心と成長の未来を拓く総合経済対策」で、学校における高速大容量のネットワーク環境(校内LAN)の整備を推進するとともに、特に、義務教育段階において、令和5年度までに、全学年の児童生徒一人一人がそれぞれ端末を持ち、十分に活用できる環境の実現を目指すこととし、事業を実施する地方公共団体に対し、国として継続的に財源を確保し、必要な支援を講ずることが示された。
 しかしながら、令和5年度までの補助要件等を踏まえると、多くの児童生徒・学校施設を抱える本県の場合、特に市町村への財政に与える影響は大変大きいものとなっており、また、政府が示したロードマップでは令和6年度以降の具体的な計画が示されていない。
 よって政府は、「GIGAスクール構想」の実現に向け、学校のICT環境が円滑に整うよう、次の事項について所要の措置を講じられるよう強く要望する。
1 1人1台端末の導入に当たっては、学習支援及びセキュリティ対策に係るソフトウェアのライセンス費用や設定費用、キーボード等の周辺機器購入費用、指導者用端末及び一定数の予備端末購入費用、保守管理費用等が運用上必要不可欠であることから、これらの費用に関しても国庫補助の対象とすること。また、電源キャビネット及びネットワーク機器、無線LANアクセスポイントについては、可動式のものを整備する場合でも国庫補助の対象とすること。なお、端末整備完了後における端末更新時の費用についても国庫補助の対象とし、継続的かつ十分な財政支援を行うこと。
2 校内通信ネットワーク整備事業については、令和2年度内の事業完了を前提とした国庫補助事業とされているが、整備期間が短期間であることから、事業実施期間を延長すること。また、委託等の手法も含め、整備に伴い必要となる経費について、継続的かつ十分な財政支援を行うとともに、補助要件の緩和や補助申請に係る手続の簡素化を図ること。
3 ICT支援員の増員等、「日常的にICTを活用できる体制」づくりの推進に向け、継続的かつ十分な財政支援を行うこと。
4 環境整備に係る費用の低廉化やネットワーク整備の早期完了に向けて、ICT関連事業者や電気通信事業者等と直接調整するなど、事業推進の円滑化に向けた更なる具体的な取組を検討すること。
5 本構想は、特に義務教育段階において、新たに全国一律に実施する施策であり、国の責任で行われるべきであることから、義務教育における全ての経費について全額国庫負担とすること。
6 令和6年度以降の「GIGAスクール構想」の充実に向けた具体的なロードマップを示すこと。
 以上、地方自治法第99条の規定により提出する。

令和2年3月25日

内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣     }殿
文部科学大臣
教育再生担当大臣

神奈川県議会議長

 

本文ここまで
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