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更新日:2020年3月17日

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神奈川県議会 平成31年第1回定例会で可決された意見書・決議

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放課後児童健全育成事業の質の確保を求める意見書

 放課後児童健全育成事業、いわゆる放課後児童クラブは、保護者が就労等により昼間家庭にいない児童に対し、放課後に適切な遊び及び生活の場を提供するものである。厚生労働省が定めた「放課後児童健全育成事業実施要綱」では、この事業の目的を、「近年における女性の就業割合の高まりや核家族化の進行など、児童と家庭を取り巻く環境の変化を踏まえ、放課後や週末等に児童が安心して生活できる居場所を確保するとともに、次代を担う児童の健全な育成を支援すること」としており、その重要性は、本県においても十分認識しているところである。
 放課後児童クラブの質を確保する観点から、児童福祉法では、「市町村は、放課後児童健全育成事業の設備及び運営について、条例で基準を定めなければならない。この場合において、その基準は、児童の身体的、精神的及び社会的な発達のために必要な水準を確保するものでなければならない。」とし、また、「市町村が条例を定めるに当たっては、放課後児童クラブの従事者及びその員数については国の定める基準に従い定め、その他の事項については国で定める基準を参酌するもの」と規定している。
 こうした中、専門人材の不足が深刻化していることを受け、国は平成30年12月25日の閣議決定において、放課後児童クラブの人員配置等に係る基準を、「従うべき基準」から「参酌すべき基準」に緩和する方向を示した。このことにより、各市町村において地域の実情に応じた施設の設置・運営に取り組めることとなったが、その反面、質の高い人材を確保できないと、「児童の身体的、精神的及び社会的な発達のために必要な水準」を満たせなくなる可能性も考えられる。
 よって政府は、放課後児童クラブの人員配置等に係る基準を「従うべき基準」から「参酌すべき基準」とするに当たっては、放課後児童健全育成事業の趣旨を十分に踏まえ、その質や安全性について、全国的に一定の水準が担保されるよう、総合的な方策を講じられるよう強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成31年3月15日

内閣総理大臣
総務大臣
厚生労働大臣       }殿
内閣府特命担当大臣
(少子化対策)
全世代型社会保障改革担当大臣

神奈川県議会議長


妊婦が安心できる医療提供体制の充実と健康管理の推進を求める意見書

 妊婦は、診断が難しい疾患や合併症に見舞われる頻度が高く、また、胎児の発育に悪影響を与える医薬品もあることから、妊婦に対する診療には特別な注意が必要とされている。そのため、妊婦の外来診療について積極的でない医療機関も存在していたことから、妊娠の継続や胎児に配慮した適切な診療を評価するため、平成30年度診療報酬改定において妊婦加算が新設された。
 しかし、妊婦加算については、当事者に十分な説明がないまま実施されたり、投薬を伴わないコンタクトレンズの処方に行われるなど、運用上の問題が指摘され、加えて、妊婦が安心して外来診療を受けられる体制が整備されないまま、妊婦であるということをもって一律に診療報酬が加算されることは、少子化対策の観点からも問題であるとの指摘を受けた。そこで、厚生労働省は、昨年12月28日に平成31年1月1日からの妊婦加算の凍結を告示するとともに、改めて、中央社会保険医療協議会で、妊婦が安心できる医療提供体制の充実や健康管理の推進を含めた総合的な支援を議論することとした。
 よって政府は、妊婦が安心して医療を受けられる体制が速やかに構築されるよう、次の事項について所要の措置を講じられるよう強く要望する。
1 妊婦が安心して外来診療を受けられるよう、妊婦特有の合併症や疾患、投薬などについて、医師の教育・研修体制を整備すること。
2 保健・予防の観点を含め、妊婦自身が、特有の合併症や疾患、注意すべき医薬品などについて、十分に知識を得ることができるよう対策を講じること。
3 妊婦加算の見直しに当たっては、妊婦にも加算分の自己負担が生ずることの影響にも十分配慮しつつ、開かれた国民的議論を行うこと。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成31年3月15日

内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣        }殿
厚生労働大臣
内閣府特命担当大臣
(経済財政政策、少子化対策)

神奈川県議会議長


児童虐待防止対策の更なる充実を求める意見書

 児童虐待については、児童相談所での相談対応件数が年々増加するなど深刻な社会問題になっている。
 政府は、昨年7月に「児童虐待防止対策の強化に向けた緊急総合対策」を取りまとめるとともに、12月には「児童虐待防止対策体制総合強化プラン」を策定し、2022年度までに児童相談所の児童福祉司を2,020人程度、児童心理司を790人程度増員するなど、児童相談所や市町村の体制と専門性を強化することとした。
 しかし、本年1月に千葉県野田市で起きた児童虐待事件は、社会に大きな悲しみを与えると同時に、児童虐待防止対策の重要性を再認識させることとなった。
 政府は、この事件を受け、本年2月に「「児童虐待防止対策の強化に向けた緊急総合対策」の更なる徹底・強化について」を取りまとめ、児童相談所及び学校における子どもの緊急安全確認を実施するとともに、2019年度に児童福祉司を1,070人程度前倒しで増員し、児童相談所の体制強化及び職員の資質の向上を図ることを目的とした児童福祉法及び児童虐待の防止等に関する法律の改正法案を今国会に提出するなどの取組を行うこととした。しかし、今後二度とこうした悲しい事件が起きないよう、児童虐待防止対策を進めるためには、児童相談所を運営する地方自治体の意見も十分に尊重し、更なる効果的な対策の推進を図るべきである。
 よって国会及び政府は、次の事項について所要の措置を講じられるよう強く要望する。
1 児童福祉法等の改正に当たっては、児童相談所における解釈や運用が行いやすい規定となるよう、あらかじめ地方自治体へのヒアリング等を通して十分な情報収集を行うこと。
2 児童相談所の職員の資質向上には、オン・ザ・ジョブ・トレーニング(OJT)が重要かつ効果的であるため、更に児童相談所の専門職員の増員を図り、OJTを十分に実施できる人員配置を行うこと。
3 児童虐待防止対策の推進のための地方自治体に対する財政支援を更に充実すること。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成31年3月15日

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣  }殿
総務大臣
財務大臣
厚生労働大臣

神奈川県議会議長


毎月勤労統計調査をはじめとする政府統計の適正化に向けた抜本的な体制の見直しを求める意見書

 現在、厚生労働省による毎月勤労統計調査の不適正な取扱いが大きな社会問題となり、マスコミにより報道されている。
 毎月勤労統計調査は、雇用保険や労災保険の給付額算定等において、幅広く利用されている重要な調査であり、本来の調査方法と異なる手法により実施されていたことは、決して許されるものではない。
 このような事態に至った原因を早急に明らかにし、再発防止に取り組むことが不可欠であることは言うまでもないが、注目すべき点は、今回の不祥事を受けて各省庁が自主点検した結果、毎月勤労統計調査だけでなく、基幹統計の約4割で不適切な処理が見つかったことである。
 このことは、今回の不祥事が、厚生労働省に固有の事情から生じたものではなく、政府の統計業務全体に共通する問題が根底にあるためと考えざるを得ない。
 総務省が公表している「主要国の統計機関における職員数の推移」による2015年の主要国の統計職員数を各国の2017年の人口で割り返すと、日本の人口10万人当たりの統計職員数は1.5人となり、カナダの約10分の1、フランスの約6分の1という低さであり、イギリス、アメリカ、ドイツも日本の約2倍から約4倍の職員を配置しているという結果となる。
 さらに、統計所管府省の統計職員数は、2008年の4,384人から2015年には1,925人に減少しているというデータも公表されている。
 また、毎月勤労統計調査等に関する特別監察委員会の追加報告書において、公的統計やその重要性に対する意識の低さが指摘されている。
 こういった状況が、本来あるべき統計業務の実施を困難にしている一因と言えると考える。
 よって政府は、二度とこのような事態が起きることのないよう、統計業務の適正化に向けて抜本的な体制の見直しを早急に行うよう強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成31年3月15日

内閣総理大臣
総務大臣    }殿
厚生労働大臣

神奈川県議会議長


米陸軍第38防空砲兵旅団司令部の相模総合補給廠への駐留に係る意見書

 平成30年10月16日、既存のミサイル防衛能力をより一層高めるため、相模総合補給廠において、米陸軍第38防空砲兵旅団司令部の駐留が開始された。
 これまでの情報提供によると、同司令部は、既に我が国に配備されているミサイル防衛関連部隊、具体的には、経ヶ岬通信所や車力通信所のTPY-2レーダー部隊、嘉手納基地のPAC-3部隊の指揮を担うとされる。また、今後の予定として、約115名の人員を段階的に配備するとされている。
 同司令部の駐留に関しては、新たな装備の配備はないとされ、また、常駐することにより基地周辺住民の生活に特段影響を与えるものではないとされている。一方で、新司令部駐留という事態に鑑み、基地周辺住民が不安を感じないよう、適時適切に情報提供することが必要である。
 また、駐留する要員は、基地内又は近隣の地域に居住することが予想されるが、今後、基地周辺住民の生活に支障が生じないよう取り組むべきである。
 さらに、相模総合補給廠が所在することにより、基地周辺住民が長年にわたり基地負担を負ってきたことを踏まえ、これまで日米両国政府が実施してきた基地返還等の負担軽減策に支障が生じないこと、及び相模原市の意向に沿った負担軽減策を実施することも必要である。
 よって政府は、次の事項について所要の措置を講じられるよう強く要望する。
1 米陸軍第38防空砲兵旅団司令部に関し、今後の配備計画など地元に影響を及ぼす可能性のある事項について、より具体的な情報を速やかに提供すること。
2 同司令部の駐留により、基地周辺住民の生活に影響が生じることのないよう万全の措置を講じること。
3 同司令部の駐留に伴い、相模原市との相模総合補給廠の共同使用や返還地の利用に支障が生じないよう措置を講じること。併せて、相模原市が求めている相模総合補給廠の更なる基地返還など、負担軽減の実現に努めること。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成31年3月15日

内閣総理大臣
総務大臣
外務大臣    }殿
防衛大臣

神奈川県議会議長


難聴者の補聴器購入への公的支援を求める意見書

 難聴はあらゆる世代に発生し、社会生活において様々な困難をもたらしている。
 難聴児の出生割合は、0.166%との調査結果があり、乳幼児期や学齢期の子どもの難聴を放置しておくと、成長する上で必要な学習やコミュニケーション能力の獲得に遅れが生じる危険性がある。
 また、出生後も様々な疾病等により難聴は発生するため、成人し、社会人となっても、日常生活や社会生活等で支障が生じる。
 さらに、75歳~79歳では男性が71.4%、女性が67.3%、80歳以上では男性が84.3%、女性が73.3%の者が難聴を患っているという調査結果からも分かるように、高齢者の難聴発生率は、非常に高く、加齢に伴って発症する加齢性難聴は認知症発症の危険因子や、うつや要介護状態に至るリスクも有意に高いとの研究も報告されている。
 コミュニケーションの重要な役割を担う聴覚機能の維持や、将来の医療費・介護費の増大リスクの軽減などの観点から、世代を超えた難聴対策を充実させていくことが必要である。
 現在、国では、非常に大きな声でなければ聞こえないような高度難聴者(70デシベル以上・身体障害者手帳6級以上)に対して、補装具制度により補聴器の購入に必要な費用の補助を行っている。
 また、本県では、補装具制度の対象とならない18歳未満の軽度・中等度難聴者(30デシベル以上70デシベル未満)に対して、言語の習得やコミュニケーション能力の向上を支援するため、単独事業として助成制度を設けている。
 しかし、18歳以上の軽度・中等度難聴者は補助対象外となるため、高い負担に悩む声を聞いている。
 補聴器は、片耳で5万円前後から30万円程度と高額で、また、購入後も電池交換が必要となるなど、経済的な負担は非常に大きなものである。
 よって国会及び政府は、こうした課題に対応するため、補装具制度の対象とならない難聴者の補聴器購入について、全国統一の公的支援制度を構築するよう強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成31年3月15日

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣    }殿
法務大臣
財務大臣
厚生労働大臣

神奈川県議会議長


教員への障がい者雇用促進に係る総合的な環境整備を求める意見書

 「障害者の雇用の促進等に関する法律」に基づく障がい者の雇用状況について、国の省庁や多くの地方公共団体が不適切な報告をしていた問題を受け、教育現場においても、障がい者雇用の在り方が改めて問われている。
 特に教員への障がい者採用を推進することは、児童・生徒が学校教育の中で日常的に障がい者と接することで、障がいに対する適切な理解を育むとともに、障がいのある児童・生徒にとっては、将来の社会参加を見据えたロールモデルともなり、ともに生きる社会の実現を目指す上で大きな教育効果が期待できる重要な取組である。
 一方、教育現場における障がい者が働きやすい環境の整備は、いまだ十分とは言えず、教員として働く障がい者の数を増やすためには様々な課題がある。
 例えば、公立学校施設の多くは昭和40年代から50年代に建設されているため、バリアフリー化が十分ではなく、これら施設の早急な改善が必要とされるが、そのためには大きな財政的負担が見込まれる。
 また、障がいのある教員が円滑に教育活動を遂行するためには、補助業務を担う職員を配置する等の人的な配慮が不可欠だが、教員の多忙化が問題となる中、そのような人員体制の充実に対する支援も不足しているのが実情である。
 さらには、教員として就労するためには、四年制大学の教育学部等において基本的資質・能力を培い、教育実習を経て、教員免許を取得することが前提となることから、障がい者が自信を持って教員を志すことができるよう、高等教育の教員養成課程の段階から十分な支援環境を整備していくことが必要である。
 よって国会及び政府は、教育現場の実情を踏まえて、障がいの有無にかかわらず、教員を志望するすべての人が能力や適性を遺憾なく発揮できるよう、次の事項について所要の措置を講じられるよう強く要望する。
1 ともに生きる理念を学校現場から浸透させていくため、障がいのある教員が授業を行う際の支援や、災害時の児童の安全確保等を担う補助的な職員の配置に関する助成制度等、地方公共団体への支援の仕組みを創設すること。
2 教員への障がい者採用を推進するとともに、障がいのある児童・生徒の快適な学校生活を実現するため、学校施設のバリアフリー化に係る施設整備事業が円滑に実施できるよう、十分な財政措置を講じるとともに、補助制度の一層の拡充を図ること。
3 教員としての就労を志望する障がいのある学生を支援するため、障がいの特性に合わせた教材開発や教育実習プログラムの研究・開発、教育実習時の受入体制の整備等、必要な支援の在り方を検討すること。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成31年3月15日

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
法務大臣    }殿
財務大臣
文部科学大臣
厚生労働大臣

神奈川県議会議長


天皇陛下御即位30年にささげる賀詞

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