神奈川県議会 平成30年第2回定例会で可決された意見書・決議

掲載日:2018年7月17日

ヘルプマークの更なる普及推進を求める意見書

 義足や人工関節を使用している方、内部障がいや難病の方、又は妊娠初期の方など外見からは容易に判断が難しいハンディのある方が、周囲に援助や配慮が必要であることを知らせるヘルプマーク及びそのマークを配したヘルプカードについては、平成24年に作成・配布を開始した東京都をはじめ、導入を検討・開始している自治体が増えている。特に昨年7月に、ヘルプマークが日本工業規格(JIS)の案内用図記号として国の統一的な規格となってからは、その流れが全国へと広がっている。
 このヘルプマーク及びヘルプカードについては、援助や配慮を必要とする方が所持・携帯していることは当然であるが、周囲でそのマークを見た人が理解していないのでは意味を持たない。
 しかし、国民全体における認知度はいまだ低い状況にあるため、今後は、その意味を広く国民全体に周知し、思いやりのある行動につなげていくことが重要となる。
 よって政府は、心のバリアフリーに資するヘルプマーク及びヘルプカードの更なる普及推進を図るため、次の事項について所要の措置を講じられるよう強く要望する。
1 「心のバリアフリー推進事業」など、自治体が行うヘルプマーク及びヘルプカードの普及や理解促進の取組に対する財政的な支援を今後も充実させること。
2 関係省庁のホームページや公共広告の活用などにより、国民への更なる情報提供や普及、理解促進を図ること。
3 鉄道事業者など自治体を越境している公共交通機関では、ヘルプマーク導入に向けた連携が難しいため、スムーズな導入が図れるよう、国としての指針を示すこと。
4 病院や学校をはじめとする、公共施設、さらには、企業等の広報部門にも積極的に働き掛けること。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成30年7月11日

内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
文部科学大臣  }殿
厚生労働大臣
経済産業大臣
国土交通大臣

神奈川県議会議長


旧優生保護法による不妊手術の早急な被害者救済を求める意見書

 昭和23年に施行された旧優生保護法は、知的障がいや精神疾患を理由に本人の同意がなくても不妊手術を認めていた。同法は平成8年に遺伝性精神疾患等を理由とした優生手術(不妊手術)や、人工妊娠中絶に関する規定を削除して母体保護法に改正されたが、厚生労働省によると、旧法の下で不妊手術を受けた方は、約25,000人おり、このうち、本人の同意なしに不妊手術を施された方は、6割を超える16,475人に上ったと報告されている。本県においても、本人の同意なしに不妊手術を施された方が462人いたことが判明した。本人の意思に反して手術が施されたとすれば、人権上大きな問題がある。
 また、同様の不妊手術を行っていたドイツやスウェーデンでは当事者に対する補償等の措置が講じられている。旧法の下で不妊手術を受けた被害者の高齢化が進んでいることを考慮すると、我が国においても早急な救済措置を講じるべきである。
 よって国会及び政府は、次の事項について所要の措置を講じられるよう強く要望する。
1 国は、速やかに旧優生保護法に基づく不妊手術の実態調査を行うこと。
2 その際、都道府県が所有する「優生保護審査会」の資料などの適正な保全を図るとともに、資料保管状況の調査を行うこと。併せて個人が特定できる資料についても、当事者の心情に配慮しつつ、できる限り幅広い範囲で収集できるよう努めること。
3 旧法改正から20年以上が経過し、被害者の高齢化が進んでいることから、早急に的確な救済措置を一刻も早く講じること。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成30年7月11日

衆議院議長
参議院議長   }殿
内閣総理大臣
厚生労働大臣

神奈川県議会議長


下水道施設の改築に係る国庫補助の継続を求める意見書

 平成29年11月29日の財政制度等審議会における「平成30年度予算の編成等に関する建議」では、下水道事業に対する国の財政支援は「受益者負担の原則」と整合的なものに見直していくことが必要であり、汚水施設の改築は原則として下水道使用料で賄うべきとの趣旨の提言がなされた。これを受けた国の平成30年度予算では、国庫補助が未普及の解消及び雨水対策に重点配分がなされたところである。
 しかしながら今後、老朽化した汚水施設の改築への国庫補助が削減されることになれば、財源不足を補うため下水道使用料の増額改定や一般会計による負担増など、厳しい対応を図らねばならないことが懸念される。
 本県は、今後も日本経済を牽引する首都圏の一員として、我が国の発展に重要な役割を担っており、本県の都市機能を支える重要なインフラである下水道施設の計画的な改築に、国が果たす役割は引き続き大きいものと考える。
 よって国会及び政府は、本県が下水道使用者の負担を増加させることなく下水道事業を継続的かつ計画的に遂行できるよう、下水道施設の改築に係る国庫補助を継続されるよう強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成30年7月11日

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣  }殿
総務大臣
財務大臣
国土交通大臣

神奈川県議会議長


学校周辺に存在する危険なブロック塀等の安全対策を求める意見書

 平成30年6月18日午前8時頃、大阪府北部を震源とする震度6弱の地震が発生した。この地震により、同府高槻市の小学校のブロック塀が倒壊し、巻き込まれた小学校4年生の女子児童が死亡するという痛ましい事故が発生した。
 この事故を受け、文部科学省は学校設置者に対して、幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育及び特別支援学校の組積造の塀又は補強コンクリートブロック造の塀について、国土交通省の定める判定基準に基づき、耐震対策の状況及び劣化・損傷の状況に係る安全点検を行うとともに、判定基準に該当するブロック塀等について、速やかに必要な安全対策を実施するよう通知したところである。
 しかしながら、このような危険なブロック塀等は、学校施設だけでなく、全国の学校周辺の通学路やスクールゾーンにも多数存在していると考えられることから、大地震の発生が危惧される昨今、確実な専門知識を有する建築士などによる調査・点検を早急に実施するとともに、十分な安全対策を講ずる必要がある。
 よって政府は、次の事項について、早急に必要な措置を講じられるよう強く要望する。
1 全国の学校周辺に存在する倒壊等の恐れがある危険なブロック塀等について、確実な専門知識を有する建築士などにより早急に実態調査するとともに、その結果を公表すること。
2 当該ブロック塀等の補強や撤去等の安全対策に係る費用の助成について、全国的な補助制度の創設及び拡充について検討すること。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成30年7月11日

内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣    }殿
文部科学大臣
国土交通大臣

神奈川県議会議長


公文書の適正な保存・管理等を求める意見書

 公文書等の管理に関する法律( 以下「法」という。) 第1条では、公文書は「健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源として、主権者である国民が主体的に利用し得るものである」とし、「国及び独立行政法人等の有するその諸活動を現在及び将来の国民に説明する責務が全うされるようにする」ために、適正な管理などが行われなければならないとしている。
 今回の一部省庁による文書改ざん問題は、法の精神を踏みにじるものであり、民主主義の根幹に関わる大きな問題である。国は、国民の信頼を失墜したことを深く反省し、信頼の回復に努めなければならない。
 公文書は、政府や行政の運営を国民が知るために、意思決定の過程を記録としてとどめる重要な文書である。この問題を契機に、公文書を正確に作成し、保存・管理するという原点に立ち返り、公文書を大切にする意識を改めて、国の機関の全職員に再認識させなければならない。
 よって政府は、国民の信頼回復に努め、公文書の保存・管理の適正化に向けて、次の事項について所要の措置を講じられるよう強く要望する。
1 公文書の重要性を再認識し、改ざんや破棄の行われない保存・管理の体制づくりを進めること。
2 国の機関の全職員に、公文書の重要性に係る意識を徹底させるため、十分な研修体制を構築すること。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成30年7月11日

内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣      }殿
行政改革担当大臣

神奈川県議会議長


職業能力開発短期大学校の正規訓練課程に外国人留学生を受け入れることを求める意見書

 国内企業における人手不足は深刻化しており、特にものづくりを行う中小企業では、専門能力を持った人材が不足し、職種によっては求人を出しても応募すらない危機的状況にある。
 人材の不足は、受注を逃し、中小企業が発展するチャンスをみすみす逸してしまうだけでなく、従業員に長時間労働を強いることになり、労働環境の悪化から更に人材が集まらないという悪循環にも陥りかねない。
 こうした状況を踏まえ、政府は既に高度な技術、知識等を持った外国人のより積極的な受入れを図っており、さらに、6月15日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2018」(骨太の方針)では、「一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人材を幅広く受け入れていく仕組みを構築する必要がある」との方針が示されたところである。
 本県でも、日本で働くことを希望する外国人が実践的なものづくり技術を習得し、就労に必要な在留資格を得て、中小企業で活躍する上で有効であると考え、職業能力開発短期大学校である「神奈川県立産業技術短期大学校」の正規課程に留学生を受け入れるため、関係省庁と調整を進めてきた。
 しかしながら、職業能力開発促進法を所管する厚生労働省からは、正規課程の対象は日本人のみであり、留学生はこの正規課程に「準ずる訓練」のみ受講可能であるとの解釈が示されている。
 このため、留学生は、たとえ日本人と同等の内容の訓練を受けられたとしても、就労可能な在留資格を確実に得られる保証はなく、また、就職先企業での給与等の待遇も、不利な扱いを受けるおそれがある。「準ずる訓練」によって日本人と同等の技術を修めた留学生が、日本人と異なる扱いを受けることは不合理であり、外国人材が本県で活躍する上では大きな問題である。
 人材不足の深刻さを増す県内中小企業の持続的発展のため、職業能力開発短期大学校の正規課程への留学生受入れは、早期に実現が必要な取組である。
 よって国会及び政府は、職業能力開発短期大学校の正規課程への留学生の受入れを可能とするため、所要の措置を講じられるよう強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

平成30年7月11日

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣  }殿
総務大臣
厚生労働大臣

神奈川県議会議長


「学校における働き方改革」の実現に向けた総合的な環境整備を求める意見書

 近年、学校教育に対するニーズの変化や、教育現場が抱える様々な課題の複雑化・多様化への対応の必要性から、学校に求められる役割が拡大し、教員の長時間勤務の常態化が指摘されている。
 本県においても、平成29年度に実施した公立学校の勤務実態調査結果から、時間外勤務時間数が、いわゆる過労死ラインである月80時間を超えている状態に相当する副校長・教頭が、すべての校種で6割を超えていること、また、市町村立学校の総括教諭・教諭は、勤務日に9時間以上を児童及び生徒の指導にかかわる業務に費やしている等、深刻な実態が明らかとなった。
 今後、新学習指導要領の全面施行に伴い、学校教育の現場では「教育の質」の更なる向上を実現するための工夫・改善に加え、発達上の課題を持つ子どもたちの支援、外国語教育の教科化や新科目への対応等、多岐にわたる取組が求められ、管理職を含む教員の業務負担の更なる増大が懸念される。
 こうした状況は、教員に過度の精神的・肉体的負担を強いるだけでなく、子どもたちへの指導に専念できる時間が限られてくることで「教育の質」の低下が懸念され、ひいては、保護者との信頼関係が損なわれることにもつながりかねない。
 こうしたことからも、教員の業務負担軽減と教育の充実を両立する「学校における働き方改革」の実現は、必要不可欠である。
 よって政府は、「教育の質」の一層の向上に向けて、教員の業務負担軽減と教育の充実を両立する総合的な環境整備のため、次の事項について、所要の措置を講じられるよう強く要望する。
1 学校や教員等の標準職務を明確化したモデル案を早急に提示すること。
2 教員定数については、少子化傾向にある児童及び生徒数の推移等を見極めつつ、新学習指導要領に応じた適正な配置や特別支援教育コーディネーターの専任化など、子どもの支援に必要な配置がなされるよう、検討を行うこと。
3 教員のサポートスタッフや、スクールソーシャルワーカー等の専門スタッフを地域の実情に応じて柔軟に配置できるよう、支援の充実を図ること。
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成30年7月11日

内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
文部科学大臣    }殿
教育再生担当大臣
働き方改革担当大臣

神奈川県議会議長

本文ここまで
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