検討会等名称当事者目線の障がい福祉に係る将来展望検討委員会（第11回）開催日時令和４年８月30日（火曜日）9時30分～11時15分開催場所県庁　本庁舎３階　大会議場出席者◎蒲原委員長、大川委員、大塚委員（Zoom）、河原委員、小西委員、佐藤委員、冨田委員、奈良﨑委員、野口委員、林委員、福岡委員（Zoom）問合せ先共生推進本部室利用者支援グループ会議記録以下のとおり
（事務局：道躰参事監）
　開会のあいさつ
　出欠状況の報告（全員出席）

（蒲原委員長）
　３月に、この検討会で報告をまとめた後、久しぶりでございますけれども、またよろしくお願いします。冒頭事務局から話がございましたけれども、報告書にまとめた内容をおそらく着実に、県の側で進められることだと思いますけれども、折に触れて、こうした委員会の中で、皆さんの声を伺いながら進めていきたいということでございますので、そういう趣旨のもとで、今日以降よろしくお願いしたいと思います。本日の進め方について、これまでと同じように皆さんと共有していきたいと思います。次第に議事が、今日は３つ並んでおります。それをご覧ください。
　最初に、議題の1でございますけれども、「当事者目線の障害福祉推進条例」の制定についてであります。この部分については、事務局からの説明を聴取した後、質疑、意見交換ということで、この部分全体で約20分程度を予定したいと思います。
　その議論の後、次の議事の２の方に入っていきますけれども、２では、県立障害者支援施設の方向性についてということで掲げられております。事務局からは県立施設の今後のあり方について、中長期的な観点からの検討の方向性を皆さん方からいろいろ意見を伺いたいとのことですが、実はこの議題は次の議題の３、中井やまゆり園外部調査委員会の進捗状況と密接に関係する内容だと思います。従いまして事務局から、この議事の２と、議事の３についての説明を一度にお聞きいたしまして、この２つについて一括して皆さん方から意見をいただきたいと考えております。従って全体が大きく２つのパーツに分かれるところでございます。この議事の２と３については、質問、意見交換を含めて全体で60分程度ということで、１が20分。議事の２と３が大体60分と、このくらいの時間配分で進めていきたいと思いますので、よろしくお願いします。それでは早速議事に入ります。限られた時間での進行となりますので、ご協力をよろしくお願いします。それでは議事の１につきまして、事務局からご説明をお願いします。
　
（事務局：平野利用者支援担当課長）
〔資料1－1、資料1－2に基づき説明〕

（蒲原委員長）
　ありがとうございました。それではただいまの事務局の説明につきまして、委員の皆さん方からご質問、ご意見等あれば順次よろしくお願いをいたします。それでは、河原委員、手が挙がりましたので河原委員よろしくお願いします。

（河原委員）
　社会福祉法人星谷会の河原です。また、この委員会が再スタートをしたということで、大変うれしく思っております。条例案の説明ありがとうございました。
　私の方からは３点のご質問と１点意見ということでお願いしたいと思います。
　まず１点目が資料の1－1の別添３の条例の「わかりやすい版」の作成についてです。これは前回の委員会においても、障がい当事者の方たちがこの条例の難しい部分を分かりやすくというところで、こういったものの作成に至ったのではないかというふうに思っておりますが、若干、この「わかりやすい版」をワーキングチームのスタートに当たってのプロセスのところが、僕らからすると、ちょっと見えにくいところが若干あったということなので、もう少しこのワーキングを進めるにあたってのプロセスのところを、ご説明いただきたいのと、併せてこのワーキングチームがどのくらいのペースで進むのかということを、それと当然ながら当事者の代表の方たちが、このワーキングチームで「わかりやすい版」について、いろいろ練ると思うのですが、当然ながら当事者団体の方とのやりとりも必要ではないかなと思っておりますので、その辺のところを、分かる範囲でお願いいたします。それが１点目になります。
　それから２点目が、パブリックコメントの中身にちょっと関連したところです。1－1の３ページのところですね。いろいろなパブリックコメントの意見並びに団体との意見交換の中で条例についていろいろな意見が出ていることは承知しております。ここのところで、最後のところにですが、条例の制定が拙速すぎるのではないか、障がい当事者関係者と十分に時間をかけて進めてほしい。これはかなり、声としては聞いておりますが、どこかの時点でやっぱり条例というものが踏み込んでスタートしないと、その中身の善し悪しというところも分からないのではないかなと感じております。ただ貴重なご意見だなというふうに思っておりますが、これは条例の本体資料の資料１の２の最後のところに、知事はこの条例施行の日から起算して５年経過するごとに、条例の施行状況について検討を加えその結果について必要な措置を講ずるものとなっておりますが、この５年間の期間というものが若干長いような気もします。いろいろ関心を持っていろいろな意見がある中で条例がスタートするので、こういったモニタリングの期間というところですね、どのようにちょっと考えてらっしゃるのかなというところ。もし、事務局の方でご意見ありましたらお願いいたします。
　それから３点目になります。これは条例の素案の概要の別添の２の財政上の措置に関する規定のところです。今、この条例が施行するに向けて、県の方もいろいろな政策を検討されているかと思いますが、もし、今日の段階でちょっとこんなことを考えているんだよ、なんていうものがありましたら、お話できる範囲でお聞かせいただけたらと思います。
　最後は意見になります。市町村との意見交換。これは２ページになります。人材の確保等質の向上は最大の課題であり、県のリーダーシップに大いに期待するところ。これは先般海老名市の障がい福祉課の方とも県条例について若干話をしましたところ、この人材育成についての県のリーダーシップというところは非常に期待しているという旨の意見がありました。是非、この条例の制定と同時に、市町村とのやりとりなり県のリーダーシップに期待したいなというところであります。一応以上であります。
　
（蒲原委員長）
　ありがとうございます。質問が３点ほどありましたので事務局の方からよろしくお願いします。

（事務局：平野利用者支援担当課長）
　それでは、まず1点目が「わかりやすい版」について、事務局からお答えいたします。「わかりやすい版」のここに至るプロセス等につきましては３月29日の前回の委員会におきましても、そもそも条例が分かりやすい言葉で作成されていれば、分かりやすく、障がい当事者の方も訳さなくて済むといったような意見もございました。それに対して事務局からは、条例を作る際にはどうしても法令で使われる言葉や表現に一定のルールがあるということで、その枠の中で作らないといけない難しさがあるといったようなお話をしたところです。そういった分かりやすい内容のガイド版を作って、多くの方に、条例の内容を理解していただくように進めていきたいといったようなことで、お話をさせていただいたところです。こうした話を受けるとともに、各障がい者の団体の方とも意見交換をしてきた中で、これまで行ってきた約60団体ございますけれども、そういった中で、さっきも説明したとおり、役所の文章が硬いとか、分かりやすい条例にして普及してほしいとか、障がい者もちゃんと条例を読みたいのだと。それから知的障がいだけではなく、聴覚障がい者の方の団体ともお話をしたときに、やっぱり聴覚障がいの方に、仲間に伝えようとしたんだけども、やはり文章が難しくて、発信しても読まない、読まずに放置されてしまうといったような意見を受けておりました。こうしたことを踏まえて、特にこの条例につきましては障がい種別関係なく、すべての方に読んでいただいて、ご理解いただきたいというふうに考えております。そういった意味で「わかりやすい版」での発信について、具体的に進めてきたというところです。
　現在、この委員会のメンバーの、先ほどもお話しました小西様、冨田様、奈良﨑様、を含む６人の障がい者の方に、作成のためのワーキングにご参加いただいております。お３方の他にも、身体障がい、精神障がいの方にもご参加いただいているところです。そうした中、条文を一つひとつみんなで確認しながらフリーディスカッションの形で意見を出し合いながら、内容を整理しているといったところです。頻度につきましては、もともと月２回ぐらいでやれればとは思ったところではあったのですけれども、せっかく出す以上は、条例の公布と合わせるということも視野に置いて、９月につきましては３回、何とかやろうといったようなことで今、頻度を上げているといったところです。１つ目はこういう形になっております。
　２つ目が意見の中で拙速との意見もあるけれど、事務局の見解としてどうかというところですけれども、この条例制定に向けましては、昨年からスケジュールはお示ししていたところで、それと併せて県議会とも議論を重ねてきたところですので、我々としては、拙速であるというふうには考えていないところです。こうした中、障がい当事者団体の皆様とも意見交換をしていく中では、要は障がい当事者等の意見をしっかり聞いて、踏まえたものにしていただきたいと、いうようなことだと、我々は承知しております。これまで事務レベルで言いますと約60の当事者団体、支援者団体それから県内すべての市町村等と意見交換をしておりまして、幅広く丁寧に多くの方のご意見を伺いながら進めてきたというところです。
　それから３点目については予算のことですけれども、来年度の予算要求につきましては今後財政当局と調整をしていくというところでありまして、ちょっと現時点ではまだ具体的な話ができないところでございます。当事者目線の障がい福祉を実現していくためには当然予算の裏付けがなければならないというふうに考えております。例えば重度障がい者の地域生活移行の支援に向けた取組みだとか、障がい者支援、障がい者の福祉に係る事業の充実、人材の確保、育成、定着に向けてどのような施策が必要かといったことなど、当事者目線の障がい福祉の実現に向けた、必要な施策や取組みといったものを整理して、その実現に向けて、必要に応じて、対応していきたいと考えているところです。事務局からの説明は以上です。
　
（事務局：橋本福祉子どもみらい局長）
　福祉子どもみらい局長橋本でございます。少し補足させていただきますと、２点目のワーキングの選定のプロセスというお話だったかと思うのですが、この委員の方、知的障がい者の方が入っていただいていますけれども、この条例はすべての障がい、いわゆる３障がいといいますか、すべての障がい者を対象としたものですので、資料記載の身体障がいであるとか精神障がいであるとか様々な当事者にも入っていただいて、この議論を進めていきたいということで委員の構成を考えたところでございます。
　それから２点目の条例の見直しが５年後どうなのかということで、条例自体は県のルールで、５年ごとに、その条例が時代に即しているかどうかということを見直すという一定のルールがございます。この当事者目線条例が、時代に合っているかどうかということはその計画の見直しであったり、その事業のＰＤＣＡサイクルを回すような中で、毎年というか、もっと短いスパンで検討もしていきますが、条例そのものがその実態に合っているかどうかということは他の条例と同じように５年で見直していくと、このように考えています。
　それから最後の財政的な支援につきましては、今、課長からも説明がありましたけれども、やはりなかなか地域へ出て行くことが、当事者の方が難しいという現状を我々も認識していますので、それに県としてどんな施策を打っていけばいいかということを、知事をはじめ今庁内で、来年の予算に向けて、議論をずっと、喧々諤々やっているといった状況です。以上です。
　
（蒲原委員長）
　是非、この場の意見も踏まえていろいろ検討を進めてほしいと思います。奈良﨑委員からペーパーが出ていますので、奈良﨑委員よろしくお願いします。

（奈良﨑委員）
　すいません。奈良﨑です。
　一応、今回意見書を出させてもらって、自分が「わかりやすい条例」の委員をやりながら自分で出すというのも嫌なんですが、ちょっと気になったことが２点あります。
　私は、この条例の作業をしていて、最終的に誰がこの条例の役に立つのか。障がい者本人かもしれないが、実際これは誰が、実際本人が条例ができました、分かりやすいものができました。でも実際、何に役に立つのかが全然いま見えてないんです。作業していて。それが１点、質問です。
　もう１点が、障害者権利条約がいまちょうど日本が審査が終わって、もうすぐ返ってくるのかなと思うんですが、権利条約の場合は国がちゃんとこう質問して、日本大使館の人が色々答えてくれるんですが、条例の場合は誰がそうチェックじゃないけど、何か注意することを、条例は守られているのかなというのが見えてないので、教えてほしいなと思いました。以上です。
　
（事務局：平野利用者支援担当課長）
　事務局からお答えいたします。まず１つ目がこの条例が、誰の役に立つのかといったような話でございますけれども、当然当事者目線の障がい福祉の条例ということでございますので、すべての障がい者のための条例というふうに考えているところでございます。この当事者目線の障がい福祉を進めるときは、条例で定めておりますが、障がい者の自己決定が尊重されること。障がい者が住みたい場所で暮らすことができることなど、基本理念、つまりこれを大事にしていくというふうに考えています。
　また差別、虐待をしてはいけないといったところを書いているところです。障がい福祉についての県の会議への参加、それから障がい者が中心となって行っている活動。例えば、本人活動などを県は応援するといったところを決めているところですので、障がい当事者の皆さんのための条例といったところでお考えいただいてよろしいかと存じます。
　２つ目が、条例は誰がチェックするのかといった質問ですけれども、こちらにつきましては、例えば今の障がい福祉計画等につきましては障害者施策審議会といったような、外部の会議体で、チェックしているというところです。この条例につきましては、現在どのようにチェックしていくかといったところは、今後の課題として決めていくところですけれども、例えばそのような形で、何らかの外の団体等に、ちゃんと確認していただきまして、ここは駄目です、ここは進んでないよ、もっと進めなさいといったような形でチェックしていただきたいというふうに考えております。以上です。
　
（蒲原委員長）
　はい。それでは、佐藤委員よろしくお願いします。
　
（佐藤委員）
　委員の佐藤でございます。この種の条例というのは各都道府県でかなり早くから、作られている条例になりまして、私が住んでおります千葉県では日本で最初にこういう条例を作ったという経験がございますけれども、その時の経緯から考えますと、今の事務局の説明は全然間違ってると思うんです。何が間違っているかというと、これは障がい者のための条例であると同時に、全県民のための条例であると。障がい者だけを対象にしたものではないということですね。全県民がこの種の条例について認識を持ってもらおうということを今後、条例の条文の中にも、そういうふうに書いてありますけども、共生社会ですから。障がい者だけじゃなくて、すべての県民が、こういう条例があるんだということを認識してもらうということを、今後県としても努力を重ねていっていただきたいということが１つです。
　それとの関係ですが、障害者権利条約が国連で議論されているという話が、今出ましたけれども、日本のこの種の関係法令で一番欠けているのは、紛議調整なんですね。どうしても障がい者と障がい者でない人の間で、いろいろな虐待だ、差別だ、何だかんだという紛議が出てまいります。その紛議を調整する一線にいらっしゃるのが、多分関係部局ということになろうかと思いますけども、その関係部局の職員の皆さんが、県職の皆さんが、色々と苦労されるということがこれから出てくると思いますけども、そのいろいろな紛議調整にあたられるときのデータですね。これをきちっと積み重ねていくということが必要だなあというふうに思っています。本当はそういった紛議調整機関というものを条文の中にきちっと位置づけるということが正しいんだろうと思いますけども、条文の中に位置付けても位置付けなくても、紛議に巻き込まれるというか、担当をされる職員さんは必ずいらっしゃいますので、そこでどんな紛議があったのか。１年間に何件ぐらい相談があったのか。１年間で、どれぐらいの調整をしたのかというようなことを、きちっと積み重ねていくということが、この条例の周知につながっていくと。それは逆に言うと、また改正とか、再検討につながっていくと。そういう話なのかなあと思っておりますので、これは意見ですので、別に事務局からの回答は結構ですけれども、そういう方向で物をお考えいただきたいなというふうに思っております。
　
（蒲原委員長）
　ありがとうございました。非常に大事な指摘だったというふうに思うので、きちんとやられると。あと両方とも大事ですけども、関係者がみんなだということは多分条文にはそう書いてあるんで、そこをきちっとご認識の上、対応すると思いますけど、何かありますでしょうか。

（事務局：川名共生担当局長）
　佐藤委員、ありがとうございます。この条例は、まさに佐藤委員のおっしゃられるとおり、まずは障がい者に対する当事者目線ということですが、当然のことながら、全県民が、この条例の対象となってきます。まず目的のところで、条例条文としても、障がい者が差別、虐待を受けることなく、望む暮らしを実現できる。障がい者のみならず、誰もが喜びを実感できる地域共生社会の実現にする。そのようなことで規定させていただいております。当然これを、全県民に対して、周知啓発を図っていって、オール神奈川で進めていくということを、条文で示させていただいております。これからこれを進めるための施策ということも、しっかりと考えていかなければいけませんが、その中では理念の浸透、普及啓発等もしっかりと進めていくという、そういうような方針で進めているところです。
　
(蒲原委員長）
　すみません。「ちょっと待って」という札が奈良﨑さんからあがっておりますので、奈良﨑委員、よろしくお願いいたします。
　
（奈良﨑委員）
　「紛議」という説明がよく分からないので、詳しく説明してください。お願いします。
　
（蒲原委員長）
　そこは委員の皆で共有しなきゃいけない。よろしくお願いいたします。
　
（佐藤委員）
　「紛議」という言葉は確かにちょっと、日頃あまり馴染みがないのかもしれませんが、私はその紛議の中でずっと暮らしてる人間なので、全然違和感がなく、すぐ使ってしまうんですけども、要するに「もめごと」ですね。
　差別だ、あるいは虐待だというような話になりますと、障がい者の方が声を上げる、あるいは障がい者じゃない人が、いきなり何かこう、苦情を言われて、それで何か困惑するというようなことは当然出てきてですね。そういうものが持ち込まれるのは、相談支援機関であったりするわけですけれども、この条例ができた後は、多分県の担当部局、障害サービス課なのか障害福祉課なのか分かりませんけれども、そういう担当部局の職員さんが、その紛議の調整、もめごとの調整にあたるという役どころにあたるだろうなというふうに思っております。
　この条例は、そういうことに県が積極的に関わるよということをきちっと位置付けているわけでして、そういうもめごとというのは、あんまり関わりたくないと思うかもしれませんけども、障がい者の世界で、もめごとが起こるというのは問題がそこにあるんだよということを、分からせてくれるというきっかけになるわけで、そういうもめごとに対処される職員さんは、そういう問題の所在というものを、認識する一番第一線にいらっしゃる職員さんということになります。なので、そういう職員さんが何件担当して、何件相談を受けて、どういうふうに対処したのかというデータを残していくということが、これからの神奈川県の障がい者福祉、ひいては共生社会をどういうふうに作っていくかということについての貴重な財産になっていくんですね。そういうデータをこれから作っていくということが必要ですよと、そういうデータを作っていくというきっかけにこの条例はなるんですよということを先ほど申し上げたわけです。まだ「ちょっと待って」になりますか。
　
(蒲原委員長）
　よろしいでしょうか。確かにもめるところがあるということは、そこに何らかの問題があって、そこへの対応の状況を整理していくことが、次の解決につながると。その意味で、その最初のもめごとのデータがきちっと、この条例の対応の中で集められることが大事だという、大事なご指摘だったというふうに思います。それでは、先ほどちょっと手が挙がったので、林さん、少し短めの形でよろしく。そのあと、すみません、冨田さんということで。
　
（林委員）
　鎌倉清和園の林でございます。先ほどのお話の続きなんですけど、資料１－２の素案のところ、２ページの基本理念のところの（２）なんですけれども、先ほどのお話の続きで、この条例は障がい者の当事者のためだけではなく、ここに障がい者に関わる人々も喜びを実感することができることというふうに書いてあるんですけれども、これ私たち支援者のことも含まれてるというふうに感じておりまして、やはり当事者の方たちを支えるために私たち支援者も元気でなければいけないというふうな、一文だと理解している。これがすごくありがたい一文だなというふうに感想を持っております。あともう１点お願いなんですけれども、条例の「わかりやすい版」をいま作成されているということですけれども、これも当事者のための「わかりやすい版」ではなくて、実は私もこの条例の素案を読んでいて、なかなかこうやっぱり頭に入ってこないんですね。ですので、これを見たときに、イラストや漫画を織りまぜて、直感的に理解できるようにというふうに書かれていたのを見てすごく、私自身も安心しました。ですのでワーキングチームに小西さんと冨田さん、奈良﨑さん入られてると思いますので、私のためにも「わかりやすい版」を作っていただければと思いました。以上になります。
　
（蒲原委員長）
　それでは冨田委員よろしくお願いします。
　
（冨田委員）
　ブルースカイクラブの冨田です。この話をいただいた時に、ちょっと僕もなんかやりたいと思ったんですよ。このわかりやすい条例の作り方。それで皆さんがあんまり条例のこと知らないと思うんですよね。だから、これからもし全部これが完成したら、例えば障がい者以外の方にも、僕は話したいと思います。近所の方とかにも、県にはこういうのありますよってことを。そうすると皆さん広がってくるんじゃないですかね。いろいろ、障がい者以外の方にもこういうのがあるというのを。多分皆さん知らないと思いますよ。いま住んでる方たちに、神奈川県にはこういうのありますよって。なので、これから作るのがすごく楽しみです。障がい者以外の方にも説明したいので。あと施設の方にもよく説明したいんですよ。職員にも知ってほしいのでね。なので、これから作るのがすごくなんか嬉しいです。はい。ありがとうございました。
　
（蒲原委員長）
　ありがとうございました。確かに、条例の中で本人活動とありますけれども、これを受けて、ご本人たちがいろいろな形で主体的にこういろいろな形で相談するとか、説明する側に回ることは、大変貴重なご意見だと思います。
　大変恐縮ですが、少し時間の関係もありますので、もしさらなる意見などがございましたら、是非事務局の方に、後程またペーパーか何かで、お伝えいただくということにしてよろしいでしょうか。大変恐縮でございますけれども、本議題につきましてはこれまでということで、いずれにしても条例の策定についてはすごく大事なことでありますので、事務局は、今日の意見を踏まえ、あるいは、元々の検討委員会の趣旨を踏まえて、さらに良いものにするようにお願いしたいというふうに思います。それでは次に、議事２と３についてまとめてご説明を受けて、議事を進めていきたいと思います。まず事務局から説明をよろしくお願いします。

（事務局：髙橋障害サービス課長）
　［資料２、３－１、３－２、３－３に基づいて説明］
　
（蒲原委員長）
　ありがとうございました。それでは、ただいまの事務局の説明を受けまして、議事２と３をまとめて、双方についての意見をいただきたいと。それでは最初に冨田委員よろしくお願いします。
　
（冨田委員）
　冨田ですけど、何かこの議題の課題のところに書いてあるんですけど、県立施設の現状と課題のところで、２ページです。例えば愛名やまゆり園、津久井やまゆり園と書いてあるのはいいんですけど、従来型の大規模施設である建物の構造面から、当事者目線の支援が困難になっているということを書いてあるんですよ。これはどういうことですかね。みんな書いてあるんですよ。ちょっとこれはね、疑問に思いました、僕は。というのもこの、当事者目線の支援が困難になったということは、やっぱり職員さんがもっと努力しなきゃいけないと思いますよ。もう無理だ、無理だなんて言って、そういう姿勢でやってると、いつまでたったって変わらないと思います。逆に虐待は減らないと思います。こういうことばっかりやってたらと僕は感じました。
　あと、もう１点なんですけど、多分本人さんの中にそういう話す人ってあんまり少ないでしょうね。やまゆり園とかそういう施設は。なので、今度もし機会があれば、藤沢市でやってるんですよ、本人さんが講師となって。職員さんの研修会にいきたいと思います。そうしないことにはなかなか変わらないと思います。こういうことは、いつまでたっても。以上です。
　
（蒲原委員長）
　ありがとうございました。何か、いまの関係で、事務局お願いします。
　
（事務局：髙橋障害サービス課長）
　冨田委員のご意見、ごもっともだと思っています。まずはやっぱりこういった施設での利用者支援を改善するというのは、職員の意識というのをしっかり改善しないといけないと考えているのと、今ここで書かせていただいているのは、例えば我々、いま津久井やまゆり園の再整備ということで、１ユニット11人で、それぞれもう個室を用意するような形での、いま住まいの場、施設を用意していると。
　一方、旧来型の大規模施設は、定員が100名を超して１ユニットも20人という人数の中でですね。居室も大部屋になっているような状況もございます。そういった中でなかなか一人ひとりのニーズに応じてお応えするということができない現状があって、もちろん意識をまずは、職員がそういった中でも意識を高めながら、しっかり当事者目線の支援をしっかり実践していくっていうことが必要だと考えている。もっとあわせてこういったハード面も改善することで、当事者目線の支援っていうのを実現していきたいと考えております。
　
（冨田委員）
　先ほど言ったとおりなんですけど、そういう説明を僕たちできます。職員さんに。できるというか、やってみたいと思います。どうするんですかって。
　
（事務局：髙橋障害サービス課長）
　冨田委員から、もう１つ研修の講師になってというお話をいただいて、実は今年度から当事者の方に園を見ていただいて、それで率直に、そこで園の生活を感じたことなんかを職員に返していただくというような取組みをしていまして、これから実際には取組みが始まるんですが、そういったところをやっているので、もしそういったところにご参加いただくということでご協力いただけるんであれば、是非と思っております。
　
（蒲原委員長）
　それでは大塚委員、手が挙がっているということで、よろしゅうございましょうか。
　
（大塚委員）
　委員の大塚です。また皆さんと仕事ができることを、うれしく思っております。県立施設の方向性ということで、論点も挙げていただきましたけども、これとも関係していて、ただちょっと違うのは、すでに４年３月の提言において、県立施設の方向性は入所施設は通過型のサービス提供の重点化し、県立施設は率先して、地域生活移行に取り組むということに書かれております。
　これは地域移行、地域生活移行ではなく一般的な地域移行と言っていますけど、地域移行にどのように神奈川県が取り組むかということを、考えであるとか、考え方であるとか、あるいはその工程を明らかにする必要があると思っております。それに尽きると。地域移行の全体像と、それから具体的工程を示す必要があると。もうすでに示される必要があるというふうに思っております。
　ある施設のことであれば、例えば、従来ですけども、例えば令和10年度末までに、入所者の３割から４割を地域移行していただく、地域移行を目指すと。これはある施設の目標として、国の目標として掲げられたもので実行したということです。このような目標を早急に作って早急に実施する必要があると思っています。そのためにはシステムが必要なので、仕組みが必要なのに県に地域移行推進室、地域移行の司令塔を作る必要があると思います。
　さらに、県立施設地域移行推進協議会、多分施策審議会との関係があるので何とも言えませんけども、本人の意思決定、家族の不安を和らげる。それから特に民間事業者のところと関係しないと、あるいは、神奈川県の市町村に移行するわけですので、そことの関係を調整するという仕組みをそこで議論する必要があると思っています。さらに地域移行計画をそこで作ると。
　それから各県立施設にも地域移行課を作っていただいて、県と一体的に地域移行に進むと、何年か後には３割４割かが。例えばですけど、そういうことを始めなければならないと思います。予算的な関係においては、地域移行支援コーディネーターを各施設等に複数配置して、実際に行うということとともに、特に民間施設との協力関係が必要だというふうに思っております。これが論点の１番重要で、これしかないと思っておりますので、早く行わないのは何か理由があるのかどうかよく分かりませんけども、私は論点はここしかないと思っています。
　さらに、あと１点だけなんですけども、中井やまゆり園の話があって虐待の調査ということでいろいろなものが出てるということでございます。１つの提案なんですけども、県立施設でさえ、このような実態であると。さらに虐待防止法があって通報義務があったとしても、殆どなされてないということを考えれば、全県下の施設、あるいはグループホームも含めて、ご本人やご家族やあるいは支援者に虐待があるいは権利侵害があるかという調査を、実態調査を早急に実施すべきだというふうに思っています。そしてその中から表れてきたものの虐待が疑われるものについては市町村と連携して、早急に介入していくということが必要だと思っています。アンケート調査等が必要なんでしょうけど、非常に膨大なもので、できないということであれば、10月1日から30日までの間に、全ての関係者については、県にそのような虐待及び権利侵害の事案について通報してくれと、あるいは連絡してくれと。そのようなアピールをすることによっても、アンケートは大変だから１ヶ月間、そういう月間にして、あらゆる県下の情報を、集める必要があると思っています。特に条例において権利擁護、あるいは虐待防止が掲げられておりますので、それの最初の段階として、全県における調査というのが必要だと思っています。以上です。

（蒲原委員長）
　ありがとうございました。少し時間の関係もあるので委員の皆様方からいろいろ意見いただいて、少し答えはまとめてお伺いしたいと思いますけども、引き続いて、野口さん手が上がったので、野口委員、お願いします。
　
（野口委員）
　野口です。さっきの中井のことで私の言いたいのは、虐待の調査をして、いろいろ出てきていますけれども、昨年の委員会でも、いろいろなことをお聞きして、なぜ虐待をするってここに調査結果の外部委員会の考察ということで、人間として見られなくなっている。人として支援することの欠如ということが出ています。それはなぜ、職員の方が、そういう人間として支援ができないのかと、去年から、それは非常に印象的で、私もずっと考えていました。
　それは、意思決定支援のときも申し上げましたけれども、今一生懸命、意思決定の支援をしたとしても、人として今まで、自分がつき合ってもらっているという経験が少ない人に意思は何って聞いても、なかなか出てこないってそれはやっぱり子どもの時から、前から申し上げていますが、子どもの時から、本当に、この文章に書いてあるとおりで、人として見られてない。そういう、障がいの方が、強度行動障がい、今、虐待事案の調査でも、そういう方が、職員とのいろいろな問題が起きているということが多いと思いますけれども、そういう方たちがなぜ、そういうことになってしまったのかということは、昨年のいろいろ委員会で私たちも学ばせていただきましたけれども、やはり人として見られていない。やっぱり子どもの時から、それで、その家族支援というのも申し上げましたけれども、家族も残念ながら、そこまで至ってなかったんだろうと。
　職員の人がいくら研究したり、研修したりしても、子どもの時から家族と一緒に、その障がいのある方たちを、人として、協力して育てていかなければ、その大人になったときに、じゃあどこへ行こう、どういうことをしようっていうそこまで育たない。やはり子どもの時からの、そういう人として支援するというのがやっぱりなければ、今の対症療法になっていますから、やはりそれを忘れてないで今後はそういう視点で見ていただきたいと思います。
　それで今国連の審査でも、報道等を見ますと、日本のインクルーシブ教育についての遅れというのがすごく指摘されてるということでした。
　今後、報告が出るということですけれども、今の時点では、やっぱり教育の問題っていろいろ、国のことにも関わるからここで県でどうだこうだっていうのは難しいと思いますけれども、やはり障がい者の権利条約ということの中に、差別、最初の子どもの時から差別のない共生の、神奈川県の「ともに生きる」ということであれば、やはりそれを進めるということで、今回はちょっと具体的には出ていませんけれども、今後の施策の中でまた考え方の中で、そこは絶対無視しないで、子どもの時からの共生の教育環境というのを、やはりそれは絶対忘れないでいただきたいなと思います。

（蒲原委員長）
　ありがとうございました。まさに今の県立の入所者のことも当然大事なんですけどもその手前というか、もともとの子どもの時からの対応の重要性について、ご意見をいただきましてありがとうございました。
　それでは、どうぞ、小西委員それでは、次よろしくお願いします。ペーパーも準備されてると聞いてます。

（小西委員）
　すみません、意見にはならないと思うんだけど、さっき冨田さんが言った通とおりに、ピープルファースト横浜では、職員面接をやってるので、対象的にはやってます。逆に今度は質問してます。
　契約書を書いて虐待の契約書を書いて、契約を組んでいます。それに対して、もし間違ったら、みんな言えるから、みんなこの人は駄目だよねっていう答えが出てきます。
　昨年度の、知事とのディスカッションで私たちの当事者の声を聞いてもらえる場所にとても嬉しかったってみんな言ってます。また作ってください。そういう場の神奈川県をもっと増やしてほしいです。そうすればお互いのことをよく知ります。
　次は２の方です。居室施錠や身体拘束、不適切な支援、その他の多くの虐待が出て、事案が出てきました。県は一つひとつの事案の背景を調べてもらいたいです。県立施設のモデルとなってるのは、市、今度は区が入ります。市区町村の協力してください。区は、我々の入口です。横浜市は特に区が18区があります。そこからスタートです我々は。民間の施設を引っ張ってもらいたいです。
　３は、職員と仲間のいろいろとチャレンジしてください。一緒に成功したり失敗してほしいです。いろいろなことを関わりを通し、一緒に、喜んだり、悔しがったり、悲しがったりしてください。そういうことが大切だと思います。民間施設で暮らす仲間も県立施設で暮らす仲間も僕にとっては同じ大切な仲間です、民間とか県立とか関係ありません。民間と施設とは関係なく、大切な仲間の職員と、本気で関わることです。民間ができるから、できるなら、県立も本気出せばできるでしょうという関係です。すいません。

(蒲原委員長)
　ありがとうございました。県立施設だけじゃなくて幅広く視野を持ってということを中心にご意見があったというふうに思います。それでは河原委員、少し時間の関係を少し短めでよろしくお願いします。それでこれを受けてちょっと事務方で今までの大塚さん、野口さん、小西さんについて少し言えることをまた意見を聞きたいと思います。よろしくお願いします。

（河原委員）
　はい。星谷会の河原です。委員長、今日時間がないのと、それから県立施設の方向性については次も議題、２回目以降も議題で上がる予定ですか。

(蒲原委員長)
　それは今後の進め方なのでちょっと具体的な日程までは、これからですけれども。

（河原委員）
　もし県立施設のあり方が、２回目以降あるのであれば今日、ちょっと資料を出させていただいてますけど時間がないので、次回以降のところで、補足をさせていただければと思いますが、よろしいでしょうか。

（蒲原委員長）
　それで今日の進め方ですけども、もともと11時目途ではありましたけども、若干ですね、すいません。少し、10分か10分プラスアルファぐらいは延長できるので、簡単に河原委員からご発言いただいて、あと残りの委員にもですね、少し今日の段階のご発言いただきたいというふうに思ってます。よろしくお願いします。

（河原委員）
　では、次回以降ということで、説明させていただきます。
　ちょっとご一読いただければ。前の委員会の時に出した資料で、いろいろな議題の中に入っていたので、今回県立施設ということで資料を出しましたのでご覧なって、次回以降のところでまた、ご説明する機会がありましたらお願いいたします。
　今日、中井の件が割と中心になってるので、中井の件で1件ほどご質問というか、当初の報告書で54件の調査で資料3－3で現在91件ということで増えてますよね。
　中井やまゆり園なりにはいろいろ今、園を改革しようということで、ご努力はされてるかと思います。
　これは私の経験です。かつて自分が他の法人で勤めていた時に、入所施設長に行きなさいという人事があってそれはそこの入所施設が、なかなかその権利侵害が多いところなので立て直してほしいと。それをやるに当たっては相当その人心も一新したり職員の意識改革協力がないとなかなかできないなってのはすごく実感をしております。で、調査事案であるとかその中でいろいろなことが出てくるのは、構わないわけなんですけども、今現在中井やまゆり園の職員一人ひとりが、どの程度の意識を持って、改革に臨もうとしているのかというところの、感触だけでもちょっと、同じ障がいのある方を支援する仲間として、その辺の状況がもし分かれば、お聞かせいただけたらというふうに思います。私の質問は以上です。

（蒲原委員長）
　分かりました。それでは佐藤委員から、おそらく今のことにも関連して、ご意見いただいた上で、全体を通じてそのあと今日発言していらっしゃらない委員に回します。

（佐藤委員）
　佐藤でございます。外部調査委員会を担当しておりまして、外部調査委員会に入ってらっしゃる方は大川委員も小西委員も入ってらっしゃるので、事情は分かってらっしゃると思いますけれども、今、中井、中井ということで、中井にフォーカスっていうか焦点が当たっていますけれども、旧津久井やまゆりの調査をした時も同じような感想を持っていますけれども、人間扱いをしていないっていう、先ほど野口委員のご意見ございましたが、居室施錠が一番典型的ですけれども、部屋に閉じ込めているというような取り扱いをしているということは、利用者の方はそこで生活されている方が、閉じ込められているのと同時に、職員も閉じ込められてるんですね。
　どういうことかというと社会から排斥をされているわけです。何でそういう状況になったのかということの分析が必要なんですけれども、その分析が実はできていないのです。そういう中で、先ほど数字が出ましたけれども、当初20数件から始まった中井の調査が現在91件ということで、増えてくると。91件のそれぞれの個別のケースについて、これが虐待では虐待でないんだという判断はもちろんそれは必要なことですけれども、なぜそういう事態になってるのかってこれ出方としては非常に異常です。
　施設虐待の調査は、もう何件も私、1人だけじゃないですけども、何件もやってきましたけど、こういう出方は異常です。
　何でそうなっているのかということをですね、施設の体制も含めて、もう一遍見直さないといけないというふうに思っていまして、先ほど大塚委員は、10月いっぱいでやれというふうにおっしゃいましたけども、率直に言って無理です。そんな短期間で調査が進むというような見通しを私は持っておりません。で加えて県立施設全体が抱えている問題。これ中井だけではありません。職員がどうしてそうなっちゃうのっていうことの前提問題があると思うんです。その分析が実はまだできていないというふうに思っておりまして、そこまで踏み込んでやるためにはもっと時間が必要だというふうに思っております。
　先ほど事務局の方の課題で何人ぐらいの施設だったらいいんだみたいな、ご質問がございましたけども、施設の利用者の数を減らせばいいという、もちろん減らした方がいいと思いますけれども、減らせばいいというような話で我々は議論をしているんじゃなくて、なぜ少ない方がいいのかっていうと、その人を見れるからです。
　その人を見る姿勢というものが、施設全体になければ、それは10人だろうが5人でも4人であろうが同じことです。
　そういう、その人自身を見ていくという姿勢が持てないという施設に何でなってしまったのかということをこれから分析しないといけないわけですね、その数の問題ではないです。
少ない方がいいと思いますけどね。少なければいいというそういう話ではないというふうに私は思っております。

(大塚委員)
　１点よろしいですか。

(蒲原委員長)
　すいませんそれでは大塚委員、少し簡単、簡潔にお願いいたします。

（大塚委員）
　佐藤先生、私1ヶ月でやれっていうのは、県立施設のことではなくって、県立施設でさえこのような状況であるから、県下の民間施設も含めて非常に心配だと。虐待も含めて権利侵害が多くあるのではないか。そのためには、例えば10月を虐待防止月間として、あらゆるところから、施設内あるいはグループホーム等において、虐待も含めた権利侵害については県に情報をくれと。そういう月間にしようと。そういう意味です。
　その調査して、結論を出すなんてそんなこと考えていません。今早急にやるべきことは、同じようなことが、今でも、あらゆる施設において行われているのであれば早急に月間を設けて、あらゆる情報を集めて早急に対応する、その1ヶ月にしようという意味です。以上です。

（蒲原委員長）
　はい、分かりました。進め方よりもむしろ、何を目的にどこに目的を置いてやるかという大きな理念みたいなところの関係はおそらくお二方一致しているのだと思いました。
　それで大変恐縮でございますけども少し私のちょっとまわし方もありまして、時間内に終わりません。一応11時15分ぐらいまでに、できれば終えたいと思っていますのでご協力をお願いします。その意味で言うとこの問題について、まだご発言されてない奈良﨑さんもペーパーが出ていますので、奈良﨑委員、林委員、大川委員にですね、それぞれご意見をいただいた後、少し事務局で答えるという形でいきたいと思います。よろしくお願いします。それでは奈良﨑委員からよろしいでしょうか。

（奈良﨑委員）
　はい。すみません奈良﨑です。今回いっぱい書いたんですがちょっと私、これは皆さんに紙で軽く読んでもらうと良いと思います。それで私今すごい気になったのか、１点あります。
　施設の建築が古い建物が、かなり多いじゃないですか実際。施設の建築って何年チェックとかあるんですか。例えばその辺が、私個人で民間施設に指定管理の評価委員会の時にお邪魔した時も、ずーっとこう、建物もそうなんですが何十年っていう建物とかそういう例えば国はこういうふうに施設とか建物をチェックするとかがあればその辺をやった方がいいのかなと。実際、私この前びっくりした三浦しらとり園にお邪魔したときに結構古すぎて、いつか地震があったり、台風があったら倒れちゃうんじゃないかとか、他人の施設なんだけどその辺がすごい心配してて、私が前働いてた老人ホームは、３年に１回はそういう建築の担当の人がきて、自分が建てた建物をチェックするとかその辺をちゃんと考えた方がいいのかなと今思いました。
　それでもう1点が一応、今回中井やまゆり園がメインで、多分佐藤さんが横にいるので言いづらいんですが佐藤さんとか小西さん、大川さんがいらっしゃるんですけど、基本はその虐待した本人さんにちゃんと伝えてほしいなっていうのがもう第一だと私は思うんです。そうしないとずっと多分虐待の中身が分からないと。それが改革できてないのでまずはそこに対してちゃんと本人向けのものを作ってほしいし、例えば今私がカードを神奈川県は作ってくれたからそういう意味で施設でもこう虐待が起こったらこういうものを作ってもらうとカードとかを、例えば音が鳴る機械、例えば私がよくお邪魔させてもらっているアメリカなんかは、カリフォルニア州の障害者児童施設通所は、本人さんに音を鳴らそうって言って何かあったら「ビー」とか、「ブー」とか音がどこでもなるような、仕組みをしているのでそういうものを作ってもらうと、何か本人たちがちゃんと気づくちゃんと自分が分かるよねっていう研修も是非やってほしいなっていうのが、以上です。

（蒲原委員長）
　ありがとうございました。それでは続きまして林委員です。林委員の後を大川委員、あと福岡委員もそのあとお願いしたいと思っていますが、林委員よろしくお願いします。

（林委員）
　林でございます。県立施設のところですけれども、三浦しらとり園だけは、知的障がい者と児もある複合施設ということですので、是非ここのところは児童も含めて、一緒に考えていただければなというふうに思いました。
　あともう1点、中井やまゆり園についてなんですけれども、現在、改善の取組みも開始しているということですので、是非改善して、良い取組みというか、効果があったことなんかも、少し聞かせていただければと思いました。以上になります。

（蒲原委員長）
　ありがとうございました。それでは大川委員、よろしくお願いします。

（大川委員）
　てらん広場の大川です。
　そうですね。検証委員会の方の考察で、人扱いしていないという、言葉があるんですけれども、そのことについて、私もずっと、どうしてそうなっていくのかっていうのを考え続けています。
　実は県立施設の中身っていうのはですね、中井の中身というか、今回調査で91件というのがあるんですけれども、本当は、私自身も知ってたんだよなっていうのが正直なところなんですね。おそらく、そのことを、具体的に何があったのかっていうのはね、分からなくても、このような状況であるということは、業界の人間、また、行政の方々もみんな知ってたんだと思うんですね。にもかかわらず踏み込めないでいたっていうのは一体何なのかっていうところをですねまだ、私自身の中で、答えが出せてないんですけれども、そのことと、彼らがなぜ入所したのかっていうことですね。この歴史が、中井には残されてない。また、語れる人間がいないんですね一人ひとりの歴史をですね。
　おそらく推察するに、地域で、暮らすことができなくなってるんですね。本人の課題ですかね、が非常に大きくてですね、関われる人がいなくなっている。
　最後、入所施設に入れてるんですけれども、地域は、その時に、「助かった」って言うんですよね。本人がいなくなったことで助かったっていう表現を使ってます。県立施設に入れて助かった。
　そもそもこの表現が大きな間違いなんですよね、本人が幸せになってるなら助かってるんですけども、目の前からいなくなっていくことで助かったという表現を、あらゆる人たちが使ってきてました。
　その事実について、やはり我々は向き合わなければならないだろうと。で、地域で暮らせない状況が、今度、入所施設の中で起きてるんですね。強度行動障がいに対応できている施設というような、謳い文句をずっと謳ったがゆえに、対応できてるはずっていうね、前提の中で、幸せに暮らしてるって。本当は思ってないのに、思い込めるような状況を作り続けてしまったんですね。で、今中井がやらなければならないのは、自分たちが何を目指して、何をやろうとして、何ができなかったのか。何でできなかったのか。何が難しかったのか。これを、もう正直に話しながら、検証しながら振り返る必要があると思っています。
　一人ひとり、今関わっていく中で、やはり市町村も含めて、本人に会いに来ない。本人の可能性っていうのを、もう考えられないんですね。これが人間扱いしていないって、そのことというのは、中井やまゆり園だけが、本人を人間扱いできてないわけではなくて、行政もケースワーカーも相談員も含めてですね、地域全体がそういうような関わり方になっている。
　だからこそ、この条例が必要であるというふうに私は考えてはいるんですけれども、中井をどうするのかっていうこととあわせてですね。一人ひとりの幸せをどうやって作っていくのか。中井で暮らしてる利用者さんの幸せをどうやって作っていくのかっていう、具体的な話をしていく必要がもうあるかなと思っています。以上です。

（蒲原委員長）
　ありがとうございました。
　それでは福岡委員、おそらくいろいろとお考えがあると思いますけれど、一言ご意見をいただけますでしょうか。

（福岡委員）
　聞くだけで、ちょっと頭と胸がいっぱいになっちゃっていて、話すチャンスを失いました。
今日、時間があれば聞きたいと思ったことはありますが、また次回以降。どんな具体的な取組みをされているか知りたいと思ったのは３つあって、意思決定支援チームが具体的にどういう営みをされているのかとか、支援改善アドバイザーが具体的にどういうアプローチされているかということはすごく知りたいです。
　あと、地域共生コーディネーターがどういう動きをしているか。こういうのは、全て本当は相談支援とサービス等利用計画とモニタリングの1丁目1番地の取組みなんだけど、どうそこと関わっているのかが分からなくて、そこをよく知りたかったのが一番です。
　あと、早く官民協働の県主導の自立支援協議会の活性化とか、相談体制の構築に一日でも早く取り組んでほしいというのが私の願いです。そういう意味では、検討が終わった３月から５ヶ月経っていますが、多分皆さん、大車輪で動かれていると思うんです。それを知りたいというのが一番の興味で、また次回以降、是非教えていただければと思います。

（蒲原委員長）
　ありがとうございました。様々な観点からの意見がありましたので、事務局の方で幾つか言えること、あるいは幾つか事実関係の質問がございましたので、３分ぐらいで発言をお願いします。

（事務局：髙橋障害サービス課長）
　大塚委員からいただいた地域移行というところは、次回の委員会でも県がどんなふうに考えて、指定管理に出したのかというのを出したいと思っています。また、虐待アンケート等その他いろいろご意見をいただいたことは、しっかり受け止めて、検討させていただきたいと思っています。
　あと、奈良﨑委員から言われた建物のチェックですが、県の施設として「長寿命化計画」というのがあって、建物として機能するかというのはしっかりチェックをしながら、定期的に計画的に修繕だとか何だというのを、今やっています。ただ、こういった障害者支援施設といった視点での、生活という視点ではなかなかそういったところがないので、三浦しらとり園を見ていただくと、かなり古いような居室といったことが続いている状況でございます。
　それ以外、今回いただいたご意見をしっかり受け止めて、検討させていただきたいと思います。中井の状況については、吉田の方からお答えします。

（事務局：吉田県立障害者施設指導担当課長）
　中井に今常駐しています、施設指導担当課長の吉田です。簡単に最近の状況をご報告したいと思います。
　特に今は、先ほどお話がありました、一人ひとりの利用者の理解というところを徹底してやることで職員の意識を改革していきたい。そういった取組みをしています。その中で、これまではどちらかというと、強度行動障がい、自閉症という視点からアセスメントしていて、そういう意味で、人として見ていくというところのスタートが切れていなかった。今回は、まずは子どもの頃からの生育歴を振り返って、親御さんとも意見交換しながら、まずご本人の人となりというものをしっかり把握して、そして、一人ひとりの利用者と一緒に人生を歩んでいく、作っていくのが施設の役割なんだというところの意識改革。これをケース会議等を通じて取り組みながら、意識改革に取り組んでいます。
　様々、いろいろな取組みをしておりますけれども、また次回以降、詳細のご報告をさせていただきたいと思います。以上です。

（蒲原委員長）
　佐藤委員、お手が挙がったので、一言よろしくお願いします。

（佐藤委員）
　時間の関係もありますので、簡単に。佐藤でございます。
　中井について言うと、最初に訪れた時に比べれば、今は相当変わってきています。ただ変わってきているのは、外部の目が入っているというところが、多分多いのだろうと思っておりまして、これがちょっと気を抜くと、すぐまた元に戻るだろうなというような感想を持っております。おそらく、外部調査委員会の委員の皆さんも同じ感想をお持ちだと思います。
　それで今日、将来展望委員会は、年度内はあと１回位を予定しているだけだというふうに聞いておりますけれども、それでどれだけ展望が見通せるのかというのは、ちょっと私としては、甚だよく分からないところあります。
　通過型施設ということを、もう盛んに言われるわけですね。これはもう何年も前から、全部どこでもそういうことを言うわけですけども、どうやったら通過型施設を作れるのかということについては、誰も語らないという状況が続いています。要するに、社会の中で生きていけるという経験を積んでもらうということをやらないと通過しないです。
　だから、その堅牢な建物で、奈良﨑さんが「どんな建物ですか」とおっしゃったけど、とても堅牢の建物で、およそ人間が生活するような建物ではないです。社会の中で生きていくという経験を積んでいただくことをやらないと通過はしないんですね。
　通過型施設だというふうにスローガン的に言うのはいいのですけれども、どうやって通過していくのかということを、この将来展望委員会では議論しないといけないと。それを、中井や津久井や芹が谷、そういった各県立施設で検討していくということが必要なんだと思っております。

（大川委員）
　中井の地域移行を考えたときに、宣言文で「仲間の元に戻る」というようなことを神奈川県は謳っているにもかかわらず、やはりそこの理解が、県庁、中井やまゆり園の職員が浅すぎる。関われる人がいなくなって入所している中で、関われる人をまた地域で作っていく、相談できる場所を作っていく。それは障がいサービス以外も含めて作っていくというような理解を、もっとしっかりとやっていただきたい。宣言文、非常にいいものを作っていると思うのですけども、そこの理解と推進をやっていただければ、自ずと中井は変わっていけると思っています。以上です。

（蒲原委員長）
　ありがとうございました。様々なご意見をいただきました。個別の中井のことはきちんとやりながら、だけど、そこからおそらく構造的な問題を抽出していって、しっかり対応していくという観点だったと思います。構造的と言いますけど、入所そのもののあり方については、入所は県立だけではなく、民間もあるよねと。入所に行くということは、地域の問題があって入所施設に入るのだから、地域があって帰れるのだから、その関係で初めて、これが通過型になるということで、結局、県立施設のあり方を議論しているけれども、実は幅広く、ちゃんと対応することで、あと野口さんがおっしゃったように、もともとこの時系列的な、子どもの頃からも考えて、結局ここを議論することは幅広く考えるということじゃないのかという意見だったというふうに理解をいたしました。
　この委員会は、今日の意見も踏まえまして、また改めてということで、引き続き事務局では検討をよろしくお願いしたいと思います。それでは、時間ぎりぎりになりましたけれども、今日もまた冒頭から黒岩知事にご臨席、かつ時間を延長してご臨席でございました。是非一言感想をお願いいたします。よろしくお願いいたします。

（黒岩知事）
　今日も熱心なご議論いただきまして、ありがとうございました。
　前回報告書をいただいて、普通ならば、この委員会は一度閉じるということになるのでしょうけれども、いただいた報告書を基にしながら、一生懸命条例制定に向けて、県庁あげて努力しているところであります。それと同時に、「わかりやすい版」というものを、これ多分日本で初めてだと思いますけども、同時に出るような形で準備をしているということであります。一度閉じたのかなと思ったら、またやっていただけるということ、そして全員がまた参加いただいたということ、本当に心から感謝申し上げたいと思います。
　そんな中で、中井やまゆり園の検証も進んでおりますけど、私自身も驚きましたけど、91件もの虐待という、不適切な支援といったものが浮かび上がってまいりました。それは、よくそれだけ出るような雰囲気になっているということでもあるので、しっかりと見つめ直していかなきゃいけないなと思いました。
　今日、皆様のご意見の中で、やっぱり人間として扱われていなかったのではないかということ。これは要するに、今も続いているということですね。そして支援者が人間として見ていないのではなくて、私も現場を見てみましたけれども、支援者は一生懸命やっているつもりであっても、人間としての扱いをしていないという、そういう状況にもなっているという現実もあるだろうと。
　そういう話を伺いながら、私の頭の中でぐるっとめぐっていたのが、植松死刑囚がなんて言っていたかと。「最初、障がい者はかわいいと思った。でも、人間として扱われていないというのを見て、こいつはいなくてもいいんじゃないかと思い始めた」という言葉がよみがえってまいりました。
　つまり我々は、この条例の制定のぎりぎりのところに来ていますけれども、条例ができたから、別にゴールに何もたどり着いていなくて、今直ちに動き始めないと、同じことが起きるということを絶対に否定する、我々は自信がない。
　最初に、小西さんから、ピープルファーストの皆さんから、津久井やまゆり園事件を絶対に二度と起こさないようにしなさいということを言われました。今、この分析中の状況だから、客観的に見てみると、まだ絶対に起きないというところまできてないということだと思いますね。
　ですから、これは本当にスピード感を持って、圧倒的パワーを持って進めていかなきゃいけない。条例というのは、非常に大きな力になると思いますけれども、条例ができたからといっても、全然人に浸透していなかったら何の意味もないわけでありますから、それはもう施設の皆さんに浸透することはもちろんのこと、全県民、全国民に対して浸透していくように努力をして、それが本当に形になって見えてくるということ。ここはやっぱり同時に考えて、我々は動き出さなきゃいけないなと、今日強く感じた次第でありました。今日は本当にありがとうございました。

（蒲原委員長）
　ありがとうございました。それでは以上をもちまして本日の議事はすべて終了ということになります。進行にご協力ありがとうございました。それでは事務局にお返しいたします。

（事務局：道躰参事監）
　次回の開催につきましては、委員長とご相談の上、各委員の皆さまともよく調整を図りまして、改めてご案内いたします。

　閉会のあいさつ