資料3−2 令和4年7月12日神奈川県議会厚生常任委員会報告資料 県立中井やまゆり園利用者支援外部調査委員会の今後の調査等について 中井やまゆり園については、令和元年7月に発生した骨折事案を再調査する中で、「事実であれば不適切な支援と思われる情報」を複数把握した。 把握した情報の調査を行うため、令和4年3月3日に「県立中井やまゆり園における利用者支援外部調査委員会」(以下「外部調査委員会」という。)を設置し、同年4月26日に調査結果(第一次)を公表した。また、外部調査委員会から虐待通報すべきと判断された5事案について、同年4月26日に関係自治体(9市町)に関係資料を送付するなどし、虐待通報を行ったところである。 現在までの調査内容や今後の対応、中井やまゆり園の改善に向けた取組について、報告する。 (1)外部調査委員会の調査について アこれまでの開催状況 〔第1回〕開催日 令和4年3月11日(金) 議題・調査の進め方の確認・個別事案の意見交換 〔第2回〕開催日令和4年3月25日(金) 議 題・個別事案の意見交換 〔第3回〕開催日令和4年4月11日(月) 議題・個別事案の意見交換 〔第4回〕開催日 令和4年4月26日(火) 議題・個別事案の意見交換・調査結果(第一次)のとりまとめ 〔第5回〕開催日令和4年6月7日(火) 議題・調査の進め方の確認・個別事案の意見交換 イ調査対象としている事案(54件) (ア)骨折事案の再調査を行う中で把握した情報 匿名アンケートや職員ヒアリングを実施し、事実であれば不適切な支援の情報を38件把握した。 (イ)外部調査委員会における調査を行う中で把握した情報 令和4年3月以降、外部調査委員会の調査で、新たに12件の不適切な支援の情報を把握した。 (ウ)外部調査委員会から調査を指示された事案 外部調査委員会から調査を指示された過去3年間の死亡事案4件について、適切な時期に医療の提供ができていたか等、調査を行う。 ウ現在までの調査状況 ・虐待通報し市町村と調査していく事案や既に職員の処分や公表が終了した6事案を除いた48事案について、調査を継続する。 ・調査を継続する48事案について、全て書面調査を完了し、関係する職員に対するヒアリングを行っている。 エ今後のスケジュール 7月以降調査結果のまとめ 第6回外部調査委員会を開催 ・職員等ヒアリングの結果について ・調査の進捗状況について 第7回外部調査委員会を開催 ・調査結果について 第8回外部調査委員会を開催 ・調査結果報告書について (2)県立中井やまゆり園の改善の取組について 県立中井やまゆり園利用者支援改革プロジェクトチームからは、組織の風通しの悪さや職員の支援技術の不足を指摘されていることから、組織執行体制の改善を図るため、次の取組を開始している。 ア複数の本庁職員が園にほぼ常駐し、園とともにマネジメントを改善 ・園と本庁が一体となり、運営体制の改善策を検討するため、 毎週行われる園の幹部会議(運営会議)に本庁職員が参加 ・園内のコミュニケーションを活性化し、職員の意識改革を図るため、園の若手職員と幹部職員、本庁職員が意見交換を実施 ・園長がリーダーシップを発揮して、職員一人ひとりの改革意識を醸成するため、園長が全職員宛のメッセージを定期的に発信 ・利用者の意思決定支援を推進するため、本庁の意思決定支援チームを新たに投入し、園での取組を開始 イ男性寮5寮、女性寮2寮の7寮体制を、男性寮4寮、女性寮2寮の6寮体制に再編(6月1日実施) ・職員配置を手厚くするとともに、利用者の見守りを丁寧に行い、職員間の連携を強化し、身体拘束廃止、事故防止を推進することを目指す。 ・身体拘束をなくしていくため、空いた寮の居室をクッションフロアにするなど、改修を実施する。 ウ民間スペシャリストによる当事者目線の支援の実践指導 ・支援改善アドバイザーを3名配置し、当事者目線の支援の  実践に向けた指導を実施 ・地域共生コーディネーターを1名配置し、施設外での日中活動の場を開拓 エ見守りカメラの増設等 ・夏を目途に、現在の2寮12台から6寮70台へ増設 ・映像の保存期間を1年間に延長 オ施設外の事業所利用や地域生活への移行に向けた取組 支援改善アドバイザーから助言を得ながら、あらためて、利用者一人ひとり丁寧に、再アセスメントやケースカンファレンスによる検討を行い、施設外の事業所の体験利用など地域生活への移行に向け、取り組む。 カ御家族にアンケート調査を実施 園の運営に対する率直なご意見等を伺うため、5月7日から27日までの間、104の御家族及び後見人に対し、アンケートを実施した。 (ア)回答状況32件 (イ)回答の概要 ・回答の多くが、外部調査委員会の調査結果(第一次)に関して、「調査結果や報道を見て、衝撃を受けた」、「利用者のことを思うと胸が痛い」といった悲嘆の声をいただいた。 ・また、「なぜこのようなことが起きていたのか、しっかりと検証してほしい」、「これまで事故と聞かされていたものも職員によるものではないかと疑心暗鬼になってしまう」といった調査結果(第一次)に対する意見や、園の運営や利用者支援(施設の雰囲気や風通し、人員配置、マネジメント、施設の閉鎖性、支援力向上など)についての指摘・要望もいただいた。 (ウ)今後の対応 回答は、今後の園の改革に繋がる貴重な御指摘や御要望であり、内容を検証し、園の改善に生かしていく。