資料6(別紙) 当事者目線の障がい福祉実現宣言 〜あなたの心の声に耳を傾け、お互いの心が輝くことを目指します〜  津久井やまゆり園事件のような悲惨な事件を二度と起こさないために、私たちはこれまでの障がい福祉のあり方を根本的に見直し、「当事者目線の障がい福祉」に大転換することを誓います。それは「あなたの心の声に耳を傾け、お互いの心が輝くことを目指す障がい福祉」です。  私たちは「虐待」は絶対に認めません。強度の行動障がいの方に対して、周りの人や自分を傷つけるから、音や光などに過敏に反応し過ぎるから、長時間、部屋に閉じ込めておく、車いすに縛り付けておく。これまではそんな支援が当たり前のように行なわれていました。  安全安心のためにやむを得ずということでしたが、それは明らかに「虐待」です。「虐待」は絶対に許されることではありません。  あなたは障がい者であるまえに、人間です。人間だから人間らしい扱いを受けるのは当然の権利です。  私たちは部屋に閉じ込められている当事者ご本人の目線に立って考えます。なぜ、あなたは周りの人や自分を傷つけるような行動をしてしまうのでしょうか。  もしかしたら、あなたは自分の気持ちをうまく表せないだけかもしれません。自分の気持ちを聞いて欲しいと訴えているに違いないと考えて接すれば、全然違ったサポートができるはずです。  私たちはそんなあなたの心の声に全身全霊で、耳を傾けます。あなたの思いを受け止め、工夫をしながらサポートします。そうすればきっとあなたは安心してくれるに違いない。それが私たちにとっても大きな喜びにつながるはずです。それがお互いの心が輝く障がい福祉です。    施設は終の棲家ではありません。あなたが地域の仲間たちとのつながりの中で暮らしていけるよう、一緒に考え、準備をする場です。  そんな支援を実践しているところが実際にあります。別の施設では部屋に閉じ込められていた人が、生き生きと働く姿は感動的です。そういった成功事例を多くの関係者が学び、実践していけば、必ずや、「当事者目線の障がい福祉」は実現できるはずです。  どんな障がいがあっても、支えあい、愛と思いやりにあふれ、みんなのいのちが輝く、「ともに生きる社会」を実現するべく全力を尽くすことを誓います。  令和3年11月16日 神奈川県知事 黒岩祐治