資料4 第31回神奈川県障害者施策審議会(11/2開催)追加意見ついて (1ページ目) 議題1(資料1−1〜資料2−2) 神奈川県障がい福祉計画の改定について 委員名 在原委員 資料番号・該当箇所、資料1−2 P5 ウ 障がい者の地域生活を支える支援の充実 (コ)持続可能な障害福祉サービス等の提供 委員意見  感染症や災害時などにも事業継続していけるように支援するということは重要で、業務継続計画の策定支援も重要なのですが、感染防止対策を継続すれば、事業が継続できる、というような記載に読めます。  県では、福祉事業の継続のための方策(法人を超えて支援者を派遣するなど含め)を実施していると思いますが、非常時の事業継続のためには、一法人、一事業所だけでは解決できない課題が多くあり、多法人間連携や自治体の積極的関与が必要になっています。  そのような点も含んだ記載にしていただきたいと思います。  なお、些末なことかもしれませんが、「持続可能な」という用語は、昨今の障害福祉施策の関連では「財政的に現実的・合理的なあり方を念頭に」というようなニュアンスで読まれることが懸念されます。  「継続可能な」の方が自然な気がしますが、いかがでしょうか。 議題2(資料3)  かながわ障がい者計画の進行管理について 委員名 在原委員 委員意見  ご提案いただいた、点検評価の見送りについてですが、新型コロナウイルス感染拡大によって評価対象となる事業実施が大きく影響を受けたことと、評価業務を行う側の体制の問題で、通常のような評価点検が行えないことはやむを得ないものと思います。  一方で、障害者施策、障害福祉サービスが新型コロナの感染爆発によってどのような影響を受けたのかを集約して記録し、課題は何だったのかを分析し、今後に活かしていく必要があります。  8つの施策分野の全てを点検評価するのは今回は見送るとしても、コロナ禍の影響が直接的に大きかったと思われる部分などだけでも、情報収集と分析を行っていただければと思います。  ただし、今年度中には難しいのであれば、R2年と3年を合わせてでも良いと思います。  例えば、成果目標2−(2)のホームヘルプ利用人数については、コロナ禍で利用が減っていると思います。  これは利用者とサービス提供者どちらにとっても非常に難しい状況があったと推測されます。  また2−(1)のグループホーム利用人数については、数値としては目標を達成しているわけですが、ステイホームで日中活動や仕事に行けなかったり控える入居者への支援について、相当の対応が必要になり、同時に、居宅内で他者との接触をゼロにはできない性質のサービスであることでの困難さがあったはずです。 (2ページ目)  今後、同じような感染症まん延状況になった際には、支援継続のために何が必要か、県としてできることは何かを検討できる材料を集めていただきたいと思います。 (3ページ目) 報告事項1(資料4−1、4−2)  当事者目線の障がい福祉に係る将来展望検討委員会中間報告について 委員名 金子委員 資料番号・該当箇所、委員意見の順で記載 資料4−2 P51 (障がい保健福祉圏域との関わり)について ○ 各県立施設が障がい保健福祉圏域をどうカバーしていくべきかという、これまでの設置の経緯も踏まえ、指定管理者が、それぞれの所在地域のアセスメントを行い、地域性等に応じて、日中支援の場やグループホームを新たに実施できるよう、一定の権限、裁量権を持たせることも検討すべきである。 委員意見  障がい保健福祉圏域との関連では、現在、神奈川県において活動している各圏域の自立支援協議会は、地域における障害者支援体制の構築を主な目的としているため、この主要なメンバーを将来展望検討委員会の構成員として加えて検討して欲しいです。  そうでなければ、各圏域の自立支援協議会の存在意義がなくなり、この将来展望委員会の検討は完結しないと考えます。 資料4−2 P52 (県立施設改革の視点)について 〇 神奈川の県立施設は、費用対効果についてはどうなのか。厚い職員配置も含めてきちんと検証しないと、公というものの機能の再定義ができない。 委員意見  今後の県立施設のあり方として、利用者の願いや希望に寄り添った支援を行う施設や地域の支援拠点として、地域に貢献する施設となるには、「厚い職員配置」と考えられていますが、現状は、単に国基準より多いということでしかないと思います。  現状の勤務体制において、慢性的な長時間勤務等はなかったのかどうか?を教えて下さい。  また、そのような実態把握などの調査・分析はされていたのかどうか?についても伺いたいと思います。 資料4−2 P53 (2)県立障害者支援施設の役割と機能 〇 「県立施設の役割というのは、民間では担えない機能というものを担う」という考え方は、よく言われる話だが、袖ケ浦福祉センターでも同じような議論がずっとなされてきた。結局は、民間施設でも担える、ということが議論の終着点だった。だからこそ、県立施設を廃止するという結論となった。  もし県で、民間では担えない機能を県立で担うというふうに位置付けるのであるならば、その機能とは何だということを、今後さらに議論すべきである。   委員意見  県立施設としての存在理由は、県内の障害福祉サービス事業所に対する指導・監督、助言、運営支援等を行うため、政策を実行する臨床(実行)部門として経営されていると考えます。  このことは、行政が実施する施策(事業)について、政策評価をする場合の基本的な考え方として、PDCAサイクル(計画〈plan〉、実行〈do〉、評価〈check〉、改善〈action〉)というマネジメントのプロセスがあり、県立施設は、このプロセスの政策実行(臨床部門)であると考えます。  このため、この福祉政策の実現のために、ある一定のグループとして、どのくらいのグループ(規模)として設定すれば、地域支援の拠点、基幹的な相談支援機能、センター・オブ・センター機能、人材養成機能、意思決定支援の方法・発達障害児・医療的ケア児の支援プログラム等の調査・開発等を行うことが出来るかを検討し、施設としての規模等を決める必要があると思います。 (4ページ目) P52、54、55、60、61、63(県立施設として目標とするべき機能) 1 (県立施設改革の視点) 地域の支援拠点(P52、下から13行目) 2 A 相談支援体制の構築 障がい保健福祉圏域全般の基幹的な相談支援機能(P54、下から2行目) 3 各市町村の基幹相談支援センターの支援を行うセンター・オブ・センター機能(P55、7行目) 4 地域生活移行のエンジンとして活動(P55、11行目) 5 クオリティ・オブ・ライフ(生活の質)を高めていく(P60、6行目) 6 (3)地域資源の充実に向けて 障がい当事者の地域生活を支えるソフト・ハードの地域資源が必要十分に整備されること(P63、9行目) 委員意見  県立施設として目標とするべき機能として、記載されている次の6つの機能は、ひと、もの、お金が、これまで以上に必要となると考えますが、本当に実現可能なのか伺いたいと思います。 1 地域支援の拠点 2 障がい保健福祉圏域全般の基幹的な相談支援機能 3 センター・オブ・センター機能 4 地域生活移行のエンジンとして活動 5 クオリティ・オブ・ライフ(生活の質)を高めていく 6 障がい当事者の地域生活を支えるソフト・ハードの地域資源が必要十分に整備されること 資料4−2 P54  A 相談支援体制の構築 ○ 人は、何か決定する前にも相談するし、決定した後も相談する。したがって意思決定支援は、常に 相談相手がいないといけない。弱い人が、迷いながら何か決めているという前提で、「あなたの決定に他の人も関わりますよ」というのが意思決定支援である。意思決定支援を推進していくためには、相談支援体制を構築することが必須であり、県立施設がそういった相談支援体制の構築にどう関わってくのか、今後検討すべきである。 委員意見  県立施設が「基幹的な相談支援機能」を持つことも、地域の利用者にとっては必要と思います。  しかし、自分の事業所、そして地域の利用者の支援について、人権侵害も含めて第三者的な立場で関わるのが相談支援専門員だと思います。  残念ながら、神奈川県の相談支援専門員の資質及び人員は、十分とは言えない状況です。  このことから市町村だけに任せにするのではなく、もっと県が主体的になって動く必要があると思います。 (4ページから5ページ目頭にかけて) 資料4−2  P61 (1)県立障害者支援施設の改革 ・ 県立施設の支援の質の向上については、県において、実践的な研修プログラムを策定するなど、できることは速やかに着手されているが、大規模入所施設としての施設運営の基本構造(インフラを含む。)については、事件直後の、今から5年前に再生基本構想が策定されてから、新たな検討は行われていなかった。   委員意見  職員が行う支援の質の向上に関する実践的な研修プログラムは、支援の質の向上に大切ですが、それだけでは日々の支援を行っている職員の資質の向上には、現実的には中々難しい面が多々あると思います。  このため、早急に神奈川県の専門家を結集して、診断(支援)、利用調整会議の開催方法、面接、アセスメント、ケース検討会の開催方法及び支援プログラムなどについての具体的な利用者支援に関する当事者目線のガイドラインを策定し、支援現場で活用できるようにして欲しいと思います。 (6ページ目) 報告事項2(資料5)  中井やまゆり園における利用者支援について 委員名 金子委員 委員意見  今後の県の対応として、プロジェクトチームが設置されることは良いことだと思いますが、本当にそれだけで改善できるのか?疑問が残ります。  今年3月に「障害者支援施設における利用者目線の支援推進検討部会報告書」が出されたり、今年5月の記者発表では、「県の今後の取組みとして、関係市町村の助言を得ながら、中井やまゆり園の支援の改善を進めます。」と発表されてきました。  しかし、10月3日の共同通信の報道では、(【資料5】にも書かれてありますが)、園長は取材に対し、9月時点でも3〜4人について20時間以上施錠していることを認めています。(その後少し減少したようですが)  また、職員からは「今も実態はあまり変わっていない。8時間以上連続して施錠しないよう数時間 ごとに5〜10分ほど解錠するようになったが、声を掛けるわけではないので、入所者は気付かずその間も部屋にいる。これで『長時間の施錠はなくしました』と言うつもりだろうか…」などとの証言も得られています。  ここまで様々な対応をしてきても、何故?実態が変わらないのでしょうか?これまでも県は、何か問題が起きた時に多くの場面で、「施設職員に対して、虐待防止や利用者目線の支援などに向けた研修などを充実させて、人材育成を行います。」という回答をされてきました。  しかし、研修などを行って優秀な人材が増えれば、それで本当に「身体拘束」や「虐待」の問題は解決するのでしょうか?  また、以前のこの審議会でも、「職員が増えれば良くなるかというと、必ずしもそうではなく…」という委員の方からのご意見もありましたが、本当にそうなのでしょうか?  勿論、5年前に事件を起こしたような加害者や、虐待を繰り返すような職員が増えることはもって の外ですが、今後、現場に見合った職員の数を増やすことは必要ではないかと思います。  本当に現在の問題を解決しようとするならば、関わる人の賃金を上げてしっかり保障し、人材の質の向上だけでなく、現実の対応に見合った職員の数を確保する事が絶対に必要と考えます。  当たり前のことですが、1人の職員が5人の利用者を支援するよりも、2人の職員で5人の利用者を支援する方が、手厚い支援が出来て身体拘束を避けられることに繋がると考えます。  ある障害者支援施設の職員からは、「重度な強度行動障のある人の拘束を本当になくそうとするならば、3〜4人で交代しながらマンツーマンで24時間の介助が必要だ」ということも伺いました。  県も国の基本指針を踏まえて、強度行動障の方に対する施策などを検討されていると思いますが、その「国の基準」が中井やまゆり園だけでなく、他の施設も含めて「拘束や虐待」をなくしていくための現状に合っているのか?を県としても、もう一度考えて欲しいと思います。  今の状況が続くのであれば、質の高い優秀な職員にシワ寄せが行ってしまい、結局はその優秀な人材が潰れて行ってしまうことを危惧しています。  プロジェクトチームの設置も重要なこととは思いますが、もっと職員数を増やすという根本的なところからの取り組みも重要なのではないでしょうか? ※ その他報告事項については、追加意見無し (終わり)