様式3 (1ページ) 審議(会議)結果 審議会等名称 第32回神奈川県障害者施策審議会 開催日時 令和3年11月25日(木曜日) 10時00分から12時00分まで 開催場所 神奈川県庁新庁舎5階 第5会議室 出席者【会長】小川委員、【副会長】堀越委員、河原委員、鈴木委員、金子委員、野口委員、谷田川委員、内藤委員、安藤委員、伊部委員、成田委員、在原委員、佐藤委員、杉山委員 次回開催予定日 令和4年2月上旬頃 所属名、担当者名 障害福祉課調整グループ 山下・小澤 電話 045(210)4703 ファクシミリ 045(201)2051 掲載形式 議事録 審議(会議)経過 以下のとおり (事務局)  県参事監兼福祉部長挨拶 (小川会長)  それでは、早速「議題1 神奈川県障がい福祉計画の改定について」事務局から説明をお願いします。   (事務局)  事務局から資料1、資料2について説明   (小川会長)  ありがとうございました。ただいま事務局から説明がありました計画案について、これから皆様の御意見をいただきます。まず、河原委員どうぞ。 (河原委員)  事前に改定素案について確認した中で、資料2について意見をまとめております。4ページ(7)基本的な視点「障がい者が地域の仲間たちとのつながりの中」という部分に関して、「仲間」というと内輪のようなイメージであるので、「住民」または「社会」の方がいいのではないでしょうか。  「ア 障がい者の自己決定の尊重と意思決定の支援」について、「意思決定支援の考え方を、県内の障害福祉サービス事業所等に普及」とありますが、社会にも広げる必要があるのではないでしょうか。   (2ページ)  「イ 地域生活への移行及び地域生活の継続に向けた支援」「(ア)地域資源の充実」の中で、「施設・病院から地域へ」とありますが、家庭の中で家族の庇護のもとに生活し、社会と関わりを持たない人についても地域との関わりを持って生活できるようにする必要があるのではないでしょうか。また、「(イ)障害者支援施設における「当事者目線の支援」の実践」において、事業所等の連携や事業所の連携とありますが、事業所だけでなく、地域コミュニティとの連携も必要ではないでしょうか。  5ページ「ウ 障がい者の地域生活を支える支援の充実」について、「(イ)障がい特性等に配慮した支援」で「障がいの状態」とありますが、障がいの状況だけでなく、障がいそのものから生じる様々な困難についても把握し、配慮する必要がありますので、「障がいの特性」という言葉も必要ではないでしょうか。  「(ウ)相談支援体制の構築」で「各種ニーズに対応する相談支援体制」に関して、まずはニーズが何かを把握する必要があります。聴覚障がい者のニーズを把握するためのコミュニケーションを支援する体制も必要ではないでしょうか。  「(エ)障がい児支援体制の構築」で「障がい児の健やかな育成」と記載されています。「健やかな」という言葉には心身ともに健康という意味合いがありますので、ここで使うのはどうかと思います。「全人的な育成」という表現はどうでしょうか。  6ページ「(キ)専門的な支援を必要とする方に対する地域支援体制の充実」で「地域の仲間たちとのつながりの中で」とありますが、「仲間」というと内輪のようなイメージであるので、「住民」または「社会」の方がいいのではないでしょうか。  7ページ「(サ)障がい者の社会参加の促進」では、文化芸術だけではなく、スポーツに関しても記載した方がいいのではないでしょうか。  8ページ「エ 障がい者虐待の防止及び差別解消の推進 (イ)障がいを理由とする差別の解消の推進」では、苦情の受付や解決への働きかけの強化についても記載した方がいいのではないでしょうか。  30ページ、課題の4つ目に「音声言語発達等への影響が最小限に抑えられる」とありますが、聴覚障がい児は音声言語だけでなく、視覚言語である手話も必要であり、双方の習得の支援を行うことにより、全人的に成長できるようにすべきですので、手話習得の支援についても記載すべきではないでしょうか。  33ページ「難聴児支援の体制の構築」について、当事者団体から意見を聞くだけでなく、当事者団体も福祉、医療、教育等の関係機関と連携する必要があるのではないでしょうか。  66ページ「(キ)手話通訳者・要約筆記者養成研修事業」及び「(ク)盲ろう者向け通訳・介助員養成研修事業」では、増加する手話通訳者、要約筆記者、盲ろう通訳・介助員のニーズに対応するためには目標数の増が必要ではないでしょうか。  69ページ「(ウ)情報支援等事業」の「a 手話通訳設置事業」及び「b 手話通訳者・要約筆 (3ページ) 記者派遣事業」について、実際に生活、医療など身近な日常生活又は社会生活の場面での意思疎通支援事業を担う市町村の設置・派遣事業の充実のための支援が必要ではないでしょうか。  73ページ「h 特別促進事業(聴覚障がい児等手話言語獲得支援事業)」にて、33ページに記載されている難聴児支援事業の中に組み込むなど、難聴児支援事業との連携を図る必要があるのではないでしょうか。   (小川会長)  河原委員ありがとうございました。御発言の要旨は、素案の表現の仕方、追加して欲しいこと、それから、障がい当事者団体の支援体制検討への参画、市町村と県の関係が大きな柱になっていたかと思います。これについては、まだ素案の段階ですので、これから文言をどのように取り入れるか、あるいは、どこでどういう表現をするかというところは、事務局の方で改めて検討することになると思いますが、今の御発言に関して事務局から何かコメントはありますか。   (事務局)  ありがとうございます。御意見のポイントは大変よく分かりました。計画に反映できるところと、取組の中で今後検討して、そこで反映していくような、例えば、障がい者団体との連携といったものもあると思いますので、個々に検討させていただいて、結果は改めて御説明させていただければと思っております。 (小川会長)  河原委員、ひとまず事務局の方でまた検討をして、次の案に反映するものと、それから別の形で表現するものも出てくるかと。よろしいでしょうか。   (河原委員)  はい。大丈夫です。 (小川会長)  それでは、他の委員の方にも御発言をいただきたいと思います。伊部委員どうぞ。 (伊部委員)  先ほどの河原委員のお話を伺って、私はストンと落ちた部分があります。この障がい福祉計画というものは、やはり県民と一緒に作っていくという視点や心意気みたいなものを感じられるようにした方がよいのではないかと思います。   (4ページ)  結論は、最初の文案のところに総合的な文章、要するに、県民とともに障がい福祉社会を作っていくというような文章を入れた方がよいのではないかと思います。これから住民の代表である県議会に諮ると伺っていますが、確かにこの審議会は、事業者や障がい者団体、学識経験者等の関係者が集まっておりますけれども、やはりそこでまとめていくにしても、県民を意識した表現が必要だと思っています。  一つ、考えられることとして私がこの場で思いついたのは、県が実施している県民意識調査のところで、きめ細やかな調査をされておりまして、その中から読み取れるものを、冒頭の部分で入れるということが可能なのではないかと。そうすることによって、この計画が一部関係者の計画ではなくて、県民全体で作っていく、また、県民全体で実施していくという視点、河原委員のお言葉で言いますと「社会」として作っていくということが伝わるのではないでしょうか。  ただ、もう1点、資料2の59ページの第三者評価については、これは厚生労働省との関係もあって、障がい福祉計画に馴染むかどうかという、微妙な部分があると私は認識しております。この計画に掲載するかどうかは別として、少し預からせていただき、所管の地域福祉課と私共の所管の部署と調整をお願いしたいと考えております。   (小川会長)  ありがとうございます。意見の都度、それに対する事務局の回答となると細切れになってしまいますので、今の2点の御意見については、後ほどお答えいただいきたいと思います。それでは、鈴木委員御発言お願いします。   (鈴木委員)  支援していただく従事者の養成研修、手話通訳者だとか失語症向け意思疎通の関係の記載はあるのですが、視覚障がい者向けの意思疎通支援者の養成というところが、記載がないのか読み取れていないのか分かりませんが、具体的な内容として記載して欲しいと思いますので、よろしくお願いします。   (小川会長)  鈴木委員ありがとうございます。意思疎通支援のことについて、後でお答えいただきます。他に御意見はありますでしょうか。   (成田委員)  記載の表現についての話になります。資料2、4ページの「ア障がい者の自己決定の尊重と意思決定の支援」についてのところで、少し引っかかるのが2行目「当事者本人には必ず意思 (5ページ) があるという前提に立ち」という部分。意識的にこのような記載になっているのかなと今までも理解しようと頑張ってきたのですが、意思があるかないかの問題になるような気がして、私自身ここは「当事者本人の意思を尊重し」として続けていくのが、読み取りやすいと思っています。 (小川会長)  今の成田委員の御発言に関連して、表現について何かありますか。 (堀越副会長)  今、成田委員がおっしゃったところは、私も若干気になっていて、この文脈は、「意思を持たないというふうに今までは考えられがちだったどんなに重い障がいをお持ちの方でも」という隠れた前提があるはずですね。ただ、それがない状態でこの言葉がポンと出てしまうと、成田委員の御懸念のとおりだなと。そういう前提を書くなら書く、書かないなら書かないで、成田委員の御指摘のような修正案がよろしいのではないかと思いました。   (小川会長)  ありがとうございます。この件について何か御意見はありますか。  表現の問題かと思いますし、当事者目線の検討委員会の方でも、おそらく、こういったことに関連したことで、詳細に表記されるものと思いますけれども、文章としての誤解を受けることなく表現するには、どのように記載したらよいかということで、一つの意見として、成田委員の御意見「当事者本人の意思を尊重し」というものが前提にあるということ。これについては、後ほど事務局の考えを聞きながら進めたいと思います。  他に御意見ありますでしょうか。佐藤委員どうぞ。   (佐藤委員)  成田委員及び堀越委員の御意見に関連しての意見です。どんな人にも意思があるのだということを、いろいろな委員会で申し上げてきたわけですが、補足で言えば、現実に意思があるかないかという問題ではなくて、意思があると思えということなのです。いろんな医学的なデータや心身の状態などを見て、この人は本当に意思があるのだろうか、ないのだろうかと思うことはあると思いますが、現実にあるかないかという話ではなくて、あると思えということなのです。なので、本当に意思が分からない場合もあるということです。分かりにくいと言われるようであれば表現を変えた方がよいかもしれませんが、ここに来られている委員からの御意見はそういうものだと私は理解しております。 (6ページ) (小川会長)  佐藤委員の意見は分かりました。まず、意思があるということを思わないといけないということを強調する表現というのが一つあると思うし、成田委員や堀越委員からすると、当事者本人の意思を尊重という、意思があるという前提の表現。どちらも同じことを言っていると思うのですが、これはまた修正案の中で正しく表現されればと思います。 (小川会長)  他に意見はありますか。   (河原委員)  今のお話を聞きまして、私個人としては2つあります。  一つは、どんなに重い障がいをもっている人、自分の意思を他の人に伝えるということができない、難しいという人でも、本人が持っている意思をその意思が何なのか、きちんと把握する必要があります。    もう一つは、聞こえない人ですが、情報がないということで、コミュニケーションができない、自分の意思をはっきり決めることができないということがあると思います。ですので、きちんと情報を伝える、コミュニケーションを行う、自分で考える、自分の意思を決める、自己決定をできるようにする。この2つの意味があるのではないかと、個人的には思います。   (小川会長)  いろいろと整理していただきありがとうございます。おそらくこの基本的な視点のところでは、トータルに全体をまとめていて、河原委員の2つの見方というのは、本文中の様々な事業・サービスの箇所で、外してはいけないことがあるということで理解しました。金子委員、何かありますでしょうか。   (金子委員)  2点あるのですが、1点目は、資料2、2ページ目「(5)基本理念」の部分。言葉の問題なのでそれほど重要ではないと言われるかもしれませんが、自助・互助・共助・公助と書かれています。この並び方には特に意味はないのでしょうか。この間コロナの政策が出たときに、一番最初に自助をやって、自助が駄目だったら最後に公助というような、まずは自分で頑張る、どうしても駄目だったら、国がやるみたいな表現だったのです。これは、やっぱり障がい者側から見ると、自分で頑張って駄目だったら、最後に県がやるというようにとらえてしまうので、この並び方に意味があるのか、なぜこの並びになったのかということが1点。  もう1点は、11ページ。ここから地域移行について、いろいろと説明が出てくるのですが、 (7ページ) 地域移行の一番重要なポイントとして、グループホームという言葉がずっと出てきます。確か2年前に私がこの委員にならせていただいたときに、障がいのいろいろの県のデータが出てくる中で「障がい者」と一括りで、身体、知的、精神と分かれたデータがなかったのです。グループホーム一つにとっても、やはり身体、知的、精神それぞれ違ってくると思います。例えば私の場合は、頚髄損傷で障害支援区分6の最重度なのですが、神奈川県内どこを見ても、私のレベルを受け入れてくれるグループホームはたぶんないのではないかと思うのです。そういったことから、イメージが湧かないので、出来れば障がい別にグループホームがどういう役割をしているのかを書いていただけると、どの障がいのグループホームが必要で、足りないとかそういったところが見えてくるのではないかと思います。その辺の検討をいただければと思います。 (小川会長)  ありがとうございます。もう1人受けて、事務局の方にまとめてお答えいただきたいと思います。野口委員いかがですか。   (野口委員)  私からは特段ございませんが、河原委員、金子委員の御意見は大変共感いたしましたので、ぜひ、御指摘部分について検討していただきたいと思います。また何か出てきたら、改めて発言させていただきます。   (小川会長)  他に御意見はございますか。鈴木委員どうぞ。   (鈴木委員)  僕の解釈になると思うのですが、地域移行というのは、いわゆる一般就労ということを指しているという理解なのか、そこのところの説明を少し加えておくとよいかと思います。よろしくお願いします。     (小川委員)  ありがとうございます。ここで事務局の方から、これまでの御意見や御指摘等について、今の段階での見解といった、すでにはっきりしているものははっきりと、宿題となるものは宿題というように答えていただきましょう。 (8ページ) (事務局)  御意見ありがとうございました。まず、表現の話をいくつかいただいております。県民と共に作っていくというような文章を入れた方がいいということですとか、「どんなに重い障がいがあっても・・・」というところのお話ですとか、自助・互助・共助・公助のところです。  これらにつきましては、先ほどの「どんなに重い障がいがあっても・・・」というところでも、いくつか意見が出たような状況もございますので、それらを総合的に考えて、必要に応じて修正を検討したいと思います。県民と共に作っていくというところも、何かよい表現があれば、そこは入れる方向で考えてみたいと思います。   また、金子委員から御意見がありました、自助・互助・共助・公助の部分につきましては、正直申し上げて、何か順番に意図があるという認識はございません。現行計画で、そのような順番で入っていたものですから、ここの部分は、現行計画を引き継いだような形でそのまま入れています。どういった順番がよいかというのは、そのような視点がなかったものですから、改めてどういった表現が一般にされているのか等も含めて確認し、考えていきたいと思います。    鈴木委員からは地域移行の部分の話もありましたけれども、地域生活移行については、一般に、施設の入所からグループホームや御自宅等に戻られるということを指したものでございます。  全体の説明の際に申し上げればよかったのですが、言葉の意味等が分かりにくいものもあると思いますので、脚注や用語集のようなものを計画の後ろの方に参考で載せることを考えており、言葉によっては、その中で詳しい説明をしていくことになろうかと思います。素案では間に合っておりませんが、完成形としては、そういったものを想定しております。    また、伊部委員からいただいた第三者評価のところですが、御意見も踏まえて、改めて所管の地域福祉課に確認してみたいと思います。   (事務局)  鈴木委員からいただきました、視覚障がい者向けの意思疎通支援に関しての御意見については、持ち帰り検討させていただきたいと思います。   (小川会長)  あと、グループホームの種別についてはいかがですか。 (9ページ)   (事務局)  種別については、現状どこまでのデータがあるかというものも含めまして、精査をして、データとして盛り込めるようなものであれば反映していきたいと思っております。   (小川会長)  今のお話に絡んでの御意見もあるかとは思いますが、御発言をより多くいただきたいと思います。安藤委員の方から何かありますか。   (安藤委員)  資料2、7ページ「障がい福祉人材の確保」の部分、この計画を実行するためには人材が必要ですが、グループホームや福祉ホームなどの人材確保が非常に困難になっており、また、従事者が高齢化して、なかなか現場の若返りができていないのが現状です。ここの記載は一般的なものですが、福祉人材をどのように確保したり、活用したりするのか、そういう取組を県・市町村・事業者いずれがやることなのかは分かりませんが、もう少しこのあたりに力を入れた記述があってもよいのかなという印象です。  それからもう一つ、施設から地域移行する上では、グループホームなど受け皿はいろいろなところが考えられるのでしょうが、そのときに、市町村が行っている事業、例えば、移動支援の事業などが充実していることが非常に大切です。そういう意味でも、この県の計画ではあまり市町村の事業については触れられていないので、もう少し市町村事業をサポートするという姿勢をどこかで見せてもよいのではないかという印象を持ちました。   (小川会長)  ありがとうございます。2つとも重要なお話ですので、後ほど議論したいと思います。   (河原委員)  福祉人材を確保するというお話がありましたが、手話通訳者の確保が必要です。  福祉専門の人材を養成する場所として、県立保健福祉大学があると思いますが、計画の中には全く記載されていないですよね。若い人達に福祉の仕事に就いてもらうためにも、情報発信する、啓発の活動をする、手話通訳ができる人材を育てるというような大学に絡めた取組を計画でもはっきりと記載した方がよいのではないかと思います。せっかくそういう大学があるのに記載がないというのは、もったいないことだと思います。 (小川委員)  ありがとうございます。本件についても、後ほど事務局の方で触れていただきたいと思いま (10ページ) す。在原委員、お気づきの点などありましたら御発言ください。   (在原委員)  成果目標に地域生活への移行者数の上乗せ97人が入ったというところで、是非、希望する方達の地域生活への移行が実現できるようにしていただきたいなと思います。  その観点で、やまゆり園の皆さんの意思決定支援を進めてきた中で、希望とか気持ちがあっても、なかなか住まいの場を地域に移すというときに、施設側がいかに後押しをしたとしても、やはり受け止める側の、新しい居住支援の場の受け止めが十分ではないところがあると思います。  その点で言いますと、計画の中では、4の「指定障害福祉サービス等の提供の確保」の部分でもっと具体的に記載して欲しいと思いました。例えば、資料2、55ページ「ウ グループホームの設置促進等」の部分について、成果をあげるためにももう少し具体的に書けることはないのかと思います。  また、56ページ「オ 在宅サービス等の充実」の部分で、各種支援の量的・質的充実を図るとありますが、「提供体制の確保」なので、できる限り記載して実現できるように、もう少し具体化できないかと思いました。というのは、津久井やまゆり園の方達の意思決定支援の取組などを進めてきた中で、具体的にここが難しいという蓄積されたものがあると思うので、それを踏まえて、県の方で何をしないといけない、というのはあると思います。それをやるということが見えるような記載にしていただきたいなという思いがあります。 (小川会長)  ありがとうございます。私もそのことについては同感で、発言したいところですが、堀越委員から何かありますか。全体的に御指摘などがあればお願いします。   (堀越副会長)  細かいところは個々に修正希望などを出させていただこうと思いますが、私からは3つあります。  1点目が、繰り返しになりますが、先程の意思の有り無しのところで、佐藤委員が「意思があると思えということだ」とおっしゃたれたところが、私は非常に重要だと思っていて、それは表現の問題ではなく、根本の問題だと思います。その方が仮に意識障がいがあって、本当に医学的な意味でも意思表示ができなかったとしても、その人が意思を表明することができたなら何と言うだろうという、一人一人を本当の意味で人として尊重するという姿勢が欠けていた、欠けがちになるという現状が、障がいを持ってらっしゃる方に対する関わりだけでなく、認知症の高齢者の方にしろ、精神障がいの方にしろ、弱い立場に置かれている方にはあるわけ (11ページ) なので、そこは理念の問題だと、改めて確認させていただきたいなと思いました。  2点目、自助・互助・共助・公助のところですが、計画内でこの言葉がずっと使われていたのか、先程の事務局の説明を伺って思ったのですが、よくよく考えてみると、資料2、2ページの該当文章も「自助・互助・共助・公助による地域生活の支援」となっていて、「自助による地域生活の支援を受ける」という繋がりにも取れてしまいますので、文章としての繋がりがおかしなことになっていると思います。基本理念を語る冒頭のところですので、厳密に言葉を吟味した方がよいのかなと。事務局の方で、非常に苦労されて案を作っていただいておりますので、これは委員の我々がもう一度吟味して、本人がするべきことはするということはあるのですが、先程金子委員もおっしゃったように、障がいの種別や状況によっては、やりたくても難しいということもあるわけですよね。それはどういうことを意味するのかというと、結果としてその人が地域で暮らせるようになっていることを目指すわけですから、公助・共助・互助の量が多くなる人は当然いらっしゃるわけです。サービスを多く使う人というのは、自助している人に比べてどうなのかというような比較の問題というのもすぐ出てきてしまいますので、こうした言葉をここに載せるのか、むしろ載せないで「様々な支援を受けながら」くらいでよいのか、もう一度吟味したいなと思いました。  3点目、いつも申し上げるのですが、人材確保の問題です。安藤委員、在原委員などもおっしゃられたように、グループホームを作るあるいは地域移行を進めるとしても、実際に地域で日々24時間365日生活を支える担い手が確保されなければ、机上の空論に終わってしまうわけです。そうすると、担い手をどのように集めてくるのかというのは、本当に大きな課題だと思っています。その辺りをどこまで踏み込めるかは分からないのですが、神奈川県としてそこに本腰を入れて取り組んでいのだと考えていくのであれば、従来どおりの書き方として、例えば「研修をします」とか、「何人の人が研修を終わったことにします」というような目標数値と同時に、もっと底上げといいますか、裾野を広げるという意味での教育あるいは広報といったこと、それから、グループホームの世話人といった人たちにまで思いを馳せたところでの人の確保、人の資質の担保、最前線で働く人たちへの支え、これをもう少し入れ込めないのかなと思いました。   (小川会長)  ありがとうございます。それでは、人材確保や市町村の地域生活支援事業のことなど、一連の質問や意見がありましたが、事務局の方のコメントはいかがでしょうか。   (事務局)  人材の確保について申し上げたいと思います。この障がい分野での人材確保というのは、本当に従来からの根本的な課題の一つで、なかなか抜本的な改善・解決策が見出せないテーマで (12ページ) あったと思っています。これは国・県・市町村行政だけでなく、事業者などそれぞれが取り組んでいかないといけない課題だと思っております。  神奈川県では、高齢分野も含めた需給の見通しを最近立てましたけれども、2025年に1万6千人くらい不足するという推計をしております。そういった状況で、この障がい福祉計画の中で障がい分野の人材確保をどうやっていくかということですが、介護を含めた人材不足につきましては、県としても確保策、定着策、職場環境を良くしていく、そういった取組をこれまでも進めてきましたけれども、今回、障がい分野で「当事者目線の支援」ということで、地域移行もこれまで以上にやっていくという中で、グループホームの人材育成というのは、改めて具体的課題になっていると認識しております。  その大きな話を押さえた上で、堀越委員からお話もいただいた「現場の方々への思いも馳せた支援策」というようなことも含めて、どういう書き方ができるのか、さらに検討させていただきたいと思います。   (事務局)  引き続きお答えいたします。地域移行のところで受け皿の話がいくつかございました。おっしゃるとおりだと思います。この計画の中で、具体的に書けるところはもう少し具体的に記載するということも理解するところですので、今回いただいた御意見も踏まえまして、検討したいと思っております。  ただ、市町村の地域生活支援事業のところについては、この県の計画としては、全く触れてないという作りになってございますので、どこまで入れられるかというのは要検討かなと思っております。   (小川会長)  それでは、今までのやりとりを聞いて、他に御意見はありますか。鈴木委員どうぞ。   (鈴木委員)  2点あります。  1点目は、数年前に視覚障がいの認定基準が変わって、視覚障がいと認定される方が増える傾向があります。そこのところで、眼科医と福祉の連携という部分を記載していただくとよいかなと思います。  2点目は、視覚障がいのあるお子さんたちが特別支援学校に入っているのですが、そこで終わってしまっていて、福祉との連携が不確定なので、その辺も盛り込んでいただければと思いますので、よろしくお願いします。 (13ページ)   (事務局)  視覚障がいに特化した取組というのは、計画全体の書き方からすると難しい部分があるのかなというのが正直なところでございます。御指摘の内容について、計画に入れるのか、また別のところになるのかわかりませんけれども、検討していきたいと思っております。   (堀越委員)  今の点なのですが、難聴のお子さんと同じように、ロービジョンのお子さんたちに対する教育あるいはサポートは必要ですし、視覚障がいをお持ちの方たちに対する情報提供というのは、ITがかなり進んできたとはいえ必要ですし、また何よりも移動中の転落事故などもある中で、そこがやはりフィックスされる必要もないのかな、オミットしない方がいいのかなと思いました。ですので、上手にそこを入れ込んでいただけるとよいと感じております。   (小川会長)  資料2、19ページ、精神保健のところで医療・保健・福祉の連携体制ということを事務局が説明をしていたと思います。でも、考えてみると、精神保健に限らず就労の問題だとか教育の問題だとか、様々な機関との連携というのが絶対必要になってくると思うので、今の視覚障がいの場合の眼科医との関係とか、聴覚の方も医療と関係がおありでしょうけれど、具体的に書かずとも、そのことの必要性というのは何らかの形で読み取れるようにしていくことはできると思うのです。今委員がおっしゃられたようなことは非常に重要なことなので、文言を工夫していくことになるのかなと思います。  私も少しだけ発言したいのですが、この計画というのは「障害者総合支援法に基づく」という規定の中でやっているので、こういう形式をとらざるを得ないということがあるのですけれども、そこにどれだけ県の姿勢を盛り込むかということになるかと思うのです。ですから、形式はこういう形になるかもしれませんが、そこに何か生きたものが組み込まれているというようにして欲しいわけなのです。伊部委員が言われた県民と共に作っていくということ、成田委員が言われた当事者本人の意思決定もそうです。  それから当事者の企画レベルからの参画ということ、自助・互助等の並びのこともですが、それらも思わず県の姿勢が見えてしまうというか、やはり法的にしっかりとしたサポートを組んでいくということが必要なので、自助互助で何とかしなさいっていうのは、地域包括ケアシステムの予算を絞った形での住民参加型みたいなことをそのまま体現しているようになってしまうので、もう少し積極的なサービスの存在が見えてくるようにすべきではないかと思います。  また、私が、少し限界があるなと思ったのは、確かに施設に入所している方の地域移行などは書かれているし、それから理念として、当事者目線の支援ということを取り組んでいくので (14ページ) すが、何が足りないかというと、在原委員が言われたように、実際の地域のサービス、住まい、そういう項目が非常に弱いということなのですね。それで、地域の在宅のサービスに関わる数値の目標とかが出てくるのですが、例えば、ホームヘルプとか重度訪問とか、いくつか出てきますけれども、実際に働く人たちの仕事の有り様というのが、非常に重要になってくるわけです。それから、その人たちの人材確保というのはすごく必要で、それらが全然動いていなくて、住宅の問題もグループホームだけに特化して数字が減ってくるというような状況ですと、どうしても、当事者目線の検討で出してきている、県の有り様っていうものを、実際に将来的に体現するには非常に弱い。やはり、市町村レベルのサービスの事業、それから国が定めている重度訪問などの内容を変えていかない限り実現していかないのではないか。それをこの中に反映するのは難しいと思うのです。実際に項目が事業として出ているものを、県単独自でやっていくということも難しいでしょうから。  そうするとやはり、審議会が本当に当事者目線の支援というものを体現するためには、別途、何らかの会合・検討組織を作っていかなければできていかないのではないかということで、それを次年度以降期待したいと思います。少し感想混じりになってしまい申し訳ありませんが、1番目の議題についてあと1、2点ありますか。   (鈴木委員)  県で手話言語条例というのがありまして、いわゆる手話言語ということで、共通理解の取組が行われています。点字について、いわゆる権利条約などでは点字はなくなっているのですが、点字での発行物だとか、それから読書バリアフリー関係で、そういったものはなかなか出ないという現状があります。ですから、神奈川県として、いわゆる意思疎通条例とか、そういう視覚障がいの人の代読、それから言語失語関係の獲得だとかというものを含めた情報支援条例とか、意思疎通支援条例というようなものを今後作る方向で計画に盛り込んでいただきたいと思います。   (小川会長)  この審議会の中でのテーマなのか判断に迷いますけれども、そういうものができないと進まないのではないかという御意見だと思いますので、何らかの形で検討していきたいとは思いますが、この計画の中に明確にどこか入る位置があるのかというと、議論が薄いのでもう少し議論させていただきたいと思います。ただ、重要なことなので何らかの形で取り組む必要があると思います。  本審議会で委員の皆様から出した意見について、それらを修正・調整をしたところを反映させた素案からの改定版を出していただく時期はいつ頃になりますか。 (15ページ) (事務局)  この後は、改定素案に関する県議会の議論を経まして、パブリックコメントを実施することとなりますが、その前の段階で反映できるものは反映していくという流れになってくると思います。時期が分かり次第、皆様に情報提供させていただければと思います。   (事務局)  この後、県議会の方に素案を出していきますが、それが12月10日くらいだったと思います。それまでに今日この審議会でいただいた御意見を整理させていただいて、反映できるものは反映して、これを各委員の皆さんにお送りした上で、県議会に最新の素案という形で出したいと思います。パブリックコメントは、県議会の審議が終わった後になりますので、12月の下旬ぐらいから1か月間というのを現段階では想定しています。   (小川会長)  そうしますと、12月10日の県議会前に委員の皆様に提供されて、そこで意見をもらった場合はパブリックコメント前に反映させることはできますでしょうか。県議会に出すものが確定版となるのでしょうか。   (事務局)  県議会でも意見が出る可能性もありますので、そういったものも反映した上で、パブリックコメントに入っていくことになります。   (小川会長)  では、まだ修正の余地はあるということですね。   (事務局)  はい。期間は短いですが、出た意見についてはできる限り反映してという流れになります。   (小川会長)  分かりました。それでは、今日いろいろと御意見が出ましたので、できる限り反映できる部分は反映する、それから宿題になるような部分というのはまた、何らかの形で継続審議をしていけるように、そのまま消えていってしまうことがないようにしていただきたいと思います。  それぞれの意見がごもっともなことなので、その文言を何らかの形で、今回反映できないものはこういう形でやっていくというような提案をしていただいて、まとめていければと思います。 (16ページ)  では、12月10日前に委員の皆様に配信されて、それで、改めてチェックをしていただいき、県議会に出すという流れということです。1番目の議題は以上で終わらせていただきますけれども、よろしいでしょうか。   (安藤委員)  1点だけお願いがあります。資料2、56ページの「ク 相談支援従事者の養成・確保と相談支援体制」のところでは、県はいろんな研修を実施し、頑張っていただいていると思っておりますが、研修を受けたからといって相談支援専門になっているわけではないというか、現場に張り付くわけでもないという実態があります。相談の事業所が独立して運営をするのはなかなか難しい状況になっておりまして、相談支援の報酬単価が以前見直され、報酬単価は基本的に下げられて、加算に関する取組をすれば加算がつくというようなやり方になりましたけれど、この加算がそんなに伸びていないのです。ということは、やはり事業所の運営が大変苦しくなっているということです。  また、計画相談等、それから市町村から委託されている委託相談の一般相談との間で、どういうふうに相談員が調整をしたり整理をしたらよいか迷っていたりとか、相談支援に関してはいろいろな課題があるので、できれば、そういう課題をきちんと把握して、その解決に努めるとか、そういうような記載を一言入れていただきたいと思います。   (小川会長)  今の点も考慮していただきたいですね。当然、相談支援専門員の研修に関しての県の協会等があって、いろいろと打ち合わせもされているでしょうし、あるいは、自立支援協議会の中でもやられているとは思うのですが、大元の計画の中に、何らかの形で課題を理解し、それを令和5年に向けて充実させていくのだということが分かるようになっているとよろしいかと。また、修正の時にコメントください。  議題1は以上で終わらせていただいてよろしいでしょうか。そうしましたら、議題2「その他」ということで皆様から出された追加意見について事務局から説明があります。   (事務局)  事務局から資料3、資料4について説明 (事務局) ○ 資料4 在原委員御意見『神奈川県障がい福祉計画の改定について』  「持続可能な障害福祉サービス等の提供」について、「継続可能な」という表現に変えた方がいいのではないかという御意見をいただきましたが、県としましては、SDGsを推進しており、そこでも「持続可能な」という表現で統一されておりますので、本計画でも引き続き「持 (17ページ) 続可能な」と記載させていただきます。 〇 資料4 在原委員御意見『かながわ障がい者計画の進行管理について』  かながわ障がい者計画の進行管理については、前回の会議にて、新型コロナウイルスの影響を受けて、点検評価を見送るというような形で御報告させていただきました。  そして、前回の会議や今回の追加意見でもございましたとおり、新型コロナウイルスの影響を受けて、出てきた課題や工夫できた点の整理が必要だろうという御意見をいただいております。大変ごもっともでございます。  しかしながら、今年度については全庁コロナシフトが敷かれている中で、かながわ障がい者計画は全庁的な調査が必要になってくることから、今年度の調査は見送り、来年度に令和2年度及び令和3年度の新型コロナウイルスの影響も踏まえた点検・評価を実施させていただきたいと思います。   〇 資料4 金子委員御意見『当事者目線の障がい福祉に係る将来展望検討委員会中間報告について』  当事者目線の障がい福祉に係る将来展望検討委員会中間報告について御意見をいただいていますので、それぞれ御説明いたします。  まず、検討は今折り返し地点を迎え、最終的に3月に向けて報告書を作成していくのですけれども、障害者施策審議会の委員の皆様にも別途ヒアリング等をさせていただければと思っておりますので、その際は御協力をよろしくお願いしたいと思います。    それでは、1つ目の御意見、将来展望検討委員会の委員構成についてですが、今から新たに構成を変えるのは難しい状況にあります。先ほど申し上げたヒアリング等をこの審議会の委員の皆様や様々な関係団体の方にも実施したいと考えておりますので、そういった形でみなしていただけたらと思います。  2つ目、県立施設職員の慢性的な長時間勤務等の有無についてですが、中間報告をまとめるに当たっては、県立施設職員の実際の勤務時間データは特段ございませんでしたが、実際の課題等は表に出てきている部分があるので、それを基に、中間報告にてまとめております。  3つ目、県立障害者支援施設の役割と機能について、現段階では中間報告にて将来展望検討委員会から提言をいただいた形になっておりますので、御意見をいただいたところについては、どういうふうにできるのか等の検討を今進めているところでございます。  4つ目、県立施設として目標とするべき機能について、実際の中間報告に記載している項目6つを挙げていただいておりますが、こちらについても実現可能性を含めて、どこまでやれるかを今検討しているところです。中間報告の記載の中でも、県立施設だけでやるものではないといった記載をしておりますが、その点も含めどういう形で実現できるか検討していきます。 (18ページ)  5つ目、相談支援専門員については、本日の審議会の中でも御意見をいただいており、「県が主体的に」という部分もおっしゃるとおりだと思っております。しっかり受け止めさせていただきます。  6つ目、研修プログラムに関して、現実的には中々難しい面が多々あると御意見をいただいておりますけれども、質の向上というところが非常に重要だと思っていますので、研修の工夫の取組を検討していきたいと考えております。   〇 資料4 金子委員御意見『中井やまゆり園における利用者支援について』  最後に6ページ、「中井やまゆり園における利用者支援について」御意見いただいております。金子委員からは「今後の県の対応として、プロジェクトチームが設置されることは良いことだと思いますが、本当にそれだけで改善できるのか。疑問が残ります。」「プロジェクトチームの設置も重要なこととは思いますが、もっと職員数を増やすという根本的なところからの取組も重要なのではないでしょうか。」という御意見をいただいているところですが、プロジェクトチームでは、抜本的な体制改善をする必要があると考えておりまして、組織の執行体制や職員の数等も含めて検討しているところでございます。以上です。   (小川会長)  今の説明に関して、金子委員から御意見ありますか。   (金子委員)  丁寧な御説明ありがとうございます。最初の6項目について、いろいろ御検討していただけるということですが、前回の審議会の時にも小川会長の方から「検討するというのはやらないということなのだ」と言われていたので、本当に前向きに御検討いただきますようお願いします。  それから中井やまゆり園について、今もかいつまんで御説明がありましたが、チームを設置することは良いことだと思います。しかし、資料3の中にも書いていますとおり、今年の5月に「県の今後の取組として、関係市町村の助言を得ながら、中井やまゆり園の支援の改善を進めます。」という記者発表がされてきた中で、園長の話だと9月の時点でも3〜4人について20時間以上の施錠をされている利用者がいる。たぶん今この時点でも、数名の方が施錠されているのではないか。以前の審議会で、職員が増えれば必ずしもよくなるということではないという委員の方からの御意見もあったのですが、職員が増えるということは必要だと思います。    それから2点お伺いしたいのですが、いろいろ問題視されていながら、県で支援していく中で、何で現在でも数名の方が施錠や拘束されている現状があるのでしょうか。 (19ページ)  2点目は、例えばこういう人が本当に施錠や拘束をされないためには、その一人の人に対して、1日24時間何名の職員が関われば、施錠や拘束をしないことが実現できるか、その点について県ではどのようにお考えになっているのでしょうか。   (事務局)  まず、長時間の居室施錠の状況ですが、今現在も3人の方が20時間以上施錠されているという状況にあります。これは、中井やまゆり園がこれまで、利用者さんが刺激に弱いから、例えば食事一つをとっても食材の配置が変わるだけで興奮してしまう、他の方に危害を加えてしまう、自分を叩いてしまう、そういった行動に出てしまう、それを落ち着かせるためにも刺激を遮断することが一番だと考えて、居室に施錠してその中で落ち着いていただくなど、そういった支援でこれまでやってきたという経過がございます。  ただ、それが本当にそうだったのかっていうのは、今我々も様々な先進的な施設などを伺いながら、何か別の方法はないのかということを研究しているところで、実際にその施設にも利用者さんに行っていただいて、別の方法でやってみていただいて、そこに行ってみると違った生活ができるということを目の当たりにしています。そういったことでは、我々が今までやってきた方法というものをもう一度改めて、どうやって今の環境の中でもできるのかというのを模索しながら進めているところでございます。  どれぐらいの職員がいれば居室施錠せずに済むのかということを見ますと、例えば一人の方を見ていきますと、居室施錠が長かったことで、歩行能力が弱くなってしまっていて、最初はそういったところから力をつけなければいけないと思っています。そうすると、マンツーマンというか2対1ぐらいの体制で、まずそういった歩行能力をつける必要があります。あとは、その人の生活というものを考えたときに、今までは職員がいないことで安心安全のために中に入ってもらわざるを得ないということだったのですが、どうやって日常生活を過ごしてもらうかということも組み立てながらとなりますと、最初はやはり集中的に1人、2人の職員がしっかり付く。1か月、2か月、3か月かもしれませんが、最終的にはある一定の集団の中で生活できるようになるのではないかと思っていまして、その最初の取っかかりの部分を集中的にやる必要があると思います。 (金子委員)  実際にいろいろな研修とかで職員の質の向上とか、そういうところの対応はされていたのだと思います。余談ですが、私、神奈川リハビリテーションセンターの福祉棟にある施設苦情解決第三者委員会に鈴木委員と一緒に関わっているのですが、そこでは七沢学園という知的の障害者施設もあり、そこの職員に話を聞くと「体中痣だらけです」と話すのです。なぜ、痣だらけなのかは言わなくても分かるかと思いますが、例えば、入浴介助するのも、夏の暑い時でも (20ページ) 職員の方がヘルメットを被ってやっている。何でヘルメットを被っているのかというと、入浴介助時に利用者の方から思いっきり髪の毛を引っ張られて抜かれてしまうということが多々あるといいます。  そういう大変な中で職員の方も頑張っておられるということを御理解いただいて、職員の質の向上だけではなく、それに見合った人数を確保していただけるよう今後の対応を考えていただければと思います。   (事務局)  やはりそういった職員側の問題、職員が怪我を負うのではないかという話もいろいろ伺うところですが、障がいのある方がそうした行動障がいに出てしまうというのは、環境からくるものが多大にあるのではないか、何かがもしかすると行動障がいを起こさせてしまったのではないか、そういう考えを持ちながら、職員も改めて認識し直し、関わり方を考えていかなくてはいけないと思います。   (小川会長)  この議論は、またいろいろなところでやっていかなければならないものですね。今の問題も一朝一夕に解決はしないかもしれないですが、この取組を、手を抜かずにやっていくことだと思います。  それでは、この審議会につきましては、来年3月に障がい福祉計画が出るわけですが、同月に当事者目線の障がい福祉の将来展望検討委員会の最終報告が出るということになっています。その間、内容に齟齬がないよう、絶えず当事者目線の委員会の報告についても、審議会の方には随時審議の状況が資料とともに送られていると思いますから、今の金子委員のように細かな御意見を出していただいて、また委員会の方で揉んでもらうということ。それから、そこを注視しながら計画の方も立てていくということで、昨日、将来展望検討委員会の会議があったようですが、その報告も一両日中に出てくるのではないかと思いますので、そういったものも目を通しながら、我々の担当している計画案を練っていきたいというふうに思っています。    本日の議題は2件でございましたので、以上で議事は終了いたします。                                       (以上)