資料7-2 表紙 神奈川県手話推進計画(改定素案) (2022(令和4)年度〜2026(令和8)年度) ろう者とろう者以外の者が相互にその人格と個性を尊重し合いながら共生することのできる地域社会の実現  2022(令和4)年3月 「計画の改定にあたって」については、現在調整中です。 目次 第1章計画の概要 1ページ T計画の趣旨と基本方針 1計画改定の趣旨  3ページ 2計画の位置付け  3ページ 3計画の目指すもの 3ページ 4計画の期間    3ページ U本県における手話を取り巻く状況 1県における手話を取り巻く現状 4ページ ※その他、関係するコラムを掲載予定(テーマ:ろう者と手話 など) 第2章施策の展開 10ページ T手話の普及 1手話への理解促進 10ページ 2手話の普及推進  11ページ U手話に関する教育及び学習の振興 1学校・地域で手話を学ぶ機会等の充実 12ページ 2手話を学習するしくみづくり 14ページ V手話を使用しやすい環境の整備 1手話が使用される機会の充実 15ページ 2手話通訳の充実 16ページ 成果指標 17ページ (参考)各施策の取組み工程 18ページ ※その他、関連事業の紹介や関係するコラムを掲載予定 (テーマ:当事者委員からの寄稿、手話交流会「しゅわまる」、電話リレーサービス、手話通訳派遣の仕組み など) 第3章計画の推進体制 21ページ T推進体制 21ページ U計画の進行管理 22ページ   V資料 23ページ 用語の説明 23ページ 「神奈川県手話推進計画」の改定に関する主な経緯 26ページ 神奈川県手話言語条例 28ページ (1ページから2ページまで) T計画の趣旨と基本方針 1計画改定の趣旨 2006(平成18)年に国際連合において「障害者の権利に関する条約(以下「障害者権利条約」という。)」が採択され、手話が言語であることが明記されました。 国においては、この障害者権利条約の批准に向けた国内法の整備が進められ、2011(平成23)年に改正された障害者基本法において、障害者の定義が見直されるとともに、障害者権利条約の障害者に対する合理的配慮の概念が盛り込まれ、あわせて手話が言語であることが明記され、その後、2014(平成26)年1月20日、わが国は障害者権利条約を批准しました。 県では、2014(平成26)年12月25日、手話に対する理解を推進するために「神奈川県手話言語条例(以下「条例」という。)」を制定、2015(平成27)年4月に施行しました。この条例では「手話は、手や指、体の動きなどを用いる独自の語彙及び文法体系を有し、ろう者とろう者以外の者が、互いの人権を尊重して意思疎通を行うために必要な言語である」とし、県は、手話の普及等を推進する責務を有するとともに、「手話の普及等に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、手話の普及等に関する計画(以下「手話推進計画」という。)を策定し、これを実施しなければならない」と規定しています。 また、2016(平成28)年3月に「手話推進計画」を策定し、広く県民からの理解をいただきながら普及等を推進することにより、「ろう者とろう者以外の者が相互にその人格と個性を尊重し合いながら共生することのできる地域社会の実現」をめざし、取組みの推進に努めてきました。 この間、国においては、不当な差別的取扱いの禁止や合理的配慮等について定めた「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(以下「障害者差別解消法」という。)」の全面施行(2016(平成28)年)や、その一部改正(2021(令和3)年)など、関連する多くの動きがありました。 また、全国の自治体においても、手話に関する条例等が成立するなど、手話の普及は着実に進んできています。 一方で、こうした中、2016(平成28)年7月26 日、県立障害者支援施設である「津久井やまゆり園」で大変痛ましい事件が発生しました。県では、このような事件が二度と繰り返されないよう、改めて、「ともに生きる社会かながわ」を目指すために、県議会とともに2016(平成28)年10 月14 日に「ともに生きる社会かながわ憲章」を策定し、その考え方に基づき施策を進めています。 また、2020(令和2)年1月頃からの新型コロナウイルス感染症の流行により、感染症拡大時などの非常時対応や新たな生活様式に対応した事業実施の工夫などの取組も求められているところです。 県は、こうした現状において、「ともに生きる社会かながわ憲章」の理念やSDGsの趣旨、これまでの取組状況等を踏まえ、「神奈川県手話推進計画」を改定し、「手話の普及」、「手話に関する教育及び学習の振興」、「手話を使用しやすい環境の整備」の3つの柱による取組を一層推進して、手話やろう者への理解を広げ、ろう児(聴覚障がいのある子ども)の手話獲得の機会の提供や、手話による社会参加等の促進に向けて取り組んでいきます。 手話の普及推進により、ろう者とろう者以外の者が、相互にその人格と個性を尊重し合いながら共生することのできる地域社会の実現を目指してまいります。 ※SDGs(持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals 略称SDGs エス・ディー・ジーズ))とは、2015(平成27)年9月に国連サミットで採択された持続可能な世界を実現するための開発目標です。17 のゴール・169 のターゲットから構成され、地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)ことを誓っています。 この計画での言葉の定義 【ろう者】 手話言語条例において「ろう者」とは、身体障害者手帳の交付対象とならない軽度の聴覚障がい者を含め手話を言語として日常生活又は社会生活を営む者をいいます。また、手話(触手話や接近手話)を使う盲ろう者も含みます。 この計画における「ろう者」の定義も同様に、手話を使う盲ろう者を含みます。 ※ただし、文章上、強調する必要がある場合などは「ろう者、盲ろう者」という表現としています。 【盲ろう者】 この計画において、「盲ろう者」とは、身体障害者手帳の交付対象とならない者を含めて、視覚障がいと聴覚障がいを併せ持つ重複障がい者でかつ、主に手話(触手話、接近手話)を言語として日常生活又は社会生活を営む者をいいます。 【手話】 この計画において「手話」は、ろう者の扱う「手話」の他、盲ろう者が使用する触手話や接近手話を含むものとします。        (3ページ) 2 計画の位置付け 手話推進計画は、条例第8条に基づき、手話の普及等に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るために策定するものであり、本県の手話普及推進に関する計画として位置付けています。 県の総合計画である「かながわグランドデザイン」を補完する特定課題に対応した個別計画として、総合計画の推進と整合を取りながらその推進を図るとともに、県が策定した関連する計画等と調和を保ちます。 3 計画が目指すもの 手話推進計画は、ろう者とろう者以外の者が、相互にその人格と個性を尊重し合いながら共生することのできる地域社会の実現に向けて、手話の普及等に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、条例に基づいて策定しており、条例の考え方に基づいて、手話の普及等に関する基本的な3つの方向性により引き続き計画を推進します。 [3つの方向性] 1手話の普及 2手話に関する教育及び学習の振興 3手話を使用しやすい環境の整備 また、次に掲げる事項を今回の改定ポイントとして、取り組むこととします。 [改定のポイント] 1ろう者への理解を深める取組の推進 2ろう児の手話獲得の機会の充実 3手話による情報取得や手話が使用される機会の充実 4専門人材の計画的な養成や活動環境の充実 5盲ろう者に関する記述の充実 計画の実施にあたっては、市町村や事業者、手話を使用する方々と協力しながら、施策を推進していきます。 4計画の期間 2022(令和4)年度から2026(令和8)年度までの5年間とします。 ※計画年度中であっても必要に応じて見直しを行い、計画を修正します。 (4ページから9ページまで) U本県における手話を取り巻く状況 ろう者は、物の名前や抽象的な概念等を手指の動きや表情で表現する視覚 言語の「手話」を母語として、コミュニケーションを図ったり、物事を考えたりしています。 1県における手話を取り巻く現状 (1)本県の聴覚障がい者の数 身体障害者手帳の交付を受けている方は、2021(令和3)年3月31日現在で約26万8千人、そのうち聴覚・平衡機能障害は、約2万4千人です。 県の人口は、2021(令和3)年4月1日現在で約923万人であり、おおよそ1,000人のうち約2.6人に聴覚・平衡機能の身体障害者手帳の交付を受けていることになります。 【神奈川県内の身体障害者手帳の交付者数等】                          左から、年、身体障害者手帳交付者数*1、聴覚・平衡機能障害*1、神奈川県人口*2 です。 2017年、269,671、23,794、9,144,183 2018年、267,576、23,794、9,161,113 2019年、267,621、24,127、9,180,510 2020年、268,933、24,532、9,204,965 2021年、268,447、24,832、9,235,697 出典は神奈川県福祉統計、神奈川県人口統計調査です。 *1は、各年3月31日現在の数字     *2は、各年4月 1日現在の数字 (2)聴覚障がい者のコミュニケーション手段の状況 【障害の程度別にみた聴覚障がい者のコミュニケーション手段の状況(複数回答・全国)】 左から、割合(%)で総数、補聴器や 人工内耳等の補聴機器、筆談・要約筆記、読話、手話・手話通訳、その他、不詳、です。 100.0、69.2、30.2、9.5、18.9、6.8、5.9 【上記のうち、手話・手話通訳をコミュニケーション手段とする者の障害等級別の状況】 左から、級別の割合(%)で総数、1級、2級、3級、4級、5級、6級、不明 18.9、75.0、38.7、7.4、-、-、1.1、41.2、 出典は厚生労働省「平成18年身体障害児・者実態調査結果」です。 (3)学校での手話教育 聴覚障がい者である児童・生徒への教育を行う特別支援学校(ろう学校)では、学習指導要領に「児童の聴覚障害の状態等に応じて、音声、文字、手話、指文字等を適切に活用して、発表や児童同士の話し合いなどの学習活動を積極的に取り入れ、的確な意思の相互伝達が行われるよう指導方法を工夫すること」と示されていることから、一人ひとりの状況等に応じた手話等の学びに取り組んでいます。 【神奈川県内の特別支援学校(ろう学校) 児童・生徒数】(単位:人) 左から、年度、人数です。 2016年度、299 2017年度、287 2018年度、287 2019年度、276 2020年度、263 出典は「神奈川の特別支援教育資料」です。 (4)聴覚障がい者に対する総合的な支援 神奈川県では、1980(昭和55)年に「神奈川県聴覚障害者福祉センター」を全国に先駆けて設置し、乳幼児から高齢者まであらゆる年代の聴覚障がい者の相談やコミュニケーション指導、訓練などの意思疎通支援に取り組むとともに、手話通訳者など専門性の高い人材を養成して派遣しています。 【神奈川県聴覚障害者福祉センター】 ■施設概要 設置主体 神奈川県 所在地 神奈川県藤沢市藤沢933-2(藤沢駅から徒歩15分) 設置年月日 1980(昭和55)年4月1日 ■設置目的 聴覚障がい(児)者の社会的自立を促進するため、各種の相談、指導、訓練、及び日常生活に必要な情報の提供等を行うとともに、手話通訳者・要約筆記者の養成・派遣等を行い、福祉の増進を図ることを目的とします。   ■事業内容 ・相談 聴覚障がい児・者と家族、関係者を対象に、聴力検査やコミュニケーション などの相談を幅広く実施しています。相談方法は、予約による来所のほか、Eメールやファクシミリ、電話等によります。 【来所等相談件数】(単位:件) 左から順に、年度、乳幼児、学齢児、聴覚障がい者等、医療相談、件数の合計です。 2016、431、90、2,198、15、2,734 2017、365、97、2,059、9、2,530 2018、287、51、1,863、10、2,211 2019、284、38、2,229、10、2,561 2020、501、55、1,899、10、2,465 【Eメール等による相談件数】(単位:件) 左から順に、年度、件数です。 2016年度、112 2017年度、114 2018年度、111 2019年度、139 2020年度、118 ・乳幼児支援 聴覚障がい乳幼児とその家族を対象に、聴能、言語及びコミュニケーションについての指導を実施しています。 【聴覚障害乳幼児指導の延人数】(単位:人) 左から順に、年度、件数です。 2016年度、410 2017年度、339 2018年度、424 2019年度、127 2020年度、260 ・コミュニケーション支援 聴覚障がい者を対象に、より良いコミュニケーション手段や方法を身につけるための言語教室や読話教室、手話教室、コミュニケーション総合支援を実施しています。 【聴覚障害者指導の延人数】(単位:人) 左から順に、年度、件数です。 2016年度、428 2017年度、307 2018年度、313 2019年度、367 2020年度、196 ※2020年度は新型コロナ感染防止のための中止等有    ・手話通訳者及び要約筆記者の養成・研修 【手話通訳者養成数(認定者数】(単位:人) 左から順に、年度、件数です。 2016年度、10 2017年度、14 2018年度、12 2019年度、認定試験延期 2020年度、15(期した2019年度試験の認定者等) ・手話通訳者及び要約筆記者の派遣 県域において活動する聴覚障害者団体等が実施する会議、大会等に手話通訳者及び要約筆記者を派遣しています(県派遣事業)。 【手話通訳者派遣延人数】(単位:人) 左から順に、年度、件数です。 2016年度、601 2017年度、589 2018年度、547 2019年度、489 2020年度、199 ※2020年度は新型コロナ感染防止による会議等の中止の影響有 ・聴覚障がい福祉の普及啓発 聴覚障がいについての理解を深めるため、講座の開催や地域の行事に参加して行う情報提供、センター職員が地域に赴き情報提供等を実施しています。 【講座等参加者数】(単位:人) 左から順に、年度、聴覚障害について知る講座の件数、地域聴障センター(R3年度からは補聴相談会)件数、市町村聴覚障害理解講座(H28までは地域支援講座)件数 2016、33、148、61 2017、21、6、27 2018、21、12、26 2019、23、35、27 2020、13、中止、6    ・字幕や手話を挿入したDVD等の貸し出し及び自主制作 ・情報提供 県内では、「神奈川県聴覚障害者福祉センター」の他、横浜市及び川崎市が身体障害者福祉法の規定に基づく聴覚障害者情報提供施設を設置しています。 【横浜ラポール聴覚障害者情報提供施設】 ■ 所在地 横浜市港北区鳥山町1752 ■ 概要 聴覚障害者情報提供施設は、1992(平成4)年10月1日にオープンしました。 市内の聴覚障がい者団体、関係機関をはじめとして 他都市の情報提供施設とも連携しながら事業を実施しています。 【川崎市聴覚障害者情報文化センター】 ■ 所在地 川崎市中原区井田三舞町14-16 ■ 概要  川崎市聴覚障害者情報文化センターは、聴覚障がい者にとって必要な情報を提供するとともに、聴覚障がい者の文化活動や社会活動等を支援し、聴覚障がい者の福祉の増進を図ることを目的として2000(平成12)年1月4日オープンされました。 また、神奈川県では、盲ろう者専用の相談支援、盲ろう者通訳・介助員の派遣及び養成を行う盲ろう者支援センターを設置しています。 【盲ろう者支援センター】 ■施設概要 設置主体 神奈川県 所在地  神奈川県藤沢市藤沢933-2(藤沢駅から徒歩15分) 設置年月日 2019(令和元)年9月27日 ■設置目的 視覚と聴覚の両方に障がいがある盲ろう者の自立と社会参加を推進するため、各種の相談、盲ろう者通訳・介助員の養成・派遣等を行い、福祉の増進を図ることを目的とします。 ■事業内容 ・相談窓口の設置 自らどのような支援が必要か訴えることが難しい盲ろう者に対し、それぞれの方に適したコミュニケーション方法で的確にニーズを受け止め、必要な支援につなげるための専用の相談窓口を設置しています。 左から順に、年度、件数です。 【相談件数】(単位:件) 2019年度、98 2020年度、531 ・盲ろう者通訳・介助員の養成・研修  【盲ろう者通訳・介助員養成数】 (単位:人) 左から順に、年度、人数です。 2016年度、21 2017年度、12 2018年度、24 2019年度、26 2020年度、中止   ・盲ろう者通訳・介助員の派遣 【盲ろう者通訳・介助員派遣延人数】(単位:人) 左から順に、年度、人数です。 2016年度、2,933 2017年度、2,847 2018年度、3,098 2019年度、2,986 2020年度、2,029 ※2020年度は新型コロナ感染防止のための外出自粛の影響有 (5)神奈川県の手話通訳者 ろう者とろう者以外の人たちを手話と音声言語でつなぐのが、手話通訳者です。手話通訳者は、必要な知識を身につける講義や、手話の表現、読み取り技術の習得などを経て、県及び横浜市、川崎市の手話通訳者認定試験等を受験し、合格者が手話通訳者となります。合格後は、活動する各地域に登録します。 神奈川県内には、2021年(令和3)年3月31日現在で延575人※が登録しています。 ※各市町村の手話通訳派遣登録者の合算(重複あり) 【県派遣事業の手話通訳派遣事業の登録手話通訳者数】(単位:人) 左から順に、年度、人数です。 2016年度、146 2017年度、148 2018年度、204 2019年度、198 2020年度、196 ※各市町村の手話通訳派遣事業の登録と重複あり (6)神奈川県の盲ろう者通訳・介助員 盲ろう者一人ひとりの障がい特性に応じたコミュニケーションスキルを用いて、盲ろう者に、@周囲の状況やメディアなどの情報を伝える、A会議や講演などで内容通訳する、周囲とのコミュニケーションを支援する、B移動支援をすることによって、盲ろう者の自立と社会参加を促す重要な役割を果たすのが、盲ろう者通訳・介助員です。盲ろう者通訳・介助員は、通訳・介 助に必要な知識や技術を身につける講座等を受講し修了した人が、盲ろう者通訳 ・介助員となります。 神奈川県内には、2021年(令和3)年3月31日現在で379人が登録しています。 【神奈川県の盲ろう者通訳・介助員登録者数】 (単位:人) 左から順に、年度、人数です。 2016年度、316 2017年度、337 2018年度、368 2019年度、387 2020年度、379 なお、2020年度の登録者のうち、手話通訳が可能なのは207人です。 ※盲ろう者について 視覚と聴覚に重複して障がいのある盲ろう者は、見え方と聴こえ方の障がいの程度により、一人ひとりの障がい特性が異なります。盲ろう者のコミュニケーションには、手を触る触手話や相手が自分の指に点字を打つ指点字など、障がい特性に応じた意思疎通手段があります。 神奈川県内の身体障害者手帳交付者のうち、視覚と聴覚に重複した障がいを持つ方は、2021(令和3)年2月1日現在で500人です。 (10ページから17ページ) T手話の普及 [現状と課題] ・手話の普及を推進していくためには、ろう者や盲ろう者に対する理解についても併せて促進することが必要ですが、まだ十分ではありません。 ・ろう者は、外見だけでは耳が聴こえないことを周囲の人に理解してもらえません。例えば、店内放送等があっても気づかずにいたり、内容が分からずに困ってしまうことがあります。 ・手話は、目で見てわかり、ろう者が意思を円滑に伝えるための大切な言葉です。 ・また、盲ろう者の中には触手話や接近手話を言語として生活している方がおり、独自の文化を育んでいます。 ・触手話や接近手話を言語として生活している盲ろう者への理解はまだ進んでいない部分があります。 ・ろう者や盲ろう者、手話に対する理解を促進するため、手話がこのように大切で独自の文化を持った言語であることについて、広く県民に十分な周知を図り、普及していくことが必要です。 【施策の方向】 手話への理解の前提となる、ろう者や盲ろう者への理解を深める取組みを含め、地域と連携しながら、手話の普及を推進します。 1手話への理解促進 施策1 県民の手話の講習会を推進し、手話やろう者、盲ろう者等に対する理解を深めます。 市町村とも連携した手話講習会やイベント開催等により、様々な世代の県民に対して、手話やろう者、盲ろう者等に対する理解を促進するよう、取り組みます。 その際、手話そのものだけでなく、言語としての手話の特徴や、ろう者や盲ろう者がどのようなことで困っているのか、などについて理解を深めることができるよう、普及啓発に努めます。 【主な施策】 ○市町村と連携し、県内各地域において、手話講習会を開催 ○高校・大学生向けの取組み等、若い世代への働きかけ ○企業等を対象としたコミュニケーション支援の実施 施策2 子どもたちの学びの中で、手話やろう者、盲ろう者等に対する理解を深めます。(再掲) 各学校で各年代の児童・生徒達が、ろう者や盲ろう者に対する理解を深めるとともに手話に触れることができるよう、簡単なあいさつを記載した手話に関するリーフレットや動画等を学習教材として作成し、提供します。 また、手話に関する取組事例集の作成・更新等、手話に関する指導教材の充実を図り、授業や特別活動等において手話を学ぶ機会の充実を図ります。 さらに、一般に向けて、子ども向けの手話冊子を作成して、幅広く手話の普及啓発を図ります。 【主な施策(再掲)】 ○学校での手話学習教材の配布、授業等への活用 ○手話学習動画の配信、授業等への活用 ○手話による絵本の読み聞かせの実施 ○県立高等学校における手話に関する取組事例集の作成・配付 ○子ども向け手話学習用冊子の作成 2 手話の普及推進 施策3 各種広報を充実し、手話の普及啓発を進めます。 手話学習用冊子や手話推進計画リーフレットを配布することにより手話の普及推進を進めます。 また、手話学習用動画の配信など、様々な広報媒体を活用しながら、手話の普及啓発を進めます。 県民だれもが手話に関心を持ち、手話であいさつ等の日常生活上の基本的なコミュニケーションができるようになることに取り組みます。 【主な施策】 ○手話推進計画リーフレットの配布 ○県の広報媒体を活用した普及の実施 ○ICTを活用した周知手段の検討・実施 施策4 イベント等を活用して、地域と連携しながら、手話の普及等を進めます。   県主催のみならず、民間や市町村イベント等を積極的に活用し、ろう者や盲ろう者、それ以外の方の交流の場を設け、県民が実際に手話と出会う機会をつくりながら、手話の普及推進を図ります。 地域と連携し、より身近な場面で実施することにより、効果的な普及啓発に努めます。 【主な施策】 ○手話普及推進イベントの実施 ○市町村開催のイベントとの連携 U手話に関する教育及び学習の振興 [現状と課題]  ・県民の誰もが手話を知り、学べる機会や場所が十分ではありません。 ・乳幼児期から学齢期にかけてのろう児(聴覚障がいのある子ども)が手話を獲得する機会の提供や、その保護者への情報提供や支援が必要です。 ・小・中学校、中等教育学校・高等学校では、継続的にろう者や盲ろう者等のことや手話を学ぶ機会がまだ少ないため、ろう者や盲ろう者への理解を深め、また手話を学ぶ学校用の教材の整備などの環境づくりが必要です。 【施策の方向】 地域や学校で、聞こえる子どもやろう児をはじめ、さまざまな世代へ、ろう者や盲ろう者、手話への理解を深める取組を進めます。 また、ろう児の手話獲得の機会の提供や学校での個々の特性に応じた手話等の指導を進め、ろう児とその保護者への支援を図るなど、当事者の手話習得や学習を支援します。 さらに、県民が、身近で手軽に手話やろう者、盲ろう者等を学ぶことができるしくみを整えます。   1 学校・地域で手話を学ぶ機会等の充実 施策5 子どもたちの学びの中で、手話やろう者、盲ろう者等に対する理解を深めます。 各学校で各年代の児童・生徒達が、ろう者や盲ろう者に対する理解を深めるとともに手話に触れることができるよう、簡単なあいさつを記載した手話に関するリーフレットや動画等を学習教材として作成し、提供します。 また、手話に関する取組事例集の作成・更新等、手話に関する指導教材の充実を図り、授業や特別活動等において手話を学ぶ機会の充実を図ります。 さらに、一般に向けて、子ども向けの手話冊子を作成して、幅広く手話の普及啓発を図ります。 【主な施策】 ○学校での手話学習教材の配布、授業等への活用 ○手話学習動画の配信、授業等への活用 ○手話による絵本の読み聞かせの実施 ○県立高等学校における手話に関する取組事例集の作成・配付 ○子ども向け手話学習用冊子の作成 施策6 ろう児及び保護者に対する乳幼児期からの手話の習得機会の提供、支援を進めます。 手話を必要とする子ども達が手話を獲得できるように、就学前のろう児に対し、手話の獲得機会を提供するとともに、保護者への支援を進めます。併せて、市町村とも連携して、早期支援実施機関やその他関係機関へ取組みの周知や協力等の働きかけを図ります。 また、就学後は、ろう児の個々の特性に応じた学校や地域での手話習得支援などの取組みを進めます。 【主な施策】 ○「聴覚障がい児等手話言語獲得支援事業」(愛称:しゅわまる)におけるろう児への手話獲得機会の提供及びろう児とその保護者への支援 ○学校での個々の特性に応じた手話等の指導 ○県聴覚障害者福祉センターでの乳幼児支援や、県立平塚ろう学校及び相模原中央支援学校の乳幼児相談での取組みの実施    施策7 教員向けの手話研修等を充実します。 手話への理解を深めるため、県教育委員会が実施する教員研修や説明会等において手話に関する講義等の時間を設けます。 【主な施策】 ○教員向け手話研修の実施 ○教育関係の会議での啓発や情報収集 ○手話月間での啓発資料の配付 ○県立平塚ろう学校における「手話アドバイザー」など、手話による指導力向上に向けた取組みの実施 2 手話を学習するしくみづくり  施策8 日常的に手話を学ぶためのしくみを充実します。 手話を、県民がいつでも手軽に分かりやすく学習できるよう、手話に関する学習用冊子や動画を作成し、幅広く県民に利用していただきます。 また、各種団体等が実施している手話講習会や手話による絵本の読み聞かせ学習情報について、県のホームページから提供するなど、誰もが気軽に、手話について学べる機会を整備します。 【主な施策】 ○学習用手話冊子の改定、増刷、配付 ○学習用動画の周知 ○手話講習会等の情報提供 V 手話を使用しやすい環境の整備 [現状と課題] ・手話での対応が可能な公共の窓口や、企業・商店等は、少しずつ増えつつありますが、いまだに多くはありません。観劇やイベント等も同様の状況です。日常生活、社会生活の様々な場面で、手話を使うことのできる環境の整備に向けて引き続き取り組む必要があります。 ・災害や事故、病気などの非常時は、ろう者や盲ろう者が自らの安全を守るための十分な情報を得ることが、常にも増して困難となります。 ・近年の大規模災害の増加や感染症の流行に伴い、非常時の対応についてのニーズが高まっています。 ・手話で会話ができる人材や、手話通訳者及び盲ろう者通訳・介助員の養成に向けた取組みや、手話通訳派遣の拡充など活動環境の充実が必要です。 【施策の方向】 手話による社会参加の推進に向けて、日常生活、社会生活において、手話による情報取得や手話が使用される機会の充実を図ります。 また、災害や感染症拡大時など、非常時における手話での意思疎通に向けた環境の整備を促進します。 併せて、手話通訳者、盲ろう者通訳・介助員など、ろう者や盲ろう者の社会参加に欠かせない専門人材の計画的な養成等に努め、派遣の機会を拡充するなど、活動環境の充実を図ります。   1 手話が使用される機会の充実   施策9 日常生活・社会生活において、手話により情報を取得し、手話が使用される機会の充実に努めます。 県機関(県庁及び出先機関)において、手話による基本的な対応ができるよう、県職員対象の手話講習等の機会を拡充します。 日常生活や社会生活の各場面において、基本的な手話が使われ、各事業所の窓口等でも、基本的な手話の対応ができるように、民間事業者、関係機関に対して幅広く働きかけ、手話やろう者、盲ろう者への理解の促進を行います。 障がい者への合理的配慮や相互理解の一環として、手話での対応を進めることで、手話による情報取得や手話が使用される機会の充実を図り、ろう者や盲ろう者が社会で一層活躍するしくみづくりに取り組みます。 【主な施策】 ○民間事業者等での手話講習会の開催 ○県職員向け手話講習会の開催 ○中途失聴者・難聴者向け手話学習支援 ○パブリックコメントでの手話による意見提出への対応 ○知事記者会見・議会中継等での手話通訳者配置 ○手話等を挿入した動画での情報提供 ○県機関での遠隔手話通訳サービスの実施 ○県聴覚障害者福祉センターホームページでの手話動画による生活関連情報等の提供 ○県聴覚障害者福祉センターでの手話を挿入したDVD制作及び貸出し 施策10 自然災害や感染症拡大時などの非常時に、手話で意思疎通できる環境の整備を促進します。 災害や事故、病気などの非常時に、ろう者が十分な情報を得られるとともに、意思を伝えることができる環境の整備に向けて、広く県民に、非常時に、ろう者が情報を得づらく支援が必要なことを周知します。 そして、防災や安全、医療等を担っている関係機関の協力を得ながら、手話研修の充実の働きかけを行うとともに、救急用・医療機関用コミュニケーションボードについて周知を図ります。 また、関係団体等と連携・協力しながら、緊急時対応、感染症防止対策などの観点からのICT技術の活用を検討し、導入します。 【主な施策】 ○救急用・医療機関用コミュニケーションボードの周知 ○遠隔手話通訳サービスなど緊急時対応、感染症防止対策などの観点からのICT技術の活用の検討、導入 2 手話通訳の充実等 施策11 手話通訳者、盲ろう者通訳・介助員などろう者や盲ろう者等の社会参加に欠かせない専門人材の計画的な養成等に努めます。 「神奈川県障がい福祉計画」を踏まえ、手話通訳者、要約筆記者及び盲ろう者通訳・介助員を養成するとともに、スキルアップのための現任研修事業を実施し、専門人材の活動環境の充実に取り組みます。 【主な施策】 ○手話通訳者の養成 ○要約筆記者の養成 ○盲ろう者通訳・介助員の養成 ○手話通訳者、盲ろう者通訳・介助員等の現任研修の実施及び研修内容の充実 ○手話通訳者指導者養成研修の実施 ○専門人材の活動環境充実に向けた取組み 施策12 手話通訳者、盲ろう者通訳・介助員等が派遣される機会等を拡充します。 県民が参加する県事業に手話通訳者が派遣されるよう、取組みを進めます。  また、市町村や民間の事業や行事にも手話通訳者が派遣されるように  働きかけます。 さらに、各市町村の意思疎通支援事業担当者や派遣コーディネーターを対象とした研修会を実施し、情報の共有化を行うことで、意思疎通支援事業の手話通訳者等の派遣において、サービス向上や手話通訳者等の活動環境の充実を促します。 【主な施策】 ○県事業への手話通訳者、盲ろう者通訳・介助員等の派遣 ○市町村、民間機関への手話通訳者、盲ろう者通訳・介助員等派遣の働きかけ ○市町村意思疎通支援事業担当者等を対象とした研修会の実施 ○専門人材の活動環境充実に向けた取組み(再掲) 成果指標(案)  施策を展開するにあたり、取組みの進捗の指標となる数値を設定します。 左から順に、年度、T手話の普及のうち手話学習用冊子増刷状況、市町村と連携した手話講習会の開催回数、U手話に関する教育及び学習の振興のうち、手話交流会(しゅわまる)の開催回数、手話による絵本の読み聞かせ会の開催回数、V 手話を使用しやすい環境の整備のうち民間事業者等での手話講習会の開催回数、手話通訳者の養成者見込数、盲ろう者通訳・介助員養成見込数、広域的な手話通訳派遣利用見込件数、盲ろう者通訳・介助員派遣利用見込件数です。 現状※、0、1、10、0、6、15、0、104、1,722 (参考)2019、10,000、10、未実施、7、40、0、26、220、2,305 2022、11,000、10、20、8、40、20、25、290、2,200 2023、11,000、10、20、9、40、20、25、290、2,200 2024、11,000、12、20、10、40、20、25、290、2,200 2025、11,000、14、20、10、40、20、25、290、2,200 2026、11,000、16、20、10、40、20、25、290、2,200 ※現状は、2020(令和2)年度実績。手話交流会は2020(令和2)年度から開始。 (18ページ) (参考)各施策の取組工程について 2022から2026年までの次の事業の工程を示しています。( )内は実施内容です。 手話の普及 手話への理解促進 県民の手話の講習会を拡充し、手話に対する理解を深める ・市町村と連携した手話講習会の開催(各地で開催) ・高校・大学生等若い世代への働きかけ(各広報媒体で働きかけ) 【再掲】子どもたちの学びの中で、手話やろう者、盲ろう者等に対する理解を深める 手話の普及推進 各種広報を充実し、手話の普及推進 ・県の広報媒体を活用した普及の実施(実施) ・ICTを活用した周知手段の検討・実施(検討・実施) イベント等を活用して、地域と連携しながら、手話の普及等を推進 ・普及推進イベントの実施(イベントの実施) ・市町村開催のイベントとの連携(連携の打診・実施) 手話に関する教育及び学習の振興 学校・地域で手話を学ぶ機会等の充 子どもたちの学びの中で、手話やろう者、盲ろう者等に対する理解を深める ・手話学習教材配布・手話学習動画配信(教材配布・動画配信) ・子ども向け手話学習用冊子の作成(作成・配布) ・手話による絵本の読み聞かせの実施(実施) ろう児及び保護者に対する乳幼児期からの手話の習得機会の提供、支援 ・手話交流会(しゅわまる)におけるろう児への手話習得機会の提供及びその保護者への支援(機会の提供・保護者支援) ・学校での個々の特性に応じた手話等の指導(実施) 教員向けの手話研修を充実 ・教員向け手話研修の実施(研修実施) ・手話月間での啓発資料の配付(資料配布) 手話を学習するしくみづくり 日常的に手話を学ぶためのしくみを充実 ・学習用手話冊子の作成、配付(作成・配布) ・学習用動画の周知(周知) 手話を使用しやすい環境の整備 手話が使用される機会の充実 日常生活・社会生活において、手話により情報を取得し、手話が使用される機会の充実 ・民間事業者等での手話講習会の開催(手話講習会開催) ・県職員向け手話講習会の開催(手話講習会開催) ・パブリックコメントでの手話による意見提出への対応(対応実施) ・県機関での遠隔手話通訳サービスの実施(サービス実施) 自然災害や感染症拡大時などの非常時に、手話で意思疎通できる環境の整備を促進 ・緊急時対応、感染症防止対策などの観点からのICT技術の活用(技術活用) 手話通訳の充実等 手話通訳者、盲ろう者通訳・介助員などろう者や盲ろう者等の社会参加に欠かせない専門人材の計画的な養成等 ・手話通訳者の養成(手話通訳者養成) ・要約筆記者の養成(要約筆記者養成) ・盲ろう者通訳・介助員の養成(盲ろう者通訳・介助員養成) ・専門人材の活動環境充実に向けた取組み(取組み実施) 手話通訳者、盲ろう者通訳・介助員等が派遣される機会等を拡充 ・県事業への手話通訳者、盲ろう者通訳・介助員等の派遣の働きかけ(派遣の働きかけ) (20ページ) 関連事項の紹介:電話リレーサービス 電話リレーサービスとは、聴覚障がい者・難聴者・発話困難者などのきこえない人の「手話又は文字」ときこえる人の「音声」を、オペレータが通訳することにより、きこえない人ときこえる人の会話を電話で即時双方向につなぐサービスです。 令和2年6月、「聴覚障害者等による電話の利用の円滑化に関する法律(令和2年法律第53号)」が制定(同年12月1日施行)され、公共インフラとしての電話リレーサービスが制度化されました。 令和3年7月1日から、総務大臣から指定された「一般財団法人日本財団電話リレーサービス」がサービス提供を開始しています。 電話リレーサービスは24時間365日、夜中の通話も可能で、警察・消防などの緊急通報にも対応しています。きこえる人からの発信も可能です。 電話リレーサービスが広く社会に普及し、多くの聴覚障がい者等に御利用いただくためには、きこえない人だけでなく、きこえる人にも電話リレーサービスについて広く知っていただくことが重要です。 ※このほか、関連事項の紹介・コラムを掲載予定です。 (22ページ) T推進体制 1神奈川県手話言語普及推進協議会 条例第8条に規定する手話推進計画の策定及び同計画の進行管理等を行うにあたって、有識者等から意見を聴取するため、神奈川県手話言語普及推進協議会を開催し、手話普及の取組を推進します。 2手話言語推進会議 条例第8条に規定する手話推進計画の策定及び同計画の進行管理等を行うため、庁内組織として手話言語推進会議を設置し、関係各課とも連携して取り組みます。 3市町村や事業者等との連携・協力 手話の普及等に関する施策の推進には、市町村や事業者等との連携や 協力が重要であることから、県は、市町村や事業者等に対する働きかけを進めていきます。 U進行管理 計画を着実に推進するために、毎年度、計画に位置付けた施策の実施状況について神奈川県手話言語普及推進協議会に報告し、情報共有しながら、事業の改善等、計画の効果的・効率的な推進を図ります。 また、国の施策動向など状況の変化を踏まえ、計画の施策を展開します。その際、必要に応じ、手話言語普及推進協議会等に報告し、ご意見をいただきながら進めます。 (23ページから25ページ) V資料 用語の説明 【か】 神奈川県障がい福祉計画 「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」に 基づき、市町村障害福祉計画の達成に資するため、広域的な見地から障害福祉サービスの提供体制の確保等について、県が定める計画。 【し】 障害者基本法 障がい者のための施策に関し、基本理念を定め、国・地方公共団体等の 責務、施策の基本事項等を定める法律。 障害者権利条約 障がい者の人権及び基本的自由の享有を確保し、障がい者の固有の尊厳の 尊重を促進することを目的として、障がい者の権利の実現のための措置等について定める条約。 触手話 話し手が手話を表し、盲ろう者が話し手の手に触れて手話の形を読み 取ることにより、話の内容を伝える方法。 手話 「ろう者」の間で使われる、主として手の形、位置、動きや表情により概念を表し、お互いの意思を伝え合う「視覚言語」であり、「音声言語」である日本語とは異なる文法を持つ言語。 手話通訳 手話を用いて、ろう者とろう者以外の人のコミュニケーションを仲介すること。 手話通訳者 手話の知識と技術を用いて、ろう者とろう者以外の人のコミュニケーションを仲介する人。 身体障害者手帳 身体に障がいのある方が各種の相談や援助を受けやすくするため、本人(15歳未満は、その保護者)の申請に基づき、身体障害者福祉法に定める障害程度に該当すると認められた場合に交付される手帳。 【せ】 接近手話 盲ろう者が弱視である場合に、その盲ろう者の見やすい距離や範囲内で手話を行い、話の内容を伝える方法。 【と】 等級 身体障害者福祉法第4条別表で定められた身体障害者及び身体障害者 福祉法施行規則第5条第3項で定められた、1級から6級までの身体障害者障害程度等級。 特別支援学校 視覚障がい者、聴覚障がい者、知的障がい者、肢体不自由者又は病弱者(身体虚弱者を含む。)に対して、幼稚園、小学校、中学校又は高等学校に準ずる教育を施すとともに、障害による学習上又は生活上の困難を克服し自立を図るために必要な知識技能を授けることを目的とする学校。 【も】 盲ろう者 目と耳に重複して障がいがあり身体障害者手帳に視覚障害と聴覚障害の 両方に記載のある人の総称。 盲ろう者特性の抱える困難として、「情報入手」「コミュニケーション」「外出」の3つが困難である。 盲ろう者通訳・介助員 接近手話、触手話、指点字、筆記などの通訳技術と移動介助技術を有し、盲ろう者の通訳・介助をする人。 【よ】 要約筆記 聴覚障がい者への情報保障手段の一つで、話されている内容を要約し、文字として伝えることをいう。主に第一言語を手話としない中途失聴者・難聴者などを対象とする。要約筆記には主に以下の3つの方法がある。 ・ノートテーク(手書き) ・OHP(オーバーヘッドプロジェクター)使用の手書き ・パソコン要約筆記 要約筆記者 要約筆記作業に従事する人。 【ろ】 ろう学校 聴覚に障がいのある幼児・児童・生徒の教育のために整備された学校であり、幼稚園・小学校・中学校又は高等学校に準ずる教育を行う。併せて障がいによる学習上又は生活上の困難を克服し自立を図るために必要な知識・技能を授ける。 2007(平成19)年学校教育法の改正により、法律上の区分は「特別支援学校」となったが、現在も、ろう学校の名称を残す学校もある。 神奈川県内には、県立平塚ろう学校、横浜市立ろう特別支援学校、川崎市立聾学校、横須賀市立ろう学校の4つのろう学校がある。この他に幼稚部、小学部、中学部に聴覚障害教育部門を設置する県立相模原中央支援学校がある。 (26ページ) 「神奈川県手話推進計画」の改定に関する主な経緯(今後実績を記載予定です) 1改定計画素案への県民意見等の反映 「神奈川県手話推進計画」素案に対するパブリックコメントの実施 (1)意見募集期間 令和3年10月中旬から実施予定 (2)意見募集方法 県ホームページへの掲載(文書、手話動画)、県機関等での閲覧及び配布 (3)意見の提出方法 郵送、ファクシミリ、電子メール (4)提出された意見の概要 ア意見件数〇件(意見提出者数〇人、〇団体) イ意見の内訳 ウ意見の反映状況 2会議等による検討(今後実績を適宜記載予定) (1)神奈川県手話言語普及推進協議会 令和2年11月17日計画改定について 令和3年3月25日計画改定の方向性について和3年 5月21日  改定計画骨子案について 令和3年8月25日改定計画素案について 令和4年1月○日パブリックコメントの結果報告について(予定) 令和4年3月○日改定計画案について(予定) (2)神奈川県手話推進計画に係る意見交換会 令和3年1月29日改定計画骨子案について 令和3年7月14日改定計画素案について (3) 神奈川県手話言語推進会議 令和2年11月25日計画改定の検討について 令和3年5月21日改定計画骨子案について 令和3年8月25日改定計画素案について 令和4年○月○日パブリックコメントの結果報告について(予定) (4)当事者団体等へのヒアリング 令和2年12月24日〜令和3年2月5日計画の策定について (5)神奈川県議会厚生常任委員会 令和2年9月29日計画改定の延期について 令和3年7月2日改定計画骨子案について 令和3年10月4日改定計画素案について 令和4年2月○日改定計画案について(予定)   (6)神奈川県社会福祉審議会 令和4年3月○日改定計画案について(予定) (28ページから29ページ) 神奈川県手話言語条例 手話は、手や指、体の動きなどを用いる独自の語彙及び文法体系を有し、ろう者とろう者以外の者が、互いの人権を尊重して意思疎通を行うために必要な言語である。 我が国におけるその起源は明治時代とされ、これまで、ろう者の間で大切に受け継がれ、発展を遂げてきたが、過去には、口の形を読み取り、意思を発音し、又は発声する口話法による意思疎通が推し進められ、手話の使用が制約された時代もあった。 その後、平成18年12月の国際連合総会において、障害者の権利に関する条約が採択され、平成26年1月、我が国はこれを批准した。 この条約の採択により、手話が言語であることが世界的に認められ、ろう者による歴史的、文化的所産である手話に対する理解の促進が期待されている。 そうした中、我が国では、手話が言語であることを障害者基本法において明らかにしたものの、いまだ手話に対する理解が浸透しているとは言えないことから、手話に対する県民の理解を深め、これを広く普及していく必要がある。 こうした認識の下、手話を普及するための施策を総合的かつ計画的に推進し、全ての県民が互いを理解し合える地域社会を構築するため、この条例を制定する。 (目的) 第1条 この条例は、手話がろう者の意思疎通及び情報の取得又は利用のための手段としての言語であり、手話を選択する機会が可能な限り確保されなければならないものであることに鑑み、手話の普及等に関する基本理念を定め、県の責務並びに県民及び事業者の役割を明らかにするとともに、手話の普及等に関する施策を推進するための基本的事項を定め、もってろう者とろう者以外の者が相互にその人格と個性を尊重し合いながら共生することのできる地域社会を実現することを目的とする。 (定義) 第2条 この条例において「ろう者」とは、手話を言語として日常生活又は社会生活を営む者をいう。 2 この条例において「手話の普及等」とは、手話の普及並びに手話に関する教育及び学習の振興その他の手話を使用しやすい環境の整備をいう。 (基本理念) 第3条 手話の普及等は、手話が、独自の言語体系を有する文化的所産であって、ろう者が知的で心豊かな日常生活又は社会生活を営むために大切に受け継いできたものであり、ろう者とろう者以外の者が相互にその人格と個性を尊重し合いながら共生することのできる地域社会の実現のための意思疎通及び情報の取得又は利用の手段として必要な言語であることについての県民の理解の下に、推進されなければならない。 (県の責務) 第4条 県は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、社会的障壁の除去に関する必要かつ合理的な配慮を行うとともに、手話を使用する者の協力を得て、手話の普及等を推進する責務を有する。 (市町村との連携及び協力) 第5条 県は、手話の普及等に関する施策の推進に当たっては、市町村と連携し、及び協力するよう努めるものとする。 (県民の役割) 第6条 県民は、基本理念にのっとり、手話に対する理解を深めるよう努めるものとする。 2 手話を使用する者は、基本理念にのっとり、県が実施する手話の普及等に関する施策に協力するとともに、手話の普及に努めるものとする。 (事業者の役割) 第7条 事業者は、基本理念にのっとり、ろう者に対しサービスを提供するとき、又はろう者を雇用するときは、手話の使用に関して配慮するよう努めるものとする。 (手話推進計画) 第8条 県は、基本理念にのっとり、手話の普及等に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、手話の普及等に関する計画(以下「手話推進計画」という。)を策定し、これを実施しなければならない。 2 県は、手話推進計画の策定又は変更に当たっては、県民の意見を聴き、これを反映することができるよう、必要な措置を講ずるものとする。 (財政上の措置) 第9条 県は、手話の普及等に関する施策を推進するために必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。 附 則 1 この条例は、平成27年4月1日から施行する。 2 知事は、この条例の施行の日から起算して5年を経過するごとに、この条例の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。 (終わり)