参考資料4、当事者目線の障がい福祉に係る将来展望検討委員会、第7回(令和3年12月22日) 県立施設退所者に対するインタビューについて 1、趣旨 当事者目線の障がい福祉に係る将来展望の議論を進める上での参考とするため、県立障害者支援施設(指定管理を含む)から退所し、地域生活移行した人に対して、移行先での生活や日中の活動等について話を伺った。 2、実施期間 令和3年10月26日(火)から11月11日(木) 3、対象 下表の9名(平成28年度から令和2年度において、県立障害者支援施設(指定管理を含む)6か所のいずれかの施設から退所し、共同生活援助、重度訪問介護等の障害福祉サービスを利用して地域で生活している人であって、予め、インタビューについて同意を得られた人) 左から、年齢、支援区分、移行先種別、利用中の主な障害福祉サービスの順に示す 40代、区分5、グループホーム、移動支援・生活介護事業所 40代、区分6、民間アパート(独居)、重度訪問介護・生活介護事業所 50代、区分6、グループホーム、移動支援・身体介護・訪問看護・生活介護事業所 50代、区分6、グループホーム、生活介護事業所 50代、区分6、グループホーム、生活介護事業所 60代、区分6、グループホーム、移動支援・生活介護事業所 60代、区分6、グループホーム、移動支援・生活介護事業所 70代、区分6、グループホーム、移動支援・生活介護事業所 80代、区分6、グループホーム、生活介護事業所 4、実施方法 県庁職員(2名一組)が、インタビュー対象者の住家に伺い、支援者の陪席の下、@入所施設の暮らし、A現在の暮らし、B日中活動、C余暇活動などについて、40分程度、話を伺った。 5、インタビュー結果(別紙) (別紙) インタビュー結果(概要) T本人へのインタビュー ※ できる限り本人の発言のまま記載しているが、一部、支援者が補足した文言を含んでいる 1、施設での生活 ・コンサートを観に行ったことや、ドラえもんのDVDを皆で観たことが楽しかった。 ・ローソン販売が施設に来ていて、そこで買い物をすることがあった。( ・編み物やビーズ通しなどをよくやっていた。 ・WEBで学生さんと月に1回お話をしていた。お話しするのが楽しい。今も続いている。・ 2、グループホーム等の見学・体験 ・他のグループホームを体験利用した。店が近いことなどが気に入って、今のグループホームが良いと思った。 ・グループホームだけでなく、日中活動先も何か所か見に行った。 ・他のグループホームも見た。ここが良かった。(活動の場所も)ここが良い。 ・他の日中活動も見学したが、不安なことがあった。日中活動場所を見学し、体験をしてみて、いまの日中活動場所になった。 3、地域生活移行後の今の暮らし 〇全般的なこと ・ドライブ、買い物、ビデオを見たりすることが楽しい。外に出られることが増えてよかった。グループホームに来てよかった。 ・買い物に行く。買い物好き。コーヒーを飲む。TVが好き。TBSを見る。(独居) ・自分で洋服を買った。施設にいたときよりも、自分で買う回数が増えた。 ・足りない物を職員に言っても、すぐに手に入らなかった。グループホームに移ってからは、買い物に行って自分で選んで買える。 ・施設では、洗濯物を取り込むにも、鍵を開けてもらわないといけなかったが、グループホームでは、自分で取り込んでいる。 ・お風呂に毎日入る。お風呂大好き。職員と入る。グループホーム大好き。 ・お風呂に一人で入る。通所施設から帰ると他の利用者が「沸いてるよー」と言ってくれる。施設にいる時は大勢で入るし、いつ呼ばれるか分からなかったが、今は介助が必要な利用者が入り終わると、自分の番が来る。 ・お風呂に一人で入っている。皆と一緒に入りたい。 ・お風呂は好きだが、長湯はしない。たまには歌を歌いながら入ることもある。 ・床屋さんは冷やす(濡らす)からイヤ。着替える。 ・施設にいる時は髪を自分で抜いてしまうため坊主だった。グループホームに移ってからは髪を伸ばしている。落ち着いた。 ・お父さん来る?お母さん来る?(独居) ○居室での過ごし方 ・テレビを見たり、ゲーム(ニンテンドーDS)をしたりしている。 ・ソファーで過ごすのが好き。お部屋が好き。(独居) ・部屋では、弟さんに買ってもらった大きいTVで、布施明のDVDをかけて聞いている。楽しみにしている。都はるみも。月曜日は坂本冬美を見る。曜日によって決めている。 ・次郎長が好き。ギターを弾きながら歌ったりもする。ワンピース(コミック)を読むことも好きだし、ユニフォームを着てプロ野球を見たりしている。ん 〇食事 ・施設のご飯は冷たかったけれど、グループホームのご飯は温かい。 ・ご飯がおいしい。下膳は自分でしている。 ・ご飯がおいしい。(独居) ○仲間とのかかわり ・入所施設では、部屋には1人で住んでいたが、同じ寮の他の利用者とけんかをすることがあった。グループホームに来てからは、けんかをあまりしない。 ・入所施設にいたときは、ガー言う(手を出す)人がいたが、現在はいない。 ・好きな友達がいる。一緒にグループホームに来たKさんとか。 ・仲のいい人は特にいない。他の利用者は年齢が離れている(若い)から。 ・コロナ禍となる前には、ガイドヘルパーとお寿司を食べに行った。 ・グループホーム利用後、コロナ禍で、入所施設の他の利用者とは会えていない。会いたいと思う。 ・施設よりグループホームのほうがいいけれど、ときどき施設に行ってみたいと思うことはある。 ・入所施設とリモートで同窓会をした。施設の友だちが、コロナ禍が落ち着いたらケーキを持って遊びにくると言ってくれて、うれしかった。さん) ・昨年度1回入所施設とリモートで同窓会をした。知っている友だちや職員がいて、懐かしかった。) ・コロナ禍となる前は、縁日があるときに、園のお迎えで参加したこともあった。 ・○○さん(支援者の名前)来る?○○さん来る?○○さん好き。 (独居) ○日中活動 ・リサイクル作業をしたり、散歩に出かけている。 ・仕事はアルミ缶つぶしや紙切り、床をふいたり雑巾を洗ったりしている。工賃をもらっている。( ・新しくやってみたいことは、事業所で受注しているカレンダー作りの仕事。今度やってみたい。 ・楽しいこともあるし、つまらないこともある。仕事をするのが楽しい。 ・アルミはがしなどの作業をしている。工賃をもらえる。ん) ・アルミ剥がしをやっている。アルミ剥がしがお金になることを知っている。 ・紙のリサイクル作業をしながらお腹のマッサージをしたり、あし漕ぎの運動をしたりしている。 ・活動後のおやつはチョコレートなど。籠に入っている中から自分で選ぶ。) ・月に1回、利用者自治会に参加。今月は、皆で小さなカップラーメンを食べる。先月の自治会の話し合いで、何を食べるかみんなで決めた。 ・職員とキャッチボールをしている。 ・施設にいる時よりもできることが増えた。 ・○○さん(支援者の名前)が好き。(独居) ・やめとく。(独居)  ※ 週5日活動に参加している。たまに気分で「やめとく」ことがあるとのこと 〇交通手段 ・生活介護事業所の職員が車で迎えに来てくれる。他のグループホームを回って乗せてくれる。車に乗るのが好き。 ・生活介護事業所の職員に車で送り迎えをしてもらって、日中活動に参加している。 ・車で迎えにきてもらって通っている。 〇医療機関の利用 ・風邪をひいた時などは、職員と車で病院に行く。 ・痒くない。(独居)※ 必要に応じて近所の診療所をすぐに受診しているとのこと ○週末や休日の過ごし方 ・歩いて行けるところにガストやファミリーマートがある。毎週土曜日にファミリーマートでパンを買う。 ・近所に河川敷があり、散歩に出かける。 ・土日に、ホームの他利用者と一緒にスーパーに行き、お寿司を買ってくることがある。 ・ガイドヘルパーを利用して、散髪に行ったり、近くを散歩している。 ・担当職員とサイゼリヤやマクドナルドで外食し、帰りにコンビニでおやつを買う。 ・ヘルパーさんと車で買い物に行く。ドラッグストアでボディソープなどを自分で選んで買う。 ・慣れた職員と、しまむらや美容院等に行く。床屋さんは水曜日。床屋さんの下が喫茶店になっているので、がまんして髪を切ったあとにチョコレートパフェを食べる。 ・家具屋に初めて行った。 ・今後、野球観戦に行きたい。 ・ガイドヘルパーを利用して兄に会いに行くことを計画していた。コロナ禍のため行けず、また面会もできないので、電話でのやり取り程度になってしまっている。 ・先日ガイドヘルパーの利用を再開したが、久しぶりに歩いたので、足が痛くなった。 ・近隣を散歩している。コロナ禍となる前は、バスなどを利用して出かけていた。 ・お母さん、お父さんの所に行った。(独居) U支援者のコメント 1、施設での生活 ・施設にいるときは、表情が険しく、目がつりあがっていた。(独居) 2、グループホーム等の見学・体験 ・家を3軒くらい探したが、家の様子のほか大家さんとの関係もあり、絞られていった。(独居) ・体験して、アパートのほうが居心地がよくなったようで、入所施設の方面にドライブに行くと、「帰る」と言っていた。(独居) 3、地域生活移行後の今の暮らし 〇全般的なこと ・スーパーが近くにあって、ほぼ毎日買い物に行く。食材も職員と一緒に買いに行く。好きなときに好きなものを選んで買っている。(独居) ・グループホームのお風呂は小さいので一人ずつ入っているが、大きいお風呂に入りたいとの希望があるので、ケアプラザでデイサービスの利用を始める予定になっている。 ・入所施設からアパートに移ってからは、夜更かしをすることもある。お風呂にゆっくりと入ることもある。行くところや、寝る時間、お風呂にはいっている時間も今は自由となり、のんびりとしている。施設にいるときと表情がまるで違う。穏やか。(独居) ・毎日お風呂に入り、足の指と指を綺麗に洗っている。そのせいか、水虫がなくなった。 ・入所施設を出て水虫がなくなった。掻くのを止められる回数が減った。家では靴を脱いでいる。そこが施設と違う。(独居) ・生活の中で、洗濯した物を洗濯バサミに挟む練習をしている。 ・床屋さんは嫌いだけれども、がまんしている。入所施設にいるときは服を人前で脱いでいたが今は人前では脱がなくなった。濡れるので着替えを持っていく。 ・弟さんの家と近くなったので、月に1回以上、弟さんが来てくれるようになった。 ・お父さんとお母さんの家がどこか、今は認識している。ここが自分の家とわかって、近くにお父さん、お母さんの家が近くにあることがわかった。(独居) ・曜日がわかる。施設にいるときから、洋服も曜日によって何を着るか決めている。 ・支援者が新聞を作成している。本人の写真を撮っている。(独居) ○居室での過ごし方 ・部屋で過ごしていることが多いが、絵描きをしたり、懐メロを聴いたり、歌にあわせて鼻歌を歌ったり、リズムを取ったりしている。支援員と踊ったりすることもある。( ・好きな時に冷蔵庫を開けて冷たいコーヒーを飲む。元々、冷蔵庫の扉を開けることができたが、施設では自分で開ける機会がなかった。(独居) ・入所施設ではテレビのチャンネルを好きに変えることはできなかった。元々、リモコンは扱えるので、今は、好きなときに、チャンネルを変えている。(独居) ・一緒にソファーに座っていい人は、好きな支援者だけ。(独居) ・担当の職員が泊まりのときに、お風呂場で散髪をしてもらうのを楽しみにしている。 ・日中は、トイレに行きたいと思ったときに、職員に一緒に来てほしいので、職員に声をかけるが、夜中などは、職員に声をかけないで一人で行くことができている。 〇食事 ・食材を一緒に買いに行き、その日に食べたい物を買う。(独居) ・今日はカキフライカレーを選んで食べた。移り住んで最初はうなぎばかり食べていたが、今はカキフライが好き。(独居) ・配膳は職員が行うが、下膳は自分で行っている。他の利用者や職員の食器も、食卓に残っていれば下膳してくれている。以前は下膳後に同じ食器をまとめたりする作業もしていたが、コロナ禍のため、今はしていない。 ○仲間とのかかわり ・支援者の方の名前を挙げ、「〜さん来る?」と嬉しそうだ。人とのかかわりが広がっている。(独居) ・ホームの他利用者とは年齢差や、障がいの程度が異なるためか、他利用者からちょっかいを出されることもある。 ○日中活動  ・月曜日から金曜日までは、施設入所支援を受けていた施設の日中活動に通っている。月に1度、土曜日に、グループホームを運営している法人の日中活動に参加している。 ・アルミ剥がしをやっている。下請けなので納めに行く。入所施設にいるときは広告ちぎりなどをしていた。 ・曜日で、活動に行く日が分かっている。((独居)( ・生活介護の場所では、弁当を車に積んだり、運んだりしている。(独居) ・生活介護事業所に好きな職員がいる。生活介護の場所が好き。(独居) ・週5日活動に参加している。たまに気分で「やめとく」こともある。別の場所で陶芸もしており、陶芸の作品作りは幼い頃に経験したことがある。集中して取り組んでいたが、会議への出席が重なり、以降「やめとく」ようになった。(独居)( 〇通所の交通手段 ・生活介護事業所の職員が車で迎えに来てくれる。他のグループホームを回って乗せてくれる。車に乗るのが好き。 ・生活介護事業所の職員に車で送り迎えをしてもらって、日中活動に参加している。 ・車で職員に連れてきてもらって、通っている。 ・車で毎日行く。生活介護事業所の職員が迎えに来てくれる。(独居) 〇医療機関の利用 ・歯医者が近所にあるので、地域の有償ボランティアの方に連れて行ってもらっている。 ・グループホームから、入所施設の中の診療所に行っている。車で行っている。 ・近所の診療所に受診している。掻き壊しがひどいときなど、必要に応じてすぐに受診している。(独居) ○週末や休日の過ごし方 ・緊急事態宣言が解除されたので、近隣への外出を再開して、お店で購入して、公園などで食べたりしている。) ・「ドライブ行く」とか、「食べに行く」と言うときもあり、その時は支援者と行く。(独居) ・幼いころに姉と一緒に遊んだ歌を、今も覚えていて楽しそうに遊ぶ。(独居) ・昨日は、お父さんの誕生日プレゼントを選んで買い、持っていった。(独居) ・グループホームに移り住むときは、ベッドやタンス、布団カバーやシーツも自分で選んで買った。