当事者目線の障がい福祉に係る将来展望検討委員会 第2回(令和3年8月6日)資料4 他県の障害者支援施設の検討事例 国立のぞみの園 ・独立行政法人移行後、「重度知的障がい者のモデル的な処遇を行う施設」として、新たな入所者を受け入れないことを基本とし、国立のぞみの園の入所者の地域移行を積極的に推進してきた。 ・地域移行を専門的に扱う「地域支援部」の設置。また、高崎市内に地域生活体験ホームを2箇所整備し、地域生活の疑似体験の実施や移行事業所等の見学・体験等に取り組んでいる(H15 年度〜H28 年度の地域移行者数:170名)。 施設名、国立のぞみの園(群馬県高崎市) 運営状況、独立行政法人 運営主体、(独)国立のぞみの園 定員、最大時、H15年度時点、定員550名 (※H15.10.1現在の入所者499名) 現状、H30.1.1現在の入所者233名 (参考:R2.9.30現在205名) ※医療的配慮グループ、高齢者支援グループ、特別支援グループ(強度行動障がいのある者、矯正施設を退所した知的障障がい者)、自立支援グループごとに分かれて生活している。 あり方等の検討の経緯・状況 ○H13.12 独立行政法人化とすることが閣議決定 ・重度知的障がい者のモデル的な処遇を行う施設の運営主体として位置付け ○H14.8〜H15.7 国立コロニー独立行政法人化検討委員会 ・独法化に伴い、国が法人に対して指示すべき中期目標の内容等を検討 ・新たな入所者を受け入れないことを基本とし、入所者の地域移行を進める ・運営の合理化・効率化を図る ○H29.5〜H30.2 (独)国立のぞみの園の在り方検討会 ・近年の状況の変化(高齢化、地域移行が難しい利用者の処遇、今後の事業展開、財政問題、施設の老朽化等)を踏まえ、中長期的な運営方針を検討 ・全国施設の取組状況を踏まえ、国として実施すべき事業に重点を絞る ・障がい者の高齢化・重度化が進行する中、地域移行という視点を重視する ・旧法人時代からの入所者には、経緯や状況を踏まえ、本人や家族の不安が生じないよう国として最後まで責任を持って支援する ・従来の実施方法を検証し、支援方法、職員配置、財源等、全国の施設で実施可能となるようにする ・運営主体について、独立行政法人がよいか検討する取組・支援等 施設整備面 ・経営改善、建物の老朽化等の課題あり。 ・第4期中期計画(H30.4.1〜R5.3.31)で、収支分析を行いつつ、人員体制、雇用管理の在り方及び事業内容の検討、運営主体、実施場所等、中長期的在り方について具体化するよう提言。 ・第5期中期計画の話を入れるか 運営面【地域移行等】 ・新規入所の受入れ中止。 ・地域移行を専門に扱う「地域支援部」を設置し、体制づくりを行った。 ・独自事業として、地域生活体験ホームを2箇所設置し、宿泊体験等を実施した上で、出身地のGH等の利用につなげた。 ・現場の職員によるフォローアップ(5年)を行うとともに、再入所を可能とした(※医療的なケアが必要等の理由で再入所あり) 【有期限での支援】 ・H20年度から矯正施設を退所した知的障がい者を、H23年度から強度行動障がいのある知的障がい者を有期限(2年)で受け入れ、支援している。 【診療所の機能を活かした支援】 ・発達障がい児・者、強度行動障がい者、高齢知的障がい者への支援"  第5期中期計画の話を入れるか 備考 施設ホームページ、(独)国立のぞみの園の在り方検討会報告書等より 他県の障害者支援施設の検討事例 袖ヶ浦福祉センター(千葉県) ・H25.11の虐待死亡事件を受け、H26.1に第三者検証委員会を設置。利用者の民間施設・地域移行による定員規模の縮小を提言(半分程度を目指す)。 ・H26.9、千葉県袖ヶ浦福祉センター見直し進捗管理委員会を設置。総括評価(答申)で、更生園は、第六次千葉県障害者計画終了時点(R2年度末)までに県立施設として存続するかを判断、併せて、県内全域の強度行動障害者の支援システム構築の検討を答申。 ・H30.12、上記委員会の結果を踏まえ、袖ヶ浦福祉センター検討会議を設置(〜R1.7まで6回開催)。 ・R2.8、今後、利用者全員の移行を行った上でR4年度末までに廃止とした。 県名、千葉県/県人口規模:6,319,772人(R2.1.1住基台帳人口) 施設名、袖ヶ浦福祉センター 運営状況、指定管理 運営主体、(社福)千葉県社会福祉事業団 定員、最大時 定員:430名 更生園280 養育園150 現状 ※R2.8.1時点 定員:130名(実員67) 更生園90(実員53) 養育園40(実員14) あり方等の検討の経緯・状況 ・H25.11の虐待死亡事件を受け、H26.1に第三者検証委員会を設置。大規模ケアからきめ細かな支援を可能にするため利用者の民間施設・地域移行による定員規模の縮小を提言。 ・H26.9、千葉県袖ヶ浦福祉センター見直し進捗管理委員会を設置。総括評価(答申)で、更生園は、第六次千葉県障害者計画終了時点(R2年度末)までに県立施設として存続するかを判断、併せて、県内全域の強度行動障害者の支援システム構築の検討を答申。 ・H30.12、上記委員会の結果を踏まえ、袖ヶ浦福祉センター検討会議を設置(〜R1.7まで6回開催)。 ・R2.8、県立施設で受入れ・支援してきた重度の強度高度障害のある方についても、支援システムの構築により、各地域の民間施設・事業所で分散して受け入れ、きめ細かなケアを行うことが可能となることを受け、今後利用者全員の移行を行った上でR4年度末までに廃止とした。 取組・支援等 施設整備面 ・民間の入所施設やGHなど、一人ひとりの障害特性に応じた多様な住まいをできる限り各地域に分散して確保するため、民間事業者が行う既存施設の改修やGHの整備に対する補助制度を創設する。 運営面 【千葉県重度の強度行動障害のある方への支援システムの構築】 ・県が強度行動障害支援の有識者、民間施設、相談支援事業所関係者、医療関係者等により構成する「暮らしの場支援会議」を設置し、受入候補施設等において、短期での入所等の機会を提供し、アセスメントを通じて本人の意思を汲み取りつつ、保護者の意向も踏まえ、一人ひとりに合った支援が受けられるよう、暮らしの場支援会議において、受入先を調整する。 【地域移行等】 ・袖ヶ浦福祉センター利用者に対しては意思を汲み取り、保護者からの相談に対応し、民間の事業者への支援につなげるため「意思決定支援アドバイザー」を配置。 ・移行先の民間施設等の整備や支援員の追加配置に対する補助制度の充実を図る。 備考 千葉県HP、「(参考)千葉県袖ケ浦福祉センター見直しの経緯について」(R2.8.31)等より