第1回委員会における主な意見 当事者目線の障がい福祉に係る将来展望検討委員会 第2回 (令和3年8月6日) 資料1 1 障がい福祉の将来像について 〇 人間としては皆同じ。強みと弱みを持ちお互いに助け合っている。また、そのような中で共感をし、自分たちの生活の豊かさにつながっている。そういうあたり前の視点が弱い。ハンディキャップがあっても地域社会で安心して暮らすことができる、これを言葉の上ではなく、私たちが実感を持ってできるような社会を作っていく。そのための施策を進めてもらいたい。 ○ 小さい時から一緒に暮らす、地域社会に一緒に暮らす。一緒に学んで、一緒に遊ぶことが原点だと思う。 ○ 障がい者のことを地域の方が理解する必要がある。地域で生活していると、嫌な思いをすることがある。例えば、野球観戦時の対応などで冷たくされることがあり、がっかりした。 〇 公的なサービスだけではなく、野球観戦に行くなどいろいろな側面があり、その人の暮らし全体をどうみんなで支えていくか。広く見ていくことが大事である。 〇 地域で暮らしていくためには、朝あいさつすることが大切である。 ○ 常にコミュニケーションをする中で、地域も変わっていく。 ○ 障害者支援施設の議論だけではなく、地域づくりの視点が重要である。 〇 障がいの理解という福祉教育的なことを進めていくことは、地域を作っていく一つの方法だと思う。 ○ 当事者はもちろん、福祉の支援を担う者も、しっかりと尊重され、誰もが意欲を高めて生き生きと活躍できるとよい。当事者の方も、障がい福祉に携わる方も、みんな大切である。 ○ 施設のあり方も変化してほしい。 ○ 入所施設をゼロにしていくのかどうかという議論については、慎重に議論する必要がある。 ○ 終の棲家論については、意思決定支援の考え方で、利用者の方がどこに住みたいのかを改めて検証していくことが大事。 ○ 地域にはグループホームが多くあり、福祉とは関係のない人が大家さんをやっているが、見ている人は見ている。もっと地域の資源等を利用できるのではないか。 ○ 地域で住むにはグループホームと思ってしまうが、住まいそのもののあり方も大事   だと思う。 ○ 当事者目線というのは、常に相手に合わせて話をすることである。 2 県立障害者支援施設のあり方について ○ 県立施設のあり方について、民間では受入れられない人を受け入れるという発想では、終の棲家になってしまう。民間の質の高い支援をしている事業者を含めて神奈川県全体の障がい福祉を考え、見直していかないと終の棲家は消えない。 〇 県立施設と関係を持たせながら、神奈川県地域全体の今後の福祉をどう構築するか、支援体制を構築するか、ということだと思う。 ○ 施設はこれまで当事者目線から検討されてこなかった。 ○ 民間でできないことを公(県立施設)がするということは、そもそも無理があるのではないかという根本的な課題について検討していきたい。 ○ 全国的な動向としては、県立施設としては縮小し、将来的には廃止にしていくという流れである。 〇 施設の中でずっと過ごすという形態を短期的には改めてもらいたい、地域の中で、嫌な思いも嬉しい思いもするというようなチャンスをつくってほしい。 ○ 施設の外に出ることで、当事者に関わる人(依存先)を増やしていく。関わる人が多ければ多いほど、本当に尊厳ある生活が可能となる。 〇 障害者総合支援法施行後、報酬体系が分かれたため、法人内外の日中活動を使って事業を展開している。県立施設の場合には、エリア的な問題も含めて、そういう状況にあるのかチェックが必要。 ○ 入所施設は単独ではなく、地域とともに存在しないと地域移行は難しい。地域を作っていくという視点で入所施設を同時に運営していく必要がある。県立施設が、今の立地、利用・運営形態で、それが本当に可能なのか、議論が必要となる。 ○ 通過型施設を実践していく上で大切なのは、自分が何のために来たのか、本人が合意して入所することである。どうやってまた戻っていくのか、新しい人生を作っていくのかを描いていかなければならない。 ○ 入所したところから地域移行へのスタートというような意識で支援している。地域での生活が難しくなって入所した途端、相談支援専門員などの関係者が、入所したから大丈夫と、すっといなくなってしまう周囲の意識も課題と感じる。 ○ 通過型施設というよりも循環型の施設のような位置付けがよいのではないか。 ○ 今回は、当事者との伴走の仕方を変容させるチャンスである。当事者と一緒に施設を進め、その先に、施設が不要になるような実践を展開していきたい。 ○ 現に施設に入所されている方がいるため、地域の社会資源の整備とセットで考える必要がある。 3 人材育成について ○ 神奈川県には、相談支援専門員やサービス管理責任者などの研修に関わる人が多くいるので、そういう人材を生かしながら取り組めることが神奈川県の強みである。 〇 大事なのは福祉にかかわる職員の意識と意欲を高めること。 〇 多くの支援員が頑張っているが、支援者の意図に沿ってもらいたい、馴染んでもらいたいと思った時点で、心の二次障がいが始まっている。そういう小さな積み重ねの延長線上に、いろいろなことが起きている。 ○ すべての方に計画が作られ、しっかり振り返るためのモニタリングを行い、その中で、本人の心がどのあたりで動いたか確認することを積み上げていくしかない。 4 その他 〇 当事者の委員が男性ばかりなので、女性の当事者がほしい。 ○ 政令市、中核市を含め全県的なオール神奈川という捉え方で議論する必要がある。 ○ 予算的なネックはあるが、あるべきところを自由に、意見を出し合った方がよい。 〇 神奈川県内の実践家には、高いスキルを持った人が多くいる。この委員会が実効性を持つためには、実務担当者グループが必要。各地域でそれぞれのテーマで集まるようなものがあると、この委員会も熱を帯びてくると思う。