審議会等名称 神奈川県障害者施策審議会 障害者支援施設における利用者目線の支援推進検討部会(第7回) 開催日時 令和3年3月30日(火曜日)14時00分〜15時00分 開催場所 県庁 本庁舎3階 大会議場 出席者 ◎小川部会長、堀越副部会長、冨田委員、野口委員、安藤委員、中島委員、大塚委員、佐藤委員、野澤委員 問合せ先 総務室利用者支援検証グループ 会議記録 以下のとおり (事務局:川名副局長) 開会のあいさつ 【議事】 (小川部会長) それでは、議事に入ります。本日の議題は、「報告書(案)について」です。資料1として、報告書(案)を御用意しておりますが、これは、前回の報告書 素案に対して、各施設の検証結果を追記させていただいた上で、これまでの部会で出された委員からの御意見や前回の部会以降、寄せられた委員からの御意見、これらを踏まえて、作成したものです。 すでに、委員の皆様が何度も見返して、加除修正を繰り返し行って作成しておりますので、内容について修正はないと思われます。ですので、本日は、全体を通して、委員の皆様に発言していだだくことになろうかと思っています。 それでは、御意見をいただくに当たって、最初に、事務局から報告書(案)について説明をお願いします。 (事務局:鳥井利用者支援検証担当課長) 〔資料1「障害者支援施設における利用者目線の支援推進検討部会報告書(案)」に基づき説明〕 (小川部会長) さて、委員が何回も文章を読まれて、そこで加えたいこと、文言を直したいところも全部、御覧になっていただいた結果がここに取りまとめられているということになりますので、このあと時間が限られていますけれども、この報告書をもって、これからどういう形で工程を作っていくべきかというような御意見等がありましたら、少し聞いていきたいと思っております。 私の方から、この報告書についての特徴ですけれども、まず、事実をきちんと押さえるという作業をして、そのもとで委員の皆様の意見を出していただいている。委員の意見があってこの報告書ができているのではなくて、書面で確認された事実というのがまず第一にありまして、特に23事例につきまして5年間を追いながら見ていくわけですね、それからヒアリングについては、60人の方に御協力をいただいて、私の知る限りでは、本当に皆さん、真摯にお話をしてくださって、そこに語られている言葉の意味とか重さとか、そういうことを非常に強く感じています。それをここに全てではないのですが、特にこれからの施設の運営について非常に重要な文言というものを拾い出して来ている、それについて、部会としての見解をまとめています。各施設ごとに特徴がありますので、それぞれについて見解を載せて、そして県の方も30人を超える職員にヒアリングをして、きちんとお答えをいただいたものを反映して、今後の業務を変革していこうというような考えに及んでいるわけですけれども、そういったことを合わせて、全体的に考察をして、その考察をしたものをこれからどういうふうに動かしていくかという対応策とか提言というのが、ここで初めて、委員の御意見等が載ってきたと思います。   そして、県がなすべきことということが挙げられてきていると思います。今日、記者発表している資料などを見ますと、その中に反映されている部分もありますけれども、この部会を行っている最中にも、少しずつ変革をしていることもありまして、これから、より一層それが評価され、進展していくように皆様の御助言が必要なのではないかなというふうに思います。 たくさんあるのですけれども、3点挙げると、県立施設の改革を行う、組織あるいは、協議みたいなものが必要であろうということと、意思決定支援については、津久井やまゆり園の現在の動きを見ていて、職員さんの変化とか、あるいは利用者の変化のことを言いますと、それは、一津久井やまゆり園だけの支援ではなくて、他の諸施設、施設だけではありませんが、そこに拡大していかなければいけない、そのためにどのような体制を作っていくかということ、それから一番重要なのが、県の監査、モニタリングの体制が非常に緩い状況があったので、それの改善ということが大きく取り上げられたところであります。 多々ある中で、重要な要点のところは、県の動きが見えて来ておりますし、この後に行われます「障害者施策審議会」でもこういったテーマについて議論していかなければいけないので、県当局と審議会などを通して、きちんとした工程を作っていくことが大事かなというふうに感じております。 皆さんから、今後について御助言とか、それからもちろん、今、1文字の訂正がありましたけれど、修正についてはほとんどないと思っていますが、修正箇所などがありましたら、御発言をいただければというふうに思っています。 突然ですが、冨田委員から、何か、一番大事だと思っていることを、一言、二言御発言いただけますでしょうか。 (冨田委員) 一番大事なことは、各施設の職員さんに、障がい者のことを、どんなに障がいが重くても理解してほしい。職員も常に冷静で話しを聞いてほしいと思います。それから職員さんの意思決定支援の研修会をやったほうがいいとと思います。彼らにとっては重要なことなので。なのでやっぱり常に冷静に対応してほしいと思います。 (小川部会長) 今の御発言は全部採用してですね、実践に移していきたいと思います。 (安藤委員) この報告書は、現場の職員にとっては、大変厳しいものになったかなと思っておりますが、その中でも少しでも改善していこうという取組が見られていることは、それは良かったなというふうに思いますし、我々もそういう取組事例を見ながら学んで、改善に向かっていかなければいけないのかな、とそういう印象を持っています。 もう一つは、今回の議論の中で、支援者はエビデンスに基づく支援をすべきだと、それは非常に重要な要素で、現場の専門性を上げていくためにもそれは必要なことなのだろうと思いますけれども、いかんせん、いろんな意味で余裕がないという現場の事情がありますので、やっぱり少しでも余裕のある、そういう体制をどのように現場で作っていくか、そういう議論も、これから必要となってくるのではないかなというふうに思います。 (中島委員) 私も現場でも聞かせていただいて、リモートとかですけれどもヒアリングをさせていただいて、現場からすごく感じたのは、やはり、きっかけが中間報告をしていただいて、その内容による刺激というものが現場にはプラスに作用して、やはり現場の職員さんには、気付きが始まれば、現場を変えていきたいというそういう思いがあるのだなと、改めて、光明といいますかそういうものも感じた次第です。 (佐藤委員) 短い時間の中でこれだけの報告書をまとめたということは、大変結構なことだと思っています。しかも、コロナという状況の中で、できることに限りがあったのですけれども、それも含めて良くまとめたというふうに思います。身体拘束にかなりフォーカスが当たった形で検証をして来たわけですけれども、皆さん、もちろん同じ考えだと思いますけれども、身体拘束をしなかったらそれでいいというわけではなくて、支援の質というものを考えていくということがこれからの課題として出てきます。それにはより一層の知恵と工夫が必要となってくるわけで、まだまだ課題が出てくると思っています。で、その課題を乗り越えるためには、かなりのケースを見たわけですけれども、全部のケースを見たわけではありませんし、それから、時間的にも数年間という時間を掘り下げて記録を見ただけなので、どうしてアセスメントができなかったのか、どうしてこういう支援しか思い浮かばなかったという、そういった検証はできておりません。それはこれから次の神奈川県の障害者福祉を考える上で、非常に重要なポイントとなると思っておりますので、是非とも支援の質を考えるという側面から、検討を続けて行っていただければなと思っております。 (野澤委員) 全部読んでいなかったのですが、力作となっていると、かなり網羅していただいているなと思っています。県の責任のところが、若干それに比べると、やや踏み込み不足かなという気はしますが、県が自ら書いたにしては、これまでにないものになっているなと思います。今後ですね、102ページの「さらなる検討の方向性」のところに3つあって、こういう方向性で良いのかなというふうに思いますけれども、まず、2から少し言わせていただくと、確かにこのとおりで、身体拘束という側面から行われたもので、支援全体のことについてはあまり視野に入っていない。さらに言うと、身体拘束の中でも我々が注目して検証したのは物理的拘束だけです。つまり縛ったり、居室に施錠したりというそれだけです。記録に残っているのはそれだけだからですね。本当は、それに加えて、化学的拘束とか心理的拘束というのが、今、医学の専門家の中で言われていて、こっちのほうがむしろ本質的な問題があるなというふうに思っています。拘束というのは、向精神科薬の過剰使用ですよね、これはなかなか論証できないのですが、我々が見に行った中でも、やはりそういったことをうかがわせるものがあったと思います。正直に言うと。今後は、厚生労働省が障害福祉サービスの報酬改定の中で、これまで、身体拘束について記載の不備があった場合に減算するとしていましたけれども、これからは、記載の不備だけではなくて、もっと意識的に身体拘束の廃止に取り組んでいるかどうかということが盛り込まれてきます。取り組まれていないと、減算の対象となると。そうすると、どうなるかと言うと、現場でどうしたらいいか分からないところは、医療に委ねるということが必ず出て来ると思います。高齢者を見てもそうですので。で医療のほうは虐待防止法にかぶっていませんからブラックボックスとなる、そこで行われるのは何かというと、向精神科薬の過剰使用です。そうすると、海外でもそうですし、精神科医の方がよく言いますけれども、物理的拘束よりも何よりも、この化学的拘束が人間の尊厳だとか自由を奪いつくしてしまう、抑制してしまう一番ひどい行為だと最近注目されています。ここをなんとかしないと、やっぱりもっとひどいことにならないかなという心配があります。なので、これからの検討の方向性については、ここを集中的に優先的にやったほうがいいんじゃないかなと私は思っています。 あと2つ、1番の地域共生社会の実現に向けて、これは本当にそのとおりだなと思っています。障がい者の観点から何を考えなければいけないかというと、問題行動とか行動障がいとかと言うのは、何をもって言っているのかという、一番根本的なここをもう一度捉えなおす必要があるのではないかなという気がしています。背景を変えれば、そんなに、直したり、隔離したり、薬でどうこうしなくたっていいことまで、やっているような気がするんですね。それがますます本人を追い詰め、自由を奪い、ひどい状況にして、さらに問題行動というレッテルを貼っている、こういう悪循環を福祉の中で自ら再生産しているんじゃないかなという気がしています。これについて、各施設の実践を見ると、この辺に気が付いて、わりと果敢に取り組んでいるところもありますので、もう一度捉えなおしたほうがいいんじゃないかなというふうに思います。 最後に、この3番の県立施設ですよね。私は県立施設でなければできないことって何なのだろうと、もう一度、堅実に考える必要があると思っています。むしろ県立だからこそできないことがあるんじゃないかなと思っているんですね。本当は国立とか県立は必要じゃないのかなという気がするんですけれども、でも、現実をみると、民間のほうが、全部とは言いませんけれども、はるかに難しい事例に果敢に取り組んで、意欲的に良い実践を生み出していると、それに比べると、県立はあまりにも、民間の良いところと比べるとですよ、県立である必要性を全く感じないような現状があるわけで、ここの、何故、民間のいいところはこんなに意欲的に良くできているのか、何故県立はおしなべて、こういうふうにできないのか、研究が必要ではないかなと思っています。それを研究して掘り下げていけば、おのずと県立施設をどうすべきかという結論が見えてくるような気がしています。    (小川部会長) ありがとうございます。佐藤委員も野澤委員も、要するに、今回の報告書の未完の部分と言いますか、手を付けていない部分があって、そこの部分も大変重要な、むしろ、そこが重要だということがあるので、これから、そこをどういう形で、こういった部会だとか、外部委員会になるのか分かりませんが、そこに手を付けなければいけないということをおっしゃっていて、とても重要な部分だと思います。現在、今の県立施設には800人くらいの障がい者の方が入所していて、生活の形態を決めつけられているところがあります。県立そのものの問題、あるいは規模の問題ということになってくると思うので、そのことは、報告書の中でもヒアリングのところでも出てきていますし、委員の意見のところでも出てくるので、これについては捨て置かないということが大事かなと思っております。 (大塚委員) 県立障害者支援施設の支援の向上ということで、今お話がありましたように、県立障害者支援施設の支援の質がどうだったかと。様々な課題、特に身体拘束などの不適切な行為ということも含めてあった。もちろん、これがどこから生じていて、何が原因か、今後の対応ということを考えていかなければならないという課題があります。ただ、特に大規模な入所施設というものは、構造的にそういうものを生じさせるリスクがあると。あるいは、必然的に帰結があるのではないかという推測があります。つまり、山などの郊外に、多くの障がい者を集めて、それも行動障がいと言われる人たちについて、管理するわけですよね。そして、周りとの関係が薄い閉鎖性と管理性。30年も前ですけれども、グループホームを作るときに入所施設のあり方ということで管理性と閉鎖性が言われました。このリスクがあるから、地域における小さな、小規模な個別の支援ができるようなグループホームでの生活をやっていこうと、そして、グループホームができたわけです。 30年前の指摘が今においても、より強くなり、管理性と閉鎖性の強い、そういう施設が残っていったと、こういうことだと思っています。こういう事実だと思います。それは、何と言うかな、支援面を知っている人にとっても厳しかったし、あるいは管理する法人、もしかしたら、県にとっても厳しかったかもしれません。そういう施策をとっている国自体が、非常に問題があると思っています。取り残してきた国の責任が非常に大きいと思います。もちろん、御家族や団体からも、そういうものを要求してきたかもしれないし、支援者も要求してきたかもしれません。でも、本人の立場に立ったら、こんな厳しい中において、何十年にもわたって、今もって鉄の扉の中で生活している。そういう事実が、今も県立施設の中にあるんです。人権侵害です。そういうものは、大規模な入所施設の構造的な帰結としてあり得るものであり、今後もあると思います。今後もあり続けていくというふうに思っています。このシステムを変えない限り、変化がありません。地域における個別の支援ができる、より本人中心とした支援ができる。管理と閉鎖も入るし、本人中心に支援ができるような仕組みを作らない限り、今後もずっと続きます。これからの県立施設は、県立施設を変えていくということではないです。地域において、どのように障がいのある方が管理されないで、あるいは、閉鎖的な環境ではなくて、より普通に住めるか、そこを考えていくべきだと思います。 (小川部会長) ありがとうございました。では、野口委員お願いします。 (野口委員) 私は、現実は自分の子どもに関わってきましたけれども、そんなに今回の調査で明らかになったような県立施設については、あまりよく、そこまでは分かっていなかったけれども、今まで、おかしいなと思っていたところが、やっぱりそうだったんだというのを確認いたしました。それで、私の言いたいことは全部、皆さんがおっしゃってくれましたが、なぜ強度行動障がいになるのか、なぜ親たちは入所施設に入れなければならないかということを、今までも考えてきて、そのことをどうするかというと、今、佐藤委員もおっしゃっていましたけれども、これは私たち、例えば、支援者とか施設が何とかするということだけではなく、やはり社会の中で、一人ひとりを大事にするという、そういうことがなければ、前に進んではいかないと思いますので、私、あるいは一緒に活動している親の仲間も含めた私たちの、これからの課題になると思います。まだまだみんなに、社会の方に、興味、あるいは、このことで強度行動障がいの知的の方とか精神障がいの方の話が出ましたけれども、精神障がいの人ともすごくつながっている、そのことに社会の皆さんが興味を持っていただいて、これからどうすればいいのかという機運が出てくるような、働きかける動きになるといいなと思っています。 (小川部会長) ありがとうございます。それでは、堀越副部会長お願いします。 (堀越副部会長) 重要なことは、委員の皆さんがほぼおっしゃってくださったと思っています。最も重要なのは、先ほど野澤委員、大塚委員がおっしゃってくださいましたし、皆さんもおっしゃってくださいましたが、この報告書の文章の合間から、もう少し先に見えてくる、もう少し深い問題と言いますか、例えば、化学的、ケミカルな拘束の問題もそうです。私の専門から言うと、医療との連携が重要だと報告書には書いたのですが、医療との連携は本当に慎重にやらないと、管理的な拘束につながるであろうというのは、精神医療を見ていれば明らかなわけです。ですので、この報告書によって少し明らかになってきて、もう少し先の肝心な問題を、あるいは大きな問題を、この報告書を出して終わりではなく、さらにそれをとらえて、一つひとつに対する対策を考えていくということが大事だと思っています。現場の支援者さんがそうですし、御家族もそうでしょうし、それから県の方たちもそうですし、そして最も求められるのは、施設の運営に携わるガバナンスと言われているところの方たちでですが、せっかく生まれた変革への機運を生かせないまま旧態依然とした運営をするのであれば、何の意味もありませんので、そうしたその変化に向けた機運というものをそれぞれが具体的に、実際的に進めていく、本当に細かな緻密なプランを進めるということが求められると思っています。 (小川部会長) ありがとうございます。私も話をしたいことがあるのですが、これからにつなげてやっていくということと、この部会が審議会の下にあるということで、解散して終わってしまうということはなく、審議会の方で責任を持って継続性を持たせなければならないというふうに認識をしております。 御意見を皆さんからいただいて、確かに言葉が足りない部分、最後の部分とか御意見をいただきましたけれども、基本的には、この原案どおりで了承をいただけたと認識しております。この資料1の(案)ですが、この後に開催を予定しております第28回神奈川県障害者施策審議会でこの(案)をもって、報告させていただきたいと思っております。御承認いただけますでしょうか。 (冨田委員) ちょっといいでしょうか。 身体拘束が起きる前に、職員さん同士で話し合った方がいいと思うんです。これからは、それが一番必要だと思います。 (小川部会長) ありがとうございます。それは本当に、それがきちんとできる体制をとっていただきたいと思います。 締めの言葉がありました。それでは修正なしで、次の審議会の方にお諮りしたいと思います。本日予定しておりました議事については以上です。この部会としての会議は、本日をもって終了となります。委員の皆様、本当に熱心に貴重な意見と、それから、文面については、何回も何回もお目通しいただいて、ありがとうございました。 以上をもちまして、部会を終了させていただきます。事務局の方にお返しします。 (事務局:川名副局長) ありがとうございます。本日は限られたお時間ではございますが、委員の皆様から多くの貴重な御意見をいただきまして、感謝申し上げます。 この報告書につきましては、障害者施策審議会に報告する予定で、また後日、県のホームページに掲載することを考えております。 それでは、ここで小川部会長より黒岩知事に、この報告書の手交をさせていただきます。 【報告書手交】 (黒岩知事) コロナ禍で大変な中、御協力いただきまして、検討部会で素晴らしい報告書をまとめていただきました。本当にありがとうございます。この受け取った、この重みですね。ずっしりと私は感じましたけれども、この実際の重みよりも中身の重みといったものをしっかりと受け止めてまいりたいと思っております。 この津久井やまゆり園事件という大変な事件を起こしてしまった、この神奈川県で、あの事件と我々はどう向き合えばいいのか、ずっと闘ってきたと思っています。その中で、たまたま起きてしまったという評価なのか、ある種、必然的に起きたという事件でもあったのか。様々な形でそれを検証する中で、皆様のお力添えを得て、こういった形でどのようにこれから我々は生まれ変わっていけばいいのか、といった大きな方向性を出していただいたと、心から感謝申し上げたいと思います。 このプロセスの中で、県立の障害者支援施設の支援の検証といったもの、ヒアリングも含めて、しっかりとやっていただきました。その中で、今もなお、虐待と言わざるを得ないような状況が続いているという、そういった現実を皆様に明らかにしていただきました。これは本当に重大なことだというふうに思っています。これはどうすれば取り組んでいけるのか、なぜあれだけの事件が起きたにもかかわらず、この県立の施設でも、そのような支援が続いていたのか。じゃあ、どうすれば、これを乗り越えていけるのかといった中で、真正面から皆様にその問題に切り込んでいただきました。 そして、その大きな方向性といったものが、「利用者目線の支援」といったものを作っていくといったことでありました。つまり、「利用者のために」ではなく、「利用者の目線に立った支援」、これをどうすれば実現できるといったこと、ここに提言で書かれていたことを実践していくという大きな責任を感じているところであります。 この中で、県立の施設であります。その中で起きたことについて、県の職員はどうしていたのかといった問題についても、厳しく指摘をいただきました。これは本当に有り難いことだというふうに思っております。県自体の責任も重大だと思わざるを得ません。その中で、我々自身も生まれ変わらなければいけない、そのように思っております。その大きな指針を示していただいとうこと、心から感謝申し上げたいと思います。 しかし、そこで提起された問題は、重い課題だと思います。それをしっかりと受け止めながら、実現していくといったことをお誓い申し上げたいと思います。それとともに、この神奈川から、この全ての障害者支援施設のあり方、それを全て利用者目線にしていくための闘いはこれから続けていかなければいけない。そう簡単にできるわけではない。ここに書かれた内容をさらに深めて、検証といったものも継続していく必要があるだろうと思います。 何年か経ってから、「日本の障がい福祉は変わった」、「あの神奈川のこの利用者目線の検討部会の報告書から変わった」、「津久井やまゆり園事件を経験した神奈川県だからこそ、そのどん底から這い上がって変えることができた」、そういうふうに将来言われるように、我々はこの報告書をしっかりと受け止めながら、実現するように全力をあげていくといったことを、皆様にお誓い申し上げたいと思います。本当にどうもありがとうございました。   (事務局:川名副局長) 閉会の挨拶