資料5 ●津久井やまゆり園の再生について 「津久井やまゆり園再生基本構想(平成29年10月)」に基づく、施設整備や指定管理、意思決定支援について、現在の取組状況を報告する。 1 施設整備等    令和3年度中にすべての利用者の入所が完了するよう、これまで利用者が生活していた千木良地域の「津久井やまゆり園」に加え、利用者の仮居住先となっている芹が谷地域に「芹が谷やまゆり園」を整備する。   (1) 工事の進捗 ア 津久井やまゆり園      期  間:令和元年12月〜3年4月      内  容:居住棟等の新築工事           管理棟、厨房棟、体育館等の改修工事 実施状況:令和2年1月29日に着工し、基礎工事を終了      供用開始:令和3年8月予定 イ 芹が谷やまゆり園      期  間:令和元年12月〜3年9月 内  容:民間活力を活用した「設計施工一括発注方式」による施設整備 実施状況:令和元年12月20日、施設整備業務委託契約を締結、現在、敷地に現存する建物の解体・撤去などの準備工事を実施      供用開始:令和3年12月予定         (2) 鎮魂のモニュメントの整備 ア 基本的な考え方   事件で命を奪われた利用者への鎮魂の想いとともに、「ともに生きる社会かながわ憲章」の理念も踏まえた、差別や偏見のない社会を目指す誓いと、事件を風化させないための後世へのメッセージを表すモニュメントを整備する。 イ これまでの取組み   ご遺族や家族会、園の職員などからモニュメントの趣旨や設置場所等について意見を聴取するなど、整備に向けた検討を行った。   (主な意見) ・ 事件を二度と起こしてはいけないという社会へのメッセージが重要である。 ・ モニュメントの設置場所は、施設の入口付近が訪問しやすいが、今後、園で生活する方や職員の気持ちに配慮してほしい。 ・ 献花に来られた方のためにベンチを配置できるスペースを確保してほしい。    ウ 今後の進め方      モニュメントの設計について、これまで遺族などからいただいた意見を整理し、民間事業者からプロポーザルによる提案を募集する。     (ア) 設計イメージ      ・ 想いを共有、体感できるようなデザイン      ・ 献花など弔慰を示すことができるスペースの確保      ・ 誰もが訪れやすい交流ゾーンへの整備     (イ) 今後のスケジュール    令和2年9月 第3回県議会定例会厚生常任委員会に事業者の選定結果を報告 11月 第3回県議会定例会厚生常任委員会にモニュメントの設計イメージ(案)を報告 令和3年2月 令和3年第1回県議会定例会厚生常任委員会にモニュメントの製作の入札結果を報告          夏頃 モニュメントの整備完了予定 2 指定管理 ・ かながわ共同会と指定期間の短縮について協議を行い、令和2年第2回県議会定例会に、津久井やまゆり園に係る指定期間を短縮する旨の議案を提出した。 ・ 今後、かながわ共同会を新しい津久井やまゆり園と芹が谷やまゆり園の指定管理者として、非公募による審査の手続きを行う。   ・ 指定期間は、新しい津久井やまゆり園の開所に合わせて、両施設とも令和3年8月から令和4年度末までとする。   ・ 両施設の指定管理者評価委員会(別紙参照)を設置し、申請内容の評価を行う。    (今後のスケジュール)     令和2年9月 第3回県議会定例会厚生常任委員会に選定基準(案)を報告     令和3年2月 令和3年第1回県議会定例会に指定議案を提出         8月 非公募による指定管理の実施 ・ 令和5年度から始まる指定管理については、公募による選定とし、その選定基準については、現在、県が検討している利用者目線の新しい障がい福祉のあり方を反映する予定である。 3 利用者の意思決定支援    県は、津久井やまゆり園の利用者一人ひとりが、自らの意思が反映された生活を送ることができるよう支援する、意思決定支援に取り組んでいる。 (1) 取組状況 ・ 意思決定支援の対象となる119名の全ての利用者を対象とした、相談支援専門員、サービス管理責任者、支援担当職員、市町村及び県職員等で構成する意思決定支援チームを利用者ごとに設置し、支援状況の確認、サービス等利用計画等の見直しを集中的に行っている。 ・ また、日中活動の充実やグループホーム等の体験・見学に取り組み、その記録を重ねるなど、丁寧にアセスメントを進めることで、本人の意思や望む暮らしのあり方を明らかにするとともに、生活の場の方向性を検討している。 (2) 今後の取組み ・ 今後も、利用者一人ひとりの意思が反映された生活の実現を目指し、この取組みを継続していくが、まずは、年内を目途に、令和3年度の津久井やまゆり園への移転等に向け、新たな生活の場の方向性をとりまとめていく。 別紙 県立障害福祉関係施設(津久井やまゆり園及び芹が谷やまゆり園)指定管理者評価委員会委員(案) 氏名、性別、職業、分野、本県の指定管理者選定委員の経験の有無、備考の順に表す。 横倉 聡、男 東洋英和女学院大学人間科学部人間科学科教授、学識経験者 有 ・障害福祉施策全般が専門 ・かながわ福祉サービス運営適正化委員会委員 佐賀 悦子、女 弁護士、法務関係者、労務管理関係者 有 ・高齢者・障がい者の権利に関する委員会副委員長 田邊 史健、男 公認会計士、経理関係者 有 ・日本公認会計士協会神奈川県会から推薦 川合 明子、女 神奈川県知的障害福祉協会副会長、社会福祉法人すぎな会 すぎな会愛育寮施設長、施設関係者 無 ・神奈川県知的障害施設連合会から推薦 ・障害者支援施設の代表者 大矢 武久、男 神奈川県知的障害者施設保護者会連合会会長、障がい者家族代表者 無 ・神奈川県知的障害者施設保護者会連合会から推薦 ・障がい者家族の代表者 奈良ア 真弓、女 神奈川県手をつなぐ育成会所属、にじいろでGO!会長、障がい当事者代表者 無 ・神奈川県手をつなぐ育成会から推薦 ・障がい当事者として任意団体の会長 ●三浦しらとり園の指定管理者の指定期間の変更について 1 経過  三浦しらとり園の指定管理者の指定期間については、令和2年度末までとなっているが、県で検討している、「利用者目線の新しい障がい福祉のあり方」を次期指定管理に反映するために、令和2年第1回県議会定例会にその期間を延長することを報告した。  このたび、延長する期間について、県の考え方を整理した。 2 指定期間の変更  三浦しらとり園の次期指定管理について、令和5年度からの津久井やまゆり園の指定管理の選定手続きと同一にするため、指定期間を令和4年度末まで延長する。   現指定期間:平成23年4月1日〜令和3年3月31日 変更後:平成23年4月1日〜令和5年3月31日 3 その他  令和2年第2回県議会定例会にて指定期間の変更議案が議決され、令和2年8月に指定管理者と変更協定を締結した。 ●さがみ緑風園の指定管理者制度の導入時期の変更について  さがみ緑風園について、民間法人の力を生かして、効率的、効果的なサービスの提供を図るため、医療機関との強固な連携、本体施設と診療所の一体的運営の確保に向けた調整を行った。また、運営コストの観点からの検討も行った上で、令和4年4月に指定管理者制度を導入する方向で調整を進めるとして、令和元年第3回県議会定例会厚生常任委員会に報告した。  このたび、指定管理者制度の導入時期について、県の方針を変更したので報告する。 1 指定管理者制度導入時期の変更  令和5年度からの「利用者目線の新しい障がい福祉のあり方」を反映させるため、令和5年4月に指定管理者制度を導入する方向で調整を進める。   変更前:令和4年4月1日〜 変更後:令和5年4月1日〜 2 今後のスケジュール 令和4年6月 第2回県議会定例会に指定管理の議案を提出 令和5年4月 指定管理者による管理運営開始