(43ページ) かながわ障害者計画 点検評価シート 4憲章の実現に向けた県民総ぐるみの取組み (1)憲章の普及啓発及び心のバリアフリーの推進 ―基本的な考え方― 本県では2016年(平成28年)7月26日に、県立の障害者支援施設である「津久井やまゆり園」において、大変痛ましい事件が発生しました。この事件は障害者に対する誤った差別的な思想から引き起こされたことから、県では、2016年(平成28年)10月に県議会とともに「ともに生きる社会かながわ憲章」を策定しました。その理念の普及啓発に向けた県民総ぐるみの取組みを推進します。また、障害及び障害者に対する県民の理解の促進とともに、障害を理由とする差別の解消に取り組みます。 1 取組実績 <成果目標の達成状況> 把握すべき状況@ 憲章の普及啓発 成果目標 県民ニーズ調査における憲章を「知っている」または「言葉は聞いたことがある」と回答する方の割合(%) 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H30、/、17、/ R1、26.0、15.7、60.3% R2、34.0、22.9、67.3% R3、42.0、26.8、63.8% R4、50.0、30.2、60.4% R5、50.0、、 県民ニーズ調査における障害者に配慮した行動をとる人が増えたと思うと回答する方の割合(%) 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H30、/、46.1、/ R1、47.0、40.5、86.1% R2、48.0、44.9、93.5% R3、49.0、42.6、86.9% R4、50.0、40.6、81.2% R5、51.0、、 主な取組による成果 ○年間を通じて県内13箇所のイベントに参加し、憲章の普及啓発を実施 ○アナログ媒体を中心とした広報【ポスティング広告:55万世帯、ポスター掲示:約16,000枚)】 〇ポータルサイトで、イベント主催者と障害サービス事業所などのブース出展者のマッチングを実施【10件】 ○障害福祉サービス事業所と連携し、憲章Tシャツを販売【1,124枚】 (成果目標の状況) ○ 憲章の普及啓発に向けて、各種イベントや広報を行い、多くの人が参加したが、県民ニーズ調査における憲章を「知っている」又は「言葉は聞いたことがある」と回答する方の割合は、令和4年度の目標50%に対し、実績は30.2%で、達成率は60.4%、最終目標(50%)に対する進捗率は、60.4%だった。 ○ 県民ニーズ調査における障害者に配慮した行動をとる人が増えたと思うと回答する方の割合は、令和4年度の目標50.0%に対し、実績は40.6%で、達成率は81.2%、最終目標(51%)に対する進捗率は、79.6%だった。 (44ページ) 把握すべき状況A 企業等における障害等の理解の促進 成果目標 心のバリアフリー推進員の累計養成者数(人) 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H30、/、122、/ R1、150、162、108.0% R2、200、242、121.0% R3、250、332、132.8% R4、300、409、136.3% R5、350、、 主な取組による成果 ○公共交通機関、宿泊施設、小売店等の企業が行う社員研修において、障害者の受入れに際して必要な配慮等に関する研修のコーディネート等を実施した。【12回、受講者数:218名】 ○企業等において障害理解の中心的な役割を担う者を養成する心のバリアフリー推進員養成研修を実施した。【4回、修了者数:77名】 (成果目標の状況) ○ 心のバリアフリー推進員の累計養成者数は、令和4年度の目標300人に対し、実績は409人で、達成率は136.3%、最終目標(350人)に対する進捗率は、116.9%だった。 把握すべき状況B 県職員に対する障害等の理解の促進 成果目標 県職員に対する研修の受講者数(再掲)(人) 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H30、/、 1,379、/ R1、1,224、1,325、108.2% R2、1,248、937、75.0% R3、1,272、1,042、81.9% R4、1,296、1,375、106.1% R5、1,320、、 主な取組による成果 ○県職員を対象とした研修を実施 ・新採用職員研修【402人】 ・新任管理職研修【78人】 ・人権男女主任者研修【895人】 (成果目標の状況) ○ 県職員に対する研修の受講者数は、令和4年度の目標1,296人に対し、実績は1,375人で、達成率は106.1%、最終目標(1,320人)に対する進捗率は、104.2%だった。 把握すべき状況C 教職員に対する障害等の理解の促進 成果目標 研修アンケートの4段階評価で3以上と回答する人数の割合(%) 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H30、/、98.5、/ R1、97.0、99.0、102.0% R2、97.5、100、102.5% R3、98.0、98.1、100.1% R4、98.5、100、101.5% R5、100、、 主な取組による成果 ○リーフレット「インクルーシブな学校づくり」を作成し、初任者全員に配付して研修を実施した。 【初任者研修受講者数:919名】 ○障害に対する理解を深める自己研鑽研修を実施した。 ・通級指導教室キャリアアップ研修講座(言語)【1回、受講者数:75名】 ・通級指導教室キャリアアップ研修講座(情緒)【1回、受講者数59名】 (45ページ) (成果目標の状況) ○ 研修アンケートの4段階評価で3以上と回答する人数の割合は、令和4年度の目標98.5%に対し、実績は100%で、達成率は101.5%となった。 把握すべき状況D 障害を理由とする差別の解消 成果目標 県民ニーズ調査における障がいを理由とする差別や偏見があると思うと回答する方の割合(%)【目標値は逆方向に設定】 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H30、/、 48.4、/ R1、47、66.6、70.5% R2、46、80、57.5% R3、45、79、56.9% R4、44、78.7、55.9% R5、43、、 主な取組による成果 ・障害を理由とする差別に関する相談窓口の設置【89件】 (成果目標の状況) ○ 県民ニーズ調査における障害を理由とする差別や偏見があると思うと回答する方の割合は、令和4年度の目標44%に対し、実績は78.7%で、達成率は55.9%、最終目標(43%)に対する進捗率は54.6%だった。 <その他の取組による成果> 障害者理解の促進 〇 バリアフリー街づくり推進県民会議の開催や県内の既存公共的施設に対するバリアフリーアドバイザー派遣等により、県民に対する普及啓発が進んだ。【会議開催:2回、アドバイザー派遣:8施設】 ○ 手話での絵本の読み聞かせや市町村と連携した県民向け手話講習会等により、ろう者や手話に対する理解の促進が図られた。【事業者による手話講習会の開催(25社31回開催)、読み聞かせ:4団体5回開催、手話講習会:5市10回開催】  ○ 外見から分かりにくい内部障害等、援助や配慮を必要としている方が援助を得やすくなるよう、ヘルプマーク及び啓発ポスター等を作成し、普及啓発を実施した。【ヘルプマーク配布数:39,400個】  ○ 障害者に対する知識の普及啓発を図り、障害者の社会復帰・社会参加を促進するため、障害者とその家族、関係団体、一般県民を交えた福祉大会等の開催を支援した。【神奈川県身体障害者福祉大会351人、神奈川県心身障害児者福祉促進大会:95人、福祉大会:精神障害者家族住民交流会:143人】  (46ページ) 2 一次評価 <点検・評価の結果> やや遅れている (評価の理由) ○ 成果目標については、6項目中3項目で令和3年度の目標を達成した。 ○ 本分野では、「憲章の普及啓発」「障害及び障害者に対する県民理解の促進」「障害を理由とする差別の解消に取り組むこと」としている。 ○ 憲章の普及啓発については、成果目標としている「県民ニーズ調査における憲章を『知っている』又は『言葉は聞いたことがある』と回答する方の割合」と「県民ニーズ調査における障がい者に配慮した行動をとる人が増えたと思うと回答する方の割合」が、令和4年度の目標を達成できていないが、ポスター掲示等の集中的な広報や県内各地域イベントへの参加等を通じて着実に取組を推進している。○ 障害及び障害者に対する県民理解の促進については、成果目標としている「心のバリアフリー推進員の累計養成者数」が令和4年度の目標を達成し、また、手話に対する普及啓発イベントを開催する等、心のバリアフリーや手話に対する関心は高まっており、取組は順調に進んでいる。 ○ 障害を理由とする差別の解消については、成果目標としている「県民ニーズ調査における障害を理由とする差別や偏見があると思うと回答する方の割合」が、令和4年度の目標を達成できておらず、更なる努力が必要である。 ○ これらを総合的に判断し、令和4年度については「やや遅れている」と評価した。 <今後の課題と対応> 憲章の普及啓発 ○ 憲章の認知度だけでなく、ともに生きる社会の実現に向け、憲章の理念に対する理解、共感等を広げる取組みを強化する必要があることから、障がい者と関わりながら共生社会を体感できる場を創出していく。 障害を理由とする差別の解消の推進 ○ 心のバリアフリー推進員養成研修において、より企業等の意向に沿った内容を研修に盛り込み、理解を促す工夫、研修終了後のフォロー体制の充実が必要であるため、実施企業からのアンケート結果を踏まえ、工夫を図っていく。 ○ 新型コロナウィルス感染拡大の防止のため、神奈川県障害者差別解消支援地域協議会の開催を見送ってきたが、令和5年度から再開し、障害当事者と合理的配慮を提供する事業者側などが意見交換や情報共有をする機会を確保していく。 (47ページ) 3 最終評価 <最終評価> やや遅れている (評価の理由) ○ 成果目標については、6項目中3項目で令和3年度の目標を達成した。 ○ 本分野では、「憲章の普及啓発」「障害及び障害者に対する県民理解の促進」「障害を理由とする差別の解消に取り組むこと」としている。 ○ 憲章の普及啓発については、成果目標としている「県民ニーズ調査における憲章を『知っている』又は『言葉は聞いたことがある』と回答する方の割合」と「県民ニーズ調査における障がい者に配慮した行動をとる人が増えたと思うと回答する方の割合」が、令和4年度の目標を達成できていないが、ポスター掲示等の集中的な広報や県内各地域イベントへの参加等を通じて着実に取組を推進している。○ 障害及び障害者に対する県民理解の促進については、成果目標としている「心のバリアフリー推進員の累計養成者数」が令和4年度の目標を達成し、また、手話に対する普及啓発イベントを開催する等、心のバリアフリーや手話に対する関心は高まっており、取組は順調に進んでいる。 ○ 障害を理由とする差別の解消については、成果目標としている「県民ニーズ調査における障害を理由とする差別や偏見があると思うと回答する方の割合」が、令和4年度の目標を達成できておらず、更なる努力が必要である。 ○ これらを総合的に判断し、令和4年度については「やや遅れている」と評価した。  以上