(31ページ) かながわ障害者計画 点検評価シート 3障害者の社会参加を妨げるあらゆる壁、いかなる偏見や差別も排除する取組み (1)社会参加への環境づくり ―基本的な考え方― 障害者権利条約では、「障害」は、主に、障害者の活動を制限し、社会への参加を制約している社会的障壁によって作られているというとらえ方をしています。 そこで、社会的障壁の排除を進めるため、障害者に配慮したまちづくり、障害特性に応じた意思疎通支援、防災・防犯対策等の推進、行政機関等における配慮の充実等により、ハード、ソフト両面にわたるバリアフリー化に取り組みます。 1 取組実績 <成果目標の達成状況> 把握すべき状況@ グループホームの整備 成果目標 県内のグループホームサービスの利用人数(再掲)(人) 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H30、/、8,748、/ R1、9,296、9,442、101.5% R2、9,806、10,538、107.46% R3、10,325、11,174、108.22% R4、10,872、12,140、111.7% R5、11,448、、 主な取組による成果 ○グループホームの設置・運営を考えている法人等に設置・運営方法の助言等を実施した。【開設説明会(5回、延べ参加人数69名)、グループホーム職員研修(9回、延べ参加人数234名)電話、メール等による個別相談53件】 (成果目標の状況) ○ 県内のグループホームサービスの利用人数は、令和4年度の目標10,872人に対し実績は12,140人で、達成率は111.7%、最終目標(11,448人)に対する進捗率は、106%だった。 把握すべき状況A 主要道路の信号機の整備等 成果目標 視覚障害者用付加装置等の整備状況(箇所) 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H30、/、15 、/ R1、1、16、1,600% R2、1、20、2,000% R3、1、21、2,100% R4、1、10、1,000% R5、1、、 主な取組による成果 ○バリアフリー法に基づき、市町村が定める重点整備地区内の主要な生活関連経路等において、高齢者、障害者等の道路横断時の安全確保に資するバリアフリー対応型信号機について、必要な整備を実施した。 (32ページ) (成果目標の状況) ○ 視覚障害者用付加装置等の整備状況は、令和4年度の目標1か所以上に対し、実績は10箇所で、達成率は1,000%だった。 把握すべき状況B ライトセンターにおける取組み 成果目標 ライトセンターの蔵書数(点字図書、録音図書及び拡大図書)(冊) 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H30、/、33,713、/ R1、34,521、34,482、99.8% R2、35,201、35,094、99.7% R3、35,741、35,665、99.7% R4、36,281、36,432、100.4% R5、36,821、、 主な取組による成果 【製作】 点字、デイジー、拡大の順に記載 タイトル、424、204、3 巻、1,780、454、8 【貸出】 点字、デイジー、拡大の順に記載 タイトル、1,616、36,363、244 巻、6,496、38,101、1,807 (成果目標の状況) ○ ライトセンターの蔵書数(点字図書、録音図書及び拡大図書)が、令和4年度の目標36,281冊に対し実績は36,432冊で、達成率は100.4%、最終目標(36,821冊)に対する進捗率は、98.9%だった。 把握すべき状況C 手話の普及 成果目標 手話講習会の実施事業所数の累計(事業所) 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H30、/、133、/ R1、150、173、115.3% R2、180、179、99.4% R3、210、191、90.9% R4、240、222、92.5% R5、270、、 主な取組による成果 ○手話学習用冊子及び手話推進計画リーフレットを配布した。 ○事業者による手話講習会を実施した。【25社31回開催】            ○市町村と連携した県民向け手話講習会を開催した。【10回5市】 (成果目標の状況) ○ 手話講習会の実施事業所数の累計は、令和4年度の目標240事務所に対し実績は222事務所で、達成率は92.5%、最終目標(270事務所)に対する進捗率は、82.2%だった。 把握すべき状況D ウェブアクセシビリティの向上 成果目標 公的機関のウェブサイトの情報アクセシビリティに関するJIS規格への準拠率(%) 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H30、/、93、/ R1、96、98.4、102.5% R2、98、97.4、99.3% R3、100、97.4、97.4% R4、100、97.9、97.9% R5、-、、 主な取組による成果 ○県公式ウェブサイト及び外部サイトのJIS規格に基づく試験及び全ページ一括検証を実施した。【2回】 ○動画配信による研修を実施した。 ○音声読上げソフトウエアを貸与した。 (33ページ) (成果目標の状況) ○ 公的機関のウェブサイトの情報アクセシビリティに関するJIS規格への準拠率が、令和4年度の目標100%に対し実績は97.9%で、達成率は97.9%だった。 把握すべき状況E 消費者教育の推進 成果目標 障害者及び障害者を見守る人向けの講座等の開催数(回・累計) 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H30、/、4 、/ R1、6、3、50.0% R2、12、3、25.0% R3、18、9、50.0% R4、24、20、83.3% R5、30、、 主な取組による成果 ○消費生活に関する情報や、悪質商法などの消費者被害に遭わないポイントを伝える講座に講師を派遣した。【派遣:20回、受講者:624人】 (成果目標の状況) ○ 障害者及び障害者を見守る人向けの講座等の開催数は、令和4年度の目標24回に対し実績は20回で、達成率は83.3%、最終目標(30回)に対する進捗率は、66.7%だった。 把握すべき状況F 県における合理的配慮の徹底 成果目標 県職員に対する研修の受講者数(人) 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H30、/、1,379、/ R1、1,224、1,325、108.2% R2、1,248、937、75.0% R3、1,272、1,042、81.9% R4、1,296、1,375、106.1% R5、1,320、、 主な取組による成果 ○県職員を対象とした研修を実施した。 ・新採用職員研修【402名】 ・新任管理職研修【78名】 ・人権男女主任者研修【895名】 (成果目標の状況) ○ 県職員に対する研修の受講者数が、令和4年度の目標1,296人に対し実績は1,375人で、達成率は106.1%、最終目標(1,320人)に対する進捗率は、104.2%だった。 ※ 計画策定時、目標値の設定にあたり参考とした実績値は平成29年度の1,200人であったが、令和元年度の実績が既に最終目標を超えている。 <その他の取組による成果> 安全・安心な生活環境の整備 ○ 外出する機会の少ない障害者に対して社会見学やレクリエーションを団体で行うための移動支援として、福祉バス(車いすリフト付きバス)を運行し、障害者間等の交流と社会参加推進を図った。【年間運行日数:114日、年間運行回数:111回】  (34ページ) ○ 外見から分かりにくい内部障害等、援助や配慮を必要としている方が援助を得やすくなるよう、ヘルプマーク及び啓発ポスター等を作成し、普及啓発を実施した。【ヘルプマーク配布数:39400個】  情報アクセシビリティの向上及び意思疎通支援の充実 ○ 令和3年7月から法令に基づくサービスとしての提供が開始されたことから、県のホームページによる周知の他、県のたよりによる周知や、各種関係機関・団体等への周知など、広く電話リレーサービスの周知を行った。 ○ 盲ろう者通訳・介助員を派遣し、盲ろう者の自立した日常生活又は社会生活を支援した。【派遣件数:2,460件】  ○ 盲ろう者通訳・介助員を養成し、支援の充実を図った。【盲ろう者通訳・介助員養成研修の実施:修了者20人、盲ろう者通訳・介助員新規登録:14人】  暮らしの安全と安心 ○ 大規模災害発生時に、避難所等に高齢者や障害者等への福祉的支援を行う介護職員等を派遣するため、支援を行う団体間の連携強化や人材育成を行った。【連絡会開催:3回、研修開催:4回延べ261人、訓練の実施:4回】  ○ 言語・聴覚に障害のある方が事件や事故等を目撃したり被害に遭った場合に、スマートフォンなどから事案内容を通報できるよう、通信指令室に「110番アプリシステム」を開設し、急訴事案に対応した。【受理343件(うち障害者62件)】  行政等における配慮の充実 ○ ろう者とろう者以外の者のコミュニケーション支援の充実を図るため、県の出先機関等に二次元バーコードを配布し、タブレット型端末等によるテレビ電話機能を活用した手話通訳サービスを提供した。 また、新型コロナウイルス感染症に感染または、感染の疑いのあるろう者が医療機関等を受診等する際に、二次元バーコードを活用し、タブレット型端末等によるテレビ電話機能を活用した手話通訳サービスを提供した。 2 一次評価 <点検・評価の結果> 概ね順調に推移している (評価の理由) ○ 成果目標については、7項目中4項目で、令和4年度の目標を達成し、達成率が90%以上は7項目中6項目だった。 ○ 本分野では、障害者に配慮したまちづくり、障害特性に応じた意思疎通支援、防災・防犯対策等の推進、行政機関等における配慮の充実等に取り組むこととしている。 ○ 障害者に配慮したまちづくりについては、関連する成果目標である「県内のグループホームサービスの利用人数」と「視覚障害者用付加装置等の整備状況」の2項目とも令和4年度の目標を達成している。 ○ 障害特性に応じた意思疎通支援については、関連する成果目標である「ライトセンターの蔵書数」は令和4年度の目標を達成し、「手話講習会の実施事業所数」の達成率は92.5%となっている。 (35ページ) ○ 防災・防犯対策等の推進については、関連する成果目標である「障害者及び障害者を見守る人向けの講座等の開催数」が累計値の目標であり、新型コロナウイルスの影響を受けて目標を達成できていないが、単年度で考えると令和4年度も目標を達成している。 また、令和4年度には、「災害時における要配慮者支援マニュアル作成指針」を改訂するなど、取り組みを推進させている。 ○ 行政機関等における配慮の充実については、関連する成果目標である「県職員に対する研修の受講者数」は令和4年度の目標を達成し、「公的機関のウェブサイトの情報アクセシビリティに関するJIS規格への準拠率」の達成率は97.9%となっている。 ○ これらを総合的に判断し、令和4年度については「概ね順調に推移している」と評価した。 <今後の課題と対応> 安全・安心な生活環境の整備 ○ 障害者等の住宅確保要配慮者の居住支援にあっては、不動産店や居住支援団体等との連携や、住宅確保要配慮者と接している市町村職員による支援が不可欠であるため、継続して「住まいに関する横断的な知識」の習得の場を設け、居住支援活動をとりまく周辺環境整備を図る必要がある。 ○ 精神障害者の社会参加促進のため、バス運賃割引の導入について県バス協会へ要請しているが、実現に至っていない。引き続き要請を行うとともに、国に対しても、関係機関に働きかけるよう要望していく。 情報アクセシビリティの向上及び意思疎通支援の充実 ○ 盲ろう者の自立と社会参加を促進するため、コミュニケーション支援及び移動時等の介助を行う盲ろう者向け通訳・介助員を養成し、派遣しているが、利用登録者が増えていないため、市町村等を通して周知をしていく。また、新たに通訳・介助員となった者のスキルアップが必要であるため、現任研修の充実、新人通訳・介助員のフォローをしていく。 暮らしの安全と安心 ○ かながわ災害福祉広域支援ネットワークにおける取組について、福祉関係団体等との連携を継続し、訓練を重ね、保健医療チームとの連携体制づくりを進めていく必要がある。また、近隣自治体との顔の見える関係づくりも必要である。 ○ 市町村における、災害時における要配慮者支援マニュアル作成率を上げていく必要があり、令和4年度に改訂した「災害時における要配慮者支援マニュアル作成指針」の活用について市町村に引き続き周知するとともに、課題について共有し、一層の支援を図っていく。 (36ページ) 3 最終評価 <最終評価> 概ね順調に推移している (評価の理由) ○ 成果目標については、7項目中4項目で、令和4年度の目標を達成し、達成率が90%以上は7項目中6項目だった。 ○ 本分野では、障害者に配慮したまちづくり、障害特性に応じた意思疎通支援、防災・防犯対策等の推進、行政機関等における配慮の充実等に取り組むこととしている。 ○ 障害者に配慮したまちづくりについては、関連する成果目標である「県内のグループホームサービスの利用人数」と「視覚障害者用付加装置等の整備状況」の2項目とも令和4年度の目標を達成している。 ○ 障害特性に応じた意思疎通支援については、関連する成果目標である「ライトセンターの蔵書数」は令和4年度の目標を達成し、「手話講習会の実施事業所数」の達成率は92.5%となっている。 以上