(13ページ) かながわ障害者計画 点検評価シート 2 誰もがその人らしく暮らすことのできる地域社会を実現する取組み (1)意思決定支援の推進と地域生活移行の支援 ―基本的な考え方― 2017(平成29)年10月に策定した「津久井やまゆり園再生基本構想」に掲げている「利用者の意思決定支援」や「地域生活移行支援」等の再生に向けた取組みを県全体に広げていきます。 意思決定支援については、2017(平成29)年3月に厚生労働省が作成した「障害福祉サービス等の提供に係る意思決定支援ガイドライン」を参考に、現在、津久井やまゆり園利用者の意思決定支援に取り組んでおり、今後は、こうした取組みを全県に広めていくために、相談支援体制の構築や意思決定支援ガイドラインの普及を図ります。 また、地域生活移行支援については、重度の障害者であっても、家族関係を含めた障害者本人の環境や、これまでの生活史を手がかりとした、本人の意思決定を尊重し、多様な地域生活の場を選択できる社会資源の整備に取り組みます。 1 取組実績 <成果目標の達成状況> 把握すべき状況@ 意思決定支援の推進 成果目標 意思決定支援出前講座の実施状況(施設) 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H30、/、21、/ R1、43、41、95.3% R2、-、-、- R3、-、-、- R4、-、、 R5、-、、 主な取組による成果 ○令和元年度は障害者支援施設22施設のうち20施設で実施 (成果目標の状況) ○ 平成30年度から令和元年度の2年間で、政令市を除く県所管域にある障害者支援施設と県立施設(津久井やまゆり園を除く)計43施設に対し、意思決定支援の基本的な考え方を学ぶ「意思決定支援出前講座」を実施した。 新型コロナウイルス感染症の影響により、令和元年度末に予定していた2施設は実施できず、令和元年度の目標43施設に対し、実績は41施設で、達成率は95.3%だった。 〇 出前講座は事業廃止しているが、令和4年度は、専門家派遣や研修等により障害者支援の従事者に意思決定支援の取組みが普及した。【専門家派遣先障害者支援施設:13箇所、県版ガイドライン打合せ:9回、個別交流94回、意思決定支援ガイドライン研修修了者:278人、法定研修修了者:470人、モデル事業参加施設:8施設】 (14ページ) 把握すべき状況A 相談支援体制の整備 成果目標 相談支援従事者の累計数(人) 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H30、/、1,365、/ R1、1,418、1,486、104.7% R2、1,548、1,514、97.8% R3、1,678、1,551、92.4% R4、1,808、1,613、89.21% R5、1,938、、 主な取組による成果 ○相談支援従事者養成研修(初任者・現任)を実施 ・初任者研修【4回、修了者数:330人】 ・現任研修【5回、修了者数:355人】 ・主任相談支援専門員養成研修【修了者数:36人】 (成果目標の状況) ○ 相談支援従事者の累計数は、令和4年度の目標1,808人に対し実績は1,613人で、達成率は89.21%、最終目標(1,938名)に対する進捗率は83.2%だった。 成果目標 相談支援専門員による障害サービス等利用計画等作成率(%)<障害者> 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H30、/、56.3、/ R1、57.1、57.4、100.5% R2、59.4、59.7、100.5% R3、61.4、59.8、97.3% R4、63.4、60.8、95.9% R5、65.4、、 成果目標 相談支援専門員による障害サービス等利用計画等作成率(%)<障害児> 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H30、/、48.1、/ R1、49.8、43.7、87.7% R2、51.8、42.5、82.0% R3、53.8、39.4、73.2% R4、55.8、36.1、64.7% R5、57.8、、 主な取組による成果 ○相談支援従事者養成研修(初任者・現任)を実施 ・初任者研修【4回、修了者数:330人】 ・現任研修【5回、修了者数:355人】 ・主任相談支援専門員養成研修【修了者数:36人】 (成果目標の状況) ○ 相談支援専門員による障害サービス等利用計画等作成率のうち、<障害者>は、令和4年度の目標63.4%に対し実績は60.8%で、達成率は95.9%、最終目標(65.4%)に対する進捗率は、93.0%だった。 また、<障害児>は、令和4年度の目標55.8%に対し実績は36.1%で、達成率は64.7%、最終目標(57.8%)に対する進捗率は、62.5%だった。 (15ページ) 成果目標 相談支援事業の累計利用者数(計画相談支援)(人) 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H30、/、56,330、/ R1、60,269、59,915、99.4% R2、64,976、59,681、91.8% R3、69,699、61,503、88.2% R4、74,767、63,430、84.8% R5、80,202、、 成果目標 相談支援事業の累計利用者数(障害児相談支援)(人) 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H30、/、24,557、/ R1、25,959、27,671、106.5% R2、27,847、29,318、105.2% R3、29,871、33,458、112.0% R4、32,043、37,111、115.8% R5、34,372、、 主な取組による成果 ○相談支援従事者養成研修(初任者・現任)を実施 ・初任者研修【4回、修了者数:330人】 ・現任研修【5回、修了者数:355人】 ・主任相談支援専門員養成研修【修了者数:36人】 (成果目標の状況) ○ 相談支援事業の累計利用者数(計画相談支援)は、令和4年度の目標74,767人に対し実績は63,430人で、達成率は84.8%、最終目標(80,202人)に対する進捗率は、79.1%だった。 ○ 相談支援事業の累計利用者数(障害児相談支援)は、令和4年度の目標32,043人に対し実績は37,111人で、達成率は115.8%、最終目標(34,372人)に対する進捗率は、108.0%だった。 把握すべき状況B 地域生活移行支援の充実 成果目標 地域生活移行者数(人) 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H30、/、79、/ R1、-、131、- R2、470、176、37.4% R3、-、56、- R4、-、94、- R5、436、、 (主な取組による成果) ○ 障害者の地域生活の維持・継続を図るとともに、地域移行を促進するため、重度障害者にも対応する日中活動の場の新規整備に対する経費を補助した。【整備数1施設】  ○ 長期入院中の精神障害者の円滑な地域移行及び地域定着を支援するため、関係機関との連携、ピアサポートを活用した病院訪問による普及啓発活動等を行い、地域における受入の体制を図った。【ピア登録者数:52名】 (16ページ) (成果目標の状況) ○ 地域生活移行者数は、令和5年度の最終目標436人に対し、令和4年度までの実績(累計)は94人で、最終目標に対する進捗率は21.6%だった。 把握すべき状況C グループホームの整備促進等 成果目標 県内のグループホームサービスの利用人数(人) 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H30、/、8,748、/ R1、9,296、9,442、101.5% R2、9,806、10,538、107.4% R3、10,325、11,17、 108.2% R4、10,872、12,140、111.7% R5、11,448、、 成果目標 強度行動障害支援者養成研修(基礎研修)の累計修了者数(人) 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H30、/、2,553、/ R1、3,291、3,291、100% R2、4,021、3,594、89.3% R3、4,751、4,059、85.4% R4、5,481、4,751、86.7% R5、6,211、、 成果目標 強度行動障害支援者養成研修(実践研修)の累計修了者数(人) 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H30、/、883、/ R1、973、1,083、111.3% R2、1,173、1,128、96.1% R3、1,373、1,269、92.4% R4、1,573、1,416、90.0% R5、1,773、、 主な取組による成果 ○グループホームの設置・運営を考えている法人等に設置・運営方法の助言等を実施した。 ・共同生活住居数【335所(平成27年度比+177所)】 ・定員数【4,442人(平成27年度比+2,565人)】○グループホームの職員に対する研修等を実施 ・グループホーム開設説明会開催【5回、延べ参加人数69名】 ・グループホーム職員研修開催【9回、延べ参加人数234名】 ・電話、メール等による個別相談【53件】  ○強度行動障害を有する者に対して適切な支援を行う職員を育成 ・基礎研修【14回、692名受講修了】 ・実践研修【4回、147名受講終了】 (成果目標の状況) ○ 県内のグループホームサービスの利用人数は、令和4年度の目標10,872人に対し実績は12,140人で、達成率は111.7%、最終目標(11,448人)に対する進捗率は、106%だった。 ○ 強度行動障害支援者養成研修(基礎研修)の累計修了者数は、令和4年度の目標5,481人に対し実績は4,751人で、達成率は86.7%、最終目標(6,211人)に対する進捗率は、76.5%だった。 ○ 強度行動障害支援者養成研修(実践研修)の累計修了者数は、令和4年度の目標1,573人に対し実績は1,416人で、達成率は90.0%、最終目標(1,773人)に対する進捗率は79.9%だった。 (17ページ) <その他の取組による成果> 意思決定支援の推進 ○ 津久井やまゆり園再生基本構想に基づき、津久井やまゆり園利用者の意思決定支援に必要な体制を整備した。【意思決定支援チームメンバー等を対象にした専門家による研修:3回、社会体験支援事業55回他】  相談支援体制の構築 ○ 神奈川県発達障害支援センター(かながわA)では、当事者や家族からの相談への対応のほか、研修等を行った。【新規相談件数:1,230件、一般・家族向け研修:1回】  ○ 視覚と聴覚の両方に障害がある盲ろう者の自立と社会参加を推進するため、盲ろう者支援センターを開設し、相談窓口を設置した。【相談件数:910件】  ○ 盲ろう者の自立と社会参加を促進するため、コミュニケーション支援及び移動時等の介助を行う盲ろう者向け通訳・介助員を養成し、派遣した。【盲ろう者通訳・介助員派遣件数:2,460件、盲ろう者通訳・介助員養成研修の実施:修了者20人、盲ろう者通訳・介助員新規登録:14人】  2 一次評価 <点検・評価の結果> 遅れている (評価の理由) ○ 成果目標については、10項目中2項目で、令和4年度の目標を達成した。 ○ 本分野では意思決定支援の推進、相談支援体制の構築、地域生活移行の支援に取り組むこととしている。 ○ 意思決定支援の推進については、関連する成果目標である「意思決定支援出前講座の実施状況」は、新型コロナウイルス感染症の影響により、令和元年度の目標43施設に対し41施設(95%)と、目標(100%)を達成できなかったが、令和3年度以降は出前講座という形でなく、専門家の派遣を障害者支援施設の13箇所に実施するほか、意思決定支援ガイドライン研修等を実施するなど、取組を推進している。 ○ 相談支援体制の構築については、関連する成果目標5項目のうち4項目で、令和4年度の目標を達成できなかった。 ○ 相談支援従事者相談支援従事者初任者研修等は概ね順調に実施しているものの、令和4年度に実施した研修後の就労状況調査では、相談支援従事者初任者研修修了後、実際に相談支援の業務に携わっている割合は37%で、そのうちの約6割が「他の業務に従事しているため」と回答し、約2割が「事業所が未開設だったため」という回答であり、目標達成に向けた別のアプローチが必要であることが明確になっている。 ○ 地域生活移行の支援については、関連する成果目標である「地域生活移行者数」が、令和5年度の最終目標436人に対し、令和4年度までの実績(累計)は94人と、最終目標に対する進捗率が21.6%であり、目標の達成が厳しい見通しである。 (18ページ) ○ 地域生活移行支援の充実に向けては、障害福祉サービス等の基盤整備に取り組むとともに、グループホームの開設を検討している法人等への助言や整備・運営の補助など、設置・利用の促進に取り組んでいるが、実績値が示すとおり課題が多い。 ○ これらを総合的に判断し、令和4年度については「遅れている」と評価した。 <今後の課題と対応> 意思決定支援の推進 ○ 県版ガイドラインを県内の全障害者支援施設に配布し、併せて意思決定支援実践研修事業費補助事業を活用する障害者支援施設等に対して意思決定支援専門アドバイザーを派遣すること等により、意思決定支援の取組みを普及・定着させていく。  相談支援体制の構築 ○ 相談支援従事者が不足している課題があるため、相談支援従事者の養成・確保、質の向上に向けた各種研修会等を引き続き実施していくことに加え、「相談支援事業所開設促進セミナー」の開催と「サポートデスク」の設置を実施することで、相談支援事業所への就職促進とセルフプラン率の改善を目指していく。 地域生活移行支援の充実 ○ 日中活動や住まいの場などの社会資源の整備のほか、障害者支援施設における地域生活移行を担う人材の養成や、障害者支援施設から重度障がい者等を受け入れたグループホームへの人件費の補助、地域生活移行をテーマとした民間法人からの提案事業への補助など、本人の望む暮らしを実現する地域生活移行を促進する取組み実施していく。 ○ 在宅での支援を望む精神障害者に対応できる専門知識を持ったホームヘルパーを増加させていくことが必要であるため、周知の方法について工夫をし、ホームヘルパーが参加しやすい研修の実施方法等を企画委員会を中心に検討していく。 〇 在宅及び居住系サービス事業所における支援者について、その支援力向上のための研修を充実するとともに、効果的な実施方法を検討していく。 ○ 県独自に研修を実施し、かながわ地域生活移行スペシャリストを養成するほか、この人材を配置した障害者支援施設への配置加算を行う。また、かながわ地域生活移行スペシャリストの中から障害保健福祉圏域を対象に地域生活移行を推進する者としてかながわ地域生活移行エキスパートを位置づけ、地域全体の地域生活移行を推進していく。 (19ページ) 3 最終評価 <最終評価> 遅れている (評価の理由) ○ 成果目標については、10項目中2項目で、令和4年度の目標を達成した。 ○ 本分野では意思決定支援の推進、相談支援体制の構築、地域生活移行の支援に取り組むこととしている。 ○ 意思決定支援の推進については、関連する成果目標である「意思決定支援出前講座の実施状況」は、新型コロナウイルス感染症の影響により、令和元年度の目標43施設に対し41施設(95%)と、目標(100%)を達成できなかったが、令和3年度以降は出前講座という形でなく、専門家の派遣を障害者支援施設の13箇所に実施するほか、意思決定支援ガイドライン研修等を実施するなど、取組を推進している。 ○ 相談支援体制の構築については、関連する成果目標5項目のうち4項目で、令和4年度の目標を達成できなかった。 ○ 相談支援従事者相談支援従事者初任者研修等は概ね順調に実施しているものの、令和4年度に実施した研修後の就労状況調査では、相談支援従事者初任者研修修了後、実際に相談支援の業務に携わっている割合は37%で、そのうちの約6割が「他の業務に従事しているため」と回答し、約2割が「事業所が未開設だったため」という回答であり、目標達成に向けた別のアプローチが必要であることが明確になっている。 ○ 地域生活移行の支援については、関連する成果目標である「地域生活移行者数」が、令和5年度の最終目標436人に対し、令和4年度までの実績(累計)は94人と、最終目標に対する進捗率が21.6%であり、目標の達成が厳しい見通しである。   以上