(7ページ) かながわ障害者計画 点検評価シート 1すべての人のいのちを大切にする取組み (2)ともに生きる社会を支える人づくり ―基本的な考え方― 「ひとりひとりを大切にする」という基本理念のもと、ともに生きる社会の実現に向け、個々の障害特性等に配慮し、障害者に寄り添った支援を提供できる福祉、保健、医療分野の人材の確保と育成などに取り組みます。 1 取組実績 <成果目標の達成状況> 把握すべき状況@ 障害福祉サービス従事者の確保・育成 成果目標 相談支援従事者研修の累計修了者数(人) 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H30、/、7,977 、/ R1、8,991、8,818、98.0% R2、10,011、9,320、93.1% R3、11,031、9,908、89.8% R4、12,051、10,066、88.5% R5、13,071、、 主な取組による成果 ○相談支援専門員の増員や専門性の向上を図るため、各種の相談支援従事者養成研修を実施した。 ・初任者研修【修了者数:330人】 ・現任研修【修了者数:355人】 ・主任相談支援専門員養成研修【修了者数:36人】 (成果目標の状況) ○ 相談支援従事者研修の累計修了者数は、令和4年度の目標12,051人に対し10,666人で、達成率は88.5%、最終目標(13,071人)に対する進捗率は、81.6%だった。 ○ コロナ過においても、研修のカリキュラム上、対面での開催が必須であることが国から示されており、蔓延防止の観点から、1回の受講人数を減らさざるを得なかった。 実施回数を年間2回から3回に増やす等、できるだけ多くの方が受講できるよう工夫し、開催してきたが、計画通りの受講者数を受け入れることが困難であった。 成果目標 サービス管理責任者研修の修了者数及び児童発達支援管理責任者研修の修了者数(人) 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H30、/、1,689 、/ R1、2,000、2,205、110.2% R2、2,000、1,044、52.2% R3、2,000、3,621、181.0% R4、2,000、3,409、170.4% R5、2,000、、 主な取組による成果 ○指定障害福祉サービス事業所等に係る人材の育成と質の向上を図るため、令和元年度から段階的な研修体系、現任者研修を導入した。 ・基礎研修【修了者数1,314人】 ・実践研修【修了者数563人】 ・更新研修【修了者数1,294人】 ・意思決定支援研修【修了者数238人】 (8ページ) (成果目標の状況) ○ サービス管理責任者研修の修了者数及び児童発達支援管理責任者研修の修了者数は、令和4年度の目標2,000人に対し3,408人で、達成率は170.4%だった。 成果目標 障害者虐待防止・権利擁護研修の累計修了者数(再掲)(人) 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H30、/、568 、/ R1、677、674、99.5% R2、777、882、113.5% R3、877、1,008、114.9% R4、977、1,130、115.6% R5、1,077、、 主な取組による成果 ○障害者虐待防止・権利擁護研修を実施した。 ・市町村担当職員コース【修了者27人】 ・設置者・管理者コース【修了者47人】 ・虐待防止マネジャーコース【修了者48人】 (成果目標の状況) ○ 障害者虐待防止・権利擁護研修の累計修了者数は、令和4年度の目標977人に対し1,130人で、達成率は115.6%、最終目標(1,077人)に対する進捗率は、104.9%だった。 障害者グループホームサポートセンター事業における職員研修の累計修了者数(人) 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H30、/、1,476、/ R1、2,026、1,827、90.1% R2、2,376、2,043、85.9% R3、2,726、2,225、81.6% R4、3,076、2,459、79.9% R5、3,426、、 主な取組による成果 グループホームの職員を対象とする研修等を実施した。 ・グループホーム開設説明会 【5回、延べ参加人数69名】 ・グループホーム職員研修 【9回、延べ参加人数234名】 ・電話、メール等による個別相談【53件】 (成果目標の状況) ○ 障害者グループホームサポートセンター事業における職員研修の累計修了者数は、令和4年度の目標3,076人に対し2,459人で、達成率は79.9%、最終目標(3,426人)に対する進捗率は、71.7%だった。 なお、令和4年度単年度では、目標250人対し234人で、達成率93.6%となっているが、過年度の新型コロナウイルス感染症の感染拡大等の影響により、累計者数の目標値を下回る達成率となった。 把握すべき状況A 発達障害児者への支援者育成 成果目標 発達障害児者のためのペアレントトレーニング普及研修の実施自治体数(自治体) 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H30、/、2、/ R1、10、6、60.0% R2、15、9、60.0% R3、22、10、45.4% R4、25、11、44.0% R5、30、、 主な取組による成果 ○神奈川県発達障害支援センターにおいて、地域の支援機関に対し、ペアレントトレーニング普及研修を実施した。【12回、参加者198名】 (9ページ) (成果目標の状況) ○ 発達障害児者のためのペアレントトレーニング普及研修の実施自治体数は、令和4年度の目標25自治体に対し11自治体で、達成率は44.0%、最終目標(30自治体)に対する進捗率は、36.7%だった。 把握すべき状況B 医療的ケア児等への支援者育成 成果目標 医療的ケア児等コーディネーター養成研修の累計修了者数(人) 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H30、/、11 、/ R1、20、11、55.0% R2、30、32、106.6% R3、40、50、125.0% R4、50、64、128.0% R5、60、、 主な取組による成果 ○新たに14人が医療的ケア児等コーディネーター養成研修に参加した。 (成果目標の状況) ○ 令和4年度の累計修了者数は、令和4年度の目標50人に対し64人で、達成率は128.0%、最終目標(60人)に対する進捗率は106.6%だった。 把握すべき状況C 医療従事者の確保・育成 成果目標 重度重複障害者等支援看護師養成研修の累計修了者数(人)<看護師養成研修> 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H30、/、92 、/ R1、119、112、94.1% R2、139、133、95.6% R3、159、152、95.6% R4、179、173、96.6% R5、199、、 成果目標 重度重複障害者等支援看護師養成研修の累計修了者数(人)<普及啓発研修> 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H30、/、1,996、/ R1、2,604、2,260、86.7% R2、3,104、2,320、74.7% R3、3,604、2,790、77.0% R4、4,104、3,006、73.2% R5、4,604、、 主な取組による成果 ○障害者の医療環境等の充実を図るため、重症心身障害児者施設等の看護師に対する専門的研修を行うとともに、看護学生や看護師等を対象に、福祉現場における看護に関する普及啓発研修を実施した。 ・重度重複障害者等支援看護師養成研修【1回、修了者数:21人】 ・普及啓発研修【資格保有者向け2回、修了者数67人、学生向け149名】 (成果目標の状況) ○ 重度重複障害者等支援看護師養成研修<看護師養成研修>の累計修了者数は、令和4年度の目標179人に対し173人で、達成率は96.5%、最終目標(199人)に対する進捗率は86.9%だった。 受講定員数を満たしていても業務の都合等で欠席講義があると、修了要件を満たさず、修了者とならないため、達成率が低くなっている。 (10ページ) ○ 重度重複障害者等支援看護師養成研修<普及啓発研修>の累計修了者数は、令和4年度の目標4,104人に対し3,006人で、達成率は73.2%、最終目標(4,604人)に対する進捗率は65.2%だった。   特に学生向けの研修においては学校の規模によって受講者人数に差が生じるため、達成率が低くなっている。 ○ 重度心身障害児者及び家族に対して、地域での生活を支える看護活動に必要な知識、技術の向上を図り、質の高い看護の提供を行える人材育成を行った。 <その他の取組による成果> 障害福祉サービス従事者の確保・育成 ○ 精神障害者に対する居宅介護のサービス提供体制を構築するため、精神障害者の特性を理解したホームヘルパーの養成研修及び現に精神障害者の居宅介護支援に従事しているホームヘルパーに対する質の維持・向上のための現任者研修を実施した。【養成研修4回、受講者:34名、現任者研修3回、受講者:27名】  ○ 強度行動障害を有する者に対して適切な支援を行う職員の育成を行う研修を実施した。【基礎研修14回、受講者:692名、実践研修4回、受講者:147名】  ○ かながわ福祉人材センターにおいて、福祉介護の仕事に関する無料職業紹介事業や就職相談会を実施した。【求人相談4,834件、求職相談8,672件、紹介数464件、就職者数314人、就職相談会参加者数713人】 ○ 福祉・介護職員における処遇改善加算の取得促進をはかるオンラインセミナーや個別相談を実施した。【オンラインセミナー:36事業所、個別相談:13事業所】 ○ 精神障害者の身近な相談相手となる相談員を育成するため、必要な知識や技術の習得のための研修を実施した。【家族相談員研修:3回、講習会受講者:73人、面接相談34件、電話相談106件、メール相談3件】 ○ グループホームの利用者支援等に係る個別相談を受けるための窓口を開設するとともに、県所管域の障害者グループホームを訪問し、運営上の困りごとや支援困難な利用者の支援ノウハウ等のコンサルテーションを実施した。【コンサルテーション巡回相談等18件】 発達障害児者への支援者育成 ○ 発達障害児者を支える市町村や相談支援事業所、学校などの関係機関の支援力を強化するため、「発達障害者地域支援マネージャー」を配置し、相談等に応じている。【地域巡回件数:372件、機関支援件数:206件】 医療従事者の確保・育成 ○ 長期入院中の精神障害者の円滑な地域移行及び地域定着支援を促すため、関係機関との連携、ピアサポートを活用した病院訪問による普及啓発等を行い、地域における受入体制を構築した。【ピア登録者数:52名】 ○ 同じ悩みを持つ本人同士や発達障害児者の家族に対するピアサポート等の支援を実施した。【ペアレントトレーニングをテーマにした支援者向け研修:1回、ペアレントトレーニングの普及研修:5自治体】 (11ページ) 2 一次評価 <点検・評価の結果> やや遅れている (評価の理由) ○ 成果目標については、8項目中3項目で、令和4年度の目標を達成した。 ○ 本分野では、障害者に寄り添った支援を提供できる福祉、保健、医療分野の人材の確保と育成などに取り組むこととしている。 ○ 福祉分野の人材の確保と育成については、関連する成果目標6項目のうち、令和4年度の目標を達成できたのは3項目だったが、「相談支援従事者研修の累計修了者数」については、目標には達しないものの、達成率は88.5%であり、研修の内容も新型コロナウイルス感染症予防策として定員を減らし小規模分散型で演習を行うことにより、演習効果が高まるなど、人材の質の向上は図られている。 ○ 「障害者グループホームサポートセンター事業における職員研修の累計修了者数」については、令和4年度の目標を達成していないが、共同生活住居数及び定員数は増加していることから、取組による一定の効果が見込まれる。 ○ 保健、医療分野の人材の確保と育成については、関連する成果目標2項目でいずれも令和4年度の目標を達成していないが、重度重複障害者等支援看護師養成研修の研修満足度は98%と高く評価されており、重症心身障害児者の看護への興味を高めることができた。 ○ これらを総合的に判断し、令和4年度については「やや遅れている」と評価した。 <今後の課題と対応> 障害福祉サービス従事者の確保・育成 ○ グループホームの設置を考える法人に対して、設置・運営の助言等を行うことで、共同生活住居数及び定員数が増加しているが、強度行動障害者等の重度障害者の受け入れが可能なグループホームが少ない。 グループホームを対象とした実態調査を行い、調査結果に基づいた指導、助言、研修を行い、サービスの質の向上を促進する。 発達障害児者への支援者育成 〇 令和4年度、神奈川県発達障害支援センター(かながわA)では、年間1,230件の相談に対応しており、発達障害に係る診断や学校生活、就職など、ライフステージに応じた様々な悩みを抱えている方が数多くいる。 ○ 支援の担い手を増やすため、市町村や相談支援事業所、保育園、学校、就労支援事業所などの関係機関に対して、実践的な支援技術や知識を獲得できる研修や助言を実施する。 医療的ケア児等への支援者育成 ○ 医療的ケアに対しての認識、必要性が高まり、重度重複障害者等支援看護師養成研修への応募人数も増加している。 講義演習を通して緊急時の対応を学習するだけでなく、いかに備えるかという予防の側面にまで学習が及んでおり、更に応募が増えるようであれば受講者定員などについても調整していく必要がある。 (12ページ) 医療従事者の確保・育成 ○ 訪問看護管理者研修、新任訪問看護師育成事業については、定員に満たない研修もあるが、訪問看護ステーションや訪問看護職員を増加していくためには、看護職員が継続して就業できる、教育体制を含めた職場環境の整備と安定的なステーション運営が必要なため、今後も研修を実施し参加を呼び掛けていく。 3 最終評価 <最終評価> やや遅れている (評価の理由) ○ 成果目標については、8項目中3項目で、令和4年度の目標を達成した。 ○ 本分野では、障害者に寄り添った支援を提供できる福祉、保健、医療分野の人材の確保と育成などに取り組むこととしている。 ○ 福祉分野の人材の確保と育成については、関連する成果目標6項目のうち、令和4年度の目標を達成できたのは3項目だったが、「相談支援従事者研修の累計修了者数」については、目標には達しないものの、達成率は88.5%であり、研修の内容も新型コロナウイルス感染症予防策として定員を減らし小規模分散型で演習を行うことにより、演習効果が高まるなど、人材の質の向上は図られている。 ○ 「障害者グループホームサポートセンター事業における職員研修の累計修了者数」については、令和4年度の目標を達成していないが、共同生活住居数及び定員数は増加していることから、取組による一定の効果が見込まれる。 ○ 保健、医療分野の人材の確保と育成については、関連する成果目標2項目でいずれも令和4年度の目標を達成していないが、重度重複障害者等支援看護師養成研修の研修満足度は98%と高く評価されており、重症心身障害児者の看護への興味を高めることができた。 ○ 障害者の寄り添った支援を提供するための取組である、グループホームを訪問し、運営上の困りごとや支援困難な利用者の支援ノウハウ等のコンサルテーションの実施については、オンラインでのコンサルテーションも実施することで、訪問実施が困難な事業所にも対応するなどした結果、18件の実績があり、利用者支援の質の向上や安定した運営につなげている。一方で、コンサルテーションを希望しないが、課題があるような事業所を把握し、働きかけていくことについての検討と対応が必要であり、圏域単位などの顔の見える範囲でグループホームを把握していける役割を配置していくことが必要である。 ○ これらを総合的に判断し、令和4年度については「やや遅れている」と評価した。   以上