かながわ障がい者計画 点検評価シート 3障がい者の社会参加を妨げるあらゆる壁、いかなる偏見や差別も排除する取組み (1)社会参加への環境づくり ―基本的な考え方― 障害者権利条約では、「障がい」は、主に、障がい者の活動を制限し、社会への参加を制約している社会的障壁によって作られているというとらえ方をしています。そこで、社会的障壁の排除を進めるため、障がい者に配慮したまちづくり、障がい特性に応じた意思疎通支援、防災・防犯対策等の推進、行政機関等における配慮の充実等により、ハード、ソフト両面にわたるバリアフリー化に取り組みます。 1 取組実績 <成果目標の達成状況> 把握すべき状況@ グループホームの整備 成果目標 県内のグループホームサービスの利用人数(再掲)(人) 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H30、、8,748、 R1、9,296、9,442、101.5% R2、9,806、10,538、107.46% R3、10,325、11,174、108.22% R4、10,872、、 R5、11,448、、 主な取組による成果 ○グループホームの設置・運営を考えている法人等に設置・運営方法の助言等を実施した。 ・グループホーム開設説明会(5回、延べ参加人数141名) ・グループホーム職員研修(5回、延べ参加人数182名) (成果目標の状況) ○ 県内のグループホームサービスの利用人数は、令和3年度の目標10,325人に対し実績は11,174人で、達成率は108.2%、最終目標(11,448人)に対する進捗率は、97.6%だった。 ページ30 把握すべき状況A 主要道路の信号機の整備等 成果目標 視覚障害者用付加装置等の整備状況(箇所) 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H30、、15 、 R1、1、16、1,600% R2、1、20、2,000% R3、1、21、2,100% R4、1、、 R5、1、、 主な取組による成果 ○バリアフリー法に基づき、市町村が定める重点整備地区内の主要な生活関連経路等において、高齢者、障がい者等の道路横断時の安全確保に資するバリアフリー対応型信号機について、必要な整備を実施した。 (成果目標の状況) ○視覚障害者用付加装置等の整備状況は、令和3年度の目標1か所以上に対し、実績は21箇所で、達成率は2,100%だった。 把握すべき状況B ライトセンターにおける取組み 成果目標 ライトセンターの蔵書数(点字図書、録音図書及び拡大図書)(冊) 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H30、33,713、、 R1、34,521、34,482、99.8% R2、35,201、35,094、99.7% R3、35,741、35,665、99.7% R4、36,281、、 R5、36,821、、 主な取組による成果 【製作】 点字、デイジー、拡大の順に記載 タイトル、424、204、3 巻、1,780、454、8 【貸出】 点字、デイジー、拡大の順に記載 タイトル、1,616、36,363、244 巻、6,496、38,101、1,807 (成果目標の状況) ○ ライトセンターの蔵書数(点字図書、録音図書及び拡大図書)が、令和3年度の目標35,741冊に対し実績は35,665冊で、達成率は99.7%、最終目標(36,821冊)に対する進捗率は、96.8%だった。 把握すべき状況C 手話の普及 成果目標 手話講習会の実施事業所数の累計(事業所) 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H30、、133、 R1、150、173、115.3% R2、180、179、99.4% R3、210、191、90.9% R4、240、、 R5、270、、 主な取組による成果 ○手話学習用冊子及び手話推進計画リーフレットを配布した。 ○事業者による手話講習会を実施した。【受講者:331人】 ○市町村と連携した県民向け手話講習会を開催した。【4回、3市町】 (成果目標の状況) ○ 手話講習会の実施事業所数の累計は、令和3年度の目標210事務所に対し実績は191事務所で、達成率は90.9%、最終目標(270事務所)に対する進捗率は、70.7%だった。 ページ31 把握すべき状況D ウェブアクセシビリティの向上 成果目標 公的機関のウェブサイトの情報アクセシビリティに関するJIS規格への準拠率(%) 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H30、、93、 R1、96、98.4、102.5% R2、98、97.4、99.3% R3、100、97.4、97.4% R4、-、、 R5、-、、 主な取組による成果 ○県公式ウェブサイト及び外部サイトのJIS規格に基づく試験及び全ページ一括検証を実施した。【2回】 ○動画配信による研修を実施した。 ○音声読上げソフトウエアを貸与した。 (成果目標の状況) ○ 公的機関のウェブサイトの情報アクセシビリティに関するJIS規格への準拠率が、令和3年度の目標100%に対し実績は97.4%で、達成率は97.4%だった。 把握すべき状況E 消費者教育の推進 成果目標 障がい者及び障がい者を見守る人向けの講座等の開催数(回) 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H30、、4 、 R1、6、3、50.0% R2、12、0、0% R3、18、6、33.3% R4、24、、 R5、30、、 主な取組による成果 ○消費生活に関する情報や、悪質商法などの消費者被害に遭わないポイントを伝える出前講座に講師を派遣した。【派遣:6回、受講者:205人】 (成果目標の状況) ○ 障がい者及び障がい者を見守る人向けの講座等の開催数は、令和3年度の目標18回に対し実績は6回で、達成率は33.3%、最終目標(30回)に対する進捗率は、20.0%だった。 把握すべき状況F 県における合理的配慮の徹底 成果目標 県職員に対する研修の受講者数(人) 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H30、、1,379、 R1、1,224、1,325、108.2% R2、1,248、937、75.0% R3、1,272、1,042、81.9% R4、1,296、、 R5、1,320、、 主な取組による成果 ○県職員を対象とした研修を実施した。 ・新採用職員研修【413名】 ・新任管理職研修【72名】 ・人権男女主任者研修【557名】 ページ32 (成果目標の状況) ○ 県職員に対する研修の受講者数が、令和3年度の目標1,272人に対し実績は1,042人で、達成率は81.9%、最終目標(1,320人)に対する進捗率は、78.9%だった。 ※ 計画策定時、目標値の設定にあたり参考とした実績値は平成29年度の1,200人であったが、令和元年度の実績が既に最終目標を超えている。 <その他の取組による成果> 安全・安心な生活環境の整備 ○ 外出する機会の少ない障がい者に対して社会見学やレクリエーションを団体で行うための移動支援として、福祉バス(車いすリフト付きバス)を運行し、障がい者間等の交流と社会参加推進を図った。【年間運行日数:30日、年間運行回数:30回】 ○ 外見から分かりにくい内部障がい等、援助や配慮を必要としている方が援助を得やすくなるよう、ヘルプマーク及び啓発ポスター等を作成し、普及啓発を実施した。【ヘルプマーク配布数:29,200個】 情報アクセシビリティの向上及び意思疎通支援の充実 ○ 令和3年7月から法令に基づくサービスとしての提供が開始されたことから、県のホームページによる周知の他、県のたよりによる周知や、各種関係機関・団体等への周知など、広く電話リレーサービスの周知を行った。 ○ 盲ろう者通訳・介助員を派遣し、盲ろう者の自立した日常生活又は社会生活を支援した。【派遣件数:2,123件】 ○ 盲ろう者通訳・介助員を養成し、支援の充実を図った。【盲ろう者通訳・介助員養成研修の実施:修了者17人、盲ろう者通訳・介助員新規登録:16人】 暮らしの安全と安心 ○ 大規模災害発生時に、避難所等に高齢者や障がい者等への福祉的支援を行う介護職員等を派遣するため、支援を行う団体間の連携強化や人材育成を行った。【連絡会開催:3回、研修開催:5回延べ340人】 ○ 言語・聴覚に障がいのある方が事件や事故等を目撃したり被害に遭った場合に、スマートフォンなどから事案内容を通報できるよう、通信指令室に「110番アプリシステム」を開設し、急訴事案に対応した。【受理258件(うち障がい者28件)】 行政等における配慮の充実 ○ ろう者とろう者以外の者のコミュニケーション支援の充実を図るため、県の出先機関等に二次元バーコード(QRコード)を配布し、タブレット型端末等によるテレビ電話機能を活用した手話通訳サービスを提供した。 また、新型コロナウイルス感染症に感染または、感染の疑いのあるろう者が医療機関等を受診等する際に、二次元バーコード(QRコード)を活用し、タブレット型端末等によるテレビ電話機能を活用した手話通訳サービスを提供した。 ページ33 2 一次評価 <点検・評価の結果>概ね順調に推移している (評価の理由) ○ 成果目標については、7項目中2項目で、令和3年度の目標を達成し、達成率が90%以上が3項目だった。 ○ 本分野では、障がい者に配慮したまちづくり、障がい特性に応じた意思疎通支援、防災・防犯対策等の推進、行政機関等における配慮の充実等に取り組むこととしている。 ○ 障がい者に配慮したまちづくりについては、関連する成果目標である「視覚障害者用付加装置等の整備状況」及び「県内のグループホームサービスの利用人数」が令和3年度の目標を達成している。 ○ 障がい特性に応じた意思疎通支援については、関連する成果目標である「ライトセンターの蔵書数(点字図書、録音図書及び拡大図書)」が令和3年度の目標を達成しなかったものの、達成率は99.7%となっている。 ○ 防災・防犯対策等の推進については、令和2年度に神奈川県災害派遣福祉チーム(神奈川DWAT)を設置し、基礎研修、神奈川DWAT登録研修やステップアップ研修を体系的に実施することができた。 ○ これらを総合的に判断し、令和3年度については「概ね順調に推移している」と評価した。 <今後の課題と対応> 安全・安心な生活環境の整備 ○ 障がい者等の住宅確保要配慮者の居住支援にあっては、不動産店や居住支援団体等との連携や、住宅確保要配慮者と接している市町村職員による支援が不可欠であるため、継続して「住まいに関する横断的な知識」の習得の場を設け、居住支援活動をとりまく周辺環境整備を図る必要がある。 ○ 精神障がい者の社会参加促進のため、バス運賃割引の導入について県バス協会へ要請しているが、実現に至っていない。引き続き要請を行うとともに、国に対しても、関係機関に働きかけるよう要望していく。 情報アクセシビリティの向上及び意思疎通支援の充実 ○ 盲ろう者の自立と社会参加を促進するため、コミュニケーション支援及び移動時等の介助を行う盲ろう者向け通訳・介助員を養成し、派遣しているが、利用登録者が増えていないため、市町村等を通して周知をしていく。また、新たに通訳・介助員となった者のスキルアップが必要であるため、現任研修の充実、新人通訳・介助員のフォローをしていく。 ○ 障がい者向けの配慮や割引などの優待サービスを行っている施設を「かながわ障がい者社会参加サポーター」として登録し、「かながわ障がい者社会参加サポートサイト」に掲載して情報の一元化を図っているが、登録件数が少ないため、引き続き県内の事業所や施設に協力を呼びかけていく。 暮らしの安全と安心 ○ かながわ災害福祉広域支援ネットワークにおける取組について、福祉関係団体等との連携を継続し、新型コロナウイルス感染症拡大状況を考慮しつつ、訓練を重ね、保健医療チームとの連携体制づくりを進めていく必要がある。 ページ34 行政等における配慮の充実 ○ 階層にかかわらず県職員の障がい理解を促進していくため、オンラインも活用しながら研修等の拡充を図っ ていく。 3 最終評価 <最終評価> 概ね順調に推移している (評価の理由) ○ 成果目標については、7項目中2項目で、令和3年度の目標を達成し、達成率が 90%以上が3項目だった。 ○ 本分野では、障がい者に配慮したまちづくり、障がい特性に応じた意思疎通支援、防災・防犯対策等の推進、行政機関等における配慮の充実等に取り組むこととしている。 ○ 障がい者に配慮したまちづくりについては、関連する成果目標である「視覚障害者用付加装置等の整備状況」及び「 県内のグループホームサービスの利用人数 」が令和3年度の目標を達成している。 ○ 障がい特性に応じた意思疎通支援については、関連する成果目標である「 ライトセンターの蔵書数(点字図書、録音図書及び拡大図書)」が令和3年度の目標を達成しなかったものの 、達成率は 99.7%となっている。 ○ 防災・防犯対策等の推進については、令和2年度に神奈川県災害派遣福祉チーム(神奈川DWAT)を設置し、基礎研修、神奈川DWAT登録研修やステップアップ研修を体系的に実施することができた。 ○ これらを総合的に判断し、令和3年度については「概ね順調に推移している」と評価した。