ページ11 かながわ障がい者計画 点検評価シート 2 誰もがその人らしく暮らすことのできる地域社会を実現する取組み (1)意思決定支援の推進と地域生活移行の支援 ―基本的な考え方― 2017(平成29)年10月に策定した「津久井やまゆり園再生基本構想」に掲げている「利用者の意思決定支援」や「地域生活移行支援」等の再生に向けた取組みを県全体に広げていきます。 意思決定支援については、2017(平成29)年3月に厚生労働省が作成した「障害福祉サービス等の提供に係る意思決定支援ガイドライン」を参考に、現在、津久井やまゆり園利用者の意思決定支援に取り組んでおり、今後は、こうした取組みを全県に広めていくために、相談支援体制の構築や意思決定支援ガイドラインの普及を図ります。 また、地域生活移行支援については、重度の障がい者であっても、家族関係を含めた障がい者本人の環境や、これまでの生活史を手がかりとした、本人の意思決定を尊重し、多様な地域生活の場を選択できる社会資源の整備に取り組みます。 1 取組実績 <成果目標の達成状況> 把握すべき状況@ 意思決定支援の推進 成果目標 意思決定支援出前講座の実施状況(施設) 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H30、、21、 R1、43、41、95.3% R2、-、-、- R3、-、-、- R4、-、、 R5、-、、 主な取組による成果 ○令和元年度は障害者支援施設22施設のうち20施設で実施 (成果目標の状況) ○ 平成30年度から令和元年度の2年間で、政令市を除く県所管域にある障害者支援施設と県立施設(津久井やまゆり園を除く)計43施設に対し、意思決定支援の基本的な考え方を学ぶ「意思決定支援出前講座」を実施した。新型コロナウイルス感染症の影響により、令和元年度末に予定していた2施設は実施できず、令和元年度の目標43施設に対し、実績は41施設で、達成率は95.3%だった。 〇 令和3年度では、出前講座という形でなく、専門家の派遣を障害者支援施設の8箇所実施し、意思決定支援ガイドライン研修を256人が受講し、法定研修を870人が修了するなどの取組みを行った。 ページ12 把握すべき状況A 相談支援体制の整備 成果目標 相談支援従事者の累計数(人) 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H30、、1,365、 R1、1,418、1,486、104.7% R2、1,548、1,514、97.8% R3、1,678、1,551、92.4% R4、1,808、、 R5、1,938、、 主な取組による成果 ○相談支援従事者養成研修(初任者・現任)を実施 ・初任者研修【4回、修了者数:288人】 ・現任研修【5回、修了者数:300人】 (成果目標の状況) ○ 相談支援従事者の累計数は、令和3年度の目標1,678人に対し実績は1,551人で、達成率は92.4%、最終目標(1,938名)に対する進捗率は80.0%だった。 成果目標相談支援専門員による障がいサービス等利用計画等作成率(%)<障がい者> 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H30、、56.3、 R1、57.1、57.4、100.5% R2、59.4、59.7、100.5% R3、61.4、59.8、97.3% R4、63.4、、 R5、65.4、、 相談支援専門員による障がいサービス等利用計画等作成率(%)<障がい児> 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H30、、48.1、 R1、49.8、43.7、87.7% R2、51.8、42.5、82.0% R3、53.8、39.4、73.2% R4、55.8、、 R5、57.8、、 主な取組による成果 ○相談支援従事者養成研修(初任者・現任)を実施 ・初任者研修【4回、修了者数:288人】 ・現任研修【5回、修了者数:300人】 (成果目標の状況) ○ 相談支援専門員による障がいサービス等利用計画等作成率のうち、<障がい者>は、令和3年度の目標61.4%に対し実績は59.8%で、達成率は97.3%、最終目標(65.4%)に対する進捗率は、91.4%だった。 また、<障がい児>は、令和3年度の目標53.8%に対し実績は39.4%で、達成率は73.2%、最終目標(57.8%)に対する進捗率は、68.1%だった。 ページ13 成果目標 相談支援事業の累計利用者数(計画相談支援)(人) 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H30、、56,330、 R1、60,269、59,915、99.4% R2、64,976、59,681、91.8% R3、69,699、61,503、88.2% R4、74,767、、 R5、80,202、、 相談支援事業の累計利用者数(障がい児相談支援)(人) 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H30、、24,557、 R1、25,959、27,671、106.5% R2、27,847、29,318、105.2% R3、29,871、33,458、112.0% R4、32,043、、 R5、34,372、、 主な取組による成果 ○相談支援従事者養成研修(初任者・現任)を実施 ・初任者研修【4回、修了者数:288人】 ・現任研修【5回、修了者数:300人】 (成果目標の状況) ○ 相談支援事業の累計利用者数(計画相談支援)は、令和3年度の目標69,699人に対し実績は61,503人で、達成率は88.2%、最終目標(80,202人)に対する進捗率は、76.6%だった。 ○ 相談支援事業の累計利用者数(障がい児相談支援)は、令和3年度の目標29,871人に対し実績は33,458人で、達成率は112.0%、最終目標(34,372人)に対する進捗率は、97.3%だった。 把握すべき状況B 地域生活移行支援の充実 成果目標 地域生活移行者数(人) 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H30、、79、 R1、-、131、- R2、470、176、37.4% R3、-、56、- R4、-、、 R5、436、、 (主な取組による成果) ○ 障がい者の地域生活の維持・継続を図るとともに、地域移行を促進するため、重度障がい者にも対応する日中活動及び住まいの場の新規整備に対する経費を補助した。【整備数3施設】 ○ 津久井やまゆり園利用者の受入れを目的として行う、グループホームの改修等の経費を補助した。【2件】 ○ 精神障がい者の身近な相談相手となる相談員を育成するため、必要な知識や技術の習得のための研修を実施した。【家族相談員研修・講習会各2回実施、面接相談37件、電話相談105件】 ○ 長期入院中の精神障がい者の円滑な地域移行及び地域定着を支援するため、関係機関との連携、ピアサポートを活用した病院訪問による普及啓発活動等を行い、地域における受入の体制を図った。【ピア登録者数:51名】 ページ14 (成果目標の状況) ○ 地域生活移行者数は、令和5年度の最終目標436人に対し、令和3年度の実績(累計)は56人で、最終目標に対する進捗率は12.8%だった。 把握すべき状況C グループホームの整備促進等 成果目標 県内のグループホームサービスの利用人数(人) 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H30、、8,748、 R1、9,296、9,442、101.5% R2、9,806、10,538、107.4% R3、10,325、11,174、 108.2% R4、10,872、、 R5、11,448、、 成果目標 強度行動障害支援者養成研修(基礎研修)の累計修了者数(人) 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H30、、2,553、 R1、3,291、3,291、100% R2、4,021、3,594、89.3% R3、4,751、4,059、85.4% R4、5,481、、 R5、6,211、、 成果目標 強度行動障害支援者養成研修(実践研修)の累計修了者数(人) 年度、目標値、実績値、達成率の順に記載 H30、、883、 R1、973、1,083、111.3% R2、1,173、1,128、96.1% R3、1,373、1,269、92.4% R4、1,573、、 R5、1,773、、 主な取組による成果 ○グループホームの設置・運営を考えている法人等に設置・運営方法の助言等を実施した。 ・共同生活住居数【302所(平成27年度比+144所)】 ・定員数【3,854人(平成27年度比+1,957人)】 ○グループホームの職員に対する研修等を実施 ・グループホーム開設説明会開催【5回、延べ参加人数141名】 ・グループホーム職員研修開催【5回、延べ参加人数182名】 ・電話、メール等による個別相談【109件】 ○強度行動障がいを有する者に対して適切な支援を行う職員を育成 ・基礎研修【11回、465名受講修了】 ・実践研修【3回、141名受講終了】 (成果目標の状況) ○ 県内のグループホームサービスの利用人数は、令和3年度の目標10,325人に対し実績は11,174人で、達成率は108.2%、最終目標(11,448人)に対する進捗率は、97.6%だった。 ○ 強度行動障害支援者養成研修(基礎研修)の累計修了者数は、令和3年度の目標4,751人に対し実績は4,059人で、達成率は85.4%、最終目標(6,211人)に対する進捗率は、65.3%だった。 ○ 強度行動障害支援者養成研修(実践研修)の累計修了者数は、令和3年度の目標1,373人に対し実績は1,269人で、達成率は92.4%、最終目標(1,773人)に対する進捗率は71.5%だった。 ページ15 <その他の取組による成果> 意思決定支援の推進 ○ 津久井やまゆり園再生基本構想に基づき、津久井やまゆり園利用者の意思決定支援に必要な体制を整備した。【意思決定支援専門アドバイザー派遣:106人、意思決定支援チームメンバー等を対象にした専門家による研修:3回 他】 相談支援体制の構築 ○ 神奈川県発達障害支援センター(かながわA)では、当事者や家族からの相談への対応のほか、市町村や相談支援事業所など支援者向けの研修等を行った。【新規相談件数:1,396件、支援者向け研修:2回、一般・家族向け研修:15回】 ○ 視覚と聴覚の両方に障がいがある盲ろう者の自立と社会参加を推進するため、盲ろう者支援センターを開設し、相談窓口を設置した。【相談件数:718件】 ○ 盲ろう者の自立と社会参加を促進するため、コミュニケーション支援及び移動時等の介助を行う盲ろう者向け通訳・介助員を養成し、派遣した。【盲ろう者通訳・介助員派遣件数:2,123件、盲ろう者通訳・介助員養成研修の実施:修了者17人、盲ろう者通訳・介助員新規登録:16人】 2 一次評価 <点検・評価の結果> 遅れている (評価の理由) ○ 成果目標については、10項目中2項目で、令和3年度の目標を達成した。 ○ 本分野では意思決定支援の推進、相談支援体制の構築、地域生活移行の支援に取り組むこととしている。 ○ 意思決定支援の推進については、関連する成果目標である「意思決定支援出前講座の実施状況」は、新型コロナウイルス感染症の影響により、令和元年度の目標43施設に対し41施設(95%)と、目標(100%)を達成できなかったが、令和3年度以降は出前講座という形でなく、専門家の派遣を障害者支援施設の8箇所実施し、意思決定支援ガイドライン研修を256人が受講し、法定研修を870人が修了するなどの取組みを行った。 ○ 相談支援体制の構築については、関連する成果目標5項目すべて、令和3年度の目標を達成できなかった。 ○ 地域生活移行の支援については、関連する成果目標である「地域生活移行者数」が、令和5年度の最終目標436人に対し、令和3年度の実績(累計)は56人と、最終目標に対する進捗率が12.8%であり、目標の達成が厳しい見通しである。一方、グループホームの整備促進に関する成果目標は、3項目中1項目で令和3年度の目標を達成している。 ○ これらを総合的に判断し、令和3年度については「遅れている」と評価した。 ページ16 <今後の課題と対応> 意思決定支援の推進 ○ 障害者支援施設における意思決定支援の全県展開を開始し、県版ガイドラインの完成や研修、事例の共有などにより意思決定支援の取組みを普及・定着させていく。また、指定管理の意思決定支援担当との連携など、津久井やまゆり園利用者の意思決定支援を継続する必要がある。 相談支援体制の構築 〇 相談支援専門員による障がいサービス等利用計画等作成率が、障がい者は59.8%、障がい児は39.4%となっており、当事者の半数近くが相談支援専門員による計画作成の支援を受けられていない。今後、意思決定支援を進めていくためにも、相談支援専門員の人数を増やしていく必要がある。 ○ 相談支援専門員による相談支援体制を充実強化するため、相談支援ネットワーク形成事業にて引き続き行っていく。 地域生活移行支援の充実 ○ 新型コロナウイルス感染症の影響により、グループホーム等の体験などが不十分な状況の中でも、本人の望む暮らしを実現する地域移行を促進していく。 ○ 在宅での支援を望む精神障がい者に対応できる専門知識を持ったホームヘルパーを増加させていくことが必要であるため、周知の方法について工夫をし、ホームヘルパーが参加しやすい研修の実施方法等を企画委員会を中心に検討していく。 3 最終評価 <最終評価> 遅れている (評価の理由) ○成果目標については、10項目中2項目で、令和3年度の目標を達成した。 ○本分野では意思決定支援の推進、相談支援体制の構築、地域生活以降の支援に取り組むこととしている。 ○意思決定支援の推進については、関連する成果目標である「意思決定支援出前講座の実施状況」は、新型コロナウイルス感染症の影響により、令和元年度の目標43施設(95%)と、目標(100%)を達成できなかったが、令和3年度以降は出前講座という形でなく、専門家の派遣を障害者施設の8箇所実施し、意思決定支援ガイドライン研修を256人が受講し、法定研修を870人が終了するなどの取組みを行った。 ○相談支援体制の構築については、関連する成果目標5項目のうち4項目で、令和3年度の目標を達成できなかった。 ○地域生活移行の支援については、関連する成果目標である「地域生活移行者数」が、令和5年度の最終目標436人に対し、令和3年の実績(累計)56人と、最終目標に対する進捗率が12.8%であり、目標の達成が厳しい見通しである。一方、グループホームの整備促進に関する成果目標は3項目中1項目で令和3年度の目標を達成している。 ○強度行動障害支援養成研修を受講したグループホームの支援者は、直近3年間の平均値として、受講者全体の約20%を占めていて、研修修了者による支援実施の目安となる重度障害者支援加算を算定するグループホーム数も増加しており、令和3年度では、グループホーム全体の約18%となっている。行動障害ある人の生活支援の担い手増加につながっている。 ○これらを総合的に判断し、令和3年度については「遅れている」と評価した。