基地負担に対する国の財政的措置等の 抜本的見直しに関する要望(特別要望) 本県には14の米軍基地が所在し、在日米海軍司令部がある横須賀基地や米空母艦載機が本拠としている厚木基地、 さらには第一軍団(前方)・在日米陸軍司令部があるキャンプ座間など、在日米軍の枢要な施設が集中しています。 これらの米軍基地の多くは都市化が進んだ人口密集地域に位置しており、市民生活やまちづくりの大きな障害になっ ているとともに、事件・事故、騒音問題、環境問題等様々な負担が生じています。 本来、わが国の安全保障に係る負担は、国民全体で担うべきものですが、実際には本県基地関係市を初めとする一部自 治体及び周辺住民の負担の上に成り立っているのが現状です。その一方で、従来の交付金制度や基地周辺対策を柱と する負担軽減策は、基地が所在することによる負担に対し内容が十分でないことに加え、対象となる施設や目的、期 間が限られるなど、制度的な課題も数多くあります。加えて、もう一つの大きな課題は、基地返還後に地元自治体が 跡地利用をする場合の優遇策が十分でないことです。長年にわたり基地の負担を受け入れてきたことに鑑み、譲与、 無償貸与などの措置の適用拡大を図るべきと考えます。 こうしたことから、財政的措置を含む負担軽減策、及び地元自治体の跡地利用に対する優遇策の抜本的見直しに向け た検討を直ちに開始するよう強く要望いたします。また、見直しが行われるまでの間、既存の財政的措置が十分行わ れるよう要望いたします。 (抜本的見直しが行われるまでの間、十分な対応を求める財政的措置) 1 基地交付金、調整交付金について 地方税の代替措置である基地交付金については、対象資産に対する固定資産税相当額の交付を、また、調整交付金に ついては、米軍資産に対する固定資産税相当額及び地方税非課税等相当額の交付が実現できるよう、必要かつ十分な 予算を確保されること。 2 基地周辺対策経費について 基地周辺対策経費については、「防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律」の改正により、特定防衛施設周辺 整備調整交付金の使途を拡大することとされていますが、基地周辺自治体が過大な負担を担っていることを踏まえ、申 請事業の完全採択を実現するために十分な財政上の措置を講じるとともに、基地周辺自治体の実情に応じ、いっそう柔軟 な対応が可能となる施策とすること。 3 再編交付金の適切な運用及び新たな地域振興策の創設について 再編交付金の運用に当たっては関係自治体の要望と地元負担の実態に配慮して、十分な財政的措置を講じ、柔軟な対応を 行うこと。また、本県基地関係市が過大な基地負担を担っていることを踏まえ、再編関連特定市町村以外の自治体も含め た新たな財政的措置を創設するなど地元意向を十分反映した地域振興策に係る各種施策を検討・実施すること。 4 地方交付税について 普通交付税算定では基地補正が措置されていますが、不交付団体では交付に結びつかないため、基地負担に見合った需要額 の算出と交付がなされる制度とすること。また、特別交付税において、普通交付税では捕そくできない基地に対する需要を 災害と同様の項目で算定するなど、適切な算出と交付を検討・実施すること。 平成22年8月6日 総務大臣 原口 一博 殿 外務大臣 岡田 克也 殿 財務大臣 野田 佳彦 殿 防衛大臣 北澤 俊美 殿 神奈川県基地関係県市連絡協議会 会 長  神奈川県知事 松 沢 成 文 副会長  横浜市長   林   文 子 副会長  相模原市長  加 山 俊 夫 副会長  横須賀市長  吉 田 雄 人 藤沢市長  海老根 靖 典 逗子市長  平 井 竜 一 大和市長  大 木   哲 海老名市長 内 野   優 座間市長  遠 藤 三紀夫 綾瀬市長  笠 間 城治郎